最近の号外Vol.1480メルマガ

2020-03-07 22:50:00

カテゴリー:ブログ



藤田のブログランキングアップにご協力お願いします。
以下のバナーをぽちっとクリックお願いします。


病院・診療所ランキング

 
 

診療マル秘裏話  号外Vol.1480 平成31年5月5日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)オートファジーの機能不全で自閉症の様な行動が誘導
2)糖尿病の新薬候補が、P3で主要評価項目を達成

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 オートファジーの機能不全で自閉症の様な行動が誘導

 
 
 
 
 
 
 
理化学研究所の研究グループ
は細胞内の不要な蛋白質を分解
するオートファジーが働かなく
なると、自閉症のような行動が
誘導されることを分子機構レベ
ルで突き止めました。これはマ
ウスを用いた実験による成果で
す。発達障害や精神疾患の新た
な治療戦略に繋がることが期待
されます。

神経細胞でオートファジーを
欠損させると、本来は不要蛋白
質とともに分解されるオートフ
ァジーに関連した蛋白質p62が
細胞内に蓄積、神経伝達物質G
ABAの受容体を輸送するGA
BARAP蛋白質群を巻き込ん
で共凝集体を形成します。する
と、GABARAP蛋白質群が
同受容体を輸送できなくなるた
め、細胞表面で機能する受容体
の数が減少、神経細胞の興奮性
と抑制性のバランスが低下し、
自閉症のような行動を示しまし
た。 また、p62蛋白質と共凝
集しないGABARAP蛋白質
群変異体を発現させたところ、
細胞表面におけるGABA受容
体の量が回復しました。

以前からオートファジー機能
と自閉症には何らかの関係があ
ると示唆されていました。自閉
症患者さんの一群にオートファ
ジー機能の活性を制御する重要
な因子として知られる蛋白質リ
ン酸化酵素mTOR活性の異常
な上昇がみられことが知られて
います。一方で、mTOR活性
の異常上昇によるオートファジ
ー機能の低下がどのように神経
機能を低下させて自閉症のよう
な症状をもたらすかは分かって
いませんでした。

今回、mTORシグナルを制
御するTSC2遺伝子の発現量
を低下させるとオートファジー
を意図的に欠損させたときと同
様にp62とGABARAP蛋白
質群の共凝集体を形成すること
も判明しました。これらの実験
からGABARAP蛋白質群の
凝集による機能不全が自閉症の
ような行動を誘導する一因とな
っていることが示唆されました。
凝集を阻害する事が症状を緩和
させるための有効な手段である
という結果は、新しい治療法と
して有望視されています。

自閉症の脳の画像について解説

している動画です。

 
 


 
 
糸を意図的に操る。笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
2】 糖尿病の新薬候補が、P3で主要評価項目を達成

 
 
 
 
 
 
 
大日本住友製薬と仏製薬ポク
セル(リヨン)は、糖尿病の新
薬候補「イメグリミン」の第3
相臨床試験(P3)で主要評価
項目を達成したと発表しました。
成績が判明したのは3つの第3
相試験のうちの1つで、残りの
試験は2019年末に結果が分かる
予定です。両社は2020年の製造
販売承認申請を計画しています。

イメグリミンは肝臓、筋肉、
膵臓に働きかけ、インスリンの
分泌促進や糖の産生抑制といっ
た複数の作用で血糖降下を導く
ことが期待される新しいメカニ
ズムの治療薬です。大日本住友
は、仏社から日中韓などアジア
や東南アジアでの開発・販売の
権利を2017年に取得しました。

3つのうちの1つの第3相試
験ではヘモグロビンA1cの変
化量が偽薬群に比べてマイナス
0.87%を達成しました。 副次
評価項目の空腹時血糖の減少に
ついても偽薬に比べて有意差が
認められました。安全性や忍容
性も示されました。

残る2つの第3相試験では、
他剤との併用療法による安全性
や有効性等を検証しています。
イメグリミンを単剤および併用
による血糖降下療法に、幅広く
普及させる狙いです。ポクセル
は日本の糖尿病薬市場は2020年
に60億ドル規模に拡大するとみ
て製品化を加速します。

低血糖症の人に摂ってほしい

栄養療法について解説している

動画です。

 
 


 
 
憲章の項目を検証する。笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 
 
細胞内の不要な蛋白質を分解
するオートファジーが働かなく
なると、自閉症のような行動が
誘導されることを分子機構レベ
ルで突き止めたのは偉大な業績
です。自閉症の原因は、未だに
明らかにされていないからです。
治療法も、オキシトシンという
ホルモンの点鼻以外、これと言
ったものは、ありません。ただ
自閉症にもいろいろあり、アス
ペルガーや多動性障害等、全て
をひっくるめて自閉症スペクト
ラム障害と呼んでいます。オー
トファジーが働かなくなると、
どの型が出現するのかは興味が
ある所です。 それはさておき、
オートファジーが働かなくなる
と、自閉症のような行動が誘導
されることを分子機構レベルで
突き止めたこのマウスを用いた
実験による成果を、発達障害や
精神疾患の新たな治療戦略に繋
げることに大いに期待したいと
思います。
糖尿病の新薬候補「イメグリ
ミン」の第3相臨床試験(P3)
で、主要評価項目を達成したと
発表したのは、素晴らしい業績
です。イメグリミンは、肝臓、
筋肉、膵臓に働きかけ、インス
リンの分泌促進や糖の産生抑制
といった複数の作用で血糖降下
を導くことが期待される新しい
メカニズムの治療薬ということ
で、SGLT-2阻害薬以来の新しい
メカニズムに期待で胸が膨らむ
思いです。SGLT-2阻害薬の場合
はたくさんの製薬会社が、それ
ぞれ独自の薬品を同時に欧米に
遅れて発売するという結果にな
りましたが、この新しい薬剤に
関しては、どのような販売形態
になるのか楽しみです。3つの
うちの1つの第3相試験ではヘ
モグロビンA1cの変化量が偽
薬群に比べてマイナス0.87%を
達成したということですが、こ
の結果を見て、やはり薬剤より
食事療法とくにマイルドな糖質
制限の方がヘモグロビンA1c
を下げる効果が高い事を再認識
しました。

依頼の品を売却して以来、仕
入れが難しくなった。笑

 
 
 
 
 
 
 
************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」www.mag2.com/m/0000121810.html
(イジニイワト)

発行者名  医療法人永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。

このエントリーをはてなブックマークに追加 
 

コメント