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2020-07-04 22:22:59

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診療マル秘裏話  号外Vol.1582 令和1年9月1日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次

1)脳心血管病の発症リスクの高精度の予測が可能
2)オートファジーの低下が、尿路結石形成を促進

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
1】脳心血管病の発症リスクの高精度の予測が可能

 
 
 
 
 
 
帝京大学は8月7日、自動血圧
計を用いて測定された24時間と
夜間の血圧値の組み合わせによ
り、脳心血管病発症リスクの高
精度の予測が可能であることを
明らかにした研究結果を発表し
ました。この研究は、同大医学
部衛生学公衆衛生学講座の大久
保孝義主任教授と浅山敬准教授
が参画している国際共同研究ID
ACO(the International Datab
ase on Ambulatory Blood Pres
sure in Relation to Cardiova
scular Outcome)により行われ
たものです。研究成果は、米国
医師会雑誌「Journal of the A
merican Medical Association
(JAMA)」電子版に掲載されま
した。高血圧は、脳心血管病の
最大の危険因子のひとつで、生
活習慣の改善や降圧治療によっ
て改善を図ることができます。
しかし、血圧値は変動しやすく
正確な診断が困難であることか
ら、将来の脳心血管病発症リス
クを正確に予測する血圧測定に
ついての研究が進められていま
した。

IDACO はベルギーのLeuven大学
により運営管理されている国際
共同研究プロジェクトです。日
本からは岩手県花巻市で1986年
より実施されている大迫研究(
帝京大学、東北血圧管理協会な
どの研究機関と地元自治体との
共同研究事業)が参画していま
す。今回研究グループは、IDAC
O に登録された世界13地域・3
大陸(東アジア、ヨーロッパ、
南アメリカ)の一般地域住民1
万1,135 人における、24時間自
由行動下血圧ならびに関連医療
情報を解析しました。平均14年
間の追跡期間中に2,836例 の脳
心血管病の発症(死亡を含む)
が認められたということです。
追跡開始時に測定された診察室
血圧、昼間自由行動下血圧、夜
間自由行動下血圧、そして24時
間自由行動下血圧と脳心血管病
発症との関連を、各種危険因子
で調整して解析した所、24時間
ならびに夜間の自由行動下血圧
が高値である場合、脳心血管病
に最も高率に罹患することが判
明しました。24時間と夜間の自
由行動下血圧値の組み合わせに
よって、10年間の脳心血管病発
症リスクを明瞭に示したという
ことです。

日本高血圧学会の高血圧治療ガ
イドライン(JSH 2019)でも、
高血圧の診断根拠として家庭血
圧を診察室血圧よりも優先する
よう定めるなど、家庭血圧に基
づいた高血圧の診断・治療を推
奨しています。「診察室外での
多様な血圧測定に基づく高血圧
の管理が脳心血管病の予防に重
要だ」と、研究グループは述べ
ています。

心臓と血管の病気について解説

している動画です。

 
 


 
 
 
足底の湾曲を測定する。笑

 
 
 
 
 
 
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2】 オートファジーの低下が、尿路結石形成を促進

 
 
 
 
 
名古屋市立大学は8月7日、腎
臓内の尿細管細胞において有害
因子を選択的に隔離・排除する
生態防御機構であるオートファ
ジーの低下が尿路結石形成を促
進することを発見したと発表し
ました。この研究は、同大学大
学院医学研究科腎・泌尿器科学
分野の安井孝周教授と海野怜研
究員と、長崎大学原爆後障害医
療研究所幹細胞生物学研究分野
の川端剛助教らの研究グループ
によるものです。研究成果は、
国際科学誌「Autophagy 」に掲
載されました。

尿路結石は、腎臓内で形成され
て下降することで尿管が詰まり、
激痛を引き起こす疾患です。放
置をすると腎不全や尿路感染を
引き起こし、命に関わることも
あります。尿路結石の再発率は
5年で50~60%であり、新たな
予防薬や再発リスク法の開発が
重要な課題です。これまでの尿
路結石のリスク評価は、尿中の
カルシウムなどを測定する生化
学検査が中心でありましたが、
これは必ずしも有効とは言えま
せんでした。

また、尿路結石が自然排石しな
い場合には、衝撃波や内視鏡で
破砕をする手術が行われていま
すが、再発に対しては効果があ
りません。形成機序の解明から
細胞レベルの酸化ストレスが、
結石の形成を促進することが報
告されています。研究グループ
は、細胞傷害によりオートファ
ジーの機能が低下し、尿路結石
が形成されるという仮説のもと、
研究をすすめてきました。今回、
基礎研究において、オートファ
ジーの低下が細胞傷害を悪化さ
せ結石形成を促進すること、オ
ートファジーの低下はmTORシグ
ナルの活性化によること、mTOR
シグナルを阻害する薬剤の投与
で、オートファジーが亢進し、
細胞傷害の抑制により結石形成
が抑制されることを発見したと
いうことです。今回の研究成果
は、オートファジーの活性化に
よる尿路結石の予防につながる
だけでなく、mTORシグナルが新
たな診断マーカーとなる可能性
を示すものであるとし、これら
のオートファジーのマーカー値
と尿路結石のリスクなどの検証
を今後行う予定だ、と研究グル
ープは述べています。

尿路結石について解説している

動画です。

 
 


 
 
尿路結石のため学校を欠席す
る。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
帝京大学が8月7日、自動血圧
計を用いて測定された24時間と
夜間の血圧値の組み合わせによ
り、脳心血管病発症リスクの高
精度の予測が可能であることを
明らかにした研究結果を発表し
たのは、素晴らしい業績です。
高血圧は、脳心血管病の最大の
危険因子のひとつで、生活習慣
の改善や降圧治療によって改善
を図ることができることは知ら
れていて、当クリニックでも高
血圧の対策として減塩のプリン
トを高血圧の患者さんに配布し
ています。私も若い時は、ラー
メンが好きで毎日多量の塩分を
摂取する生活を送っていたので
あのままの生活を続けていたら
と思うとゾッとしました。
名古屋市立大学は8月7日、腎
臓内の尿細管細胞において有害
因子を選択的に隔離・排除する
生態防御機構であるオートファ
ジーの低下が尿路結石形成を促
進することを発見したと発表し
たのは、偉大な業績です。mTOR
シグナルを阻害する薬剤の投与
で、オートファジーを亢進させ
ていますが、簡単にオートファ
ジーを亢進させる方法としては、
ファスティング(断食)があり
ます。オートファジーについて
は、2016年のノーベル医学生理
学賞を大隅博士が受賞された事
で知られるようになりましたが、
それまで、オートファジーの重
要性は、顧みられてこなかった
という歴史があります。この様
な優れた研究の結果、オートフ
ァジー機構の重要性が、更に再
認識されたと考えられています。

オートファジー機構について、
聞こう。笑

 
 
 
 
 
 
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