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2020-07-24 22:12:08

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診療マル秘裏話  号外Vol.1599 令和1年9月21日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
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目次

1)他人のiPS細胞由来角膜の細胞を移植に成功
2)RA自己抗体価の高い患者で関節破壊容易に進行

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
 
1】他人のiPS細胞由来角膜の細胞を移植に成功

 
 
 
 
 
 
 
 
iPS細胞からつくった目の
角膜の細胞を世界で初めて1人
の患者さんに移植したと8月29
日、大阪大の西田幸二教授(眼
科)らのチームが発表しました。
経過は順調としており、チーム
は年内にも2例目の移植手術を
予定しています。

対象は黒目の表面を覆う角膜
をつくる幹細胞がケガや病気で
失われ、視力が低下したり失明
したりする「角膜上皮幹細胞疲
弊症」という病気の患者さんで
す。様々な細胞になれる第三者
のiPS細胞を角膜の細胞に変
化させ、厚さ0.03~0.05ミリメ
ートルのシート状にし、40代女
性の左目に移植しました。角膜
の細胞がつくられるようになり、
角膜の透明性が保たれて視力の
回復が期待されます。

手術は7月にあり、経過は順
調で、今月23日に退院したとい
うことです。細胞が異常に増え
るといったトラブルは今のとこ
ろなく、問題なく日常生活を送
れる程度の視力の値が出ている
ということです。

西田教授は「まだ1カ月だが、
現時点ではうまくいっている。
角膜が濁っていたのが透明にな
り、視力もかなり改善している。
これがいつまで維持できるか慎
重に見ていきたい」と話しまし
た。

角膜上皮幹細胞疲弊症は、他
人の角膜を移植する治療法があ
ります。厚生労働省によると角
膜の病気では、2018年度に脳死
や心停止をした720人から提
供があり、移植手術は1155件で
した。2019年3月末時点での移
植希望登録者数は1613人となっ
ています。チームは、今回の手
術の対象となる患者さんは、国
内で年間数百人と推定していま
す。

iPS細胞からつくった細胞
の移植は、2014年の理化学研究
所などによる網膜の細胞移植、
2018年の京大によるパーキンソ
ン病の患者さんの脳への神経細
胞の移植に続き、今回が3例目
となります。

このニュースのニュース動画で

す。

 
 


 
 
沈没船の位置を水底700 メートル
と推定する。       笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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2】 RA自己抗体価の高い患者で関節破壊容易に進行

 
 
 
 
 
 
 
 
理化学研究所は8月27日、関
節リウマチ(RA)患者さんにお
ける「喫煙歴」がRAの2つの自
己抗体価である「抗CCP抗体(A
CPA)」と「リウマチ因子(RF)」
に及ぼす影響が、遺伝的背景に
よって異なることを発見したと
発表しました。この研究は理研
生命医科学研究センターゲノム
解析応用研究チームの石川優樹
客員研究員、寺尾知可史チーム
リーダーら、東京女子医科大学、
京都大学などの共同研究グルー
プによるものです。研究成果は、
英国の科学雑誌「Annals of t
he Rheumatic Diseases」のオ
ンライン版に掲載されています。
RA患者さんには、自己抗体とし
て、主にACPAとRFの2つが臨床
現場で日常的に測定されていま
す。これらの自己抗体は、RAの
診断のみならず、RAの疾患経過
を予測する因子としても重要で、
これら自己抗体価の高い患者さ
んでは、関節破壊が進行しやす
いことなどが知られています。
また、RA患者さんでは、ACPAと
RFはしばしば共存します。

一方、RAのリスクとして「喫煙」
と「遺伝因子」が知られていま
す。これまでの研究で、遺伝因
子の中で最も強いリスクは、シ
ェアドエピトープ(SE)と呼ば
れる共通のアミノ酸配列をコー
ドする、HLA-DRB1遺伝子群であ
ることが分かっています。喫煙
と自己抗体陽性RA(特にACPA陽
性)との関連とそのメカニズム
は、これまでの研究でも示唆さ
れていました。しかし、喫煙と
自己抗体陽性RAの中での抗体価
との関連の詳細はよく分かって
いませんでした。RAの病態形成
において、HLA-DRB1遺伝子など
の遺伝的因子に加え、喫煙をは
じめとした環境因子が加わるこ
とにより、自己抗体の産生やRA
の発症に至ると考えられていま
す。そこで研究グループは、RA
患者さんにおける喫煙が自己抗
体価に及ぼす影響を、遺伝的背
景との関連を踏まえて解析を行
いました。研究グループは、RA
患者さん6,239 人の直近の受診
時における喫煙歴の記録をもと
に、非喫煙者と喫煙者に分類し
ました。さらに、喫煙者をRA発
症時の喫煙状況に基づき、発症
時禁煙者・発症時喫煙者・その
他(発症後に喫煙開始)に分類
しました。その後、直近の受診
時のACPA・RF値に基づき、ACPA
陽性・RF陽性、ACPA高値(ACPA
陽性者の上位4分の1)・RF高値
(RF陽性者の上位4分の1)の4
つに分類しました。

