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診療マル秘裏話   Vol.658 平成28年7月21日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
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目次

1)敗血症病態で重要である血漿蛋白質HRG同定
2)ジカ熱のウイルスがマウスに感染するのを防ぐワクチン開発

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
1】 敗血症病態で重要である血漿蛋白質HRG同定

 
 
 
 
 
 
 
岡山大学大学院の西堀 正洋
教授、和氣 秀徳助教らの研究
グループはマウスの敗血症病態
モデルの解析により敗血症病態
を理解するうえで、重要となる
血漿蛋白質「HRG」を同定し
ました。HRGが、循環血中の
好中球と血管内皮細胞の静穏化
維持に極めて重要な働きをする
因子であるのに加えて、敗血症
病態のカスケードが血中HRG
の低下を起点として進行する事
を世界で初めて解明しました。
また、同研究グループはHRG
を薬として補う新しい治療法を
検討しました。敗血症時にHR
Gが著明に低下したマウスに、
HRGを注射によって補充する
ことで劇的な生存維持効果があ
ることを見いだしました。

敗血症は、細菌、ウイルス、
真菌等の感染症による全身炎症
に、臓器障害が加わった病態で
進行すると多臓器不全や敗血症
性ショックといった重篤な病態
になります。世界で年間2000~
3000万人が新規で発症し、その
数十%が敗血症で、亡くなって
いると推定されています。日本
でも、年間37万人が発症して
いますが、最近10年間で治療
法に目立った進歩は認められず、
世界的にも抗生物質以外に臨床
治療薬はないとされています。

HRGは、肝臓で、産生され
血液中に分泌される分子量約7
万5000の糖蛋白です。研究
グループはマウスの敗血症病態
モデルを解析し、HRGが循環
血中の好中球の形態を、表面微
絨毛構造のない正円形状態に保
つこと、この形態維持が、毛細
血管通過性を、スムーズにする
ために非常に重要であることを
見いだしました。更に、正円形
に形が維持された好中球は活性
酸素分子種の産生レベルが低く、
血管内皮細胞への接着も抑制さ
れており、不必要な血管壁障害
を最小限に抑えていることが分
かりました。

西堀教授らは、一連の敗血症
病態のカスケードが血中HRG
の低下を起点として進行する事
を証明しました。治療法として
HRGを薬として、補うという
発想に至りました。 HRGが
著明に低下した敗血症マウスに
ヒトの血漿から精製したHRG
を注射によって補充すると生存
率が大きく向上し、劇的な生存
維持効果があることを見いだし
ました。一方、肝臓におけるH
RGの産生が抑制されたマウス
では致死率が、大幅に上昇しま
した。

同研究の病態解析部分は、マ
ウスの敗血症モデルによります
が、西堀教授らは、ヒト敗血症
患者さんの血中HRG測定でも
同程度の著明な低下を確認ずみ
ということです。すでに、哺乳
動物細胞を使ったヒト組み換え
蛋白の製造にも成功し、新しい
治療薬の開発に向けての研究が
順調に進行しています。

敗血症の予防治療薬についての

動画です。

 
 


 
 
足底の測定を行う。笑

 
 
 
 
 
 
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2】 ジカ熱のウイルスがマウスに感染するのを防ぐワクチン開発

 
 
 
 
 
 
ブラジルなど中南米で流行す
るジカ熱のウイルスがマウスに
感染するのを防ぐ、ワクチンの
作製に成功したと、米ハーバー
ド大などのチームが、28日付の
英科学誌ネイチャー電子版に、
発表しました。チームは「安全
で、効果的な人のジカウイルス
ワクチン開発の期待が高まりま
した。人を対象にした臨床研究
も急ぐべきだ」としています。

チームはブラジルで分離され
たウイルスの遺伝子の一部を組
み込んだDNA ワクチンと、病原
性をなくした不活化ワクチンの
2種類を開発しました。

ジカ熱ウイルスを感染させる
実験では、いずれかのワクチン
を1回接種したマウスではウイ
ルスが増殖せず、感染防御効果
が確認できました。

ジカウイルスのワクチンの開発

について解説している動画です。

 
 


 
 
ジカ熱ワクチンの開発を時価
で評価する。笑

 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
マウスの敗血症病態モデルの
解析により敗血症病態を理解す
るうえで、重要となる血漿蛋白
質「HRG」を同定したのは、
偉大な業績です。早くヒトでも
臨床試験をして、効果を確かめ、
臨床で使えるようにして欲しい
ものです。それにより、従来の
治療法で亡くなっていた、患者
さんが生存する可能性が高くな
るからです。人間を死なない様
にすることは、できませんが、
敗血症から生還する人が増える
日を心待ちにしています。
ブラジルなど中南米で流行す
るジカ熱のウイルスがマウスに
感染するのを防ぐ、ワクチンの
作製に成功したのは、快挙とい
う他ありません。現在でもブラ
ジルでは、妊婦さんが感染して
小頭症の子供が生まれたり、性
交渉で爆発的に感染が広がった
りしている訳ですから、一刻も
早く、実用化して使えるように
して頂きたいものです。悲劇が
食い止められる日がくるのを指
折り数えて待っています。

いっこく堂(一石堂)のライ
ブが一刻も早く始まって欲しい。


 
 
 
 
 
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藤田 亨
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