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2020-03-17 00:28:39

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診療マル秘裏話  号外Vol.1488 令和1年5月14日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)乳ガン増殖や治療薬効果の鍵となる蛋白質発見
2)野球の投手に多い投球障害肩とスポーツ障害肩

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】乳ガン増殖や治療薬効果の鍵となる蛋白質発見

 
 
 
 
 
 
 
慶應義塾大学は4月18日、乳
ガンの増殖や、乳ガン治療薬の
効果の鍵となる蛋白質を発見し
たと発表しました。この研究は、
同大先端生命科学研究所の齊藤
康弘特任講師、曽我朋義教授ら
のグループによるものです。研
究成果は、」日本時間で同日、
「Nature」のオンライン速報版
に掲載されました。

乳ガンはエストロジェン受容体
(ER)、プロジェステロン受容
体(PR)、そして、HER2といっ
た遺伝子の発現パターンによっ
て、1)ER/PR陽性の乳ガン、2)
HER2陽性の乳ガン、3)ER/PR
/HER2のどれも陰性(トリプル
ネガティブという)を示す乳が
んの3つに大きく分類されます。
ER/PR陽性の乳ガンは全体の70
%以上を占めており治療の過程
においてエストロジェンの働き
を抑えるホルモン療法が行われ
ます。中でもエストロジェン受
容体を標的とした薬剤、タモキ
シフェンは非常に有効ですが、
一部の患者さんではタモキシフ
ェンが効かなくなることが問題
となっているので、乳ガン細胞
の増殖の仕組みだけではなく、
乳ガン細胞でタモキシフェンが
効かなくなる仕組みを明らかに
する事が強く望まれてきました。
研究グループは、ER陽性乳ガン
細胞において異常に多いLLGL2
という蛋白質に着目し研究を行
いました。ER/PR陽性の乳ガン
患者さんではLLGL2 の高発現が
患者さんの生存率を下げること、
そして、LLGL2 は栄養ストレス
下にある、ER陽性乳ガン細胞の
増殖を促進することが分かりま
した。ガン細胞は、生体内で、
栄養ストレス状態でも増殖する
ことから、LLGL2 は栄養ストレ
ス下での乳ガン細胞増殖の鍵に
なると研究グループは考えまし
た。そこで、メタボローム解析
を行ったところ、LLGL2 は細胞
内のアミノ酸量を制御している
ことが分かりました。さらに詳
しく調べたところ、LLGL2 は、
ロイシンの細胞内への取り込み
を制御し、細胞増殖を亢進する
ことが明らかになりました。

さらに研究グループは、アミノ
酸トランスポーター「SLC7A5」
がLLGL2 と結合し、細胞表面の
SLC7A5を増加させることを発見
しました。アミノ酸トランスポ
ーターであるSLC7A5は、細胞外
のロイシンを細胞内へ取り込む
働きがあります。一方、ER陽性
乳ガン細胞では活性化したERに
よって標的遺伝子の転写が亢進
される結果、異常な細胞増殖が
誘導されます。研究グループは、
この異常増殖と、LLGL2 の関連
を調べました。結果、LLGL2 が
ERによって制御される遺伝子で
あり、さらにLLGL2 はER活性化
による細胞増殖に必要な蛋白質
である事が明らかとなりました。

最後に、SLC7A5高発現細胞にお
けるタモキシフェンの効果など
を解析した結果、LLGL2 とSLC7
A5が乳ガン細胞で機能すること
はタモキシフェンが効かなくな
る原因のひとつであることも見
出しました。

以上の結果から、ER陽性乳ガン
細胞では活性化したERがLLGL2
を増加させ、増加したLLGL2 は
SLC7A5と結合し、SLC7A5を細胞
表面へ運び、細胞内のロイシン
が増加、増加したロイシンは、
細胞増殖を亢進するという一連
の仕組みが明らかとなりました。
さらに、LLGL2 およびSLC7A5が
乳ガン細胞内に多く存在すると、
タモキシフェンが効かなくなる
原因のひとつとなることが示さ
れました。今後はER陽性乳ガン
細胞内のロイシンの働きを明ら
かにすることによって、新たな
治療薬や治療法の開発が発展す
ることが期待されると研究グル
ープは述べています。

乳ガンの生存率と最新治療につ

いての動画です。

 
 


 
 
SLC7A5高発現細胞について、
発言する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 野球の投手に多い投球障害肩とスポーツ障害肩

 
 
 
 
 
 
 
ボールを投げる動作を繰り返
した結果、肩に痛みが生じるス
ポーツ障害肩。野球の投手に多
く、投球障害肩とも呼ばれてい
ますが、「投球動作は全身を使
った運動で、痛みの原因は必ず
しも肩だけにあるとは限りませ
ん」と、横浜南共済病院(横浜
市)スポーツ整形外科の山崎哲
也部長は話しています。痛みが
起きる前にチェックすべきポイ
ントを聞きました。野球の投球
動作では、下半身から得たエネ
ルギーが一連の動作の中で体幹、
肩甲帯、肘、手、ボールへと伝
えられます。一連の動作のどこ
かに問題があるまま投球動作を
繰り返すと、肩に過度な負荷が
かかって組織が損傷し、痛みが
起きます。

