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診療マル秘裏話    Vol.711  平成29年7月26日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
 
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目次

1)GABAニューロンの特異的興奮でノンレム睡眠マウス直ぐ覚醒
2)子供白血病の一部は融合遺伝子形成で治療困難

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 GABAニューロンの特異的興奮でノンレム睡眠マウス直ぐ覚醒

 
 
 
 
 
 
 
 
筑波大学は6月28日、恐怖や
不安に関与する脳の領域である
分界条床核に存在するGABA作動
性ニューロンを特異的に興奮さ
せると、ノンレム睡眠をしてい
たマウスが直ちに覚醒すること
を明らかにしたと発表しました。
この研究は、同大国際統合睡眠
医科学研究機構(WPI-IIIS)の
櫻井武副機構長/教授と金沢大
学医学類の小谷将太(学部学生)
らの研究グループによるもので
す。研究成果は米科学雑誌「Jo
urnal of Neuroscience 」に掲
載されています。

動物の睡眠と覚醒の状態は体内
時計や、先行する覚醒の長さ(
睡眠負債)の影響を受けて変化
し、生体内外の環境によっても
大きな影響を受けます。環境中
に恐怖や報酬の対象となるもの
が存在することで生じた情動は、
交感神経系の興奮や、ストレス
ホルモンの分泌とともに、覚醒
を引き起こします。一方、明確
な対象のない、漠然とした不安
も覚醒に影響し、こうした情動
が不眠症の根底にあることが、
よく知られています。 しかし、
実際にどのような神経科学的な
メカニズムがそこに介在してい
るかは、これまで明らかになっ
ていませんでした。

研究グループは、分界条床核に
局在するGABA作動性ニューロン
に着目し、マウスを用いてそれ
が覚醒を制御する上での役割を
解析しました。特定の神経細胞
を操作することによって、その
機能を知る光遺伝学という手法
を用いて、GABA作動性ニューロ
ンを特異的に興奮させました。

その結果、ノンレム睡眠をして
いたマウスが直ちに覚醒する事
が判明しました。また、同じニ
ューロンを持続的に興奮させた
ところ、覚醒時間が延長され、
ノンレム睡眠・レム睡眠両方が
減少しました。さらに、前者の
反応は、覚醒を司ることが知ら
れているオレキシン系の作用を
介していないのに対し、後者は
オレキシンの作用によることが
確認できたということです。

不眠症の根底には不安が存在す
ることが多く、そのメカニズム
には分界条床核やオレキシンが
関与していることが示唆されま
した。 今回の研究成果により、
不安障害や不眠症などに効果の
ある医薬品の開発や現在、不眠
症治療薬として実用化されてい
るオレキシン受容体拮抗薬の詳
しい作用メカニズムを理解する
重要な知見となる、と研究グル
ープは述べています。

イオン内蔵型受容体について

解説している動画です。

 
 


 
 
 
拡声器の声で覚醒した。笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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2】 子供白血病の一部は融合遺伝子形成で治療困難

 
 
 
 
 
 
 
 
子どもの白血病の一部で、二
つの遺伝子がくっついた異常な
「融合遺伝子」ができるために
治療が難しくなっていることを、
東京大の滝田順子准教授(小児
腫瘍学)らが突き止め、米科学
誌ネイチャージェネティクスに
7月3日発表しました。 新しい
治療法を開発する手掛かりにな
ると期待されます。

この病気は、「小児T細胞性
急性リンパ性白血病」です。日
本では推定で年間100 人ほどの
子どもが発症します。患者さん
181 人の遺伝子を調べると、約
4%に当たる7人で「SPI1」とい
う遺伝子が別の遺伝子と融合し
ていました。この異常により、
血液をつくる細胞がガン化して
大量に増殖していました。

小児T細胞性急性リンパ性白血

病の症状と治療について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 
水底の深さを推定する。笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
恐怖や、不安に関与する脳の
領域である分界条床核に存在す
るGABA作動性ニューロンを特異
的に興奮させるとノンレム睡眠
をしていたマウスが直ちに覚醒
することを解明したのは、偉大
な業績です。恐怖や不安に感じ
ることがあるときに、眠れない
のは、誰しも体験していること
ですが、それを動物実験で具体
的な脳の部位を指定して確認し
たことは、素晴らしいと思いま
した。漠然とこんな体験がある
と思っても、それを科学的に、
証明するのはなかなか難しいと
思われます。今回の研究成果に
より、不安障害や不眠症などに
効果のある医薬品の開発や現在、
不眠症治療薬として実用化され
ているオレキシン受容体拮抗薬
(商品名ベルソムラ)の詳しい
作用メカニズムを理解する重要
な知見となることを期待したい
と思います。
子どもの白血病の一部で、二
つの遺伝子がくっついた異常な
「融合遺伝子」ができるために
治療が難しくなっていることを
解明したのは、素晴らしい業績
です。ただ4%というのは少ない
気がするので、他の融合遺伝子
で治療が難しくなっているもの
を沢山解明する必要があると考
えています。ただ少ないとは言
え、新しい治療法を開発する手
掛かりになることを期待したい
と思います。 小児の白血病は
大人の白血病に比べて治癒する
確率が高いのですが、現在の所
抗ガン剤を用いての治療が主流
と言えます。しかし、慢性骨髄
性白血病のBcr-Abl 遺伝子をタ
ーゲットとした分子標的薬が、
治療の主流となっているように
新たな分子標的薬の誕生を期待
したいと思います。

腫瘤の主流の治療法。笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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藤田 亨
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