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2012-11-08 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.367 平成22年12月16日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1) 突発性難聴のゼラチンシート治療

2) インスリンの分泌の鍵となる酵素



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



  

 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは

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なさから1週間に1回が限度となっています。これからも

当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識

を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って

おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので

どうかお許し下さい。





 

1】 突発性難聴のゼラチンシート治療



京都大病院の中川隆之講師(耳鼻咽喉(いんこう)科・

頭頸(とうけい)部外科)らの研究グループが、特殊な

ゼラチンシートを使った治療が突発性難聴患者の治療に

効果的であることを臨床試験で確かめ、医学専門誌

「BMCメディシン」に発表しました。



 突発性難聴の治療法はステロイドの全身投与が一般的

だが、約20%の患者には全く効果がありません。

そこでグループは、死にそうな内耳の聴覚細胞を

生きながらえさせる特殊な成分をゼラチンシートに

しみ込ませ、内耳と中耳の境界に張り付ける臨床試験を、

25症例について実施ししました。



 その結果、投与12週後には12例、24週後には

14例が厚生労働省基準で「回復」とされる域にまで

聴力が改善し、うち1例では聴覚がほぼ正常に戻り

ました。ただし、改善したのは発症後26日以内の症例

に限られていました。



 難聴の治療は軟調だった。笑 



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



2】 インスリンの分泌の鍵となる酵素



 血糖値を下げるインスリンの分泌を調節するのに

重要な役割を果たし、鍵となる酵素を突き止めた

と、東京大病院の植木浩二郎(うえき・こうじろう)

准教授、金子和真(かねこ・かずま)特任研究員らが

米医学誌に12月2日、発表しました。



 「PI3K」という酵素です。インスリンの分泌を

活性化させる一方、インスリンによってこの酵素は

活性化します。糖尿病では、インスリンの分泌低下と

酵素の働き低下が連鎖する悪循環が起きて悪化する

ため、この酵素の働きを高める薬を開発すれば

悪循環を断つことができ、新たな糖尿病治療につながる

ということです。



 植木さんらは、肥満の糖尿病マウスで、インスリンを

分泌する膵臓(すいぞう)のベータ細胞を分析しました。

このマウスでは、インスリンの分泌が低下するより前に、

PI3Kの働きが低下し、それが徐々に進行して糖尿病が

悪化しました。



 ベータ細胞だけでPI3Kが働かないようにしたマウス

では、人間の2型糖尿病のようにインスリンの分泌が低下

し、分泌に重要な役割を果たすいくつかの分子の働きも

低下しました。



 一方、PI3Kが制御している別の酵素の働きを高める

とインスリンの分泌が改善しました。



 牛丼の定価が低下した。



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編集後記



 突発性難聴には、ステロイド大量療法や高圧酸素療法

が有効のように言われていますが、20パーセント

どころかもっと多くの割合で効かなかった印象があります。

全く作用機序の異なる新しい画期的な治療法の出現で

治療効果の印象がかわるかもしれません。糖尿病の合併症

で亡くなる方は非常に多くなっています。動物実験で

インシュリンの分泌が改善したということは、臨床試験

が待ち遠しい限りです。





 高価な硬貨。笑



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2012-11-01 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.366 平成22年12月9日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1) 初期の妊娠維持に重要な役割を果たす遺伝子

2) 粘膜幹細胞の機能を維持するパネート細胞



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1】 初期の妊娠維持に重要な役割を果たす遺伝子



着床した受精卵が育つように子宮を適切な状態にし、

初期の妊娠維持に重要な役割を果たす遺伝子を宮崎徹

(みやざき・とおる)東京大教授(疾患生命科学)

