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2021-07-02 22:46:58

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診療マル秘裏話  号外Vol.1893 令和2年8月29日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)治療導入1週間後に複数分子濃度が有意に変化
2)ファブリー病は、先天的な遺伝子の異常で発症

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 治療導入1週間後に複数分子濃度が有意に変化

 
 
 
 
 
 
 
 大阪市立大学は8月5日、血管
新生阻害剤レンバチニブまたは
肝動脈化学塞栓術(TACE)の治
療を受けた肝ガン患者さんの血
液で、16種類の可溶性免疫チェ
ックポイント分子を測定した所、
治療導入の1週間後に複数の分
子の濃度が有意に変化している
ことを発見したと発表しました。
この研究は、同大大阪市立大学
大学院医学研究科・肝胆膵病態
内科学の河田則文教授、榎本大
准教授、小田桐直志病院講師ら
の研究グループによるものです。
研究成果は、国際学術誌「Canc
ers」に掲載されています。

従来から肝ガンに対する治療法
として、外科手術、ラジオ波焼
灼療法、TACEなどが行われてき
ました。これに加え全身化学療
法として、2009年にソラフェニ
ブが承認されて以降、レゴラフ
ェニブ、レンバチニブ、ラムシ
ルマブなど、ガン細胞が増殖す
るために必要な血流を遮断する
血管新生阻害剤が使用されてい
ます。

一方、近年はガン免疫療法も目
覚ましく進歩しています。一例
として、2018年にノーベル医学
生理学賞を授与された京都大学
の本庶佑名誉教授と米テキサス
大学のジェームズ・アリソン教
授は、免疫の司令塔であるTリ
ンパ球表面にPD-1またはCTLA-4
という分子を発見し、これをも
とにオプジーボなど免疫チェッ
クポイント阻害剤が開発されま
した。免疫チェックポイント阻
害剤は肝ガンに対しては承認さ
れていませんが、血管新生阻害
剤やTACEなど既存治療を併用す
ることで相乗効果が得られ、今
後、第一選択薬になる可能性が
あります。

こうした既存治療と免疫チェッ
クポイント阻害剤の併用治療に
ついては、臨床試験でも有望な
結果が出ている一方、これら既
存治療がガン微小環境の免疫状
態にどのように影響しているの
かについては不明な部分が多い
とされています。研究グループ
は、血管新生阻害剤レンバチニ
ブまたはTACEで治療を受けた肝
ガン患者さんの血液で、PD-1、
CTLA-4をはじめ16種類の可溶性
免疫チェックポイント分子の濃
度を測定しました。 その結果、
レンバチニブで治療を行った患
者さんでは、1週間後に早くもs
CD27 が有意に低下、sCD40 、s
TIM-3 が有意に上昇しているこ
とが判明しました。また、各免
疫チェックポイント分子の変化
に関する相関を解析した所、sC
TLA-4とsCD86/sCD80、sPD-1と
sPD-L1など、受容体とリガンド
の関係にある分子同士で相関が
みられました。これらの結果は、
レンバチニブが、ガン微小環境
の免疫状態に影響している可能
性を示しています。

続いて、TACE治療例でも、sCD2
7 、sCD40 、sTIM-3含む8種類
の可溶性免疫チェックポイント
分子の濃度が変化していること
が分かりました。この結果は、
TACEもまた、ガン微小環境の免
疫状態に影響を与える可能性を
示しています。

研究グループでは、以前に血管
新生阻害剤ソラフェニブでも同
様の解析を行い、ソラフェニブ
がガン微小環境の免疫状態に影
響を与えることを示しています。
今回の結果からレンバチニブや
TACEによる治療もガン微小環境
への作用を有していることが明
らかになりました。これらの治
療法のガン微小環境修飾機序を
より詳細に解析することで、今
後、血管新生阻害剤やTACEと免
疫チェックポイント阻害剤を併
用した、より効果的な肝ガン治
療法の開発につながる可能性が
あります。

免疫チェックポイント阻害剤は
一部の患者さんに著効が得られ
る反面、その効果が予測しにく
いこと、重篤な副作用がみられ
る場合があること、薬価が高い
ことなどが問題になっています。
先行研究では、特定の分子の変
動が患者さんの予後予測に有用
であったことも見出しています。
研究グループでは今回の研究成
果を足がかりに、より効果的な
血管新生阻害剤やTACEと免疫チ
ェックポイント阻害剤との併用
治療の開発、より精度が高く治
療効果を予測できるマーカーの
開発につなげたい、と述べてい
ます。

