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2020-12-03 23:03:07

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診療マル秘裏話  号外Vol.1712 令和2年1月31日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次

1)糖脂質が膵臓ガンの増殖、浸潤、進行度と関連
2)重症熱性血小板減少症候群患者の標的細胞解明

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 糖脂質が膵臓ガンの増殖、浸潤、進行度と関連

 
 
 
 
 
 
 
 東京都健康長寿医療センター
研究所は12月25日、細胞表面の
糖脂質の1種「ガングリオシド
GM2 が膵臓ガンの増殖、浸潤、
進行度と関連していることを発
見したと発表しました。この研
究は、同センターの石渡俊行研
究部長、豊田雅士研究副部長、
佐々木紀彦係長級研究員らと、
東海大学医学部の平林健一准教
授、日本獣医生命科学大学の道
下正貴准教授らによるものです。
研究成果は、米国科学誌「Scie
ntific Reports」誌のオンライ
ン版に掲載されています。膵臓
ガンは、高齢者を中心に急速に
増加しており、発見時にはすで
にガンが浸潤、転移しているこ
とが多いとされています。手術
を受けられる人は20%程度で、
生存率も未だ1割に満たない状
況です。そのため、膵臓ガンの
早期診断法や新たな治療法の開
発が求められています。

細胞表面に存在する糖脂質の1
群であるガングリオシドは、細
胞の種類や細胞の状態によって
発現が異なることから、表面マ
ーカーとしての役割を担うだけ
でなく、シグナル伝達を制御す
るなど、細胞機能にも関わる重
要な表面分子です。ガングリオ
シドの1種であるGM2 の膵臓ガ
ンにおける発現や役割について
は、これまで明らかになってい
ませんでした。今回、研究グル
ープは、GM2 の発現を8種類の
ヒト膵臓ガン培養細胞を用いて
調査しました。その結果、MIA
PaCa-2細胞で最も高い発現が見
られました。GM2 陽性の膵臓ガ
ン細胞は、GM2 陰性細胞よりも
増殖が速く、GM2 陰性膵臓ガン
細胞を3次元培養すると、大部
分のガン細胞がGM2 を発現する
ようになり、ガン幹細胞との関
連が示唆されました。また、GM
2 の発現を抑制することで、TG
F-b1シグナルと上皮間葉転換様
分化を抑制し、膵ガン細胞の浸
潤を阻害する事を確認しました。

続いて、ヌードマウスに移植し
たGM2 陽性膵臓ガン細胞は、GM
2 陰性細胞よりも高い発生率で、
より大きな腫瘍を皮下に形成し
ました。また、発症年齢が若く、
腫瘍径が大きく、病期が進行し、
組織学的な悪性度が高いヒト膵
臓ガン患者さんで、有意にGM2
の発現が増加していたというこ
とです。

今回の研究では、世界で初めて
ガングリオシドGM2 がガン幹細
胞を含むヒト膵臓ガン細胞およ
びヒト膵臓ガン組織で発現して
いることを見出し、膵臓ガンの
増殖、浸潤、進行度と関連する
ことを明らかにしました。GM2
が膵臓ガン細胞の表面に発現し
ていることから、GM2 を標的と
した膵臓ガンの早期診断法の開
発につながることが期待されま
す。さらに、光免疫療法などの
細胞表面抗原を利用した新たな
膵臓ガン治療にもGM2 が役立つ
と考えられる、と研究グループ
は述べています。

膵臓ガンの早期発見・早期治療

について解説している動画です。

 
 


 
 
 理容店を利用する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 重症熱性血小板減少症候群患者の標的細胞解明

 
 
 
 
 
 
 
 日本医療研究開発機構(AMED)
は1月7日、重症熱性血小板減少
症候群(SFTS)患者さんの体内
でウイルスがどのような細胞に
感染するのかを解明したと発表
しました。この研究は、国立感
染症研究所感染病理部の鈴木忠
樹第四室室長、長谷川秀樹部長
らが、同獣医科学部の森川茂部
長(現 岡山理科大学 獣医学部
教授)、同ウイルス第1部の西
條政幸部長らの研究グループと
共同で行ったものです。研究成
果は、「The Journal of Clini
cal Investigation 」にオンラ
イン掲載されています。重症熱
性血小板減少症候群(Severe f
ever with thrombocytopenia s
yndrome; SFTS )は、2011年に
中国で初めて報告されたバンヤ
ンウイルス属のSFTSウイルス(
SFTSV )によるマダニ媒介性の
ウイルス感染症です。これまで
のところ、日本をはじめ、中国、
韓国、ベトナムでSFTSの患者さ
んが報告されています。日本に
おいては、最初の患者さんが20
13年に報告されて以来、毎年70
名以上が発症しています。SFTS
の致死率は15~25%程度でウイ
ルス感染症としては非常に高く、
日本でもこれまでに70名以上が
SFTSにより亡くなっています。
2018年には最もSFTS患者が多い
中国の研究グループにより、SF
TS患者の3以上で出血症状が見
られることが報告されており、
現在、SFTSはウイルス性出血熱
のひとつとして認識されていま
す。また、2017年以降、日本に
おいてネコやイヌなどのペット
がSFTSを発症した事例の報告が
相次ぎ、SFTSを発症した動物か
らヒトが感染する事例も報告さ
れる等、マダニ媒介性のウイル
ス性出血熱という側面だけでな
く、ペットに由来する新たな人
獣共通感染症という側面も持つ
公衆衛生上の問題として、早急
な対応が求められています。