らが11月27日までにマウスで特定しました。実験

では、この遺伝子が機能しないと受精卵は育ちません

でした。



 人間も同様の遺伝子を持っており、妊娠の仕組みも

似ています。研究チームは、不妊治療を受ける女性

から血液などの提供を受け、この遺伝子に異常がないか

調べるため、近く東大医学部の倫理委員会に申請します。



 カップルの約1割は不妊とされ、専門家によって見解

は分かれますが、1~3割は検査でも原因が判明しない

不妊とされています。特に受精卵が着床してから胎盤が

できるまでの経過は「ブラックボックス」

(不妊治療の専門家)で、詳しい仕組みが分かって

いません。



 宮崎教授は「現在の不妊治療は精子や卵子、排卵などの

問題を主な対象にしているが、着床後の子宮内の環境も

非常に重要だ」と指摘しています。この遺伝子が不妊の

新たな仕組み解明や診断の手掛かり、治療の標的になる

可能性があると推測しています。



 教授らによると、マウスの場合、受精卵が子宮に着床する

と、子宮の内膜が肥大化して「脱落膜」となります。やがて

胎盤ができると血管を介して母胎から栄養が送られますが、

胎盤が形成されるまでは、この脱落膜が受精卵を包み込み、

直接栄養を与えています。



 研究では、雌のマウスで、「DEDD」という遺伝子を

働かなくしたところ、受精卵が着床しても脱落膜が十分に

できず、受精卵は胎盤が機能し始める前に死んだということ

です。雄でこの遺伝子を働かなくしても、雌が正常だと

無事出産できました。



 至急、子宮のメカニズムを明らかにしてサービスを支給

する。笑



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2】 粘膜幹細胞の機能を維持するパネート細胞



 小腸の粘膜表面を覆う「腸管上皮細胞」のもととなる

幹細胞には、機能を維持するためにパートナーの細胞の

存在が欠かせないとの研究結果を、オランダ・ユブレヒト

研究所の佐藤俊朗(さとう・としろう)研究員らが11月

28日付英科学誌ネイチャー(電子版)に発表しました。



 佐藤さんは「炎症性腸疾患や薬によって傷ついた粘膜の

治療などへの応用が期待できる」と話しています。



 幹細胞は粘膜の奥深くに存在しており、佐藤さんらは

幹細胞に常にくっついている「パネート細胞」に注目

しました。この細胞が分泌する3種類のタンパク質が、

幹細胞の増殖を制御していることを突き止めました。

うち1種類の分泌を止めると、幹細胞は生存できません

でした。



 培養皿で幹細胞とパネート細胞をくっつけて培養すると、

体内の腸管上皮細胞と同じような立体構造を形成しました。

遺伝子操作でパネート細胞の数を減らしたマウスは、

腸管の幹細胞の数も減少しました。



 パネート細胞は幹細胞が分化してできたもので、幹細胞

が”子孫”の細胞に養われていることが明らかになりました。



 成魚を制御する。笑



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編集後記



 早くブラックボックスの精卵が着床してから胎盤が

できるまでの経過が詳細まで分かって欲しいものです。

不妊治療に絶大な進歩があるとうれしいものです。

幹細胞でも万能ではなく、子孫の細胞に養われている

というのは以外でした。私も炎症性腸疾患なので早く

臨床応用されるよう願っています。





 商才の詳細。笑



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2012-10-25 00:00:00

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診療マル秘裏話 Vol.365 平成22年12月2日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1) 体内で免疫を活性化させる新たなタンパク質

