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2020-07-17 20:45:11

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診療マル秘裏話  号外Vol.1593 令和1年9月14日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
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目次

1)レビー小体がアミロイド線維含有の事実を世界初証明
2)受動喫煙の被害に遭っている労働者の割合減少

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
 
1】レビー小体がアミロイド線維含有の事実を世界発証明

 
 
 
 
 
 
 
 
日本医療研究開発機構(AMED)
は8月20日、マイクロビームX線
回折という手法を用いて、パー
キンソン病患者の脳内に実在す
る蛋白質異常凝集体であるレビ
ー小体に対する直接的な微細構
造解析を行った結果、レビー小
体がアミロイド線維を含有して
いることを世界で初めて証明し
たと発表しました。この研究は、
大阪大学大学院医学系研究科の
荒木克哉特任研究員(市立豊中
病院神経内科医員を兼任)と望
月秀樹教授(神経内科学)ら、
および、高輝度光科学研究セン
ター(JASRI )の八木直人特別
研究員らとの大型放射光施設SP
ring-8における共同研究によっ
て行われたものです。研究成果
は、「米国科学アカデミー紀要」
(PNAS)に同日付で公開されま
した。近年、レビー小体の主成
分でパーキンソン病の原因蛋白
質であるαシヌクレインから人
工的に作製されたアミロイド線
維の断片が脳内で増殖、伝播す
ることが動物実験で確認されて
いました。 この増殖や伝播を
抑制することでパーキンソン病
の発症や進行を抑制するという
治療法の開発が世界中で盛んに
行われているものの、そのよう
な現象が患者の脳内で起こって
いるという十分な証拠はありま
せんでした。

一方で、全身にアミロイド線維
が沈着することで発症するアミ
ロイドーシスという疾患が古く
から知られています。この疾患
は、一般に患者さんから採取し
た組織において、アミロイドを
染色するコンゴレッドという色
素で染色される細胞外凝集体が
見出されることで診断がなされ
ます。また、アミロイドーシス
はパーキンソン病と同様に進行
性の難病とされてきましたが、
最近になって、一部のアミロイ
ドーシスにおいてアミロイド線
維の凝集を抑制することにより
症状の進行を抑制する治療が日
本でも保険適用となり、治療が
行われています。

かなり前からパーキンソン病患
者の脳内に特徴的な蛋白質異常
凝集体であるレビー小体が形成
されることは分かっていました
が、レビー小体は「コンゴレッ
ド染色で染まらない」かつ「細
胞内」の凝集体であることから、
アミロイドーシスではないとい
うのが一般的な見解とされてい
ました。今回研究グループは、
これまでの見解と動物における
実験結果とが矛盾していること
の核心に迫ろうと考え、パーキ
ンソン病患者さんの脳切片に実
在するレビー小体の微細構造を
直接的に解析して、レビー小体
がアミロイド線維を含有してい
るかどうかを調べました。これ
までパーキンソン病患者さんの
脳内に存在する直径10μm 程度
のレビー小体の構造について、
電子顕微鏡などを用いて直接的
に解析することは技術的に困難
でした。そこで研究グループは、
SPring-8の放射光から、より細
くて強いX 線マイクロビームを
作成し、さらに高解像度の顕微
鏡を用いた測定システムを構築
しました。このシステムにより、
患者さんの脳内に実在するレビ
ー小体に直接X 線マイクロビー
ムを照射して構造解析を行うこ
とに成功し、X 線回折という手
法を用いて、レビー小体がアミ
ロイド線維を含有していること
を世界で初めて確認しました。

これは、前述の矛盾点を解消す
る重要な成果です。細胞「外」
沈着物というアミロイドーシス
診断における古典的な概念にと
らわれず、細胞「内」沈着物で
はあるもののアミロイド線維を
含有するレビー小体が形成され
るパーキンソン病は、アミロイ
ドーシスの一種であるという新
たな概念を提唱する根拠となる
画期的な成果と考えられるとい
うことです。

