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診療マル秘裏話    Vol.699 平成29年5月3日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
 
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目次

1)血圧制御因子が脂肪組織で脂肪細胞分化を制御
2)植物種子外皮成分が酵素サーチュインを特異的活性化

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 血圧制御因子が脂肪組織で脂肪細胞分化を制御

 
 
 
 
 
 
 
東京医科歯科大学院 医歯学
総合研究科 腎臓内科学分野の
田信一教授、高橋大栄助の研究
グループは、血圧制御因子であ
るWNK4が脂肪組織において脂肪
細胞の分化を制御する事を発表
しました。  この研究成果は、
3月8日に国際科学誌「EBioMedi
cine」オンライン版で公開され
ました。メタボリックシンドロ
ームは高血圧、インスリン抵抗
性、脂質代謝異常、内臓脂肪型
肥満などの心血管病の危険因子
が集積した病態です。近年その
重要性が指摘され、病態解明が
求められています。

遺伝性高血圧性疾患偽性低アル
ドステロン症 II型の原因遺伝
子の一つであるwith-no-lysine
kinase 4(WNK4)は、塩分感受性
高血圧の重要な制御因子として
知られるもので、腎臓の遠位尿
細管においてOSR1/SPAK キナー
ゼを介して Na-Cl共輸送体をリ
ン酸化し、塩分の再吸収を制御
しています。 しかし、全身に
分布するWNK キナーゼが、腎臓
以外の臓器でどのような働きを
するかは、ほとんどわかってい
ませんでした。

今回、マウス脂肪組織の中でも
特に成熟脂肪細胞で、WNK4が強
く発現していることが判明しま
した。 脂肪組織から未分化な
脂肪由来幹細胞を含む間質血管
細胞を単離し、脂肪細胞への分
化誘導刺激を加えると、WNK4の
発現が早期から増大しました。
また、同様の事象が脂肪分化の
モデル細胞である3T3-L1細胞に
おいてもみられ、細胞分化のマ
スターレギュレーターであるPP
ARγやC/EBPαに先行して起こ
るWNK4のノックダウンがPPARγ
や、C/EBPα の発現を抑制し、
脂肪細胞への分化と、脂肪滴の
蓄積を抑制することが明らかに
なりました。

これらは、ヒト由来の間葉系胚
細胞を用いた実験でも、同様の
結果を示し、ヒトにおいても同
様の制御機構が存在すると考え
られました。また、WNK4による
脂肪細胞分化を制御するメカニ
ズムとして、WNK4が細胞周期を
脂肪細胞分化の早期から制御し、
その結果としてPPARγの転写を
阻害している可能性を示しまし
た。さらに、WNK4ノックアウト
マウスを解析した結果、WNK4ノ
ックアウトマウスは高脂肪食で
誘発される肥満になりにくく、
脂肪細胞サイズは野生型マウス
に比して小さく、インスリン感
受性も良いことが分かりました。

これらの結果から、従来は主に
腎臓における塩分感受性高血圧
の制御因子として知られていた
WNK4が、脂肪組織では脂肪細胞
の分化を制御し、高脂肪食によ
る肥満の病態にも寄与すること
が明らかになりました。

これは高血圧と肥満の病態をつ
なぐ新しい知見で、メタボリッ
クシンドロームの病態解明に役
立つと考えられます。また、同
研究の結果から、同グループは
メタボリックシンドロームなど
高血圧と肥満を合併した病態の
新規治療戦略としてWNK4の抑制
が有用であると期待されるとし
ています。

脂肪細胞と中性脂肪について解説

している動画です。

 
 


 
 
治験で得られた知見。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 植物種子外皮成分が酵素サーチュインを特異的活性化

 
 
 
 
 
 
 
東京工科大学は、ライ麦や小
麦などの植物種子外皮に存在す
る成分「アルキルレゾルシノー
ル」が、老化抑制や生命維持に
重要とされる酵素サーチュイン
を特異的に活性化する事を発見
したと発表しました。同研究は、
東京工科大学 応用生物学部の
今井伸二郎教授らの研究グルー
プと、山梨学院短期大学 食物
栄養科の萱嶋泰成准教授らとの
共同研究によるもので、2017年
3月2日に英国Nature Publishin
g Groupの科学誌「Scientific
Reports」に掲載されました。
今井教授らは、老化を抑制し、
肥満や糖尿病などのメタボリッ
クシンドローム(代謝症候群)に
有効な機能性食品の研究開発に
取り組んできており、同研究で
着目した、小麦外皮のフスマや
ライ麦外皮は、繊維質が豊富で
従来から健康食として有用とさ
れています。実際に、「地中海
式ダイエット」として注目され
るギリシアのクレタ島や南イタ
リアの伝統的な食事法にはこれ
らが多く含まれているという事
です。 世界規模の疫学調査や
臨床試験の結果、この食事法を
実践している地域の平均寿命は
他の地域より長いことが確認さ
れていますが、どのような成分
が効果を示すのかについては、
これまで有用な知見は得られて
いませんでした。

同研究では、植物種子外皮に多
く含まれるアルキルレゾルシノ
ールという成分をショウジョウ
バエに摂取させたところ、雌雄
差なく通常食に比べ平均寿命が
10日(22%)程度延長することが
確認されました。これは、人の
平均寿命を80歳とするとおよそ
100 歳に延長したことに相当す
るということです。一方、ぶど
う種子に存在する成分レスベラ
トロールもショウジョウバエの
オスに対して寿命延長効果を示
しましたが、メスにはほとんど
効果がありませんでした。また、
細胞の維持や増殖に関与するア
セチル基を取り除く働きをして
おり、量を増やしたり活性化す
ることで寿命延長やメタボリッ
クシンドローム抑制に、繋がる
酵素であるサーチュインが遺伝
的に欠損したショウジョウバエ
に対してアルキルレゾルシノー
ルを摂取させた場合、寿命延長
効果は見られない事から、この
効果はサーチュインに依存的で
あることも確認されました。

今回の発見は、地中海食の有用
性を裏付ける新たな証拠のひと
つになると考えられるという事
です。前述の成分レスベラトロ
ールは、当初サーチュインを、
直接活性化する物質として注目
されましたが、その後の研究に
より、酵素の基質であるアセチ
ル化蛋白質の構造次第で活性化
しないことが判明しています。
しかし、アルキルレゾルシノー
ルの場合は基質の構造に依存せ
ず、サーチュインを活性化する
ことが確認され、学術的に意義
深い発見であるということです。

サーチュイン遺伝子全てを活性

化するNMNについて解説してい

る動画です。

 
 


 
 
 
酵素の基質から帰室を疑い、
住人の気質を推測した。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 
血圧制御因子である、WNK4が、
脂肪組織において、脂肪細胞の
分化を制御する事を発表したの
は偉大な業績です。更に高脂肪
食による肥満の病態にも寄与す
ることで、この因子がメタボリ
ック症候群に関与するのは間違
いありません。メタボリックシ
ンドロームなど高血圧と肥満を
合併した病態の新規治療戦略と
してWNK4の抑制が有用である事
を期待したいと思います。
アルキルレゾルシノールの場
合は基質の構造に依存せず、サ
ーチュインを活性化することが
確認され、学術的に、意義深い
発見であると同時に、この物質
のサプリメントを作れば、サー
チュインをレスベラトロールよ
り確実にサーチュインを活性化
できると思われます。 まさに
究極のアンチエイジングを実現
するサプリとなると期待してい
ます。

依存症の治療に異存はない。


 
 
 
 
 
 
 
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