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2020-07-21 23:28:45

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診療マル秘裏話  号外Vol.1597 令和1年9月19日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
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目次

1)糖化反応は老化を早め、病気の直接原因になる
2)免疫応答が絶食によって消失する仕組みを発見

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】糖化反応は老化を早め、病気の直接原因になる

 
 
 
 
 
 
 
 
老化を促進する原因として注
目されている、「糖化」という
反応があります。体内の蛋白質
が余分なブドウ糖と結合して細
胞を変性させる現象で、老化を
早めたり、病気の原因になった
りします。糖化のメカニズムや
予防法について、慶応大学医学
部化学教室(横浜市)の井上浩
義教授に聞きました。人間の体
は、筋肉や内臓、血管、神経な
ど全身が蛋白質からできていま
す。血液中に過剰なブドウ糖が
あると、これらの蛋白質に結び
付き、「終末糖化産物(AGE
s)」が作られます。この物質
が体内に蓄積すると、さまざま
な悪影響を及ぼすことが分かっ
てきました。最も影響を受けや
すいのは、皮膚を作るコラーゲ
ン線維です。「コラーゲン線維
にAGEsが結合すると、皮膚
の張りや弾力が失われ、たるみ
やシワの原因になります。また、
蛋白質は、糖化の過程で褐色に
変化するため、AGEsが増え
ると皮膚がくすみます」と井上
教授は言っています。骨にもコ
ラーゲン線維が含まれていて、
AGEsの増加で骨の老化が早
まり、骨粗鬆症のリスクが高ま
るということです。AGEsの
蓄積の度合いを知る指標となる
のは、糖尿病を診断する際に用
いられるヘモグロビンA1c(
HbA1c)である。ヘモグロ
ビンは血液中の赤血球の中に存
在する蛋白質で、この値が高い
ほど全身の糖化が進んでいます。
そして、たまったAGEsが神
経細胞や血管、臓器に影響を与
えることで、糖尿病の合併症で
ある神経障害や網膜症、腎症が
起こりやすくなります。 動脈
硬化のリスクを高め、アルツハ
イマー病などにも関連している
とされています。

糖化はどうすれば防ぐことが
できるのでしょうか。AGEs
は食品からも取り込まれます。
「食品中のAGEsの7~8%
が消化吸収されて体内に残り、
全身に影響します。肉や魚など
蛋白質の多い食材を高温で加熱
するとAGEsが多く発生しま
す。加工肉や焼き菓子、しょう
ゆ、ソース、みそ、コーラなど
にも多く含まれるので、取り過
ぎないことが大切です」と井上
教授は言っています。

また、AGEsは尿から排出
されるため、腎機能を正常に維
持することや、AGEs生成を
促進する酸化ストレスを増やさ
ないように十分な休息を取るこ
とも心掛けましょう。ストレス
解消には運動も役立ちますが、
井上教授は「過激な運動は逆に
酸化ストレスを増やすので、ウ
オーキングなどの軽い運動をし
ましょう」とアドバイスしてい
ます。

糖化と老化について解説してい

る動画です。

 
 


 
 
傘下の企業で酸化ストレスの
研究に参加した。     笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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2】 免疫応答が絶食によって消失する仕組みを発見

 
 
 
 
 
 
 
 
慶應義塾大学は8月23日、腸
管の健康維持に重要な抗原特異
的な免疫応答が、絶食によって
消失する仕組みを発見したと発
表しました。この研究は、同大
薬学部の永井基慈(博士課程学
生)、長谷耕二教授、土肥多惠
子客員教授、国立国際医療研究
センター(NCGM)肝炎・免疫研
究センター消化器病態生理研究
室の河村由紀室長を中心とする
研究グループによるものです。
研究成果は、国際学術誌「Cell」
に8月22日付で掲載されました。

世界には、必要最低限の栄養の
確保が困難な絶対的貧困に位置
する人が約7億人おり、国際的
な問題となっています。さらに、
紛争や飢饉によって極端な低栄
養状態にある子どもは感染症に
かかりやすく、ワクチンにより
得られる効果が低いことも報告
されています。

一方で、近年の研究から、絶食
を「しないこと」が代謝だけで
なく免疫系の異常も引き起こす
ことが指摘されており、短期間
の絶食によってこれらの異常を
改善することが報告されていま
す。このように、栄養シグナル
によって免疫系が制御されてい
ることが示唆されていますが、
絶食とそれに続く再摂食が免疫
系にもたらす影響はほとんど解
明されていませんでした。研究
グループはまず、絶食-再摂食
期間に腸管の免疫を担う細胞が
どのように振る舞うかに着目し
て研究を行いました。マウスに
よる実験の結果、絶食によって
パイエル板の全てのB 細胞集団
が顕著に減少することを発見し
ました。興味深いことに、再摂
食時にはナイーブB 細胞だけが、
急速に細胞数を回復させること
も分かりました。小腸のパイエ
ル板は免疫系の記憶形成に重要
な組織として知られています。
口から入った抗原はパイエル板
で取り込まれ、ナイーブB 細胞
に提示されます。抗原の提示を
受けたナイーブB 細胞が胚中心
B 細胞を経て抗原に特異的なIg
A陽性のB細胞へと成熟すること
で抗原特異的な抗体産生細胞が
形成されます。

