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2012-11-08 00:00:00
カテゴリー:ブログ
診療マル秘裏話 Vol.367 平成22年12月16日作成作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨
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目次
1) 突発性難聴のゼラチンシート治療
2) インスリンの分泌の鍵となる酵素
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を
増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の
なさから1週間に1回が限度となっています。これからも
当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識
を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って
おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので
どうかお許し下さい。
1】 突発性難聴のゼラチンシート治療
京都大病院の中川隆之講師(耳鼻咽喉(いんこう)科・
頭頸(とうけい)部外科)らの研究グループが、特殊な
ゼラチンシートを使った治療が突発性難聴患者の治療に
効果的であることを臨床試験で確かめ、医学専門誌
「BMCメディシン」に発表しました。
突発性難聴の治療法はステロイドの全身投与が一般的
だが、約20%の患者には全く効果がありません。
そこでグループは、死にそうな内耳の聴覚細胞を
生きながらえさせる特殊な成分をゼラチンシートに
しみ込ませ、内耳と中耳の境界に張り付ける臨床試験を、
25症例について実施ししました。
その結果、投与12週後には12例、24週後には
14例が厚生労働省基準で「回復」とされる域にまで
聴力が改善し、うち1例では聴覚がほぼ正常に戻り
ました。ただし、改善したのは発症後26日以内の症例
に限られていました。
難聴の治療は軟調だった。笑
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2】 インスリンの分泌の鍵となる酵素
血糖値を下げるインスリンの分泌を調節するのに
重要な役割を果たし、鍵となる酵素を突き止めた
と、東京大病院の植木浩二郎(うえき・こうじろう)
准教授、金子和真(かねこ・かずま)特任研究員らが
米医学誌に12月2日、発表しました。
「PI3K」という酵素です。インスリンの分泌を
活性化させる一方、インスリンによってこの酵素は
活性化します。糖尿病では、インスリンの分泌低下と
酵素の働き低下が連鎖する悪循環が起きて悪化する
ため、この酵素の働きを高める薬を開発すれば
悪循環を断つことができ、新たな糖尿病治療につながる
ということです。
植木さんらは、肥満の糖尿病マウスで、インスリンを
分泌する膵臓(すいぞう)のベータ細胞を分析しました。
このマウスでは、インスリンの分泌が低下するより前に、
PI3Kの働きが低下し、それが徐々に進行して糖尿病が
悪化しました。
ベータ細胞だけでPI3Kが働かないようにしたマウス
では、人間の2型糖尿病のようにインスリンの分泌が低下
し、分泌に重要な役割を果たすいくつかの分子の働きも
低下しました。
一方、PI3Kが制御している別の酵素の働きを高める
とインスリンの分泌が改善しました。
牛丼の定価が低下した。
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編集後記
突発性難聴には、ステロイド大量療法や高圧酸素療法
が有効のように言われていますが、20パーセント
どころかもっと多くの割合で効かなかった印象があります。
全く作用機序の異なる新しい画期的な治療法の出現で
治療効果の印象がかわるかもしれません。糖尿病の合併症
で亡くなる方は非常に多くなっています。動物実験で
インシュリンの分泌が改善したということは、臨床試験
が待ち遠しい限りです。
高価な硬貨。笑
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