発症時の喫煙状況とACPA・RFと
の関係を、多重ロジスティック
回帰分析で調べた結果、発症時
喫煙者は、ACPA・RFの陽性・高
値と強い関連を示し、特にRFで
この関連は強く認められました。
また、女性よりも男性で強い関
連が認められました。

次に、禁煙による影響を検討す
る目的で、発症時禁煙者をRA発
症時までの禁煙期間により3つ
のカテゴリー(0~10年、10~
20年、20年以上)に分類し、AC
PA・RF陽性・高値のリスクを非
喫煙者と比較しました。その結
果、禁煙期間が長くなるにつれ、
徐々にACPA・RF陽性・高値のリ
スクと患者さんの割合が低下し
ました。一方、ACPA陽性・高値
のリスクは、20年近くの長期に
わたり、喫煙の影響が残存する
可能性も認められました。これ
らのことから、発症時喫煙者が
ACPA・RF高値に強く影響するこ
と(RF>ACPA、男性>女性)、
禁煙によってその影響が徐々に
低下することが明らかになりま
した。

最後に、RAの発症やACPA陽性・
高値と関連することが知られて
いるHLA-DRB1遺伝子、特にシェ
アドエピトープ(SE)と呼ばれ
る共通のアミノ酸配列を持つ特
定のHLA-DRB1遺伝子群と喫煙と
の相互作用が、ACPA・RFに及ぼ
す影響を調べるために、発症時
喫煙者と非喫煙者をそれぞれSE
アレルの有無で分類し、SEアレ
ルを持たない非喫煙者を対照と
した各群のACPA・RF高値のリス
クを算出しました。その結果、
ACPAにおいては、SEアレルを持
つ群で高いリスクが認められ、
発症時喫煙者であってもSEアレ
ルを持たない群では、喫煙によ
るリスクが認められませんでし
た。一方、RFでは、SEアレルの
有無に関わらず喫煙によるリス
ク上昇が認められました。また、
複数あるSEのアレルの中で日本
人で一番多いHLA-DRB1*04:05
と、それ以外のSEアレルとの違
いは認められませんでした。し
かし、HLA-DRβ1分子内の74番
目のアミノ酸の多型が、SEと喫
煙の相互作用を説明するものと
して確認されました。これらの
結果から、喫煙の自己抗体価へ
の影響は、ACPAにおいてはSEア
レルを持つ場合のみに認められ、
RFではSEアレルの有無に関係な
く認められるという明確な違い
が明らかになりました。また、
喫煙とHLA-DRB1遺伝子との相互
作用によるACPAへの影響がアミ
ノ酸レベルで明らかになりまし
た。今回の研究を通して、RA発
症時の喫煙歴が将来のACPA・RF
高値につながること、SEアレル
の有無でACPAとRFで影響が異な
ること、禁煙によりこれらの影
響は徐々に低下することが明ら
かになりました。これらの知見
は、いまだ不明点が多いRA病態
の解明に向けて有用であり、ま
た将来の自己抗体高値ひいては
RA発症の予測にもつながると期
待できます。

研究グループは、「今回の検討
は、アジア人での喫煙関連のRA
研究としては過去最大規模のも
のであり、アジア人、特に日本
人RA患者において今後の臨床・
基礎研究を進めていく上で重要
な知見となる。また、今後欧米
人においても同様の解析を行う
ことで、RA病態の解明へのさら
なる進歩が期待できる」と、述
べています。

慢性関節リウマチについて解説

している動画です。

 
 


 
 
治験で得られた知見を使う。


 
 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
iPS細胞からつくった目の
角膜の細胞を世界で初めて1人
の患者さんに移植したと8月29
日、大阪大の西田幸二教授(眼
科)らのチームが発表したのは、
素晴らしい業績です。角膜移植
もドナー不足で困っていると聞
きます。他人のストックiPS
細胞から、移植ということであ
れば、ドナー不足で困ることは
ないと考えられます。角膜の様
な血管が少ない細胞では、余り
拒絶反応が起こらないから問題
ないのかという点はありますが、
何はともあれ、角膜の細胞がつ
くられるようになり、角膜の透
明性が保たれて、視力の回復が
期待されているのは、良い兆し
と言えましょう。手術は7月に
あり、経過は順調で、今月23日
に退院したという事です。細胞
が異常に増えるといったトラブ
ルは今のところなく、問題なく
日常生活を送れる程度の視力の
値が出ているという結果は素晴
らしいという他、ありません。
理化学研究所は8月27日、関
節リウマチ(RA)患者さんにお
ける「喫煙歴」がRAの2つの自
己抗体価である「抗CCP抗体(A
CPA)」と「リウマチ因子(RF)」
に及ぼす影響が、遺伝的背景に
よって異なることを発見したと
発表したのは偉大な業績です。
今回の研究を通して、RA発症時
の喫煙歴が将来のACPA・RF高値
につながること、SEアレルの有
無でACPAとRFで影響が異なるこ
と、禁煙によりこれらの影響は
徐々に低下することが明らかに
なりました。 これらの知見は、
いまだ不明点が多い、RA病態の
解明に向けて有用であり、また
将来の自己抗体高値、ひいては
RA発症の予測にも繋がると期待
されているのは、本当に素晴ら
しいことだと思います。

高知の人で自己抗体高値を認
める。          笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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