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2020-07-07 21:16:47

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診療マル秘裏話  号外Vol.1585 令和1年9月5日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次

1)神経障害性疼痛メカニズムを担う蛋白質の動態解明
2)エボラ出血熱の2種類新薬が治験での死亡率抑制

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】神経障害性疼痛メカニズムを担う蛋白質の動態解明

 
 
 
 
 
 
 
大阪大学は8月9日、神経の異
常な興奮で起こる痛みである神
経障害性疼痛において、痛みの
伝達に重要である脊髄後角でFL
RT3 蛋白質の発現が増加し、痛
みを増幅させることを動物モデ
ルで発見したと発表しました。
この研究は、同大大学院医学系
研究科分子神経科学の藤田幸准
教授、山下俊英教授(分子神経
科学)らによるものです。研究
成果は、「Journal of Neurosc
ience」に、7月25日付で公開さ
れました。痛みは人体の危険を
知らせる重要な警告システムで
ある一方で、生理的に害となる
痛みも存在します。必要以上に
長く続く痛みや原因不明の病的
な痛みは、慢性疼痛と呼ばれま
す。慢性疼痛は、患者数が全世
界で15億人以上とされ、経済的
損失も大きいことから、社会問
題となっています。特に、神経
の損傷や機能障害をきっかけと
して発症する神経障害性疼痛は、
既存薬による治療効果が低い事
から、有効な治療法の確立につ
ながるような、新たな発症メカ
ニズムの解明が必要とされてい
ます。

神経障害性疼痛の病態形成には、
痛みの伝達経路の異常が強く関
与していることが知られてきま
した。特に、末梢からの痛み情
報を修飾して中枢へと伝える脊
髄の後角は、神経障害性疼痛の
主要な原因箇所であることが分
かっています。神経の損傷によ
って、脊髄後角では神経回路の
再編が起こり、神経細胞が過剰
に興奮した状態に陥ります。こ
の神経興奮による痛み情報の増
幅が神経障害性疼痛の原因にな
ると考えられてきましたが、神
経興奮がどのような分子メカニ
ズムで起こっているのか、その
詳細は不明でした。今回研究グ
ループは、痛みシグナルの伝達
や中継に重要な部位である末梢
神経、および脊髄後角に着目し、
痛みの増幅に関わる分子や、そ
のメカニズムを調べました。同
研究グループの先行研究から、
脊髄後角のネトリン-4蛋白質が、
Unc5B 受容体を介して、脊髄後
角での神経興奮を引き起こすこ
とが分かっていました。しかし、
ネトリン-4は神経損傷後に発現
増加しないことから、神経損傷
をきっかけとしてUnc5B を介し
たシグナルのスイッチとなるメ
カニズムがあるのではないかと
考えられました。そこで、Unc5
B と結合する他の分子が疼痛の
発症に必要である可能性を検討
しました。その結果、Unc5B の
結合パートナーのひとつである
FLRT3 蛋白質が、疼痛モデルの
末梢神経、および脊髄後角で発
現増加することを見出しました。

次に、脊髄で増加するFLRT3 が
疼痛を引き起こすのかを検証し
ました。ラットの脊髄髄腔内に
FLRT3 を投与すると、通常のラ
ットでは痛みとして認識されな
いような軽度の刺激でも、痛み
を生じ、痛覚過敏の症状が起こ
ることを確認しました。このと
き、活性化した神経細胞の数が
脊髄後角で増加していました。
したがって、FLRT3 は神経の異
常な活性化を介して痛みを引き
起こす物質であることが分かり
ました。さらに、末梢神経が障
害され痛覚過敏の症状があるラ
ット(神経障害性疼痛モデルラ
ット)に、FLRT3 の機能を抑制
する抗体を脊髄髄腔内へ投与す
る、またはFLRT3 の発現を抑え
る核酸(shRNA )を末梢神経で
発現させることによって、持続
的な鎮痛効果が見られました。
FLRT3 の機能を抑制する抗体は、
FLRT3 とUnc5B 受容体との結合
を抑制したことから、脊髄後角
で発現が増加したFLRT3 は、痛
みを伝える二次痛覚神経に発現
するUnc5B 受容体に結合するこ
とで、この神経に神経興奮を引
き起こし、神経障害性疼痛を発
症させることが示唆されました。