2) 抗生物質に神経細胞を成長させる働き



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1】 体内で免疫を活性化させる新たなタンパク質



ウイルスに感染した際に体内で免疫を活性化させる新たな

タンパク質を見つけたと、北海道大遺伝子病制御研究所の

高岡晃教(たかおか・あきのり)教授(免疫学)らが11月

21日付米科学誌ネイチャーイムノロジー電子版に発表し、

「ZAPS」と名付けました。



 ウイルス増殖を抑制するインターフェロンを大量に作る

よう誘導するなどの働きがあり、インフルエンザやはしか

などのウイルスに効果があるのではないかということです。



 高岡教授は「今後は動物実験で効果を確かめたい。将来的

には抗ウイルス薬の候補としても期待される」と話して

います。



 インフルエンザウイルスなど遺伝情報をRNAで持つ

ウイルスが細胞に感染すると、細胞内にある「RIG-I」

という分子がウイルスのRNAを感知します。高岡教授らは、

RIG-IにZAPSが結合し、インターフェロン生産を

増強させることを突き止めました。



 試験管内でヒトの細胞にインフルエンザウイルスを感染

させる実験で、人為的にZAPSが働かないようにした場合、

インターフェロンが抑えられてウイルスは増殖しました。

ZAPSの働きを高めるとウイルスの増殖が抑えられました。



 感知するけれど、関知しなければ、完治しない。笑



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2】 抗生物質に神経細胞を成長させる働き



 にきびの治療などに使われる抗生物質ミノサイクリンに、

神経細胞を長く伸ばし成長させる働きがあるとの研究結果を

橋本謙二(はしもと・けんじ)千葉大教授(神経科学)らが

11月20日までにまとめました。



 橋本教授らは、覚せい剤中毒で脳の神経細胞を損傷させた

サルにミノサイクリンを投与し、神経の機能を回復させる

ことに成功しています。パーキンソン病やアルツハイマー病

などの神経変性疾患でも、動物実験で改善したとの報告も

あります。橋本教授は「今回の研究で、なぜ効くかという

仕組みの一端が分かった」と話しています。



 橋本教授らは試験管内の実験で、ラットの神経前駆細胞に

ミノサイクリンを投与しました。濃度の高さに応じて、

軸索という細長い突起が伸びる細胞が増えました。細胞の中で、

遺伝子情報を読みとりタンパク質の合成を始めさせる働き

がある分子が増えていました。この分子がないと、

ミノサイクリンを投与しても軸索が伸びる細胞は増えません

でした。



 ミノサイクリンはこの分子に働きかけて、神経細胞の成長

を助けていると推測されます。



 研究結果は米科学誌プロスワン電子版に発表されました。



 文士が分子の分枝を指摘した。笑



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



編集後記



 ウイルスで起こる病気の治療薬として、個々のウイルス

に効くものは、少しずつ増えていますが、副作用や相互

作用が強くなかなか臨床の現場で、気安く使えないという

印象があります。RNAを遺伝子にもつウイルスという条件

はあるものの汎用性のある抗ウイルス薬に結びつく可能性の

ある研究ではないかと思いました。ミノマイシンを神経疾患

の治療に使うという話は聞いたことがあります。なかなか

再生しない神経の病気の治療薬としては、値打ちがあると

考えています。ただし、浮遊感などの副作用の克服も重要

でしょう。



 半葉が汎用され繁用となる。笑



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2012-10-18 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.364 平成22年11月25日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1) エイズウイルス(HIV)の増殖を促進するタンパク質

2) 傷ついた肝臓が再生する詳しいメカニズム



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1】 エイズウイルス(HIV)の増殖を促進するタンパク質



