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2019-06-05 01:59:22

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診療マル秘裏話    号外Vol.1243 平成30年8月2日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
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目次

1)宇宙飛行士の眼球後部平坦化と視神経鞘の拡大
2)頭頂葉が運動誤差原因を区別し修正用信号発信

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 宇宙飛行士の眼球後部平坦化と視神経鞘の拡大

 
 
 
 
 
 
 
 
京都大学は7月9日、長期宇宙
滞在後の宇宙飛行士に見られる
眼球後部平坦化と視神経鞘の拡
大について、その本質的な病因
を明らかにしたことを発表しま
した。この研究は、同大大学院
工学研究科の掛谷一弘准教授、
仏ラリボアジエール病院の篠島
亜里研究員、大阪大学大学院医
学研究科の多田智招聘教員らの
研究グループによるものです。
研究成果は「JAMA Ophthalmolo
gy」に掲載されています。

宇宙に長期滞在すると、微小重
力の影響によって宇宙飛行士の
体に異常が現れてくることが知
られています。その例として、
眼球の後部がつぶれ、眼球と脳
をつなぐ視神経の周辺組織が変
形することが報告されています。
2011年に、眼球後部平坦化や視
神経鞘径拡大などの宇宙飛行士
の眼に関する所見が公表されま
した。2017年には宇宙飛行が長
期滞在になればなるほど、脳が
上に移動したままで、帰還後も
元には戻らないことがあるとい
うことが報告されました。研究
グループは、長期宇宙滞在後の
宇宙飛行士に見られる、眼球の
後ろが平たくなる眼球後部平坦
化、および眼球と繋がる視神経
を取り囲む視神経鞘の拡大につ
いて、文献に発表されている宇
宙飛行士などのデータを用いて
解剖学的・材料力学的に検討し
ました。超音波検査による視神
経鞘径の既存のデータを用いて、
視神経鞘径から脳脊髄圧の推定
式を算出しました。その結果、
これらの眼病の本質的な原因は、
従来言われてきた脳髄液圧の上
昇ではなく大脳の上方への移動
であり、これにより、すべての
所見が矛盾なく説明ができる事
を明らかにしたということです。

このように宇宙飛行によって生
うる眼病の発症原因を明らかに
することで、一般人も宇宙に行
く近未来に、人類が直面する宇
宙特有の病気への対応策の立案
に貢献できると期待されるとい
うことです。しかし、必ずしも
宇宙飛行士全員に視神経鞘拡大
は生じていないため、視神経鞘
拡大が生じるのは、脳が上方移
動する頭蓋内のスペースの個人
差が問題になるのではないかと
考えている、と研究グループは
述べています。

無重力状態の身体に対する影響

について解説している動画です。

 
 


 
 
 
大脳の上方への移動の情報を
得る。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 頭頂葉が運動誤差原因を区別し修正用信号発信

 
 
 
 
 
 
 
大阪大学は7月6日、大脳皮質
の頭頂葉が、手を伸ばす運動の
誤差の原因を区別して修正用の
信号を発していることを発見し
たと発表しました。この研究は、
同大大学院生命機能研究科ダイ
ナミックブレインネットワーク
研究室の北澤茂教授と大阪大学
国際医工情報センターの井上雅
仁特任准教授らの研究グループ
によるものです。研究成果は、
米科学誌「Current Biology 」
電子版に掲載されています。

運動を上達させるには練習が欠
かせません。その理由は、練習
を繰り返すことで運動の「間違
い」を減らすように脳が「学習」
するからです。この「間違い」
には2つの種類あり、例えば、
ストライクゾーンの「ど真ん中」
にストレートが来ることが分か
っていて、そこを狙ってバット
を振ったのに、ボールの上方1
0cm の空を切った場合は「自分
の運動制御の不手際が原因」で
す。このような運動誤差に対し
ては、意図と運動制御の関係を
下方向に修正する必要がありま
す。一方、バットはど真ん中を
通過したのにボールが落ちてボ
ールの上方10cmの空を切った場
合は、「相手の想定外の動きが
原因」です。このような目標誤
差に対しては意図と制御の関係
は変えずに、相手の動きを予測
するシステムを別に準備して学
習させる方が合理的です。

