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2020-03-20 22:49:58

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診療マル秘裏話  号外Vol.1491 令和1年5月18日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)ボスチニブのALS患者さん対象の医師主導治験開始
2)思考解読し言葉にする革新的脳内埋め込型機器

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
1】ボスチニブのALS患者さん対象の医師主導治験開始

 
 
 
 
 
 
 
京都大学iPS 細胞研究所(Ci
RA)は4月23日、筋萎縮性側索
硬化症(ALS )患者さんを対象
とした医師主導治験を開始した
と発表しました。この研究は、
CiRAの井上治久教授らが、「筋
萎縮性側索硬化症(ALS )患者
さんを対象としたボスチニブ第
1相試験」として計画してきた
ものです。2019年3月1日に医薬
品医療機器総合機構(PMDA)に
治験計画届を提出し、京都大学
医学部附属病院(治験責任医師・
脳神経内科髙橋良輔教授)、徳
島大学病院(治験責任医師・神
経内科和泉唯信特任講師)、北
里大学病院(治験責任医師・脳
神経内科永井真貴子講師)、鳥
取大学医学部附属病院(治験責
任医師・脳神経内科渡辺保裕講
師)にて、3月18日より治験を
開始する運びとなりました。

ALS は、運動ニューロンが変性
して筋萎縮と筋力低下を来す進
行性の疾患です。治療薬として
は、リルゾールやエダラボンが
使用されています。 しかし、
現状では、根本的治療が難しい
疾患であり、さらなる治療薬の
開発が求められています。CiRA
の井上教授らは、ALS 患者由来
のiPS 細胞を運動ニューロンへ
分化させ、その細胞を用いて、
既に他の疾患で治療薬として用
いられている物質を含むさまざ
まな種類の化合物の中から運動
ニューロンの細胞死を抑えるこ
とができる化合物のスクリーニ
ングを実施しました。その結果、
細胞死を防ぐ物質として「ボス
チニブ」を同定し、報告しまし
た。

ボスチニブ(販売名:ボシュリ
フ(R )錠)は、前治療薬に抵抗
性または不耐容の慢性骨髄性白
血病の治療薬として用いられて
いる既存薬ですが、ALS の病態
である細胞内の異常蛋白質蓄積
を抑制する働きと運動ニューロ
ンの細胞死を抑制する働きを示
すことが、ALS 患者のiPS 細胞
モデルとALS モデルマウスで認
められています。

今回の治験は、ALS 患者さんに
対するボスチニブの安全性およ
び忍容性を評価することを目的
として実施される多施設共同の
非盲検試験です。対象は、発症
後2年以内の20~80歳未満の孤
発性ALS 患者(重症度1~2度)
さんで、1日1回、12週間にわた
ってボスチニブを内服します。
目標症例数は24例としています。

ALSの漫画動画です。

 
 


 
 
 
忍容性を評価するために抜擢
任用する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 思考解読し言葉にする革新的脳内埋め込型機器

 
 
 
 
 
 
 
 
 
外傷や脳損傷などが原因で話
せない人が、再び話せるように
なる日が来るかもしれません。
人の思考を直接解読し言葉にす
る革新的な脳内埋め込み型機器
(インプラント)を開発したと
の研究結果が4月25日、発表さ
れました。

神経学的疾患の中には、患者
さんの言葉を発する能力を損な
うものがありますが、この様な
患者さんの多くは頭部や目の動
きを使って文字をつづるコミュ
ニケーション機器に依存し、苦
労して一文字ずつ書いているの
が現状です。

米カリフォルニア大学サンフ
ランシスコ校(University of
California, San Francisco )
の研究チームは、志願者に数百
の文章を読み上げてもらい、埋
め込み型の機器を用いてその間
の脳信号をスキャンすることで
「合成」発話として再構成する
ことに成功しました。

研究チームはこの技術がまだ
初期段階にあると強調していま
す。しかし、この技術により、
言葉を発せられない患者さんの
思考を、リアルタイムで発話に
変換できるようになる事が期待
されるということです。