エイズウイルス(HIV)の増殖を促進するタンパク質

の働きを、京都大の高折晃史(たかおり・あきふみ)教授

(血液・ウイルス学)とエイズ予防財団の泉泰輔

(いずみ・たいすけ)研究員らのチームが突き止め、11月

9日付の米科学アカデミー紀要電子版に発表しました。



 患者さんの体内でウイルスの増殖を抑えることにつなげ

られれば、エイズの新たな治療薬開発に役立つ可能性がある

ということです。



 HIVがヒトの細胞に感染すると、HIVがつくる「Vif」

というタンパク質が活発に働き、細胞の分裂や成長を止める

特定の遺伝子を、細胞の中心部にある核へ移動させます。



 すると、この遺伝子が働きだして細胞の成長が止まります。

チームはこの状態が、ウイルスが細胞内で増殖するのに適した

環境になっているとみています。



 チームはこれまでに、HIV増殖を阻害する体内の酵素を、

Vifが分解し増殖を促進することも解明しました。高折教授は

「Vifはウイルス増殖に不可欠。Vifを分解したり働かなく

したりする薬剤開発の手掛かりにしたい」と話しています。



 改名の謎を解明する。笑



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2】 傷ついた肝臓が再生する詳しいメカニズム



 傷ついた肝臓が再生する詳しいメカニズムを、米コーネル大と

奈良先端科学技術大学院大のグループがマウスの実験で突き止め、

11月11日付の英科学誌ネイチャーに発表しました。細胞移植

による肝臓の再生医療への応用が期待されます。



 肝臓は再生能力が高い臓器として知られています。

奈良先端科技大の佐藤匠徳(なるとく)教授らは、マウスの肝臓の

組織を70%切除し、再生の過程を観察しました。



 まず肝細胞で「血管内皮細胞増殖因子(VEGF)」という

たんぱく質が作られ、これが肝臓の毛細血管にある内皮細胞の

増殖を促進しました。さらに内皮細胞から肝細胞を増やす

たんぱく質のHGFなどを分泌させ、切除後4-8日で組織が再生

することが分かりました。



 佐藤教授は「肝臓の毛細血管は栄養を運ぶだけでなく、肝臓の

再生に重要な役割を果たしています。肝細胞と毛細血管の内皮細胞

を同時に移植すれば、効率よく肝臓を再生できる可能性がある」と

話しています。



 公立で高率の賃金を効率よく絞り出す。笑



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編集後記



 アフリカのむちゃくちゃな家族計画でもAIDS

ウイルスにはかなわなかったと言われています。

しかし、AIDSウイルスを完全に制圧することが

できると再びアフリカで人口爆発が起こる気が

します。肝細胞と毛細血管の内皮細胞を同時に移植

することで効率的に肝臓を再生することができれば

生体肝移植のみを心待ちにしている患者さんには

福音となるでしょう。



 異色の肝臓再生移植法。笑



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2012-10-11 00:00:00

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診療マル秘裏話 Vol.363 平成22年11月18日作成


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目次



  

1) 「アクチン繊維」の構造

2) 精巣腫瘍(しゅよう)の悪性化



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1】 「アクチン繊維」の構造



体の中で筋肉の収縮などにかかわる幅わずか

10ナノメートル(ナノは10億分の1)の繊維状

タンパク質「アクチン繊維」の構造を、電子顕微鏡

で明らかにすることに大阪大の藤井高志

(ふじい・たかし)特任研究員らのチームが成功し、

英科学誌ネイチャー電子版に掲載されました。



 チームの難波啓一(なんば・けいいち)教授

(生物物理学)は「筋肉や神経など、生体内で重要

な働きをしているアクチン繊維の構造を原子レベル

で明らかにできた。アクチンはガンなど細胞の形が

変化する病気にもかかわっており、これらの研究

にも貢献できる」と話しています。



 アクチン繊維は、タンパク質の一種アクチンがら

せん状に連なってできており、細胞の中で伸びたり

縮んだりすることで細胞の運動や形を調節して

います。



 チームは、ウサギの筋肉から採取したアクチン繊維

を液体ヘリウムでマイナス220度まで冷やして凍らせ、

電子顕微鏡で詳細に解析しました。単体のアクチンを

構成する四つの部位の向きや構造が、繊維状になると

大きく変化していることが分かりました。



 単体が担体であった。笑



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2】 精巣腫瘍(しゅよう)の悪性化



 精巣腫瘍(しゅよう)の悪性化には、男性に特有の

Y染色体にある遺伝子からできるタンパク質が

かかわっているとの研究結果を、東京大分子細胞生物学

研究所の加藤茂明(かとう・しげあき)教授らが11月

2日付米科学アカデミー紀要電子版に発表しました。



 日本の精巣腫瘍の患者は欧米に比べ少なく、10万人

当たり2人程度です。だが生殖年齢の20~40代に

発症が多く、悪性化するとほかの臓器への転移の危険性

も高いと言われています。発症や悪性化の仕組みは

ほとんど分かっておらず、精巣摘出以外の治療法はない

ということです。



 加藤教授は「仕組みの一部を明らかにできた。よりよい

治療につなげたい」と話しています。



 精巣腫瘍は、男性ホルモン「アンドロゲン」と受容体が

結合してできた物質が細胞核の中に異常に多く入ると、

細胞が増殖し悪性化します。加藤教授らは腫瘍細胞を使った

実験で、Y染色体の遺伝子からできる「TSPY」という

タンパク質が存在すると、この結合物質が核に入るのを防ぐ

ことを見つけ、TSPYが細胞増殖の”ブレーキ役”と判断

しました。



 腫瘍が悪性化した患者さんの細胞ではTSPYの生産量が

少なくなっていました。悪性化した患者さんとそうでない

患者さんは遺伝子の違いはなく、タンパク質を作る過程で

問題が起きているのではないかということです。



  TSPYは、T(精巣)のSPY(スパイ)です。笑



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編集後記



 アクチン、ミオシンの構造が最近になってやっと分かった

というのは、学生の時に習った模式図は何だったのかという

疑問が生じてきます。早くガン細胞の転移など臨床の成果に

応用して欲しいものです。精巣腫瘍について今までほとんど

分からなかったメカニズムの一旦が発見されたのは画期的と

言えるでしょう。TSPYを遺伝子治療に使うなどという臨床的

成果が望まれるところです。



 画期的な研究の研究者は、活気的。笑



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2012-10-04 00:00:00

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診療マル秘裏話 Vol.362 平成22年11月11日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1) 精子を受け入れる役割を持つたんぱく質