特に子どもの場合は要注意で
す。「成長期の骨には骨端線、
骨端核があり、投球障害肩が起
こりやすい」と山崎部長は話し
ています。骨端線とは骨に変化
する成長軟骨で、骨端核はその
中心部にある芯です。骨になる
前の骨端線は、投球動作の繰り
返しによる過度な負荷で損傷を
受けやすいとされています。「
成長期の子どもは、小型の大人
ではありません。成長期に無理
をさせないことが重要なポイン
トです」と話しています。投球
障害肩には、痛みが出る前に幾
つかのサインがみられます。見
た目で分かりやすいのが肩甲骨
の位置が左右で異なることで、
両手を上げると顕著に表れる場
合もあります。

また、肩の動きに硬さや乱れ
が出てくるのも、障害が生じる
前の重要なサインです。「ダメ
ージが蓄積すると、次第に組織
の柔軟性が低下して肩の後方が
硬くなり、可動域が制限されま
す」と山崎部長は述べています。
この他、股関節の可動域に左右
差が見られる場合も、下半身を
うまく使えていないので、肩に
負担がかかりやすくなります。
特に野球では、回転を伴う動き
を繰り返すため、大きな負担が
かかりやすいとされています。
こうしたサインが見られた場合、
身体のどこかに異常があり、痛
みが起こる一歩手前の状態にあ
ると考え、早期にスポーツ整形
外科を受診することが望ましい
ということです。

早期発見のキーマンは指導者
で、「予防やケアの知識を身に
付け、野球を通して健全な身体
をつくることを意識してほしい」
と言うことです。保護者に対し
ては、「上半身裸の状態でしっ
かり観察し、姿勢が悪くなって
いないか、肩が片方下がってい
ないか、変化を見逃さないよう
にしてください」と、山崎部長
はアドバイスしています。

投球障害肩について解説してい

る動画です。

 
 


 
 
 
資生堂の顧客対応姿勢。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
乳ガンの増殖や、乳ガン治療
薬の効果の鍵となる蛋白質を発
見したと発表したのは、偉大な
業績です。乳ガンはエストロジ
ェン受容体(ER)、プロジェス
テロン受容体(PR)、そして、
HER2といった遺伝子の発現パタ
ーンによって、1)ER/PR陽性
の乳ガン、2) HER2陽性の乳が
ん、3)ER/PR/HER2 のどれも
陰性(トリプルネガティブとい
う)を示す乳ガンの3つに大き
く分類され、ER/PR陽性の乳が
んは全体の70%以上を占めてお
り治療の過程においてエストロ
ジェンの働きを抑えるホルモン
療法が行われ、中でもエストロ
ジェン受容体を標的とした薬剤、
タモキシフェンは非常に有効で
すが、一部の患者さんではタモ
キシフェンが効かなくなること
が問題となっているので、乳が
ん細胞の増殖の仕組みだけでは
なく、乳ガン細胞でタモキシフ
ェンが効かなくなる仕組みを明
らかにすることが強く望まれて
いて今回の研究でそれが明らか
になったのは喜ぶべきことでし
ょう。今後はER陽性乳ガン細胞
内のロイシンの働きを明らかに
することによって、新たな治療
薬や治療法の開発が発展する事
を期待したいと思います。
ボールを投げる動作を繰り返
した結果、肩に痛みが生じるス
ポーツ障害肩。野球の投手に多
く、投球障害肩とも呼ばれてい
ますが、投球動作は全身を使っ
た運動で、痛みの原因は必ずし
も肩だけにあるとは限らないと
は、意外な専門家の意見でした。
どうしても投球障害肩というと
肩にばかり目が行きがちですが、
野球の投球動作では、下半身か
ら得たエネルギーが一連の動作
の中で体幹、肩甲帯、肘、手、
ボールへと伝えられるので一連
の動作のどこかに問題があるま
ま投球動作を繰り返すと、肩に
過度な負荷がかかって、組織が
損傷し、痛みが起きるというメ
カニズムを考えれば、肩だけを
障害の部位と考えてはならない
ことが明らかになります。特に
子どもの場合は要注意であり、
「成長期の骨には骨端線、骨端
核があり、投球障害肩が起こり
やすい」ことを指導者は、肝に
銘じるべきで、スポーツ根性論
などで、「肩が痛いというなら
レギュラーで投げさせない」と
いうような投球を強制するよう
なことを言うのはもってのほか
ということになります。成長期
の子どもは、小型の大人ではあ
りません。成長期に無理をさせ
ないことが重要なポイントであ
り、痛みが出る前の幾つかのサ
インを見落とさないようにする
べきだと思われます。未来の大
投手を潰さないように適切な、
指導を行って頂きたいものです。

東急ハンズで投球に、必要な
グラブを購入する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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