英科学誌ネイチャー(Nature)
に論文を発表した研究チームは、
発話の電気的活動を、直接的に
変換するのではなく、次のよう
な3段階を用いました。

第1段階では、被験者に文を
読み上げさせ、脳表面に埋め込
んだ機器でその神経活動を観察
するのと同時に発せられた言葉
の音響音声を記録しました。「
Ship building is a most fasc
inating process(造船は非常
に興味深い工程だ)」や「Thos
e thieves stole thirty jewel
s (この泥棒たちは宝石を30個
盗んだ)」などの簡単な平叙文
が使われました。

第2段階では、発話に必要な
体の動き(顎、口、舌による特
定の調音運動)を表す神経信号
を解読し、合成音声の文に変換
しました。

最終段階では、クラウドソー
シングで集めた志願者が、コン
ピューターが発話した言葉や文
章を確認しました。

発話は非常に正確でした。発
音が不明瞭な部分も少しみられ
ましたが、合成発話された文章
は、被験者が読み上げた文章に
非常に近く、大半の単語は明確
に理解できました。

今回の実験は発話が可能な人
のみを対象として実施されまし
たが、被験者が声を出さずに口
の動きだけで文章を読んでも、
発話の合成は可能だということ
も分かりました。

論文の主執筆者エドワード・
チャン(Edward Chang)氏は「
話している時に口の中がどのよ
うな動きをしているかを把握し
ている人はほとんどいない」と
指摘しています。

「脳は思考を声道の動きに変換
する。われわれは研究で、この
解読を試みている」

この技術は、発話の方法を知
っているのですがその能力が失
われた患者さんの脳活動を言葉
に翻訳できる埋め込み型機器の
実現への道を開く可能性があり
ます。

米ジョージア工科大学(Geor
gia Institute of Technology)
の専門家らは今回の研究につい
て「説得力がある」と指摘して
います。「研究がさらに進展し
続ければ、発話障害を抱える人
が自由に思ったままを口にする
能力を取り戻し、自分の周りの
世界とのつながりを再び確立す
ることが期待できる」とコメン
トしています。

脳に埋め込んだチップを使い、

麻痺した右手を動かすことがで

きたという動画です。

 
 

 
研究が進展することで親展の
手紙を書く。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
筋萎縮性側索硬化症(ALS )
患者さんを対象とした医師主導
治験を開始したと発表したのは、
素晴らしい企画です。現在の所、
筋萎縮性側索硬化症(ALS )の
根治療法はなく、対症療法で誤
魔化して、人工呼吸器を着ける
患者さんが弱っていくのを見る
だけというのは、あまりに悲惨
としか言いようのない光景であ
るからです。人工呼吸器を装着
するのは、呼吸筋という呼吸に
必要な筋肉が衰えるためです。
CiRAの井上教授らは、ALS 患者
由来のiPS 細胞を運動ニューロ
ンへ分化させ、その細胞を用い
て、既に他の疾患で治療薬とし
て用いられている物質を含むさ
まざまな種類の化合物の中から
運動ニューロンの細胞死を抑え
ることができる化合物のスクリ
ーニングを実施し、その結果、
細胞死を防ぐ物質として「ボス
チニブ」を同定したということ
ですから、有効性は保証されて
いて、後は、忍容性の試験だけ
ということになります。
人の思考を直接解読し言葉に
する、革新的な脳内埋め込み型
機器(インプラント)を開発し
たとの研究結果が発表されたの
は、偉大な業績です。神経学的
疾患の中には、患者さんの言葉
を発する能力を損なうものがあ
りますが、このような患者さん
の多くは、頭部や目の動きを使
って文字をつづるコミュニケー
ション機器に依存し、苦労して
一文字ずつ書いているのが現状
ということですから、考えるだ
けで言葉になる機械は、画期的
な生活の質の改善をもたらすも
のと予測されます。発話は非常
に正確で、発音が不明瞭な部分
も少しみられましたが合成発話
された文章は、被験者が読み上
げた文章に非常に近く、大半の
単語は明確に理解できたという
ことですし、被験者が声を出さ
ずに口の動きだけで文章を読ん
でも、発話の合成は可能だとい
うことも分かったので患者さん
には、大きな福音となる可能性
が高まったと言えるでしょう。

性格を正確に読み取る。笑

 
 
 
 
 
 
 
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