これら運動誤差と目標誤差を脳
はどのように区別し、学習して
いるのでしょうか。区別してい
るとすればそれぞれの担当部署
は脳のどこにあるのでしょうか。
今回、研究グループは、サルの
頭頂葉に狙いを絞り、(1)運
動誤差と目標誤差の検出にあた
る場所はどこか、また、(2)
それらの信号が本当に学習に用
いられているかどうか、の2点
を調べたということです。

その結果、大脳皮質の頭頂葉が、
手を伸ばす運動の際に、生じる
誤差の原因を区別して修正して
いることを発見しました。また、
頭頂葉のブロードマン5野は、
自分が原因の誤差(運動誤差)
を検出して修正信号の発信を担
当していること、ブロードマン
7野は相手の動きが原因の誤差
(目標誤差)を検出して修正信
号の発信を担当していることが
判明したということです。

この研究結果より、脳が「運動
誤差」と「目標誤差」のシステ
ムに分かれていることが判明し
たことは、スポーツトレーニン
グ法の改善に示唆を与えるとい
うことです。まず、第一段階と
して、「目標誤差」がない状態
で「運動誤差」を徹底的に最小
化するトレーニングを行うこと
が効率よく、さらに次のステッ
プで「目標誤差」に対する対処
法の学習を、「運動誤差」の系
に影響を与えないかたちで行う
のが理想的としています。

また、機械制御の分野にも大き
な示唆を与えるということです。
自動運転で事故が起こった(起
こりかけた)場合の修正は、ま
ず車の制御系に問題があるのか
(運動誤差)、歩行者の飛び出
し、あるいは対向車のはみだし
に原因があるのか(目標誤差)
を切り分ける必要があります。
脳が運動誤差と目標誤差を切り
分けていることが判明したこと
で、深層学習を使った脳型人工
知能を開発し、両者を切り分け
ることが可能と考えられます。
このような、両者を切り分ける
人工知能システムは、自動運転
システムの改良やロボット制御
の改善に、大きな貢献をすると
期待されるとしています。

頭頂葉について解説している

動画です。

 
 


 
 
 
深層学習の真相を知る。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
長期宇宙滞在後の宇宙飛行士
に見られる眼球後部平坦化と視
神経鞘の拡大について、その本
質的な病因を明らかにしたこと
を発表したのは素晴らしい業績
です。 宇宙飛行士は、宇宙線
の他、たくさんの身体に対する
障害を覚悟する必要があります。
向井千秋さんが、宇宙船の中で
眠る時に、光の筋が見えると言
っていた様ですが、これが宇宙
線です。脳の中で宇宙線がエネ
ルギーを放出するとそのように
見えるそうです。怖いですね。
また長期に無重力の宇宙船の中
にいると骨粗鬆症になることも
分かっていて、宇宙飛行士は、
地球帰還後、腰痛に悩まされる
ことが多いようです。
大脳皮質の頭頂葉が、手を伸
ばす運動の誤差の原因を区別し
て修正用の信号を発している事
を発見したと発表したのは偉大
な業績です。人間の脳にはまだ
まだ分からないことがありその
分からない部分を紐解いていく
のが脳科学の醍醐味だと言って
いる脳科学者がいました。運動
の誤差をAIで検出することで、
自動運転システムの改良やロボ
ット制御の改善、更にはスポー
ツの運動能力の向上にその威力
を発揮するようになる気がしま
す。自動運転システムは、現在
誤作動などが多く、公道で使え
るというレベルに達していない
とされています。しかし、そん
なことはアメリカ西海岸では、
お構いなく、自動運転の車が走
っていることからも、必ず近年
改良が加えられ、公道を闊歩す
る時代になることが期待されま
す。

公道で自動運転の行動を示し
た。笑

 
 
 
 
 
 
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