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2012-11-29 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.370 平成23年1月6日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1) 心筋梗塞が発症しやすくなる遺伝子

2) 免疫機能の異常を抑える細胞の数を増やす細菌





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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは

1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を

増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の

なさから1週間に1回が限度となっています。これからも

当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識

を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って

おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので

どうかお許し下さい。





 

1】 心筋梗塞が発症しやすくなる遺伝子



三重大(津市)などの研究チームは21日、塩基配列

が一つ違うだけで心筋梗塞が約1・3~1・5倍発症

しやすくなる遺伝子2種類を新たに発見したと発表

しました。同様に心筋梗塞の危険性を高める遺伝子は、

これまでに3種類見つかっています。



 三重大によると、遺伝子の中でも、人によって

塩基配列がわずかに違う「多型」と呼ばれる部分が

あります。チームは心筋梗塞の既往歴のある人

4088人と、ない人1万3359人の血液を採取

して解析しました。既往歴のある人に多く、ない人に

少ない多型を抽出した結果、塩基配列が一つだけ

異なる遺伝子の多型2種類を確認しました。



 一つは「BTN2A1」という遺伝子で、この多型

を持つ人は、血管の炎症で血栓ができやすくなり、

心筋梗塞の発症比率が約1・5倍高いという結果が

でました。もう一つは「ILF3」という遺伝子で、

発症比率は約1・3倍です。



 三重大の山田芳司(やまだ・よしじ)教授

(分子遺伝疫学)は「遺伝子診断で危険型が分かれば、

予防や投薬による副作用の予測など、個人に最適な

治療ができる」と話しています。



 冠状動脈血栓に対する決戦。笑



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2】 免疫機能の異常を抑える細胞の数を増やす細菌



 マウスの腸内に共生するある種の細菌が、免疫機能の

異常を抑える細胞の数を増やすことを、東京大の本田賢也

准教授(免疫学)らが突き止めました。免疫異常が原因の

一つと考えられている潰瘍性大腸炎やクローン病の治療法

につながる成果で、12月23日付の米科学誌サイエンス

電子版に掲載されました。



 潰瘍性大腸炎とクローン病は、腸の粘膜に潰瘍ができる

難病で、免疫機能の異常が関与していると考えられて

います。国内の患者さんの数は潰瘍性大腸炎が

約10万5000人、クローン病は約3万人です。根本的な

治療法はありません。



 本田准教授らは、無菌環境で飼育したマウスの大腸では、

免疫異常を抑えるT細胞の一種「Treg細胞」の数が

通常のマウスの約3割しかないことを見つけました。

無菌環境マウスにさまざまな腸内細菌を接種し調べた

ところ、クロストリジウム属の細菌を接種した場合に、

通常マウスと同程度までこの細胞が増えました。

クロストリジウム属の腸内細菌が多いマウスはこの細胞が

多く、炎症性腸炎に抵抗性があることも分かりました。



 クロストリジウム属の細菌は、ボツリヌス菌など有害な

ものもありますが、無害なものは人間の腸内に多数共生

しています。



 人間の場合も、潰瘍性大腸炎やクローン病の患者は

健康な人に比べ、クロストリジウム属の腸内細菌が大幅に

少ないという報告があります。本田准教授は「細菌の

どの分子が免疫異常を抑える細胞を増加させるのか、

詳しいメカニズムを解明し、治療薬の開発につなげたい」

と話しています。



 造花が増加する。笑



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編集後記



 心筋梗塞や狭心症は、90%以上冠状動脈(心臓を栄養

している血管)が閉塞しないと症状がでないそうです。

症状が出ない時は、多少血圧が高くても真剣に自分の

身体のことを考える人は、非常に少ないと思われます。

しかしあらかじめ自分の身体が心筋梗塞を発症しやすい

ことが分かっていれば、症状のない人でも検査を受け

ようという気分になるでしょう。クロストリジウム属

の腸内細菌を増やすのではなく、メカニズムを解明して

安全な炎症性腸疾患の治療を確立してもらいたいもの

です。



 よい確率の治療法の確立。笑



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