今回の成果により、一部のアミ
ロイドーシスで実用化されてい
るアミロイド線維の凝集抑制治
療がパーキンソン病においても
応用できる可能性が示され、現
在盛んに行われているパーキン
ソン病に対する凝集抑制治療の
開発がさらに加速することが期
待されます。また、今回の成果
は、パーキンソン病が脳だけの
病気ではなく、アミロイドーシ
スと同じく全身性の病気である
という概念を支持する根拠とな
ります。さらに、「今回の研究
で構築された測定システムは、
非常に難しいとされる脳内の数
μm 程度の凝集体に対する直接
的な微細構造解析を可能として
いることから、神経変性疾患の
みならず、ガンや膠原病といっ
た多くの疾患にも応用可能であ
り、次世代の病理学的研究ツー
ルとして発展することが期待さ
れる」と、研究グループは述べ
ています。

レビー小体型認知症とパーキン

ソン病の違いについて解説して

いる動画です。

 
 


 
 
全身性の病気で治療が前進し
た。           笑

パーキンソン病やアルツハイマ
ー病に対する、アミロイド凝集
抑制治療としては、マリアアザ
ミ種子のメタノール抽出物であ
るシリマリン中のカテコール構
造を有するフラボノイドである
(+)-タキシフォリンが知られ
ているようです。

 
 
 
 
 
 
 
 
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2】 受動喫煙の被害に遭っている労働者の割合減少

 
 
 
 
 
 
 
 
厚生労働省が8月21日発表し
た2018年の労働安全衛生調査に
よると、職場で受動喫煙の被害
に遭っている労働者の割合は、
前年比8.4ポイント減の28.9%と
なり、初めて3割を切りました。
同年の通常国会で受動喫煙対策
を強化する改正健康増進法が成
立し、2020年4月に全面施行さ
れる予定で、前倒しで対策を講
じる企業が増えています。
受動喫煙防止対策に取り組む
事業所の割合は3.1 ポイント増
の88.5% と過去最高を更新しま
した。内容別では建物内全体を
禁煙とし、屋外のみ喫煙可能と
する対応が最も多かった様です。
調査は昨年11月実施し、約90
00人の労働者と約7700事業所か
ら有効回答を得ました。

受動喫煙について解説している

動画です。

 
 
 


 
 
 
行進中の意気の亢進で、過去
最高の記録を更新した。  笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
日本医療研究開発機構(AMED)
は8月20日、マイクロビームX線
回折という手法を用いて、パー
キンソン病患者の脳内に実在す
る蛋白質異常凝集体であるレビ
ー小体に対する直接的な微細構
造解析を行った結果、レビー小
体がアミロイド線維を含有して
いることを世界で初めて証明し
たと発表したのは、素晴らしい
業績です。 パーキンソン病と
レビー小体型認知症はほぼ同じ
病気であることは知っていまし
たが、まさか、アミロイドーシ
スと同じ種類の病気だったこと
は、大変衝撃に感じました。今
までの医療知識がコペルニクス
的転回を迎えているのだと実感
しました。 今回の成果により、
一部のアミロイドーシスで実用
化されているアミロイド線維の
凝集抑制治療がパーキンソン病
においても応用できる可能性が
示され、現在盛んに行われてい
るパーキンソン病に対する凝集
抑制治療の開発がさらに加速す
ることが期待されるのは、喜ば
しいことです。
厚生労働省が8月21日発表し
た2018年の労働安全衛生調査に
よると、職場で受動喫煙の被害
に遭っている労働者の割合は、
前年比8.4ポイント減の28.9%と
なり、初めて3割を切ったとい
うことは、喜ばしいことです。
ただし、喫煙者の人にとっては
肩身が狭い思いが募るニュース
だと思います。でもそういう思
いより、受動喫煙の身体への悪
影響の方が優先されるべきだと
思います。最近、ファミリーレ
ストランのとんでんで喫煙して
いる人を見かけなくなりました。
また9月からは、すかいらーく
グループのジョナサンなどのお
店で全面禁煙となるようです。
以前のメルマガでお話した通り
こうした取り組みが実を結んで
東京オリンピックの受動喫煙の
対策が進むことを期待したいと
思います。その先も世界に誇る
禁煙の国となってもらいたいと
考えている次第です。

近縁の人から禁煙治療を勧め
る。           笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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