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2020-07-18 19:53:58

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診療マル秘裏話  号外Vol.1594 令和1年9月15日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
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目次

1)多発性骨髄腫治療薬エロツズマブの新作用機序発見
2)特定遺伝子異常保有神経膠腫にEZH2阻害剤有効

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
 
1】多発性骨髄腫治療薬エロツズマブの新作用機序発見

 
 
 
 
 
 
 
 
自治医科大学は8月20日、多
発性骨髄腫の抗体薬であるエロ
ツズマブの新たな作用機序を発
見したと発表しました。 この
研究は、同大幹細胞制御研究部
の菊池次郎准教授、小山大輔講
師、古川雄祐教授らと、茨城県
立中央病院や大分大学、国立国
際医療研究センター、東京女子
医科大学、栃木県立ガンセンタ
ー、東京大学、ブリストルマイ
ヤーズスクイブ社との共同研究
によるものです。研究成果は、
Nature 姉妹誌「Leukemia」の
オンライン版に掲載されていま
す。多発性骨髄腫は、悪性リン
パ腫に次いで2番目に多く発症
する造血器腫瘍です。国立ガン
研究センターによる5年生存率
は36.6%と極めて不良なため、
最近になって複数の抗体医薬が
認可されています。エロツズマ
ブはその中のひとつで、骨髄腫
細胞に発現するSLAMF7に結合、
抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)
を介し、骨髄腫細胞の除去に働
くと考えられていました。しか
し、より高い治療効果を得るた
め、さらなる作用機序の解明が
重要な研究課題となっています。
今回研究グループは、SLAMF7の
細胞外領域が切断された可溶型
SLAMF7が多発性骨髄腫患者さん
の血清中にのみ検出され、濃度
の高い患者さんでは予後が悪い
点に着目しました。 In vitro
およびマウスモデルに可溶型SL
AMF7を加えた所、骨髄腫細胞の
増殖能が最大で約2倍に増加し
ました。さらに,可溶型SLAMF7
は骨髄腫細胞に発現するSLAMF7
に結合し、増殖シグナルを伝達
していましたが、エロツズマブ
は、その増殖能亢進をほぼ完全
に阻害していたということです。

これまでエロツズマブの作用は、
ADCCが主体と考えられてきまし
たが、今回の研究の結果、同剤
が骨髄腫細胞の増殖阻害に働き、
病態の悪化や再発の予防を介し
て予後を改善するという新たな
機序が明らかになりました。「
エロツズマブは可溶型SLAMF7濃
度やSLAMF7発現の高い患者に、
より大きな予後改善効果が期待
できる。現在、臨床試験による
検証を進めている」と、研究グ
ループは述べています。

多発性骨髄腫について解説して

いる動画です。

 
 


 
 
懸賞金の支払いの検証。笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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2】 特定遺伝子異常保有神経膠腫にEZH2阻害剤有効

 
 
 
 
 
 
 
 
名古屋大学は8月20日、難治
性の脳腫瘍である神経膠腫の中
で特定の遺伝子異常がある腫瘍
の患者さんにおいて、EZH2阻害
剤が有効である可能性を見出し
たと発表しました。この研究は、
同大大学院医学系研究科・腫瘍
生物学分野の近藤豊教授、新城
恵子助教、同脳神経外科学の夏
目敦至准教授、大岡史治助教ら
によるものです。 研究成果は、
米国ガン学会誌「Cancer Rese
arch」のオンライン版に掲載さ
れました。神経膠腫は、最も多
い脳腫瘍のひとつで予後不良な
腫瘍である。現在の標準治療に
よる生存期間中央値は約14.6か
月とされています。

