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2020-12-17 00:21:04

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診療マル秘裏話  Vol.790 平成31年1月30日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)ゲノム編集技術を悪用する遺伝子ドーピング防止策
2)ガン等の腫瘍を溶解するアデノウイルスの開発に成功

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 ゲノム編集技術を悪用する遺伝子ドーピング防止策

 
 
 
 
 
 
 
 効率良く遺伝子を改変できる
ゲノム編集技術を悪用し、スポ
ーツ選手の運動能力を高める「
遺伝子ドーピング」を防ごうと、
日本の生命倫理学者らが中心に
なって、2019年3月に国際的な
研究会を設立します。2020年の
東京五輪・パラリンピックを前
に、想定される応用例を検討し、
倫理的な課題などを整理します。
遺伝子ドーピングについて、日
本の研究者による本格的な議論
の場ができるのは初めてです。
ゲノム編集技術は簡単で精度が
高く、農作物や魚等の品種改良
の研究が急速に進んでいます。
米国ではすでに、ゲノム編集を
使った難病患者さんの治療も始
まっています。

 このため、研究者の間で「ゲ
ノム編集を悪用して筋力を増強
したり、血液で運ぶ酸素の量を
増やしたりする事で、運動能力
を向上させる行為が広がりかね
ない」との懸念が高まり、世界
反ドーピング機関(WADA)
は2018年、ゲノム編集を使った
ドーピング行為を禁止しました。
ただ、スポーツ関係者の間では
認知度が低く、十分な対策が取
られていません。

 そこで、ゲノム編集に詳しい
生命倫理やスポーツ哲学の専門
家が本年3月に会合を東京都内
で開き、技術の進展状況やスポ
ーツで想定される応用例を議論
します。米国の専門家も招き、
継続的に議論を続けます。日本
アンチ・ドーピング機構(JA
DA)やスポーツ医学の専門家
にも参加を呼びかけます。

 2018年11月には中国人研究者
が人間の受精卵にゲノム編集を
行い、双子を誕生させたと主張
しました。この技術を使って、
生まれつき運動能力が高い子ど
もを作り出すことへの懸念も広
がります。

 研究会を準備する竹村瑞穂・
日本福祉大准教授(スポーツ倫
理学)は「人間の能力を高める
という行為はスポーツ界にとど
まらず、社会全体の問題に広が
る可能性がある」と、問題点を
指摘しています。

遺伝子ドーピングが普及すると

大学入試は、とうなるという

ことについて解説している動画

です。

 
 


 
 
 
 化膿の可能性を指摘する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 ガン等の腫瘍を溶解するアデノウイルスの開発に成功

 
 
 
 
 
 
 
 北海道大学は12月26日、ガン
細胞などの中にAU-rich elemen
t(ARE)と呼ばれる分解シグナ
ルを持つmRNAが安定して存在し
ていることを利用し、ガンなど
の腫瘍を溶解させるアデノウイ
ルスの開発に成功したと発表し
ました。この研究は、同大大学
院歯学研究院の東野史裕准教授
らの研究グループによるもので
す。研究成果は、Oncology Rep
orts誌に掲載されました。

AREは、mRNAの分解シグナルで、
ARE-mRNAは通常転写後すぐに分
解されます。ARE-mRNAは、ガン
原遺伝子など細胞の増殖に関わ
る遺伝子から転写されるmRNAに
多いとされています。何らかの
原因で安定化システムに異常が
起こり、ARE-mRNAが恒常的に安
定化されると、発ガンや炎症等
さまざまな疾患に関わることが
知られています。

