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2022-12-13 09:16:25

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診療マル秘裏話  号外Vol.2348 令和4年2月11日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)ガンの負荷及び傾向を世界疾病負荷研究で推計
2)活動性関節リウマチに,新規TNF阻害薬が有用性示す

 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 ガンの負荷及び傾向を世界疾病負荷研究で推計

 
 
 
 
 
 
 2010-19年、204の国・地域の
ガンによる負荷および傾向を世
界の疾病負荷研究2019(GBD 20
19)により推計しました。

 その結果、2019年の世界の新
規ガン患者さんは2360万例(非
黒色腫皮膚ガンを除くと1720万
例)、ガンによる死亡数は1000
万例と推定され、2010年以降、
それぞれ26.3%、20.9%上昇し
ました。GBD 2019の22の疾病お
よび傷害では、ガンは2019年の
死亡数、YLL が心血管疾患に次
いで世界第2位でした。

 ガンによる負荷は、社会人口
統計学的指標(SDI)の5分位数
により異なっていました。障害
調整生存年数(DALY)に寄与す
る障害生存年数(YLD) の割合
はSDIとともに増大し、低SDIで
1.4%、高SDIで5.7%でした。201
9年の新規患者数は高SDI地域で
最大、がん死亡数およびDALYは
中間SDI 地域で最大となりまし
た。2010-19年では、低SDIおよ
び低中SDI 地域で、ガン患者数
および死亡数の増加率が最大で
した。

 損失生存年数(years life l
ost: YLL)理想的な平均余命か
ら,早期死亡によって失われた
年数の合計のこと。多くの国・
地域で,平均余命の上昇に伴っ
てYLLsも増加しています。全世
界のYLLの原因疾患をみると,1
990年には1位が下気道感染症,
2位が下痢,3位が早期出生合
併症でしたが,2010年にはそれ
ぞれ虚血性心疾患,下気道感染
症,脳卒中となり,循環器疾患
による損失が増加しています。

 障害生存年数(years lived
with disability: YLD)理想的
ではない健康状態で過ごす年数
のこと。存命中の日常生活に対
する障害や疾病の負担を表して
います。高齢化や,発症により
障害が残るものの死亡には直結
しないような疾患の増加により,
YLDが増加します。全世界のYLD
に占める割合が高い疾患は精神・
行動障害,筋骨格障害,および
糖尿病・内分泌疾患で,1990年
から2010年にかけて大きな変化
はありませんでした。

 障害調整生存年数(disabili
ty-adjusted living years: DA
LY)YLDとYLLの合計。疾病負荷
の指標の一つで,理想的な平均
余命からの,死亡または障害に
よる質的乖離年数を示します。
1990年には全世界のDALYの47%
が感染症・周産期の疾病・栄養
失調,43%が非感染性疾患でし
たが,2010年にはそれぞれ35%,
54%となり,非感染性疾患によ
る負担が増加しています。

 ガンで使える公的制度につ

いて解説している動画です。

 
 


 
 
 死票の数を当選の指標とする。


 
 
 
 
 
 
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2】 活動性関節リウマチに,新規TNF阻害薬が有用性示す

 
 
 
 
 
 
 メトトレキサート(MTX) に
よる治療にもかかわらず疾患活
動性を有する関節リウマチ(RA)
患者さんに対し、新規TNF 阻害
薬ozoralizumabの有用性が示さ
れました。慶應義塾大学名誉教
授の竹内勤氏は、第36回日本臨
床リウマチ学会(2021年12月18
~19日)で同薬の第2/3相臨
床試験OHZORA Trialについて中
間解析結果を報告しました。同
薬を4週に1回皮下投与すること
で、プラセボ群に比べ臨床症状
などが有意に改善したというこ
とです。

 ozoralizumabは、ラマ由来重
鎖抗体の可変領域(ナノボディ)
を構成成分とし,ヒトTNFαに対
し2つ,ヒト血清アルブミンに対
し1つの結合領域を有する3量体
構造のヒト化融合蛋白質(低分
子抗体)です。こうしたナノボ
ディを用いた製剤として開発さ
れた薬剤は、日本初であるとい
うことです。

