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2020-12-28 21:27:53

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診療マル秘裏話  号外Vol.1734 令和2年2月25日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次

1)進行卵巣ガン悪性化に関わるメカニズムを解明
2)リトナビル、ロピナビル,オセルタミビル内服で新型肺炎改善

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 進行卵巣ガン悪性化に関わるメカニズムを解明

 
 
 
 
 
 
 
 名古屋大学は1月29日、進行
卵巣ガンの悪性化に関わるメカ
ニズムを解明し、腹膜環境から
新たな化学療法に対する抵抗性
の原因を明らかにしたと発表し
ました。この研究は、同大大学
院医学系研究科産婦人科学の吉
原雅人大学院生、梶山広明准教
授、吉川史隆教授、同大ベルリ
サーチセンター協同研究講座の
那波明宏特任教授、国立ガン研
究センター研究所の山本雄介主
任研究員、アデレード大学のCa
rmela Ricciardelli(カルメラ
リチャーデリ )博士らの研究
グループによるものです。研究
成果は、国際医学総合誌「Inte
rnational Journal of Cancer」
(電子版)に掲載されています。

卵巣ガンは、婦人科領域におけ
る予後不良なガンのひとつです。
多くの症例において、腹膜播種
という、腹膜の壁全体に多発性
の微小な転移を伴う特徴的な進
行の形を示しています。腹膜播
種は、プラチナ製剤を中心とし
た化学療法を含む初回治療への
反応性は比較的良好ですが、そ
の後、高い確率で腹腔内に再発
性の腫瘍が出現し、さらに化学
療法への抵抗性を獲得すること
で、難治性ガンへと変化してい
きます。こうした化学療法への
抵抗性を獲得するメカニズムに
関しては、これまでにいくつか
の報告があるものの、依然とし
て不明な点が多く、新たなメカ
ニズムの解明や新規治療標的の
探究が求められています。

研究グループは、卵巣ガンの腹
膜播種におけるガン細胞の生存
を支える「土壌」、すなわち環
境としての腹膜に着目し、腹膜
の特徴的な構成要素として腹膜
中皮細胞(OCAM)に焦点を当て
て研究を進めてきました。その
結果、これまでに、卵巣ガン細
胞から放出される液性因子のひ
とつであるTGF-β1により、卵
巣ガンに協力的で、卵巣ガンに
関連するOCAMが出現し、卵巣ガ
ンの接着および増殖を促進する
ことを明らかにしています。

一方で、腹膜播種という腫瘍が
構築する微小環境においてOCAM
がどのように進展し、また、卵
巣ガンの化学療法への抵抗性の
獲得に対してどのように関与す
るのかは明らかになっていませ
んでした。今回の研究では、OC
AMが卵巣ガン細胞と共に腹膜播
種という微小環境を構成するた
めの環境構築を行い、さらに、
卵巣ガン細胞のプラチナ製剤へ
の抵抗性の獲得に関与する可能
性を新たに検討しました。研究
グループは、卵巣ガンの腹膜播
種の組織において、中皮細胞の
標識マーカーのひとつであるca
lretininという分子(陽性の細
胞)が、腹膜の表面の単層上皮
層から腫瘍の微小環境内へと連
続して存在することを確認しま
した。これらの変化は、主に卵
巣ガンから放出される液性因子
であるTGF-β1により誘導され
るOCAMの間葉転換に基づくこと
を示し、研究グループは、これ
らの細胞を卵巣ガンに関連する
OCAMと定義しました。

続いて、TGF-β1刺激後のOCAM
を用いて卵巣ガン細胞株との共
培養を行った所、対照と比較し
て、明らかににシスプラチンへ
の抵抗性が増強していることが
判明しました。RNA マイクロア
レイにより、網羅的にメカニズ
ムの探索を行った結果、卵巣が
ん細胞内のAkt シグナル活性化
が、プラチナ製剤への抵抗性を
獲得する原因と同定された。さ
らに、上流のシグナルを網羅的
にプロテオーム解析して調査し
た結果、TGF-β1の刺激により、
OCAM上に強発現したフィブロネ
クチンが卵巣ガン細胞のAkt シ
グナル活性を生み出す候補とし
て浮上しました。siRNA を用い
て、TGF-β1刺激を行ったOCAM
上のフィブロネクチンを減少さ
せると、共培養実験において卵
巣ガン細胞のAkt シグナル活性
は低下し、プラチナ製剤への抵
抗性が改善することが判明しま
した。一方、TGF-β1刺激によ

