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診療マル秘裏話 Vol.285 平成21年5月14日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次
1)  ICU での厳密な血糖コントロールの是非
2) 禁煙に匹敵する運動の長生き効果の報告

 
 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 ICU での厳密な血糖コントロールの是非

 
 
集中治療室(ICU) の患者
さんには、血糖値の急激な
上昇がしばしばみられ、
現行では血糖値の低下療法
が推奨されています。しか
し、この方法は患者さんの
死亡リスクをかえって高め
る可能性があるという知見
が報告されました。
「重症患者の血糖値を強力
に低下させることに利点は
なく、むしろ有害である」
と、研究を行ったオースト
ラリア、王立ノースショア
North Shore 病院(シドニ
ー)のSimon Finfer博士は
述べています。この研究は、
ベルギー、ブリュッセルで
開催された集中治療・救急
医学国際シンポジウムでの
発表と同時に、米医学誌
「New England Journal of
Medicine 」オンライン版
に掲載されました。

高血糖は、急性疾患患者
さんに一般的であり、臓器
不全や死亡に関連しており、
強力な(intensive) 血糖
降下療法が推奨されていま
す。今回、Finfer 氏らは、
6万1000人強のICU入院患者
さんを、強力な血糖コント
ロール(強化療法)、ある
いは従来の血糖コントロー
ルを行う群に無作為に割り
付けました。目標の血糖値
を得るためインスリン点滴
を用い、患者は90日間追跡
されました。その結果、
追跡中に従来治療群の24.9
%、強化療法群の27.5%が
死亡し、「強化療法は、
患者の死亡リスクを10%高
める」とFinfer氏は述べて
います。低血糖症の発症率
や低血糖の割合も強化療法
群のほうが高い結果がでま
した。

多くの専門機関は、ICU
患者さんの血糖値を厳密に
コントロールするよう勧め
ていますが、「今回の知見
を反映し、国際ガイドライ
ンは改訂されるべきだ」と
Finfer氏は述べています。

しかし、米国糖尿病協会
(ADA) と米国臨床内分泌
学会(AACE)は共同声明で、
今回の報告に影響されて
医療従事者が高血糖に無関
心になることへの警告を発
し、重症患者の血糖値を
医師は注意深く監視すべき
であると強調しています。
また、この研究では、非常
に厳密な血糖コントロール
を受けた患者さんと、従来
の治療を受けた患者さん、
すなわち厳密さは、低いが
十分にコントロールされた
血糖管理を受けた患者さん
を比較している点も指摘し
ています。

ADA とAACEはこの問題に
ついて、特別調査委員会を
招集しており、その勧告は
米医学誌「Endocrine
Practice(内分泌プラクテ
ィス)」と「Diabetes
Care(糖尿病ケア)」に
掲載される予定です。十分
な情報が得られるまでは、
厳密さは低いのですが、
(今回の研究でも用いられ
た)従来の治療で、十分な
血糖コントロールを行うの
が理にかなっているという
ことです。

米エール大学(コネチカ
ット州)医学部教授の
Silvio E. Inzucchi博士は、
同誌の論説で、「この結果
は臨床現場を変えるものか
もしれない」と述べていま
す。「血糖コントロールは
よいことだが、強力にやり
すぎる必要はなく、血糖値
を下げはするが、少し高め
のところに保つことは、少
なくとも短期間については、
悪いことではないだろう」
と述べています。

カナダ医師会誌
「Canadian Medical
Association Journal」
に掲載されたカナダの研究
では、Finfer 氏の研究の
含め,26件の研究データを
検討した結果、ICU 患者へ
の血糖降下療法は、危険な
低血糖を来すリスクが6 倍
であったということです。

「治療を決定する立場にあ
る人は、すべての重症患者
において、インスリン強化
療法を実施するよう推進す
る勧告について再検討すべ
き」と著者らは述べていま
す。しかし、研究チームは
「一部の患者にとっては、
インスリン強化療法が有益
で、高血糖イベントのリス
クが減る可能性がある点も
排除できない」と述べてい
ます。

