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2020-03-20 00:35:24

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診療マル秘裏話  号外Vol.1490 令和1年5月17日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)核酸医薬をガンに送り,血液中で保護するポリマー
2)強皮症に伴う末梢血管閉塞の重症虚血肢の治療

 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】核酸医薬をガンに送り,血液中で保護するポリマー

 
 
 
 
 
 
 
ガンを増殖させる遺伝子に取
り付き、働きを抑える核酸医薬
をガン細胞に送り込むため、血
液中で結合して保護するY字形
の高分子化合物(ポリマー)を
開発したと、東京大と名古屋大、
川崎市産業振興財団の研究チー
ムが4月24日発表しました。マ
ウス実験では脳腫瘍や膵臓(す
いぞう)ガンを治療できたとい
うことです。
核酸医薬の実体は、短いリボ
核酸(RNA)かDNAで、血
液中では酵素により分解されて
しまうため、保護する必要があ
ります。近い将来、治療が難し
いタイプの乳ガンで臨床試験が
行われる見込みです。論文は英
科学誌ネイチャー・コミュニケ
ーションズに掲載されました。

ガンの核酸医薬について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
核酸医薬の効果判定を、FBで
拡散する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 強皮症に伴う末梢血管閉塞の重症虚血肢の治療

 
 
 
 
 
 
 
京都府立医科大学は2月18日、
膠原病、特に強皮症にともなう
末梢血管閉塞による重症虚血肢
(Critical Limb Ischemia; CL
I )に対して、自家骨髄単核球
細胞移植が効果的であることを
実証したと発表しました。この
研究は、同大大学院医学研究科
循環器内科学の庄司圭佑医師ら
の研究グループによるものです。
研究成果は「Circulation Jour
nal」に掲載されています。

膠原病の中でも、強皮症は皮膚
や臓器が肥厚し硬化する疾患で、
血管壁の肥厚等のため末梢循環
不全を呈し、難治性指尖潰瘍等
の四肢の虚血性症状を呈する事
が多い疾患です。強皮関連の重
症虚血肢に対するエンドセリン
受容体拮抗薬などの薬物療法の
効果は限定的であり、副作用や
薬価などの観点からも、十分に
安全で継続可能な治療法がない
という現状があります。

さらに、膠原病関連の重症虚血
肢に対するカテーテルや外科的
な血行再建術の成績も、下肢閉
塞性動脈硬化症に対するものと
比較して、切断回避率や血管の
開存率も有意に低いと報告され
ています。そのため、強皮症を
はじめとする膠原病関連の難治
性CLI に対する、新たな血流改
善のための治療が求められてい
ます。研究グループは、自家骨
髄単核球細胞を用いた血管再生
療法を臨床導入している10施設
にて治療を施行された膠原病関
連の重症虚血肢症(no-option
CLI )例(69例)をそれぞれ強
皮症関連群(39例)、非強皮症
関連群(30例)に分けて解析を
行いました。追跡期間中央値は
36.5か月です。10年の全生存率
は強皮症関連群、非強皮症関連
群それぞれ59.1%、82.4%でし
た。また、10年の四肢の大切断
回避率は、それぞれ97.4%、82
.6%でした。また、四肢の大切
断・小切断は強皮症関連群で、
より少ない傾向にあり、さらに
術前術後での安静時の疼痛スコ
アの改善度は両群で有意に改善
していました。また、この治療
に関連する重大な合併症や死亡
は治療後6か月以内では認めず、
長期間の追跡で治療に起因する
死亡は認めませんでした。

以上のことから、膠原病関連の
重症虚血肢に対する自家骨髄単
核球細胞移植を用いた血管再生
療法は安全性・有効性を有して
おり、強皮症症例では他の膠原
病を有する症例よりも、四肢の
救肢率が高い傾向にあったこと
が判明しました。膠原病関連の
重症虚血肢の虚血症状の改善・
救肢率向上は、疼痛や切断によ
る精神的・肉体的な苦痛を緩和
し、ADLやQOLを改善させる効果
があります。強皮症をはじめと
する膠原病疾患症例の平均寿命
は上がってきており、重症虚血
肢を経験する症例も、今後増加
してくる事が予想されています。

また、虚血症状の改善で歩行や
運動療法が可能になれば、生活
習慣や加齢により生じる動脈硬
化性疾患などを予防できる可能
性もあります。さらに、同治療
により新生された血管が維持さ
れれば、長期的に虚血症状から
解放され高価な薬物療法を継続
する必要もなくなり、医療費の
削減も期待できるという事です。

研究グループは、「自家骨髄単
核球細胞を用いた血管再生療法
により、従来の治療に抵抗性あ
るいは忍容性のない選択肢のな
い膠原病関連、特に強皮症に関
連する重症虚血肢の虚血症状の
改善と高い救肢率が証明されま
した。本治療は多くの重症虚血
肢を呈する強皮症をはじめとす
る膠原病症例の症状緩和・救肢
に貢献できる可能性がある」と、
述べています。

重症虚血肢の治療について解説

している動画です。

 
 


 
 
申請された新生血管阻害薬。


 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
ガンを増殖させる遺伝子に取
り付き、働きを抑える核酸医薬
をガン細胞に送り込むため、血
液中で結合して保護するY字形
の高分子化合物(ポリマー)を
開発したと発表したのは、偉大
な業績です。ガン細胞にのみ送
りこむドラッグデリバリーシス
テムを使った治療の一環と言え
るでしょう。高分子化合物(ポ
リマー)を核酸医薬につける事
で、新生血管の大きな穴のみを
通過し、正常細胞の小さな穴に
は、入らないため、ガン細胞に
のみ核酸医薬が届くという理屈
で開発されているのです。この
作用をEPR 効果と言いEPR 効果
を増強するには、血管拡張剤が
有効ということです。血管拡張
の作用がある薬物としては、ニ
トログリセリンが有名ですが、
血圧降下などの副作用もついて
くるので、高血圧の人以外には、
使いづらいと言えましょう。そ
の欠点を改善したのが、アルギ
ニン、シトルリン、リジンの3
つのアミノ酸を同時に内服する
というやり方です。
膠原病、特に強皮症に伴なう
末梢血管閉塞による重症虚血肢
(Critical Limb Ischemia; CL
I )に対して、自家骨髄単核球
細胞移植が効果的であることを
実証したと発表したのは偉大な
業績です。膠原病関連の重症虚
血肢に対するカテーテルや外科
的な血行再建術の成績も、下肢
閉塞性動脈硬化症に対するもの
と比較して、切断回避率や血管
の開存率も有意に低いと報告さ
れているので、強皮症をはじめ
とする膠原病関連の難治性CLI
に対する、新たな血流改善のた
めの治療が求められているわけ
です。 その新たな血流改善の
方法として自家骨髄単核球細胞
移植が効果的であることを実証
したことは、膠原病関連の難治
性CLI を患う患者さんにとって
は、大きな福音となることでし
ょう。ただ有益な治療法である
ことが分かっていてもコストの
問題などの些末な事で、一般の
患者さんの適応が遅れるという
ことは、あってはならないと私
は考えています。脚を切る切ら
ないは、直接5年生存率を左右
することになるからです。

一班の人が一般の人のフォロ
ーに回る。笑

 
 
 
 
 
 
 
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