2) 生殖細胞の形成に重要な働きをするタンパク質



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1】 精子を受け入れる役割を持つたんぱく質



名古屋大学の松田幹(つかさ)教授(54)らの研究グループが、

脊椎(せきつい)動物の卵子の被膜にあり、精子を受け入れる

役割を持つたんぱく質(ZP3)の構造の解析に世界で初めて

成功したと発表しました。精子と結合する卵子側の領域が特定

できたことで、安全性の高い避妊薬の開発や不妊症の原因解明

など生殖医療の進展につながると期待されます。論文は10月

22日午前1時(日本時間)から米科学誌「セル」電子版に

掲載されました。



 松田教授によると、研究グループはニワトリの卵被膜から

ZP3を取り出し、集合(結晶化)させました。その上で、

このZP3と、構造の一部を遺伝子操作で変化させたZP3の

2種類を用意し、2種類の受精能力を比較する実験をしました。



 その結果、一部の構造を変化させたZP3は、受精能力が

5分の1に低下することが判明しました。構造を変化させた部分

が、精子を受け入れるのに重要なZP3の領域だと

突き止めました。



 幸三が構造解析した。笑



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2】 疲労を強く感じている人の心血管疾患のリスク



 疲労を強く感じている人は心臓発作や脳卒中などの心血管疾患

を発症するリスクがそうでない人の2倍以上高いことが、

大阪市立大チームの調査で分かりました。



 大学によると、疲労が心血管疾患の兆候となることをデータで

示したのは世界で初めてということです。チームの小山英則

(こやま・ひでのり)元大阪市大講師(現兵庫医大)は

「疲労を和らげることで心血管疾患のリスクを下げることが

できるかもしれない」と話しています。



 チームは「足もとがふらつく」「このごろ体が重く感じる」

など64項目を5段階で尋ねる問診票を使い、人工透析を

受けている患者さん788人を対象に疲労、うつ、過労、

睡眠障害などの程度をそれぞれ20点満点で調査しました。



 約2年間追跡したところ、疲労度が高かった14・7%の

患者さんでは、高くない患者さんよりも心血管疾患を発症する

リスクが2・17倍高いという結果がでました。自律神経失調

も兆候となる可能性があるということです。



 チームは、疲労によって心臓の働きを調節している自律神経の

バランスが崩れ、心血管疾患が発生しやすい状態になっている

とみています。



 小山元講師は「人工透析を受けている人は心血管疾患のリスク

が高いが、今回の結果では、透析とは関係なく疲労自体が兆候と

なっており、一般の人にもあてはまる可能性がある」と話して

います。



 将軍様の透析は、投石されかねない。笑



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



編集後記



 生殖細胞の受精を担うタンパク質が発見された

のは、素晴らしい発見であると思います。長らく

神の領域とされた受精のメカニズムが解明されれば

不妊治療は飛躍的に進歩するのではと予想して

います。疲労感を訴えた人は循環器系の重大な

病気の予兆であったということですから、易疲労感

を訴える人には、できるだけ心電図その他の検査を

積極的に行いたいと考えています。





 疲労感を披露する。笑



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最新号より100号前のメルマガ

2012-09-27 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.361 平成22年11月4日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

目次



  

1) 血管の老化のメカニズム

2) 生殖細胞の形成に重要な働きをするタンパク質



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



  

 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは

1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を

増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の

なさから1週間に1回が限度となっています。これからも

当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識

を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って

おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので

どうかお許し下さい。





 