インスリンは、確実に血糖値

を下げる治療法ですが、体

脂肪と体重を増やし、インスリン

抵抗性を増す可能性があり

ます。特に、変形性ひざ関節

症などで体重を増やせない

場合に、食事療法をなおざり

にして、インスリンの量を増やす

のは、問題であると考えています。



 
 
 
 
ケースバイケースで血糖
コントロールを考えたほう
が良いでしょう。ICU では、
血糖値と決闘する。笑

 
 
 
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2】 禁煙に匹敵する運動の長生き効果の報告

 
 
中高年で,禁煙ができない
人も、休みの日に少しでも
体を動かせば、禁煙したの
と同じくらい長生き効果が
あることが、スウェーデン
中部の都市ウプサラ県での
住民コホート追跡調査から
報告されました。ウプサラ
大学(スウェーデン)整形
外科/研究センターのLiisa
Byberg氏らが,1970〜1973
年の間に満50歳だった同県
男性2,205人 を35年にわた
り追跡調査した結果で、
2009年4月18日号(オンラ
イン版2009年3月5日号)に
掲載されました。50歳以後
の身体活動度と死亡率の
関係が評価されました。

調査は参加者の死亡率を
主要評価項目として行われ、
追跡調査は参加者が60、70、
77、82歳時それぞれの時点
で行われました。

各々の調査時点では、参
加者に4 項目を質問しまし
た。
(1) 余暇はじっとして過
ごすことが多いか(読書、
TVあるいは映画鑑賞など
座って過ごす)?
(2)よくウォーキングや
サイクリングを楽しんで
いるか?
(3)毎週、娯楽的なスポ
ーツやガーデニングを少
なくとも3時間はしている
か?
(4)ハードトレーニング
や競技スポーツを定期的
に行っているか?
(1)と回答した人は「低
身体活動度」群に(2)は
「中身体活動度」群、
(3)(4)の人は 「高身
体活動度」 群と評価しま
した。

50歳時点では半数以上が
「高」群に、「中」群は
36%、「低」群は15%で
した。
50歳からの運動開始でも、
十分間に合う可能性が、
指摘されました。 追跡
調査終了時で死亡してい
たのは、1,329人(60%)
でした。絶対死亡率は、
「低」群27.1例/人・年、
「中」群23.6例/人・年、
「高」群18.4例/人・年
でした。「高」群の死亡
率の相対的低下率は、
「低」群との比較で32%、
「中」群とでは22%でし
た。50〜60歳の間に身体
活動度がアップした人は、
追跡期間の最初の5年間
の死亡率が、活動度が変
わらなかった人と比べる
と上昇し続けました。
(ハザード比:2.64)。
しかし追跡期間10年を経
ると、同等になりました
(1.10)。死亡率の低下
は、身体活動度を増す事
と関連しており、身体
活動を増すことは禁煙し
たのと同じくらいの低減
効果に匹敵する効果があ
ることが確認されたとい
うことです。
ハードトレーニングや、
競技スポーツをやってい
る人は鍛え方が違うとい
う印象を受けます。また
喫煙の度合いによっても
死亡率は変わってくるの
ではないでしょうか?
簡単に言うとどんな人で
もヘビースモーカーでは、
死亡率が上がると考えら
れるからです。

高齢者に優しい体操とスト

レッチの動画です。



 
 
 
 
 
近縁の若者から禁煙をお
願いしたい。笑

 
 
 
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編集後記

厳密すぎる血糖コントロ
ールは、網膜症を誘発する
と言われています。だから
と言って高血糖を放置する
ことはゆるされません。
ほどほどのコントロールが
要求されるということでし
ょう。一部の人では、厳密
な血糖コントロールが要求
されます。高齢になってか
ら禁煙しても、あまり死亡
率が変わらないと言われて
います。高齢になってから
禁煙するよりは、軽い運動
をして、呼吸機能を維持し
たほうが、生活の質は高い
かもしれません。しかし逆
にいうと若者は、禁煙した
方が良いということでしょ
う。
追跡により、つい咳が出る。笑

 
 
 
 
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