7分38秒辺りから血管新生阻

害薬について解説している動画

です。

 
 


 
 
 治療効果を硬貨で占う。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 ファブリー病は、先天的な遺伝子の異常で発症

 
 
 
 
 
 
 
 ファブリー病は、先天的な遺
伝子の異常により、細胞内で「
αガラクトシダーゼA(GLA)」
という酵素が不足して発症しま
す。GLAが分解すべき糖脂質
が、神経、腎臓、心臓、目や血
管の細胞などに蓄積して、手足
の痛み、汗をかきにくい(低汗
症)、心臓の肥大や腎不全とい
った症状が表れます。2018年に
は初の経口薬が承認され、治療
の選択肢が増えました。東京慈
恵会医科大学(東京都港区)総
合医科学研究センターの大橋十
也センター長(小児科教授兼任)
に話を聞きました。ファブリー
病は、遺伝子異常によってGL
Aが作られない、または働きが
低下して発症します。GLAに
よって分解されるはずの糖脂質
が分解されず、細胞中に蓄積す
ることで、さまざまな症状を引
き起こします。まれな疾患で、
治療を受けている患者さんは国
内で約700人とされています。

 小児期に発症することが多く、
手足の指先の焼けるような痛み、
低汗症、角膜の混濁、皮膚に多
発する直径数ミリの血管腫(赤
い発疹)などが表れます。進行
性の病気で、成人期には心肥大
や腎機能障害、脳卒中などを発
症することもあります。

 治療法には、不足したGLA
を点滴で補充し、糖脂質の分解
を促す「酵素補充療法」があり
ます。導入から15年以上たち、
心臓や腎臓の障害を抑えるなど
有効性・安全性のデータが蓄積
されています。しかし2週ごと
の点滴を一生涯続ける必要があ
り、注射の痛みや通院の負担が
課題でした。治療を継続しても、
臓器障害が進行する患者さんも
いるということです。2018年に
は、既存の酵素補充製剤とは異
なる作用機序を有する経口薬の
「ガラフォルド」(一般名ミガ
ーラスタット塩酸塩)が登場し
ました。

 「活性が低下したGLAに結
合して正しい構造にし、安定化
させて酵素活性を上昇させる薬
です」(大橋センター長)。G
LAが本来の機能を果たして糖
脂質を分解するため、臓器への
蓄積を防ぐことができます。経
口薬なので頻回の通院が不要で
身体的負担も少ないとされてい
ます。

 この薬を使用できるのは16歳
以上で、事前に遺伝子検査でこ
の薬に反応することを確かめる
必要があります。承認されてか
らまだ2年で、長期の有効性・
安全性のデータが不十分という
課題も残されています。

 ファブリー病は加齢とともに
進行し、深刻な臓器障害に至る
可能性もあります。大橋センタ
ー長は「手足の痛み、発汗障害
などがあれば受診し、診断され
たら早期に治療を始めましょう」
と話しています。

ファブリー病について解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 鰈が華麗に加齢する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 大阪市立大学が8月5日、血管
新生阻害剤レンバチニブまたは
肝動脈化学塞栓術(TACE)の治
療を受けた肝ガン患者さんの血
液で、16種類の可溶性免疫チェ
ックポイント分子を測定した所、
治療導入の1週間後に複数の分
子の濃度が有意に変化している
ことを発見したと発表したのは、
素晴らしい業績です。今回の研
究成果を足がかりに、より効果
的な血管新生阻害剤やTACEと免
疫チェックポイント阻害剤との
併用治療の開発、より精度が高
く治療効果を予測できるマーカ
ーの開発に是非ともつなげて頂
きたいものです。
 ファブリー病は、先天的な遺
伝子の異常により、細胞内で「
αガラクトシダーゼA(GLA)」
という酵素が不足して発症し、
GLAが分解すべき糖脂質が、
神経、腎臓、心臓、目や血管の
細胞などに蓄積して、手足の痛
み、汗をかきにくい(低汗症)、
心臓の肥大や腎不全といった症
状が表れることが分かっていま
す。まれな疾患で、治療を受け
ている患者さんは国内で約70
0人とされていて、希少難病と
言えるでしょう。糖脂質の分解
を促す「酵素補充療法」があり
、その導入から15年以上たち、
心臓や腎臓の障害を抑えるなど
有効性・安全性のデータが蓄積
されている上に、活性が低下し
たGLAに結合して正しい構造
にし、安定化させて酵素活性を
上昇させる薬が上梓されたのは、
喜ばしいことです。

 不測の事態で、食糧が不足す
る。           笑

 
 
 
 
 
 
 
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