今回の研究成果により、神経損
傷後に末梢で発現するFLRT3 が
脊髄後角に運ばれ疼痛を誘発す
る働きがあること、疼痛モデル
においてFLRT3 抗体投与で鎮痛
作用が得られることが明らかと
なりました。 「FLRT3 という
損傷部特異的に発現上昇する分
子を標的に定めることで、治療
効果が高く安全な疼痛治療薬の
創出につながることが期待され
る」と、研究グループは述べて
います。

神経障害性疼痛について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
末梢で発現する蛋白質につい
て発言する。       笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 エボラ出血熱の2種類新薬が治験での死亡率抑制

 
 
 
 
 
 
 
世界保健機関(WHO)は8
月12日、アフリカ中部・コンゴ
民主共和国東部で流行している
エボラ出血熱について、2種類
の新薬が臨床試験での死亡率の
抑制に効果を見せたと発表しま
した。流行の収束に寄与するか
が注目されます。臨床試験では、
4種類の新薬が患者さん約70
0人に投与されました。このう
ち生存した患者さんの抗体から
作られた2種類の新薬は、患者
さんの死亡率が29%と34%で、
ほかの2種類の新薬が約5割だ
ったのに比べ低いという結果が
出ました。

この臨床試験は、エボラ出血
熱の流行への緊急対策の一環で
昨年11月に始まりました。今後、
患者さんへの投与を進めるとい
うことです。

約一年前にエボラ出血熱の緊急

事態宣言がWHOでなされたと

言うニュース動画です。

 
 


 
 
 
流行の収束と終息に期待する。


 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
大阪大学が8月9日、神経の異
常な興奮で起こる痛みである神
経障害性疼痛において、痛みの
伝達に重要である脊髄後角でFL
RT3 蛋白質の発現が増加し、痛
みを増幅させることを動物モデ
ルで発見したと発表したのは、
喜ばしいことです。それまでは、
脳あるいは、脊髄でミクログリ
ア細胞が活性化し、そのために
神経障害性疼痛が起こるという
ものでした。 ミクログリアの
活性化を抑制するのが抗生物質
のミノマイシンであることが分
かっており、実際に線維筋痛症
や筋痛性脳脊髄炎の患者さんに
対して投与する臨床試験が行わ
れているようです。今回の研究
からFLRT3 という損傷部特異的
に発現上昇する分子を標的に定
めることで、治療効果が高く安
全な疼痛治療薬の創出につなが
ることに期待したいと思います。
世界保健機関(WHO)は8
月12日、アフリカ中部・コンゴ
民主共和国東部で流行している
エボラ出血熱について、2種類
の新薬が臨床試験での死亡率の
抑制に効果を見せたと発表しま
した。流行の収束に寄与するか
が注目される所です。エボラ出
血熱の流行については、過激派
が患者さんのいる病院を占拠し
たりして、医療以外の要因で、
流行が長引いている懸念がなさ
れています。また治療により、
回復した患者さんの体内には、
まだウイルスが残存する可能性
があるため数年間は性行為を控
えなければならないなどの治療
後の生活の制約が存在するのも
大変な病気であるということを
自覚せざるを得ないことになっ
ています。生存した患者さんの
抗体から作られた2種類の新薬
は、患者さんの死亡率が29%と
34%で、ほかの2種類の新薬が
約5割だったのに比べ低いとい
う結果が出たのは不幸中の幸い
と言っても、過言ではないでし
ょう。

製薬会社ならではの制約。笑

 
 
 
 
 
 
 
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