1】 血管の老化のメカニズム



京都府立医大の松原弘明教授と草場哲郎研究員らのグループ

は10月18日、抗老化たんぱく質「クロトー」が不足する

ことで血管が老化し、動脈硬化につながるメカニズムを解明

したと発表しました。近く米アカデミー紀要(電子版)で発表

されます。



 グループは、動脈硬化で心筋梗塞(こうそく)や脳卒中

となる患者さんは、腎臓から分泌されるクロトーが少なくなっ

ていることに着目しました。生まれつきクロトーを持たない

マウスを用いた実験で、血管内側の細胞(血管内皮細胞)内の

カルシウム濃度が極めて高くなっていることを突き止めました。

さらに、このカルシウム濃度上昇で細胞が死んで血管壁に

すき間が生じ、血しょうが侵入することを発見しました。

入り込んだ血しょう成分が、血管を石灰化して老化が導かれる

ことを解明しました。



 松原教授は「血管病の予防や治療に向けた新たな戦略を開発

できる可能性がある」と話しています。





 クロトーによる血管病の予防には欠陥はない。笑



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



2】 (GVHD)の発症メカニズム



 白血病治療に伴う骨髄移植の合併症のうち、半数以上が発症

するといわれる急性移植片対宿主病(GVHD)の発症

メカニズムを渋谷彰・筑波大教授のチームが動物実験で

突き止め、10月19日発表しました。特定の分子の働きを

抑えることでGVHDを防げるため、骨髄提供を待つ血液ガン

患者さんと提供者(ドナー)との白血球型の一致度が多少

異なっても移植成功の可能性が大きくなったということです。



 チームは、血液中のリンパ球にもともと存在する特定の分子

(DNAM-1)がGVHD発症にかかわっていることを見つけ

ました。この分子はガン細胞を殺すキラーT細胞の表面に現れて

ガンを攻撃する半面、患者の正常な肝臓や小腸などの細胞も攻撃

してしまうことも分かりました。



 実験では、ドナー役と患者役で白血球の型が50%異なるマウス

の間で骨髄移植を実施し、重度のGVHDを発症させました。



 DNAM-1の働きを抑える抗体を1回投与すると、90日後の

生存率は約80%に達し、投与しなかったマウスの約10%を

大きく上回りました。渋谷教授は「一つの分子を標的に絞った

療法で、人間にも適用できると確信している」と話しています。



 HLAが違う異色の移植が成功する。笑



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



編集後記



 動脈硬化のメカニズムが完全に分かれば、血管病

の治療は飛躍的に進歩するでしょう。しかし石灰化

のメカニズムが分かっただけでも本当に画期的な発見

と言えるでしょう。HLAが異なるだけで骨髄移植が

受けられないということは、沢山ありましたし、この

発見が完全に臨床応用されるまでは、できないでしょう。

またGVHDがDNAM-1の働きだけで起こると考える

のは早計かもしれません。しかし、HLAの異なる人の

間での骨髄移植の可能性が大きく開かれたと言える

でしょう。



 総計を少なく見積もるのは早計かも知れない。笑



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最新号より100号前のメルマガ

2012-09-20 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.360 平成22年10月28日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

目次



  

1) 単純ヘルペスウイルス(HSV)が、人に感染する仕組み

2) 生殖細胞の形成に重要な働きをするタンパク質



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1】 単純ヘルペスウイルス(HSV)が、人に感染する仕組み



