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2022-04-09 22:39:46

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診療マル秘裏話  号外Vol.2135 令和3年6月7日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)抗PD-1抗体の甲状腺副作用の発症メカニズムを解明
2)学校会場の場合は教職員や学生の同時接種検討

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
1】 抗PD-1抗体の甲状腺副作用の発症メカニズムを解明

 
 
 
 
 
 
 名古屋大学は5月13日、免疫
チェックポイント阻害薬である
抗PD-1抗体による甲状腺副作用
の発症メカニズムをマウスで明
らかにしたと発表しました。こ
の研究は、同大医学部附属病院
糖尿病・内分泌内科の安田康紀
医員、岩間信太郎講師、同大医
学系研究科糖尿病・内分泌内科
学の有馬寛教授らの研究グルー
プと、同大医学系研究科分子細
胞免疫学の西川博嘉教授らの研
究グループとの共同研究グルー
プによるものです。研究成果は、
「Science Translational Medi
cine」に掲載されています。

 免疫チェックポイント阻害薬
は、ガンに対する免疫反応を高
めることで抗ガン作用を示すガ
ン免疫治療薬です。日本では悪
性黒色腫、肺ガン、腎ガン、頭
頸部ガン、ホジキンリンパ腫、
胃ガン、尿路上皮ガン、乳ガン
等で近年保険が適用され、使用
が拡大しています。

 一方、免疫反応の活性化が自
己の臓器で発生した際の副作用
「irAEs」 が問題となっていま
す。irAEs は肺、消化管、皮膚、
神経・筋、内分泌器官など、全
身のさまざまな部位で認められ
ます。このうち甲状腺の副作用
は約10%と頻度が高く、一過性
の甲状腺ホルモン上昇とその後
の低下を伴う破壊性甲状腺炎の
臨床像を呈しますが、その発症
機序は明らかにされていません
でした。

 研究グループは、甲状腺特異
的な蛋白質であるサイログロブ
リンをマウスに皮下投与し、2
か月半後に抗PD-1抗体を投与す
ることで、著明な炎症細胞浸潤
を伴う破壊性甲状腺炎を呈する
マウスモデルを確立しました。
同マウスモデルの頸部リンパ節
および甲状腺におけるPD-1とそ
のリガンドであるPD-L1 の発現
を解析した結果、PD-1は主にCD
4 陽性T細胞において発現が認
められました。

 抗PD-1抗体による破壊性甲状
腺炎発症時にマウスの頚部リン
パ節をフローサイトメトリーで
解析した結果、CD4 陽性のエフ
ェクターメモリーT細胞および
セントラルメモリーT細胞の増
加が認められました。このマウ
スにおいて、CD4 陽性T細胞は
サイログロブリンに特異的に反
応することおよび細胞傷害作用
を示す蛋白質「グランザイムB」
を発現することが示されました。

 次に、あらかじめCD4、CD8、
CD20陽性リンパ球をそれぞれ除
去した後に抗PD-1抗体を投与し
て、破壊性甲状腺炎の発症を解
析しました。その結果、CD4 陽
性T細胞を除去した場合に抗PD
-1抗体による破壊性甲状腺炎の
発症が完全に抑制され、CD8 陽
性T細胞の除去では破壊性甲状
腺炎の発症は部分的に抑制され
ました。さらに、抗PD-1抗体に
より破壊性甲状腺炎を発症した
マウスのリンパ節からCD4 陽性
T細胞を抽出して別のマウスへ
移植した結果、レシピエントマ
ウスの甲状腺濾胞構造の破壊が
認められました。また、抗PD-1
抗体による破壊性甲状腺炎発症
者6人と非発症者7人の血液中の
リンパ球をフローサイトメトリ
ーで解析した結果、発症者では
非発症者と比べ、細胞傷害性CD
4 陽性T細胞の割合の増加が認
められました。以上のことから、
サイログロブリンの免疫によっ
て生じたCD4 陽性メモリーT細
胞が抗PD-1抗体の投与により活
性化し、細胞傷害作用を示すこ
とで直接的に破壊性甲状腺炎の
発症に関与することが示されま
した。

 今回の研究により、抗PD-1抗
体による破壊性甲状腺炎の発症
には細胞傷害作用を示すCD4 陽
性T細胞が必須の役割を果たし
ていることが明らかになりまし
た。同結果は、現在広く使用さ
れている抗PD-1抗体による副作
用の機序の解明およびその予防
法の確立につながる成果と考え
られます。

 免疫チェックポイント阻害薬
は細胞傷害作用を有するCD8 陽
性T細胞の活性化を介して抗腫
瘍作用を発揮すると考えられて
いますが、irAEs のひとつであ
る破壊性甲状腺炎では、細胞傷
害性CD4 陽性T細胞が重要な役
割を果たしていることが示され
ました。「本研究成果はirAEs
の新たな治療法および予防法の
確立につながることが期待され
る」と、研究グループは述べて
います。

 免疫チェックポイント阻害剤

について解説している動画で

す。

 
 


 
 
 新たな治療法および予防法の
確立の確率を計算する。  笑

 
 
 
 
 
 
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2】 学校会場の場合は教職員や学生の同時接種検討

 
 
 
 
 
 
 萩生田光一文部科学相は、5
月14日の閣議後記者会見で、新
型コロナウイルス(武漢熱)の
ワクチンについて、65歳未満の
一般向け集団接種で学校が会場
となる場合は、所属する教職員
や生徒、学生への同時接種を検
討していることを明らかにしま
した。「合理的にその学校の教
職員らも同時に打つことができ
ないかと(ワクチン担当の)河
野太郎規制改革担当相に提案し
ている」と述べました。
 萩生田氏は教職員について「
多くの児童生徒に日常的に接す
る教職員の感染を防ぐことは重
要だ」と指摘しています。接種
時期は、高齢者接種の終了後を
想定しているとしました。政府
は集団接種の際、敷地が広い大
学や小中学校の体育館といった
学校施設を会場とすることを検
討しています。

 学校での集団接種を推奨しな

いというニュース動画です。

 
 


 
 
 私設の施設を、ワクチン接種
会場にする。       笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 名古屋大学が5月13日、免疫
チェックポイント阻害薬である
抗PD-1抗体による甲状腺副作用
の発症メカニズムをマウスで明
らかにしたと発表したのは、素
晴らしい業績です。免疫チェッ
クポイント阻害剤の免疫反応の
活性化が自己の臓器で発生した
際の副作用「irAEs」 が問題と
なっていることは、周知の事実
です。本研究成果がirAEs の新
たな治療法および予防法の確立
につながることを期待したいと
思います。
 萩生田光一文部科学相が、5
月14日の閣議後記者会見で、新
型コロナウイルス(武漢熱)の
ワクチンについて、65歳未満の
一般向け集団接種で学校が会場
となる場合は、所属する教職員
や生徒、学生への同時接種を検
討していることを明らかにした
のは素晴らしい試みです。変異
種の中には、若年層の感染者が
重症化する傾向があります。こ
うした変異種のキャリアー(症
状がない感染者)が、ワクチン
接種で紛れ込まないとは、限ら
ないからです。

 送球が早急になされた。 笑

 
 
 
 
 
 
 
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職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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