研究グループはこれまでに、が
ん細胞などではARE-mRNAが恒常
的に核外輸送・安定化されてい
ることを解明しました。さらに、
ARE-mRNAの安定化がアデノウイ
ルスの増殖にも必要であること
を突き止め、この安定化にはウ
イルス遺伝子産物E4orf6が必須
であることも見出しました。こ
れらの成果から、E4orf6を欠失
したアデノウイルス「dl355 」
は、ARE-mRNAがあらかじめ安定
化されているガン細胞では増殖
し、最終的には細胞を溶解しま
す。一方、正常細胞ではE4orf6
がないためあまり増殖できず、
細胞に影響を与えない事が期待
されています。このような背景
から、E4orf6欠失アデノウイル
スを、腫瘍溶解アデノウイルス
として開発したということです。
今回の研究では、HeLa、C33A、
A549、H1299などのガン細胞とB
J細胞などの正常細胞に、dl355
を感染させてウイルス増殖を検
討しました。その結果、ガン細
胞の方が正常細胞と比べて1,00
0~10,000 倍程度ウイルス生産
量が高くなりました。同様の細
胞に、dl355をMOI(細胞1個に
感染させるウイルスの数)を変
えて感染させ、約1週間後の生
細胞を染色した所、ガン細胞で
は感染させるdl355のMOIが高く
なるほど細胞死が見られ、正常
細胞では細胞死がほとんど起こ
らなかったということです。

次に、ヌードマウスの皮下にHe
La細胞を移植して腫瘍を形成し
ました。dl355 を腫瘍に直接投
与して腫瘍の縮小を観察したと
ころ、dl355 投与群では腫瘍の
縮小が見られdl355 は動物実験
でも効果があることが判明しま
した。さらに、中国で臨床応用
されている腫瘍溶解ウイルスと
同等のウイルスと、dl355 の持
つ腫瘍溶解効果を比較すると、
dl355 の効果の方が高いことも
見出しました。これらの結果か
ら、dl355 は腫瘍溶解ウイルス
として十分な能力を持つことが
明らかになったとしています。

ARE-mRNAの核外輸送・安定化は、
ガン特有の現象ではなく、炎症
性疾患やウイルス性疾患など、
さまざまな疾患の細胞で見られ
ます。研究グループは、「dl35
5 感染による細胞溶解を治療法
として確立できれば、どのよう
な疾患にも利用できる可能性が
ある。今後、さまざまな疾患に
対する新たな治療法『ウイルス
療法』の開発が期待できる」と、
述べています。

国内での腫瘍溶解性ウイルスに

ついて解説している動画です。

 
 


 
 
 
 両方の療法を検討する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 効率良く遺伝子を改変できる
ゲノム編集技術を悪用し、スポ
ーツ選手の運動能力を高める「
遺伝子ドーピング」を防ごうと、
日本の生命倫理学者らが中心に
なって、2019年3月に国際的な
研究会を設立するということは、
喜ばしい事だと思います。スポ
ーツはフェアー精神に基づいて
行われるのは、当然のことであ
り、ドーピングをすることによ
って精神や身体の異常をきたす
ことになれば、何のための競技
かという議論になります。スポ
ーツ関係者の間では認知度が低
く、十分な対策が取られていな
いということは、選手が故意に
ドーピングをしたと陥れられる
危険性を考えた方がよいと思わ
れます。
 ガン細胞などの中にAU-rich
element(ARE)と呼ばれる分解
シグナルを持つmRNAが安定して
存在していることを利用し、が
んなどの腫瘍を溶解させるアデ
ノウイルスの開発に成功したと
発表したのは、偉大な業績です。
ウイルス療法は、東大の医科研
や鹿児島大学や岡山大学で実用
化されていますが、ウイルスを
感染させることで、腫瘍を溶解
することから、正常細胞への働
きに注目がなされます。上記の
ウイルス療法の場合、正常細胞
ではE4orf6がないため、あまり
増殖できず、細胞に影響を与え
ないという担保があるからこそ
成り立つウイルス療法であると
私は考えています。dl355 感染
による細胞溶解を治療法として
確立できれば、どのような疾患
にも利用できる可能性が出ると
いうことですから、素晴らしい
応用を期待したいと思います。

 妖怪が魂を溶解して、なんか
用かいと言った。笑

 
 
 
 
 
 
 
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