 くちびるの周りに赤い水ぶくれができる口唇ヘルペスなど

の原因となる単純ヘルペスウイルス(HSV)が、人に感染

する仕組みを解明したと東京大医科学研究所の川口寧

(かわぐち・やすし)准教授(ウイルス学)らが

10月14日付英科学誌ネイチャーに発表しました。



 ウイルスの表面にある糖タンパク質の結合する相手が、

人間の細胞側の特定のタンパク質であることを突き止め

ました。



 川口さんは「このウイルスはいったん感染すると潜伏感染し、

頻繁に再活性化する。従来の抗ウイルス薬は感染を防ぐことは

できなかったが、今回分かったメカニズムは、感染を防ぐ薬の

開発につながる」と話しています。



 HSV粒子の表面にある「糖タンパク質B」が人の細胞側の

どこと結合するかが謎だったが、川口さんらはその相手が

「非筋肉ミオシンIIA」というタンパク質だと解明しました。

このタンパク質は通常は細胞表面にはなく、HSVが侵入しよう

とすると表面に出てきます。



 表面に現れるのは特定の酵素が働くためと分かり、マウスの

実験でこの酵素の働きを薬で抑えると、HSVの感染を防ぐ

ことができました。



 HSVは唾液(だえき)などを介して粘膜で感染、さまざまな

病気を引き起こします。日本人の10人に1人は口唇ヘルペスに

かかったことがあるとされています。脳炎は特に病状が重く、

後遺症がある場合や死に至ることもありえます。



 濃艶なウイルスは脳炎を起こす。笑



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2】 生殖細胞の形成に重要な働きをするタンパク質



 生殖細胞の形成に重要な働きをするタンパク質「ナノス」

の構造解析に横浜市立大の橋本博(はしもと・ひろし)助教

(構造生物学)と三重大の田丸浩(たまる・ゆたか)准教授

(生物工学)の研究チームが成功しました。チームによると

世界で初めてということです。10月15日付の欧州の

分子生物学専門紙電子版で発表されます。



 ナノスは、ヒトなどの細胞に存在するタンパク質です。

異常があると精子や卵子といった生殖細胞が形成されず、

不妊になることから、構造解析の成功は不妊の原因解明に

役立つと期待されています。



 研究チームは、小型の魚ゼブラフィッシュのナノスを

大腸菌を用いて大量に発現させて精製、結晶化しました。

高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)の強力な

エックス線を用いて構造解析に成功しました。



 研究チームによると、ナノスは従来のタンパク質にはない

構造をしています。これまで構造が不明だったため、分子や

原子レベルでのナノスの研究を進める上で障害となって

いました。



 橋本助教は「ナノス研究が飛躍的に進展すると期待できる。

生殖細胞の形成メカニズムの解明につながればいい」と話して

います。



 ナノスは、菜の巣ではありません。笑



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



編集後記



 ヘルペスウイルスは、まだまだ分からないところ

だらけで、風が吹いてもうつると言われるぐらいの

感染や、抗ウイルス薬使っても、完全にウイルスを

排除することができないなど、もっともっと深く

メカニズムを解明してほしいものです。天然痘のよう

に早くヘルペスを地球上から無くしてほしいものです。

ナノスについては、私も初耳でした。不妊の原因解明

に役立つといいですね。



 赴任先で不妊治療を受ける。笑



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2012-09-13 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.359 平成22年10月21日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1) 「滑膜(かつまく)肉腫」を治療するワクチン

2) てんかん発作を抑えるケトン体





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1】 「滑膜(かつまく)肉腫」を治療するワクチン



 札幌医大の和田卓郎准教授らの研究グループは10月4日、

関節周辺に発症するガン「滑膜(かつまく)肉腫」を治療する

ワクチンを開発し、腫瘍(しゅよう)を縮小させるなどの効果

が確認されたと発表しました。



 研究グループは、滑膜肉腫近くのリンパ球を活性化させて

免疫細胞の働きを高めるため、アミノ酸をつなげたペプチド

を使ったワクチンを開発し、これを患者さんに注射して投与

する臨床試験を2002年から始めました。



 投与方法を改善するなどして、これまでに症状が重く、

切除手術などが行えない18人の患者に治療を行ってきました。

このうち3人について、腫瘍が縮小したり、増大を防いだり

する治療効果が認められ、延命につながっているということ

です。



 研究グループでは、08年からひざ周辺にできる骨のガン

「骨肉腫」についてもワクチンを使った臨床試験を始めています。

和田准教授は「臨床例を重ね、どのような治療効果があるかを

検証していきたい」と話しています。



 ペプチドワクチンは、ガンガン、ガンの治療に使われてほしい

ものです。笑



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



2】 てんかん発作を抑えるケトン体



 低栄養状態の体内でつくられる化合物が、脳内で神経伝達物質を

運ぶタンパク質の”スイッチ”を切り(オフ)、てんかん発作を

抑えることを岡山大や第一薬科大(福岡市)のチームが解明し、

10月7日付米科学誌ニューロン電子版に発表しました。



 この化合物はケトン体で、飢餓状態になると肝臓で脂肪が分解

されてできる物質です。岡山大の森山芳則(もりやま・よしのり)