り、マウスの腹膜上にもフィブ
ロネクチンの発現が増えること
を同定しました。腹膜播種のモ
デルとして卵巣ガン細胞を腹腔
内に注入したところ、TGF-β1
前投与を行ったグループでの腹
膜に生着した卵巣ガン細胞にお
いて、Akt シグナル活性の亢進
を確認しました。これらの結果
から、ガンに関連するOCAMは、
フィブロネクチンを介して卵巣
ガン細胞のAkt シグナルを活性
化させることで、プラチナ製剤
への耐性を誘導する可能性をも
つことが明らかとなりました。

今回の研究により、腹膜播種の
微小環境における卵巣ガンに関
連するOCAMと卵巣ガン細胞の相
互関係が、腫瘍の進展を促進し、
一部のプラチナ製剤への抵抗性
の原因になっている可能性が明
らかになりました。したがって、
これらのメカニズムの外因的要
因である環境としてのOCAMを治
療の標的とすることは、腹膜播
種を伴う進行卵巣ガンにおける
新たな治療戦略になると考える、
と研究グループは述べています。

卵巣ガンについて解説している

動画です。卵巣ガンに抗ガン剤

が効くということですが、問題

は、工夫のない抗ガン剤治療を

受けると身体の負担が非常に大

きくなってしまうということを

ご承知おきください。

 
 


 
 
 
 主要な腫瘍を切除する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 リトナビル、ロピナビル,オセルタミビル内服で新型肺炎改善

 
 
 
 
 
 
 
 タイ英字紙バンコク・ポスト
(電子版)などによると、タイ
保健省は2月2日、新型コロナウ
イルスによる肺炎の重症患者さ
んが、エイズ治療薬によって症
状が改善したと発表しました。
患者さんはタイで治療を受けて
いた70歳代の中国人女性で、医
師がエイズ治療薬「リトナビル」、
「ロピナビル」と、インフルエ
ンザ治療薬「オセルタミビル」
(商品名タミフル)を投与する
と、48時間後にウイルスの消滅
が確認されたということです。
保健省は「全患者に有効とは限
らないが重症の場合は選択肢と
なり得る」としています。中国
もエイズ治療薬の活用を検討し
ているということです。

武漢熱の重症化を阻む新治療法

について解説している動画です。

 
 


 
 
 
 拳闘の試合で、健闘すること
を検討した。       笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 名古屋大学が1月29日、進行
卵巣ガンの悪性化に関わるメカ
ニズムを解明し、腹膜環境から
新たな化学療法に対する抵抗性
の原因を明らかにしたと発表し
たのは、素晴らしい業績です。
これまでに、卵巣ガン細胞から
放出される液性因子のひとつで
あるTGF-β1により、卵巣ガン
に協力的で、卵巣ガンに関連す
るOCAMが出現し、卵巣ガンの接
着および増殖を促進することが
明らかにされたのは、画期的な
発見と言えましょう。今回の研
究により、腹膜播種の微小環境
における卵巣ガンに関連するOC
AMと卵巣ガン細胞の相互関係が、
腫瘍の進展を促進し、一部のプ
ラチナ製剤への抵抗性の原因に
なっている可能性が明らかにな
り、メカニズムの外因的要因で
ある環境としてのOCAMを治療の
標的とすることは、腹膜播種を
伴う進行卵巣ガンにおける新た
な治療戦略になるのは、当然だ
と考えられます。
 タイ英字紙バンコク・ポスト
(電子版)などによると、タイ
保健省は2月2日、新型コロナウ
イルスによる肺炎の重症患者さ
んが、エイズ治療薬によって症
状が改善したと発表したのは、
瓢箪から駒と言えましょう。し
かし、エイズ治療薬にしても、
インフルエンザ治療薬にしても、
ウイルス疾患に対する薬剤であ
ることは、共通しているので、
新型コロナウイルスとエイズウ
イルスとインフルエンザウイル
スの間に、共通の増殖過程があ
る可能性があると思います。そ
れが何なのか、これからの研究
の結果を待つより他ないと思い
ますが、ウイルスに共通する何
かを探求することで、ブレイク
スルーできる気がします。ウイ
ルス疾患の根源に触れることが
できれば、儲けものという感じ
がします。「全患者に有効とは
限らないが重症の場合は選択肢
となり得る」というのも凄いこ
とだと推測できます。

 単球を探求する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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