ウイルス性出血熱では、病原体
によらず臨床病態の類似性が見
られる一方で、その発病機構は
病原体により異なることが知ら
れています。SFTSの発病機構に
関する知見は、適切な予防・治
療法の開発などの感染症対策を
講じていくために必要不可欠な
情報となります。これまで、日
本ではSFTSで亡くなった患者さ
んの多くで病理解剖が実施され、
さまざまな知見が報告されてき
ました。しかし、発病機構の重
要な鍵を握るSFTSV 感染の標的
となる細胞の正体については明
らかになっていませんでした。
今回の研究では、日本国内でSF
TSにより亡くなった患者さんの
組織検体を用いて病理組織学的
な解析を行うとともに、培養細
胞等を用いてウイルス感染の実
験を行いました。その結果、SF
TS患者さんの体内においてSFTS
V が感染した細胞は、リンパ節
や脾臓などの二次リンパ器官で
最も多く検出され、それらの感
染細胞はマクロファージと「抗
体産生細胞である形質芽球に分
化しつつあるB 細胞」であるこ
とが明らかになりました。一方、
二次リンパ器官以外の肝臓や副
腎などの全身臓器にはSFTSV が
感染したB 細胞が分布しており、
SFTSの発病機構にB 細胞が深く
関与していることが判明しまし
た。このことから、SFTSは、単
球系細胞や肝細胞、血管内皮細
胞を主要な標的として感染する
エボラウイルスやハンタウイル
スなど他の出血熱ウイルスとは
全く異なる、特異な発病機構を
有したウイルス感染症であると
考えられるということです。ま
た、今回研究グループは、ヒト
形質芽球と似た特徴を持つ培養
細胞株のPBL-1 細胞を用いて、
SFTS患者の体内で起こるウイル
ス感染を試験管内で再現が可能
なSFTSV 感染の実験系の開発に
も成功しました。

今回の研究成果は、今まで全く
解明が進んでいなかったSFTS患
者さんの体内でSFTSV の標的細
胞を同定するという、ウイルス
感染症の発病機構の解明におい
て最も重要な知見をもたらすも
のであり、今後のSFTS対策のた
めの基盤的な情報となります。
更に今回開発されたPBL-1 細胞
を用いたSFTSV 感染の実験系は、
SFTS患者さんの体内で起こるウ
イルス増殖を忠実に再現できる
と考えられ、SFTSVがB細胞に感
染する機構やその感染によって
重篤な病態が引き起こされる機
構を解明する研究と、SFTSに対
する新たな予防・治療法の開発
に貢献することが期待されます。

重症熱性血小板減少症候群につ

いて解説している動画です。

 
 


 
 
 
 改名の謎を解明する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 東京都健康長寿医療センター
研究所が12月25日、細胞表面の
糖脂質の1種「ガングリオシド
GM2 が膵臓ガンの増殖、浸潤、
進行度と関連していることを発
見したと発表したのは、素晴ら
しい業績です。GM2 陽性の膵臓
ガン細胞はGM2 陰性細胞よりも
増殖が速く、GM2 陰性膵臓ガン
細胞を3次元培養すると、大部
分のガン細胞がGM2 を発現する
ようになり、ガン幹細胞との関
連が示唆されたのも、興味深い
結果です。GM2 が膵臓ガン細胞
の表面に発現していることから、
GM2 を標的とした膵臓ガンの早
期診断法の開発につながること
と光免疫療法などの細胞表面抗
原を利用した新たな膵臓ガン治
療にもGM2 が役立つことを期待
したいと思います。
 日本医療研究開発機構(AMED)
が1月7日、重症熱性血小板減少
症候群(SFTS)患者さんの体内
でウイルスがどのような細胞に
感染するのかを解明したと発表
したのは偉大な業績です。重症
熱性血小板減少症候群(SFTS)
は、初期であれば、インフルエ
ンザの薬である、アビガン(フ
ァビピラビル)で治療ができま
す。しかし、診断に手間取って
しまうとアビガンが効く期間を
過ぎてしまい、死亡する確率が
格段に上昇してしまうことが分
かっています。野山や裏庭で、
草取りをしているときにマダニ
に咬まれて感染するパターンが
最も多いとされています。マダ
ニに刺された時は、くぎ抜きに
似た小さい器具で回転して外し
ます。

 くぎ抜きに似た小さい器具が
ないことを危惧する。   笑

 
 
 
 
 
 
 
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