美しい肌 復刻版 Vol.414(平成26年2月12日)

2015-02-11 06:30:44

カテゴリー:女性の美容と健康

里芋

書くべき食材が尽きてきましたので、過去に書いた

食材の復刻版を載せて行きたいと思います。新たな

食材がでましたら、その際には、力を込めて書いて

参りたいと考えております。

 
写真はさといも(里芋)です。

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美肌の野菜&果物(各論:さといも)

 
 
 
さといもの正体

さといもは、サトイモ科サトイモ属に属して

いる一年草(種をまいてから一年以内に

発芽・生長・開花・結実・枯死する草のこと)

です。さといもの原産地はマレー半島

付近の熱帯地方で、別名タロイモ、タイモ

とも呼ばれています。さといもは土の下で

肥大した塊茎(かいけい)が食用とされます。

塊茎(かいけい)とは、土の下の茎がほぼ

伸びることはなく、楕円形から卵形に肥大

したものです。さといもは親いもを中心に、

子いも、孫いもをまわりにつけています。

親いもを中心に子いも、孫いもが育つこと

から、子孫繁栄を願い正月料理にも使用

されています。さといもには葉柄を食用と

する種類もあります。さといもは、山で収穫

されるいもをやまいもと呼ぶのに対し、里で

つくるいもがさといもと呼ばれるようになり

ました。他に田芋、畑芋、家芋などの名称

があります。皮をむくと出てくるぬめりや

特有のねっとりとした食感がさといもの魅力

です。

さといもは大きく分けて、子いも・孫いもを

食用にする子いも用品種、親いもを食用と

する親いも用品種、そのどちらも食用と

する親子兼用品種の3つの品種に分け

られます。

一般的に多く出回っているさといもは子いも

用品種です。

子いも用品種
子いも用品種には土垂(どだれ)、石川早生

(いしかわわせ)、えぐいもなどがあり、一般的

にさといもと呼ばれている品種です。土垂は

主に関東地方で生産されているさといもの

代表的な品種です。楕円形で、粘りがあり

やわらかいことが特徴です。石川早生は

小さく丸い形で、やわらかく淡白な味わいが

特徴です。8~9月に出回り、きぬかづぎ

(さといもの小芋を皮のまま蒸し、その皮を

剥いて食べる料理)などに使われます。

えぐいもは石川早生によく似ており、名前の

通り味にえぐ味があります。

親いも用品種
親いも用品種には京いもがあります。京いも

は半分以上が地上に出ており、姿がたけのこ

に似ていることから別名たけのこいもと呼ばれ

ています。主な生産地は九州で、ぬめりが

少なく煮崩れしにくいことから煮物に向いて

います。

親子兼用品種
親子兼用品種には赤芽(あかめ)、唐いも

(とうのいも)、八ツ頭(やつがしら)、セレベス

などがあります。京野菜で知られている

えびいもは唐イモの最高品をタネイモに

使い、夏場に4~5回土寄せを行うという

特殊な栽培方法によってつくられました。

形や表面の縞模様がえびに似ていること

から、えびいもと名付けられました。赤芽

は芽の部分が赤いことが特徴です。また

皮も褐色で赤みがあり、九州地区の赤土で

栽培されています。粘りがあり柔らかいこと

から、煮物などに使用されます。唐いもの

親いもは楕円形で太く、子いもは長く

曲がっていることが特徴的です。八ツ頭は

ひとつの種から八方に芽が突き出ること

からこの名がつけられました。末広がりの

八と、これを食べると人の頭に立てると

いわれており、縁起がよい食べ物として正月

のおせち料理に使われます。セレベスは

インドネシアのセレベス島から伝来し、別名

大吉とよばれています。いも全体に赤みが

あり、粘りがあり味が良いことが特徴です。

里芋の鳥そぼろ煮のレシピです。

www.youtube.com/watch?v=VIVuWMEmsPc

 
 
 
 
 


 
 
 
 
 
 