 OHZORA Trialでは、MTX によ
る効果が不十分なRA患者381 例
を、ozoralizumab30mgを4週に1
回皮下投与する群(30mg群)15
2例,同薬80mgを4週に1回皮下投
与する群(80mg群)154例,プラ
セボ群75例にランダムに割り付
け、各群ともMTX の併用は続け
ました。投与期間は二重盲検期
を24週間、非盲検期を28週間と
し、主要評価項目は、投与開始
後16週時点における米国リウマ
チ学会(ACR)改善基準20%以上
達成率(ACR20),24週時点にお
ける構造的寛解評価指標modifi
ed Total Sharp Score変化量(
ΔmTSS)としました。各群の患
者さん背景に大差はありません
でした。

 なお、主な組み入れ基準は、
1.2010年のACR/欧州リウマチ学
会(EULAR) 分類基準でRAと診
断,2.圧痛関節数(TJC)および
腫脹関節数(SJC)がともに6以
上、3.高感度C反応性蛋白質(h
s-CRP)0.6mg/dL以上または,赤
血球沈降速度(ESR) 28mm/h以
上です。投与開始後16週時点に
おけるACR 20、50、70の達成率
は、プラセボ群と比べて30mg群、
80mg群ともに有意に高いという
結果が出ました。また、30mg群
と80mg群に有意差はありません
でした。

 投与開始後24週時点における
ΔmTSSに3群で有意差はありま
せんでしたが,ΔmTSSが0以下と
なりました(関節破壊が進行し
なかった)割合はプラセボ群に
比べ30mg群および80mg群で有意
に高いという結果が出ました(
それぞれP=0.01、P=0.008)。3
0mg群と80mg群に有意差は,あり
ませんでした。

 さらに、投与開始後24週時点
における疾患活動性の評価指標
DAS28-CRP、患者さん全般評価P
t-Ga、TJC、SJCそれぞれの変化
量、寛解達成率、身体機能改善
達成率も、プラセボ群に比べ30
mg群および80mg群で有意な改善
が見られました。30mg群と80mg
群における有害事象の発現率は
同程度で、大半が軽度~中等度
でした。以上の結果から、竹内
氏は「ozoralizumabの有効性、
忍容性は30mg群と80mg群で同程
度だったため、30mg投与で十分
なベネフィットが得られると考
えられる」と結論しました。

 現在、日本においてRAに対し
保険適用されているTNF 阻害薬
は5剤であり、ozoralizumabが
6剤目となった場合の位置付け
に関心が集まっています。こう
した点について、同氏は「ozor
alizumabは即効性があり,MTX効
果不十分例に対しても高い有効
性が期待できる。加えて、血清
アルブミンに結合する機序を有
することから薬物血中濃度が下
がりにくく、薬効が長期間維持
されると思われる。これらの利
点と、4週間に1回の投与で済む
という簡便性を踏まえると、oz
oralizumabはTNF 阻害薬の中で
も有望な選択肢の1つになりう
る」と述べました。

 TNF阻害薬について解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 他社の製品の簡便性は勘弁し
て欲しい。        笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 2010-19年、204の国・地域の
ガンによる負荷および傾向を世
界の疾病負荷研究2019(GBD 20
19)により推計したのは、有用
な研究だと思います。孫氏の敵
を知り、己を知れば、百戦危う
からずの言葉通り、ガンと闘病
する患者さんを助太刀している
私としては、ガンがどの程度の
負荷を患者さんに与えるのかは、
知っておくべき数字だと思いま
す。健康寿命を延ばすように、
ガンの治療も行うようにしない
と患者さんが自分の人生に満足
できないと強く思いました。
 メトトレキサート(MTX) に
よる治療にもかかわらず疾患活
動性を有する関節リウマチ(RA)
患者さんに対し、新規TNF 阻害
薬ozoralizumabの有用性が示さ
れたのは、喜ばしいことです。
しかし、メトトレキサートが、
効果を認めないのに併用する意
図が分かりません。効果を認め
ない薬剤は、余程のことがない
限り、新しい切れ味の良い薬剤
と併用するのは、好ましくない
と思います。必要のない薬物代
謝酵素まで、活性化してしまう
からです。

 重い運動負荷は不可です。笑

 
 
 
 
 
 
 
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