最新号より100号前のメルマガ
- Home
- 最新号より100号前のメルマガ
2012-11-01 00:00:00
カテゴリー:ブログ
診療マル秘裏話 Vol.366 平成22年12月9日作成作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
目次
1) 初期の妊娠維持に重要な役割を果たす遺伝子
2) 粘膜幹細胞の機能を維持するパネート細胞
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を
増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の
なさから1週間に1回が限度となっています。これからも
当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識
を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って
おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので
どうかお許し下さい。
1】 初期の妊娠維持に重要な役割を果たす遺伝子
着床した受精卵が育つように子宮を適切な状態にし、
初期の妊娠維持に重要な役割を果たす遺伝子を宮崎徹
(みやざき・とおる)東京大教授(疾患生命科学)
らが11月27日までにマウスで特定しました。実験
では、この遺伝子が機能しないと受精卵は育ちません
でした。
人間も同様の遺伝子を持っており、妊娠の仕組みも
似ています。研究チームは、不妊治療を受ける女性
から血液などの提供を受け、この遺伝子に異常がないか
調べるため、近く東大医学部の倫理委員会に申請します。
カップルの約1割は不妊とされ、専門家によって見解
は分かれますが、1~3割は検査でも原因が判明しない
不妊とされています。特に受精卵が着床してから胎盤が
できるまでの経過は「ブラックボックス」
(不妊治療の専門家)で、詳しい仕組みが分かって
いません。
宮崎教授は「現在の不妊治療は精子や卵子、排卵などの
問題を主な対象にしているが、着床後の子宮内の環境も
非常に重要だ」と指摘しています。この遺伝子が不妊の
新たな仕組み解明や診断の手掛かり、治療の標的になる
可能性があると推測しています。
教授らによると、マウスの場合、受精卵が子宮に着床する
と、子宮の内膜が肥大化して「脱落膜」となります。やがて
胎盤ができると血管を介して母胎から栄養が送られますが、
胎盤が形成されるまでは、この脱落膜が受精卵を包み込み、
直接栄養を与えています。
研究では、雌のマウスで、「DEDD」という遺伝子を
働かなくしたところ、受精卵が着床しても脱落膜が十分に
できず、受精卵は胎盤が機能し始める前に死んだということ
です。雄でこの遺伝子を働かなくしても、雌が正常だと
無事出産できました。
至急、子宮のメカニズムを明らかにしてサービスを支給
する。笑
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
2】 粘膜幹細胞の機能を維持するパネート細胞
小腸の粘膜表面を覆う「腸管上皮細胞」のもととなる
幹細胞には、機能を維持するためにパートナーの細胞の
存在が欠かせないとの研究結果を、オランダ・ユブレヒト
研究所の佐藤俊朗(さとう・としろう)研究員らが11月
28日付英科学誌ネイチャー(電子版)に発表しました。
佐藤さんは「炎症性腸疾患や薬によって傷ついた粘膜の
治療などへの応用が期待できる」と話しています。
幹細胞は粘膜の奥深くに存在しており、佐藤さんらは
幹細胞に常にくっついている「パネート細胞」に注目
しました。この細胞が分泌する3種類のタンパク質が、
幹細胞の増殖を制御していることを突き止めました。
うち1種類の分泌を止めると、幹細胞は生存できません
でした。
培養皿で幹細胞とパネート細胞をくっつけて培養すると、
体内の腸管上皮細胞と同じような立体構造を形成しました。
遺伝子操作でパネート細胞の数を減らしたマウスは、
腸管の幹細胞の数も減少しました。
パネート細胞は幹細胞が分化してできたもので、幹細胞
が”子孫”の細胞に養われていることが明らかになりました。
成魚を制御する。笑
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
編集後記
早くブラックボックスの精卵が着床してから胎盤が
できるまでの経過が詳細まで分かって欲しいものです。
不妊治療に絶大な進歩があるとうれしいものです。
幹細胞でも万能ではなく、子孫の細胞に養われている
というのは以外でした。私も炎症性腸疾患なので早く
臨床応用されるよう願っています。
商才の詳細。笑
************************
このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」http://www.mag2.com/m/0000121810.htm
(イジニイワト)
発行者名 医療法人永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業 医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト http://www.eitokukaisalanuma.or.jp/
ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp
このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。
ただしお友達への転送はご自由はご自由です。
コメント
コメントがありません。お気軽にどうぞ。
コメントフォーム