最近の号外Vol.1711メルマガ

2020-12-01 22:36:37

カテゴリー:ブログ



藤田のブログランキングアップにご協力お願いします。
以下のバナーをぽちっとクリックお願いします。


病院・診療所ランキング

 

診療マル秘裏話  号外Vol.1711 令和2年1月30日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)経口摂取の重要性を、細菌学的な観点から証明
2)iPS 細胞の一部分化させると遺伝子異常等惹起

 
 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 経口摂取の重要性を、細菌学的な観点から証明

 
 
 
 
 
 
 
 東京医科歯科大学は12月27日、
経口摂取の重要性を細菌学的な
観点から証明したと発表しまし
た。これは同大大学院医歯学総
合研究科歯周病分野の片桐さや
か助教と高齢者歯科学分野の戸
原玄准教授の研究グループによ
るものです。成果は、国際科学
誌 「Frontiers in Cellular a
nd Infection Microbiology 」
に掲載されています。脳卒中後
に経口栄養が不可能になり、経
管栄養とならざるを得ない患者
さんは多いとされています。経
口栄養を再獲得させるために行
うリハビリテーションに摂食嚥
下訓練があり、これにより再び
口から食事を摂取できるように
なったという報告は多くありま
す。口腔と大腸は腸管を通じて
つながっており、食物、だ液、
口腔内細菌は嚥下によって腸管
へと流入しているため、これら
が腸内細菌叢の変化に影響を及
ぼす可能性があります。しかし
ながら、経口栄養がどのように
腸内細菌叢に影響しているかは
未だ不明です。そこで、研究グ
ループは経口栄養の再獲得と口
腔内および腸内細菌叢との関連
を細菌学的に検討しました。研
究グループは、脳卒中の亜急性
期に経管栄養となり、その後、
摂食嚥下訓練を受け経口摂取と
なった8人を対象に調査しまし
た。唾液と便の採取を、摂食嚥
下訓練前の経管栄養時および摂
食嚥下訓練によって経口栄養と
なった後に行いました。なお、
この期間の患者さんの摂取カロ
リーは一定に保たれています。
その後、次世代シークエンサー
を用いて、口腔内および腸内細
菌叢の細菌種の同定、細菌種間
の相関関係、その細菌叢の予測
される機能(機能遺伝子)を解
析しました。

結果、経口栄養を再獲得するこ
とにより、口腔内および腸内細
菌叢の多様性が増加し、細菌叢
の組成が変化していることを見
出しました。加えて、Carnobac
teriaceae科とGranulicatella
属の細菌量が経口食物摂取の再
開後、口腔および腸内の両方で
増加していることが確認されま
した。また、細菌同士の相関関
係を示したネットワーク構造も、
経口栄養の再獲得後には口腔内
および腸内ともに、ひとつのネ
ットワークに、より多くの細菌
が関わるように変化していまし
た。機能予測解析の結果から、
経管栄養時と比較して、経口栄
養時により発現しうる代謝経路
があることが明らかになりまし
た。

今回の研究により、摂食嚥下障
害の患者さんに対する摂食嚥下
訓練は、口から食べられるよう
に機能を回復するだけではなく、
口腔内と腸内の細菌叢の多様性
を増加させ、微生物群集の組成
およびその共起ネットワーク構
造を変化することを見出しまし
た。「腸内細菌叢がさまざまな
疾患に影響することはすでに知
られており、経口栄養の再獲得
が、全身の健康の維持にも重要
であることを細菌学的な見地か
ら示した発見であり、今後の医
療戦略を考える上で意義のある
成果といえる」と、研究グルー
プは述べています。

経口摂取の事例について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 
 意義のある成果に異議を唱え
る。           悪

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
2】 iPS 細胞の一部分化させると遺伝子異常等惹起

 
 
 
 
 
 
 
 再生医療用のiPS 細胞を備蓄
する京都大iPS 細胞研究所のス
トック事業で、出荷したiPS 細
胞の一部を目的の細胞に分化さ
せた際、ガン化に関連する遺伝
子異常や、染色体の異常が起き
ていました。同時に作られた細
胞でも分配先によって異常の有
無や内容が異なっていました。
専門家からは安全性の担保を懸
念する声が上がっています。複
数の関係者が明らかにし、研究
所も事実関係を認めました。異
常のあった細胞は患者さんには
使われていません。

 ストック事業ではiPS 細胞を、
同じ提供者から同時に作られた
「株」単位で備蓄しています。
臨床研究や治験では、iPS 細胞
や分化細胞の段階でゲノム(全
遺伝情報)解析したり、マウス
への移植でガン化の有無などを
確かめたりして、実施機関が使
う株を判断します。

 今回、2015年8月以降に出荷
された27株中4株の試験結果が
判明し、うち2株で異常が確認
されました。

 この2株は2カ所の研究機関に
それぞれ複数の容器で分配し、
各機関で同じ種類の細胞に分化
させました。一つの株では一方
の機関でガンに関連する遺伝子
の異常、他方の機関で染色体の
本数の異常を確認しました。も
う一つの株では、一方の機関で
別の遺伝子異常があり、他方の
機関では異常なしでした。異常
のあった機関でも、違う容器で
は異常はありませんでした。

 見つかった遺伝子異常には、
人のガンで見つかることが多く、
危険性の高いものも含まれてい
ました。マウスへの移植では、
正常な細胞では見られない組織
の異常な増殖も確認されました。

 残りの2株については、異常
は確認されませんでした。

 ストック事業の製造統括責任
者、塚原正義・特命教授は「ど
んな細胞でも培養や分化の過程
でエラーは起こりうる」として、
「移植する分化細胞の段階で丁
寧に試験をして使っていくしか
ない」と説明しています。

 しかし、国内の複数の専門家
は「容器によって試験の結果が
違うなら安全性の担保ができな
い」と懸念を示しました。米ス
タンフォード大医学部の遺伝学
部長を務めるマイケル・スナイ
ダー教授は「臨床用の細胞での
ガン関連遺伝子の変異は極めて
重大だと考えられる。事実を公
表し、オープンな場で評価する
必要がある」と指摘しています。

iPS 細胞のストック事業につい

て解説している動画です。

 
 


 
 
 
 陽気に容器を開けた。笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 
 東京医科歯科大学は12月27日、
経口摂取の重要性を細菌学的な
観点から証明したと発表したの
は、素晴らしい業績です。当然
臨床医ならば、嚥下障害などで
経口摂取不可の宣告を受けた患
者さんが、再び、経口摂取でき
るようになった時の満足感を与
えられた感動のシーンを経験し
たことがあると思います。食欲
が出るようにすることができる
サプリメントとしては、パプラ
ールなどが知られていますが、
食事ができるようになるという
ことほど嬉しいことは、ないと
私は、考えております。
 再生医療用のiPS 細胞を備蓄
する京都大iPS 細胞研究所のス
トック事業で、出荷したiPS 細
胞の一部を目的の細胞に分化さ
せた際、ガン化に関連する遺伝
子異常や、染色体の異常が起き
ていたことは残念です。同時に
作られた細胞でも分配先によっ
て異常の有無や内容が異なって
いるということも安全性の担保
を懸念する声が上がって当然と
言う気がします。ガンリスクが
高くなった時、なお一層この様
な遺伝子異常や、染色体の異常
が悪さをする可能性が高くなる
と考えています。

 一艘の船から、飛び移り一層
感動的でした。      笑

 
 
 
 
 
 
 
************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」www.mag2.com/m/0000121810.html
(イジニイワト)

発行者名  医療法人永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。

このエントリーをはてなブックマークに追加 
 

コメント