さらに、パイエル板における死
細胞の観察から、絶食時に顕著
に細胞死が起きていることを見
出しました。細胞死は再摂食時
に回復の遅かった胚中心B 細胞
が多く集まる領域に集中して観
察されました。免疫担当細胞の
うち、胚中心B 細胞のような活
性化細胞はエネルギー要求性が
高いと知られています。絶食時
には利用可能な栄養が限られて
おり、脳や心臓といった生きる
ために不可欠な組織への栄養を
確保するために、粘膜免疫系の
細胞を減らすことでエネルギー
を節約していると考えられると
いうことです。研究グループは
次に、ナイーブB 細胞の振る舞
いに着目しました。再摂食時に
急速にパイエル板での細胞数を
回復させたことから、一時的に
他の組織に移動していると考え
て研究を進めました。その結果、
絶食時にナイーブB 細胞は、ナ
イーブB 細胞の遊走に重要なケ
モカインであるCXCL13の遺伝子
発現変化に応じて骨髄へと移動
していることを発見しました。
この現象について研究グループ
は、絶食時にナイーブB 細胞の
一部を骨髄に一時的にリザーブ
しておくことで、再摂食によっ
て栄養が利用できるようになっ
た際に、迅速に免疫応答を担う
ようにしていると考察していま
す。

最後に研究グループは、絶食が
粘膜における獲得免疫(抗原特
異的免疫)に与える影響を解析
しました。卵白抗原(OVA )と
アジュバントによる経口ワクチ
ンを投与することで、OVA に対
して特異的なIgA 抗体を誘導す
ることができます。そこで、こ
の誘導期間中に絶食を繰り返し、
絶食がワクチン効果に与える影
響を調べました。 その結果、
絶食を繰り返すことでOVA 特異
的なIgA の産生が抑えられたこ
とから、絶食は経口ワクチンの
効果を減弱させることが判明し
ました。絶食時にはパイエル板
において、OVA 特異的な胚中心
B 細胞が失われることが原因だ
と考えられるということです。

今回の研究は、飢餓に対して免
疫系が適応する仕組みの一端を
明らかにしたとともに、栄養シ
グナルによって免疫応答の制御
が可能であることを示唆するも
のです。「今後研究を発展させ
ることで、食事介入による効果
的なワクチン接種方法の開発へ
つながることが期待される」と、
研究グループは述べています。

免疫グロブリンについて解説し

ている動画です。

 
 


 
 
一反木綿の一端をつかんで、
その正体を暴く。     笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
老化を促進する原因として注
目されている、「糖化」という
反応があります。体内の蛋白質
が余分なブドウ糖と結合して細
胞を変性させる現象で、老化を
早めたり、病気の原因になった
りするのは周知の事実です。血
液中に過剰なブドウ糖があると、
これらの蛋白質に結び付き、「
終末糖化産物(AGEs)」が
作られることはメイラード反応
として知られています。しかし、
結論的に言うとヘモグロビンA1
c は終末糖化産物ではなく中間
体のアマドリ化合物と言われる
ものです。糖化反応に比例して
多くなることが分かっています。
食品中のAGEsの7~8%が
消化吸収されて体内に残り全身
に影響し、肉や魚など蛋白質の
多い食材を高温で加熱するとA
GEsが多く発生することが、
知られていて加工肉や焼き菓子、
しょうゆ、ソース、みそ、コー
ラなどにも多く含まれるので、
取り過ぎないことが大切という
のはその通りだと思います。た
だ体内で合成されるAGEsに
ついてもう少し考慮されるべき
だと感じました。
慶應義塾大学が8月23日、腸
管の健康維持に重要な抗原特異
的な免疫応答が、絶食によって
消失する仕組みを発見したと発
表したのは、偉大な業績です。
栄養シグナルによって免疫系が
制御されていることが示唆され
ていますが、絶食とそれに続く
再摂食が免疫系にもたらす影響
はほとんど解明されていなかっ
たというのは意外に感じました。
絶食時にナイーブB 細胞の一部
を骨髄に一時的にリザーブして
おくことで再摂食によって栄養
が利用できるようになった際に、
迅速に免疫応答を担うようにし
ていると考察しているのは合理
的だと思います。絶食を繰り返
すことでOVA 特異的なIgA の産
生が抑えられたことから、絶食
は経口ワクチンの効果を減弱さ
せることが判明したのは、有益
な所見であり、今後研究を発展
させることで、食事介入による
効果的なワクチン接種方法の開
発へぜひ繋げて頂きたいと思い
ます。

改名の謎を解明する。笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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