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2013-03-28 00:00:00

カテゴリー:ブログ

町医者のブログ



診療マル秘裏話 Vol.386 平成23年4月28日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1) 「肺リンパ脈管筋腫症」に国内未承認の薬が効果

2) 遺伝情報の読み取りに重要な働きをする酵素



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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは

1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を

増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の

なさから1週間に1回が限度となっています。これからも

当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識

を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って

おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので

どうかお許し下さい。



 

 

1】「肺リンパ脈管筋腫症」に国内未承認の薬が効果



 新潟大医歯学総合病院の中田光教授(57)ら日、米、

カナダの国際研究チームが、主に若い女性が患う肺の

希少難病に、国内未承認薬「ラパマイシン」が有効である

ことを実証しました。英国の医学専門誌に、論文が掲載

されました。中田教授らは、まず全国9か所の医療施設で

この薬が使用できるよう、厚労省に申請します。患者数が

少ない難病の薬が認可されにくい制度に、一石を投じたい

とも考えています。



 この難病は、肺の構造が破壊され、呼吸困難になる

「肺リンパ脈管筋腫症」です。全国に約500人の患者さんが

いるとされ、7割が肺に穴が開く気胸を経験しています。

3割が在宅酸素治療を受けるなど、日常生活に支障が出る

ことが少なくありません。



 これまで移植以外に有効な治療法がありませんでしたが、

腎移植後の拒絶予防に使われていたラパマイシンが、

治療に有効である可能性が米国での研究で判明しました。

これを実証するには多くの患者さんが必要で、肺の希少疾患の

国際的な研究チームの一員だった中田教授にも米国の医師

から声がかかり、近畿中央胸部疾患センター(堺市)など、

3か国の11医療施設が参加しました。



 実験は、昨年9月までの約2年間、89人の患者に対し、

行われました。46人にラパマイシンを、43人には偽薬を

与えたところ、偽薬の43人は平均で1年間に130cc

肺活量が減少しましたが、46人は同100cc増加する

など、肺の機能が改善されました。目立った副作用も

ありませんでした。4月23日に日本呼吸器学会で、研究成果

を発表するということです。



 ただ、製薬会社が認可申請するかどうかは不透明ということ

です。認可・販売後、製薬会社には副作用の調査報告などが

課せられ、患者数が少ないと、手間や経費の割に利益が期待

できないからだということです。



 そこで中田教授らは、3年前に始まった高度医療評価制度を

活用する方針だそうです。この制度は、未認可の薬の安全性と

有効性、実施する医療機関の管理態勢などの条件が整えば、

保険診療適用を認めるもので、新潟大病院に加え、中田教授ら

は北海道病院、久留米大病院(福岡県)など全国8医療機関

とともに、5月末頃までに厚労省に申請する予定です。問題が

なければ、3か月程度で認められることが多いということです。



 中田教授は「新薬認可制度の問題点を、なんとかしたい。

苦しんでいる人を、医者として救いたい」と話しています。



 新生した神聖なる薬の申請。笑



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2】遺伝情報の読み取りに重要な働きをする酵素



 遺伝情報の読み取りの際、重要な働きをする酵素の構造解明に

大阪大の田嶋正二(たじま・しょうじ)教授(分子細胞生物学)

らが4月25日までに成功しました。米科学アカデミー紀要の

電子版に発表します。



 この酵素は、遺伝の際に読み取る情報とそうでない情報を識別

させる働きを持っており、神経細胞や筋肉細胞など組織をつくり

出す上でなくてはならないものです。酵素が働かず余計な遺伝情報

が読み取られると、その細胞が死んでしまうため、ガン細胞の

ような細胞の増殖を抑える効果も期待できるということです。



 田嶋教授によると「特定の細胞だけに、集中的に酵素の働きを

抑えることが可能になれば、将来的にはガン治療の新薬開発に

つながる」と話しています。



 良き将来を招来す。笑



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編集後記



 ラパマイシンは、冠動脈の経皮的形成術つまり、心臓

カテーテルのステントにも塗られていた気がします。

難病の治療とあれば、早く申請、認可の方針でやって

いただきたいと考えます。肺の構造単位の肺胞は、1回

壊れてしまうと元に戻りません。貴重な薬を早く世に

出して患者さんを救ってあげていただきたいと思います。

特定の細胞だけに、細胞死を誘発させるのは、難しいと

思いますが、ガンで苦しんでいる人の一助となるならば

研究開発を急いでいただきたいものです。



 会名を解明する。笑



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