教授によると、飢餓がてんかんに効くことは昔から知られている

が、その理由は不明でした。「薬の効かない難治性てんかんの

治療薬開発などにつながる」ということです。



 てんかん発作は、神経伝達物質のグルタミン酸が脳の神経細胞間

で過剰に伝達され、異常な興奮状態になり起こるとされます。

森山教授らは、輸送にかかわるタンパク質「小胞型グルタミン酸

トランスポーター(VGLUT)」を解析しました。



 VGLUTは塩素イオンが結合して活発に働きます。ところが、

血中で増えたケトン体は塩素イオンに置き換わってVGLUTの

スイッチをオフにし、グルタミン酸を輸送する働きを阻害します。

その結果、てんかん発作を抑えることが判明しました。



 森山教授によると、欧米などでは低タンパク、低炭水化物、高脂肪

の食生活でケトン体を増やす食事療法があるということです。



 てんかんの治療で、話題を転換する。笑



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



編集後記



 肉腫の治療は、近年飛躍的に進歩してきました。

それでもなお通常の治療に反応しない肉腫には、

ガンワクチンをためしてみることは延命率、5生率

を改善するきっかけになるのではと考えています。

ケトン体により、てんかん発作を抑えることが

できるなんて初耳です。糖尿病の昏睡の時にできる

厄介者という意識しかありませんでしたが、てんかん

発作を抑えるとは夢にも考えませんでした。てんかん

は脳の電気的活動が活発になりすぎる病気です。

てんかんの病気のみならず、頭が常に興奮している

タイプの不眠症などの病気の治療薬として役立てて

ほしいものです。



 混水から昏睡となる。笑

 



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2012-09-06 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.358 平成22年10月14日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1) 「経口免疫寛容」の仕組み

2) 細胞表面にあるセンサータンパク質の役割



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1】 「経口免疫寛容」の仕組み



 本来、異物である食べ物が体内に入っても、免疫機構が

攻撃を仕掛けない「経口免疫寛容」の仕組みをマウスの実験

で明らかにしたと、理化学研究所の佐藤克明

(さとう・かつあき)チームリーダーらが9月30日付の

米科学誌ブラッド電子版に発表しました。



 生きるのに必要な食べ物を異物と判断してしまうと、食物

アレルギーを引き起こし、命にかかわることもあります。

佐藤さんは「アレルギー治療につながる成果」と話しています。



 佐藤さんらは、食べ物が吸収される腸の粘膜では、免疫細胞

の一種「樹状細胞」の表面に「B7H1」と「B7DC」

という2種類の分子が顔を出し、免疫を抑制するT細胞を作り、

異物を攻撃する抗体の生産を抑えるなど重要な役割を果たして

いることを突き止めました。



 普通のマウスに、あらかじめアレルギー物質のタンパク質を

食べさせると、1週間後に同じタンパク質を皮下注射した場合

にできた抗体の量は、事前に食べさせなかったマウスの

約20%に減り、経口免疫寛容が成立することを確認しました。

遺伝子操作でこの2種類の分子をなくしたマウスで同様の実験

をすると、抗体は70~80%できました。



 経口免疫寛容では、腸の粘膜の樹状細胞が肝要です。笑



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



2】 細胞表面にあるセンサータンパク質の役割



 細胞表面にあるセンサータンパク質が、周りにあるタンパク質

の信号を受け取り、細胞内に周囲の情報を伝える仕組みを大阪大

(大阪府吹田市)と横浜市立大のチームが明らかにし、

9月29日付の英科学誌ネイチャー電子版に掲載されました。



 体内での信号のやりとりは神経などの形成のほか、ガンや

自己免疫疾患、アトピー性皮膚炎などの病気の進行に関与して

います。信号を遮断すれば免疫の働きを抑え自己免疫疾患の治療

につながり、信号を強くすればアトピー性皮膚炎を抑えられる

ということです。



 チームは、マウスの信号タンパク質「セマフォリン」と細胞表面

のセンサー「プレキシン」の結晶構造を大型放射光施設

「スプリング8」(兵庫県)などで解析しました。



 通常は細胞表面でくっついている2個のプレキシンが、近くに来た

セマフォリンを間に挟み込み、細胞内に情報を伝えるとみられて

います。



 大阪大蛋白質(たんぱくしつ)研究所の高木淳一

(たかぎ・じゅんいち)教授は「信号授受の様子を原子レベルで

明らかにできた。信号の働きを調節する薬をコンピューターで

デザインできるかもしれない」と話しています。



 結晶構造の解析は、汗の決勝。笑



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



編集後記



 免疫の仕組みは神秘のベールにつつまれて来ました。

しかし経口免疫寛容の仕組みが明らかになり、細胞内

情報伝達系の経路が明らかになりつつある現在では、

自己免疫性疾患やアトピー性皮膚炎の完治も夢では

ないという気がします。地道な結晶構造の解析など

の基礎的データが応用されたもので本当に日本の研究者

の根気には恐れ入ります。ノーベル化学賞を日本人が

受賞するのも分かる気がします。さらなる免疫機構の

解析に期待したいと考えています。



 流線型の機体に期待した。笑



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