 
さといもの歴史

さといもは紀元前3000年頃にはインドで

栽培されていたといわれています。原産地

であるマレー半島付近の熱帯地方で育った

さといも中でも成長が早いさといもが中国を

経由し日本に渡来しました。里芋はインド

東部からマレーシアにかけての東南アジア

が原産地だといわれています。

紀元前2500年頃には海を越えて各地に

広がり、日本へも縄文時代には伝わって

いたと考えられています。日本で稲作が

始まったのは弥生時代ですが、それ以前、

縄文時代に焼き畑農業が行われており、

その中心作物は里芋で、里芋は稲作以前

の主食だったと考えられています。日本に

定着した里芋は、タロイモ類の中で最も

北方の風土に適した系統のものでした。

里芋は、「ウモ」とか「イエツイモ」と呼ばれて

いました。ウモはイモの古語です。イエツイモ

は、以前から山野に自生していたヤマノイモ

に対して、家で栽培するイモという意味で

つけられました。里芋の記録として最も古い

ものは『万葉集』にあります。蓮葉(はちすば)は

かくこそあれも おきまろが いえなるものは

宇毛之葉にあらし 長意吉麻呂(ながのおきまろ)

「蓮の葉は、このような葉の事をいうのだろう。

我が家にあるものは、どうもサトイモの葉の

ようだ」と歌っています。(一説では、よその

美しい奥様と自分の妻を比べている、とも

言われているそうです。)また、平安時代の

『延喜式』には、里芋の栽培方法が記されて

います。当時、主食としての穀類があまり

豊かではなかった中で、里芋は重要な作物

であったと考えられます。じゃがいもや

さつまいもが食べられるようになるのはずっと

後、江戸時代のことです。「里芋」という名前

は、(古代の呼び名と同様ですが、)山芋に

対して、里で作る芋というのが由来です。

他に、「田芋」、「畑芋」、「家芋」などの名前が

あります。中国では紀元前の歴史書「史記」

にさといもの記録があります。平安時代の辞典

「和名抄(わみょうしょう)」には里芋が葉柄と

ともに食用になることが記されています。上記の

ように万葉集の歌にも詠まれるなど、古くから

食べられていたことがうかがえます。江戸時代

にさつまいもが日本に渡来するまでは、いもの

主役としてさといもが主に栽培されていました。

日本各地で正月にさといもを食べる習慣が

残っているのは、さといもが主要な産物と

して生活に浸透していた名残であるといわれて

います。

さといもの煮ころがしのレシピです。

下ごしらえから生産者の声まで紹介されて

います。

www.youtube.com/watch?v=2zWXplFdi5g
 
 
 
 
 


 
 
 
 
 
 
 
 
