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2022-12-19 10:29:09

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診療マル秘裏話  号外Vol.2353 令和4年2月17日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)手術後乳ガン患者の運動プログラムを,紹介するサイト
2)不整脈源性心筋症をヒトiPS 細胞由来細胞で解明

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 手術後乳ガン患者の運動プログラムを,紹介するサイト

 
 
 
 
 
 
 東和薬品(大阪府門真市)は、
手術後の乳ガン患者さんのため
の運動プログラムを紹介するサ
イト「ポジティブフィットネス」
を立ち上げました。乳ガンは、
適度な運動を行うことで再発リ
スクを低下させ、継続的な運動
によって機能の回復に寄与する
とされます。一般的な運動のコ
ンテンツは多数ありますが、乳
ガン患者さんを対象としたもの
が少なく、患者さん自身も手術
後の体の状態からどのような運
動を選択すればいいのか分から
ない、という声が多いというこ
とです。

 そこで、「ポジティブフィッ
トネス」は、患者さんの体力や
運動習慣に応じて、運動強度を
「入門編」「中級者編」「上級
者編」の3段階に分けました。
運動のメニューは、スポーツ医
学博士で乳ガン専門トレーナー
の奥松功基氏が監修しました。

 奥松氏とともにこのサイトを
監修した聖路加国際病院の山内
英子ブレストセンター長は、「
乳ガンの治療を終えた後、体重
が増えて困る、という声をよく
聞く。乳ガン治療で使われる抗
ガン剤やステロイド、ホルモン
治療など、むくみや体重増加の
原因となるものがあります。ま
た、手術によって体がこわばっ
たり、倦怠(けんたい)感から
活動量が低下したりする場合も
あります。乳ガンの治療後に体
重が増えることで、乳ガンの再
発リスクや予後が悪くなるとい
うデータがあります。皆さんと
考えたいのは、おいしく食べて
楽しく運動することだ」と運動
の大切さを訴えています。東和
薬品は「主治医に相談の上、運
動に取り組んでほしい」として
います。

 乳ガンの再発予防の運動につ

いて解説している動画です。

 
 


 
 
 検体を倦怠感から粗雑に扱っ
た。           笑

 
 
 
 
 
 
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2】 不整脈源性心筋症をヒトiPS 細胞由来細胞で解明

 
 
 
 
 
 
 大阪大学は1月21日、不整脈
源性心筋症の病態をヒトiPS 細
胞由来分化心筋細胞により解明
したと発表しました。この研究
は、同大大学院医学系研究科の
肥後修一朗特任准教授(常勤)
(重症心不全内科治療学)、宮
川繁教授(心臓血管外科学)、
坂田泰史教授(循環器内科学)
らの研究グループによるもので
す。研究成果は、「Stem Cell
Reports」に掲載されています。
 不整脈源性心筋症は、主にゲ
ノム遺伝子異常による心筋の障
害から、致死性不整脈による突
然死や心不全に至る重篤な疾患
群として定義されています。細
胞と細胞をつなぐデスモゾーム
を構成する遺伝子の変異は、不
整脈源性心筋症の発症原因とな
ることが知られ、中でもPKP2遺
伝子変異は、最も高頻度に同定
されています。不整脈源性心筋
症では、不整脈とともに心筋収
縮力の低下を来しますが、その
詳細な分子メカニズムは明らか
ではありません。そのため、病
態を再現し得る精密なヒト疾患
モデルの確立が必要とされてい
ました。

 研究グループは、PKP2遺伝子
の2つの対立遺伝子のうち片方
だけに変異があるヘテロ接合型
フレームシフト変異により不整
脈源性心筋症を発症した症例よ
り、iPS細胞(PKP2変異/野生型)
を樹立しました。ゲノム編集を
用いて、ヘテロ接合型変異を正
常に修復したiPS 細胞(野生型
/野生型),および両方の対立遺
伝子にフレームシフト変異を導
入したiPS 細胞(PKP2変異/PKP
2変異)を作製しました。 これ
ら遺伝背景が同一の細胞セット
を心筋に分化させ、シート状に
拍動する心筋の経時的なモーシ
ョンベクトル解析により、PKP2
蛋白質の減少に伴い、心筋収縮
力が低下、興奮伝播が障害され
ることが明らかとなりました。