低悪性度神経膠腫は、神経膠腫
の中では比較的悪性度が低いも
のの、手術を含めた集学的治療
によって完治することが少なく、
確実に増大し生命を脅かします。
グルタミン代謝に関わるIDH 遺
伝子の変異の有無によって大き
く2つのサブタイプに分けられ
ます。IDH 遺伝子に変異がある
場合は予後が比較的良好ですが、
変異がない場合は予後不良とさ
れています。ヒト神経膠腫の解
析研究では見つけることができ
なかった神経膠腫の形成に重要
な異常分子を同定し、有望な治
療薬を見つけることを目的に研
究は行われました。 研究では、
IDH 遺伝子変異がない低悪性度
神経膠腫を発症するマウスモデ
ル(MADAマウス)を作成し、腫
瘍になる前の異常細胞と腫瘍細
胞を解析しました。今回用いた
MADAマウスモデルは、p53 とNF
1 遺伝子異常をもつ細胞だけが
緑色に発光し、腫瘍を形成する
前の段階からその細胞だけを回
収し解析することができる仕様
となっていました。 その結果、
脳腫瘍を形成する前の早い段階
からエピゲノム修飾酵素である
EZH2が高発現していると判明し
ました。EZH2が多くの重要な遺
伝子のエピゲノム異常を引き起
こし、腫瘍の形成に重要である
ことが明らかとなりました。ま
た、MADMマウスにEZH2阻害剤(
EPZ6438 )を投与し、MRI画像
で腫瘍体積を確認したところ、
腫瘍の増大が抑えられている事
を確認しました。ヒトのIDH 遺
伝子変異がない低悪性度神経膠
腫でも、EZH2は高発現しており、
p53、NF1遺伝子異常をもつ低悪
性度神経膠腫の細胞株(TM31)
にEPZ6438 を投与すると、細胞
増殖が抑えられることも分かり
ました。

EZH2阻害剤は現在、血液ガン等
で臨床治験が行われ、抗腫瘍剤
としての有効性が確認されつつ
あり、近い将来において実際の
臨床現場で使用される治療薬と
なる可能性があります。「今後
は、有効な治療法がないとされ
ているIDH 遺伝子変異がない低
悪性度神経膠腫の中で、特にp5
3 、NF1 遺伝子異常がある腫
瘍の患者に対してEZH2阻害剤の
使用が可能になることを目標と
し、まずは、EZH2阻害剤の臨床
治験を進めることを検討してい
きたい」と、研究グループは述
べています。

神経膠腫について解説している

動画です。

 
 


 
 
化膿部を可能な限り、デブリ
する。          笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
自治医科大学が8月20日、多
発性骨髄腫の抗体薬であるエロ
ツズマブの新たな作用機序を発
見したと発表したのは、偉大な
業績です。従来から知られてい
る作用機序は骨髄腫細胞に発現
するSLAMF7に結合、抗体依存性
細胞傷害活性(ADCC)を介し、
骨髄腫細胞の除去に働くと考え
られていましたが、新たな作用
機序としては、可溶型SLAMF7に
よる増殖能亢進を、ほぼ完全に
阻害していたということです。
言い換えれば今回の研究の結果、
同剤が骨髄腫細胞の増殖阻害に
働き、病態の悪化や再発の予防
を介して予後を改善するという
新たな機序が明らかになったと
言う事ができます。「エロツズ
マブは可溶型SLAMF7濃度やSLAM
F7発現の高い患者に、より大き
な予後改善効果が期待できる。
現在、臨床試験による検証を進
めている」ということですから
臨床試験の結果が楽しみですね。
名古屋大学が8月20日、難治
性の脳腫瘍である神経膠腫の中
で特定の遺伝子異常がある腫瘍
の患者さんにおいて、EZH2阻害
剤が有効である可能性を見出し
たと発表したのは、素晴らしい
業績です。脳腫瘍幹細胞(Glio
mastem cell, GSC)を樹立して、
その腫瘍細胞分化に関わるエピ
ジェネティクス機構の解明を試
みるということも行われている
ようです。GSC の分化誘導には
ポリコームタンパクのひとつで
ある EZH2 (H3K27 メチル化酵
素)をはじめとするエピジェネ
ティクス機構が、その分化を制
御している可能性が予測される
データでているということです
のでヒストン修飾に関わる酵素
が、益々腫瘍幹細胞の分化増殖
に関与していることが示唆され
ています。EZH2阻害剤は、様々
な悪性腫瘍(白血病など)で、
臨床試験が行われており、抗腫
瘍剤としての有効性が確認され
つつあり、近い将来において実
際の臨床現場で使用される治療
薬となる可能性があるそうです
から、その効果に期待したいと
思います。

就職試験の採点が試験管によ
って修飾された。     笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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