 
さといもの雑学

さといもの生産地は埼玉県、千葉県、宮崎県

などです。9~11月に旬を迎えます。さといも

は皮にしっとりとした湿り気があり、傷がない

ものが新鮮です。また、泥つきのほうが洗った

さといもよりも日持ちがよく、風味が長持ち

します。さといもから芽が出ているものや、

軽く押さえて、下部がふかふかするものは

避けます。ふっくらと丸みがあり、重量感の

あるものを選ぶようにします。さといもは独特

のぬめりから皮がむきにくい食材ですが、

加熱することによりつるりと簡単に、しかも

有効成分のぬめりを取りすぎることなく皮を

むくことができます。皮をむいた後、ぬめり

を取るために塩もみをしたり、ゆでこぼし

といった下処理をすることがありますが、

健康面からはぬめりを残して調理する方が

良いとされています。さといもを煮物にする

場合はぬめりを除いた方が味がしみ込み

やすくなります。見た目を白く仕上げたい

場合は下ゆでをする際に、水に塩を加え

たり、酢を少し落とします。しかし水だけの

方が栄養の損失は少なくて済みます。

また、米のとぎ汁で茹でると白く柔らかく茹で

上がります。さといもを洗うと手がかゆくなる

のは、皮に近い部分にシュウ酸カルシウム

と呼ばれる針状結晶が含まれているため

です。この小さい結晶が皮膚に刺さり、

かゆみを引き起こします。このかゆみを防ぐ

には、洗って乾かしてから皮をむくか、手を

酢水につけたり、重曹や塩をつけてから

皮をむくと良いとされています。さといもは

乾燥や低温に弱いため、冷蔵庫での保存

は好ましくありません。適度な湿り気を

逃がさないように泥がついた状態で紙袋

に入れ、日の当たらない風通しの良い

場所に保存します。さといもの表面が乾燥

している場合は霧吹きで水を噴きかけ、

新聞紙に包んで保存します。洗った

さといもを保存する場合は、水気を取り

ポリ袋に入れて野菜室で保存します。傷み

やすいため2~3日中に使い切ります。

また、冷凍保存も可能です。さといもを

やわらかく蒸して冷凍保存をすると、

2~3週間保存が可能です。免疫力とは、

外部から入ってくる細菌やウイルスから

身を守るための防衛能力のことをいい

ます。免疫力が低下していると細菌や

ウイルスが体内に入り込みやすくなり、

風邪をひきやすくなります。さといもに

含まれているガラクタンは、免疫力を

高め、風邪などの予防に働きかける成分

です。さといもに含まれているムチンには

胃や腸の粘膜を健康に保つ効果があり

ます。ムチンは胃酸から胃の粘膜を保護

し修復する働きがあることから、胃炎

(胃の粘膜が炎症を起こす病気のこと)や

胃潰瘍(胃の保護をする粘膜が胃液に

よって溶かされ、吐き気や腹痛を引き

起こすこと)などの予防に効果的です。

さらに腎臓や肝臓、胃腸などの内臓を強く

する働きもあります。また、ムチンには

たんぱく質を分解する酵素が含まれて

いるため、たんぱく質の消化・吸収を

促す作用もあります。さといもに豊富に

含まれているガラクタンには動脈硬化を

予防する働きがあるといわれています。

動脈硬化とは血管が硬くなり弾力性が

失われた状態を指します。血管の中に

コレステロールが溜まり、血液の流れが

滞ることで病状が進行します。動脈硬化

が悪化すると脳出血や脳梗塞などの

病気に発展する可能性があります。

ガラクタンはコレステロール値を下げる

作用を持つため、動脈硬化の予防に

つながります。高血圧とは血圧が高い

状態をいいます。血圧とは血管にかかる

圧力のことをいい、高血圧の状態が続き

悪化すると脳出血や脳梗塞などが発症

するリスクが高くなります。血圧には

ナトリウムとカリウムが大きく関係して

います。ナトリウムを過剰に摂取すると、

血液中のナトリウム濃度を下げるため

血液の量が多くなり高血圧になります。

さといもに含まれているカリウムには、

一度血液中に吸収されたナトリウムが

腎臓で吸収されることを防ぎ、尿中へ

の排出を促すことで血圧を下げる作用

があるため、高血圧の予防に効果的です。

さといもに含まれているビタミンB1には

疲労を回復させる効果があります。

ビタミンB1は食事から摂った糖質を

エネルギーに変えるために必要不可欠

な栄養素です。糖質をエネルギーに

変える力が低下してしまうと、エネルギー

産生効率が低下し、疲労物質が蓄積

することになってしまします。

里芋のレシピです。

www.youtube.com/watch?v=wlcs01L3Nhw

 
 
 
 


 
 
 
 
 
 
 
 
 
さといもの有効成分

さといもには食物繊維、カリウム、ビタミンB1、

B2、B6、葉酸が豊富に含まれています。

また、さといも特有のぬめりはムチンや

ガラクタンといった成分によるものです。

ぬめり成分には粘膜の保護や免疫力の向上

などに効果があります。さといもはいも類の中

でも水分が多く、カロリーが低めです。

またGI値(血糖値の上昇の度合いを表す

数値)も64とまずまずの値といえましょう。

さつまいもの55よりは高く、じゃがいもの

90よりは低く、山芋の65と同程度という

ことです。他のいも類と比較してとくに多い

のがカリウムの含有量です。

 
 
さといもの美肌効果

さといもの食物繊維には腸内環境を整える

働きがあります。腸内には、悪玉菌、

善玉菌と呼ばれる細菌が存在しており、

これらの細菌が腸内環境を左右して

います。腸内に悪玉菌が増殖すると、消化

されていない物の腐敗が進んだり免疫力が

低下します。一方、善玉菌が増殖すると、

腸内環境が整うことにより免疫力の向上や

便通の改善、美肌効果など全身の健康維持

に役立ちます。また、里芋のヌルヌル成分

にはムチンとガラクタンがあります。 ムチン

は胃の粘膜を守る働きや、肝臓・腎臓の機能

を高める働きがあります。 肝臓・腎臓の機能

が高まれば、老廃物の代謝排泄が進み、美肌

へと導かれます。またガラクタンは食物繊維の

一種でムチン同様、胃の粘膜を守る働きや

細胞の活性化による老化防止にも役立つと

いわれています。この老化防止作用がお肌

に出現すれば、美肌効果が得られると考え

られています。糖質の代謝を助けるビタミンB1

や脂質の代謝を助けるビタミンB2、カリウムが

含まれています。そのため、基礎代謝が高く

なり、皮膚のターンオーバー(新陳代謝:細胞の

入れ変わり)が正常化します。新陳代謝が盛んに

なれば、美肌効果が現れやすくなると考えられ

ています。今回は、ここまでとさせていただきます。

さっと茹でると美味しいさといも。笑

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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皮膚科にて承ります。

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