 さらに、デスモゾーム蛋白質
DSG2が、PKP2の完全欠損により
細胞の辺縁から脱落すること、
PKP2の半分量への減少により形
成阻害を来すことも明らかとな
りました。

 デスモゾーム動態をより詳細
に解析するため、構築した3つ
の細胞セットにさらにゲノム編
集を行い、DSG2遺伝子の片方の
アレルに特異的に赤色蛍光蛋白
質(tdTomato)を挿入したイメ
ージング細胞セットを樹立しま
した。タイムラプスイメージン
グを行うことで、iPS 細胞から
心筋細胞への分化の過程におけ
るデスモゾームの変化、拍動す
る心筋細胞におけるデスモゾー
ムの動態を生きた細胞で観察す
ることが可能となりました。

 蛍光標識されたDSG2-tdTomat
o 融合蛋白質は内在性遺伝子と
同様の挙動を示し、拍動心筋で
PKP2欠損によるデスモゾーム形
成低下が観察されました。PKP2
変異iPS 分化心筋細胞、デスモ
ゾームイメージングiPS 分化心
筋細胞にアデノ随伴ウイルス(
AAV) を用いてPKP2遺伝子を導
入した所、低下した収縮力が改
善し、脱落したデスモゾームが
回復する過程が経時的に観察さ
れました。

 不整脈源性心筋症では、既存
の心不全治療薬が奏功せず進行
した場合、心臓移植しか治療方
法がありません。研究グループ
は、「PKP2蛋白質が欠損したiP
S 分化心筋細胞を用いて、その
病態解明を行い、遺伝子補充の
治療概念を実証した。精密に遺
伝子を改変した不整脈源性心筋
症モデル細胞、およびデスモゾ
ームを可視化するイメージング
細胞は、難治性心筋症に対する
今後の治療法開発において、有
用なプラットフォームを提供す
ると考えられる」と、述べてい
ます。

 不整脈原性右室心筋症につい

て解説している動画です。

 
 


 
 
 河岸で菓子の瑕疵を可視化し
た。           笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 東和薬品(大阪府門真市)が、
手術後の乳ガン患者さんのため
の運動プログラムを紹介するサ
イト「ポジティブフィットネス」
を立ち上げたのは、素晴らしい
企画です。手術によって体がこ
わばったり、倦怠(けんたい)
感から活動量が低下したりする
場合もあるということですが、
一番の運動不足になる要因は、
筋肉が、糖新生によって破壊さ
れ、サルコペニアに陥ることだ
と思います。一旦、サルコペニ
アに陥ると運動しようという気
にもならないということになり
ます。ガン細胞が、糖分を吸い
取り、それを補うために筋肉を
壊すのは、本当に残酷と言える
でしょう。
 大阪大学が1月21日、不整脈
源性心筋症の病態をヒトiPS 細
胞由来分化心筋細胞により解明
したと発表したのは素晴らしい
業績です。不整脈源性心筋症で
は、既存の心不全治療薬が奏功
せず進行した場合、心臓移植し
か治療方法がないということな
ので、PKP2蛋白質が欠損したiP
S 分化心筋細胞を用いて、その
病態解明を行い、遺伝子補充の
治療概念を実証したのは、心臓
移植以外の新しい治療法が出て
くるのに寄与すると私は考えて
います。精密に遺伝子を改変し
た不整脈源性心筋症モデル細胞、
およびデスモゾームを可視化す
るイメージング細胞を足掛かり
に新治療法の開発に邁進して頂
きたいものです。

 異色の移植を実現する。 笑

 
 
 
 
 
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