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2022-09-20 15:14:20

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診療マル秘裏話  号外Vol.2276 令和3年11月19日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)TFF2に胆管ガン発生を抑制する作用ありと判明
2)ガン細胞肺転移誘発物質が武漢熱重症化に関与

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 TFF2に胆管ガン発生を抑制する作用ありと判明

 
 
 
 
 
 
 
 
 名古屋大学は10月15日、胃粘
膜で産生される蛋白質であるTF
F2に胆管ガンの発生を抑制する
作用があることを明らかにした
と発表しました。この研究は、
同大大学院医学系研究科腫瘍外
科学の江畑智希教授、山口淳平
病院講師、長谷部圭史大学院生
らの研究グループによるもので
す。研究成果は、「Carcinogen
esis」にオンライン速報版に掲
載されています。

 胆管ガンは2番目に多い肝原
発悪性腫瘍であり、世界的にガ
ン関連死亡の原因の約3%を占
めています。その予後は不良で
あり、診断後の平均生存期間は
2年未満とされています。転移
がなく手術で切除し得た胆管ガ
ンでも、5年生存率は20~40%
にとどまっており、また抗ガン
剤による化学療法の効果も限定
的です。

 胆管ガン発生の原因とされる
疾患として、原発性硬化性胆管
炎、肝硬変、膵胆管合流異常症
などが挙げられますが、これら
による慢性的な炎症により遺伝
子異常が生じることによって胆
管ガンが発生するものと考えら
れています。胆管ガンに代表的
な遺伝子異常としてはガン抑制
遺伝子であるPTEN遺伝子の異常
が指摘されていますが、その原
因はいまだ明らかではありませ
ん。胆管ガンの発ガンメカニズ
ムを解明し、ひいては新たな胆
管ガン治療薬の開発が求められ
ています。

 研究では、はじめに培養した
胆管ガン細胞を用いてTFF2 (Tr
efoil Factor Family 2) の効
果を検討しました。TFF は、主
に消化管の粘膜に発現する細胞
外分泌型蛋白質です。TFF1、TF
F2、TFF3の3つのサブタイプが
あり、胃潰瘍や炎症性腸疾患な
どで傷ついた粘膜を修復する作
用があるとされていますが、最
近ではガンの発生を抑制する作
用があることが示唆されていま
した。

 検討の結果、TFF2を産生する
胆管ガン細胞は増殖が遅く、多
くの細胞死(アポトーシス)を
起こし、ガン細胞の浸潤能力も
劣ることが明らかになりました。
さらに、TFF2産生胆管ガンでは
PTENが活性化されることも明ら
かとなり、これがTFF2による腫
瘍抑制効果の本体である可能性
を見出しました。

 次に、マウスの肝臓にKRASと
呼ばれるガン遺伝子の変異を組
み込んで、さらにTFF2遺伝子を
欠損したマウスを作製して検討
しました。結果、TFF2欠損マウ
スでは肝臓に近い(肝門部の)
胆管にBilIN と呼ばれる前ガン
病変が多発しました。さらに検
討を重ねると、TFF2欠損マウス
の一部では肝臓に胆管ガンが発
生することが判明しました。こ
れらの結果は、TFF2が胆管ガン
の発生を抑制する作用を持つこ
とを示しているということです。

 胆管ガンに対する治療は外科
的切除が唯一の根治的治療法で
すが、発見された時点で転移が
見つかって切除できないことも
多いのが現状です。そのような
場合、抗ガン剤による化学療法
が行われますが、その効果は芳
しいものではありません。研究
グループは、「TFF2の抗ガン作
用を利用することで新たな胆管
ガン治療法を開発することを目
標とし、研究を重ねていく」と、
述べています。

 胆道ガンについて解説してい

る動画です。

 
 


 
 
 開票開始時点で、出口調査で
次点だった。       笑

 
 
 
 
 
 
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2】 ガン細胞肺転移誘発物質が武漢熱重症化に関与

 
 
 
 
 
 
 
 ガン細胞の肺への転移を誘引
している物質が、武漢熱での肺
炎の重症化にもかかわっている
とする研究結果を、東京女子医
科大の丸義朗(よしろう)学長
らのチームがまとめました。肺
ガンの転移を防ぐために開発中
の薬が、新型コロナの重症化予
防にも使える可能性があるとい
うことです。

 この物質は「S100A8」と呼ば
れる蛋白質で、主に肺でつくら
れ、ガンの肺への転移を促すと
されてきました。大腸ガンや乳
ガンなど、もとの場所(原発巣
という)にあるガンから特殊な
信号物質が出ていて、信号が肺
に届くと、この蛋白質が作られ
ます。すると、この蛋白質の作
用で、まるで畑を耕すように、
もとの場所を離れたガン細胞が
根付きやすくなるよう、肺の状
態を変化させるということです。

 この蛋白質が、武漢熱が重症
化した患者さんの肺でも増えて
いることが海外の研究者から報
告されていました。そこで、丸
さんたちはマウスの肺にこの蛋
白質を注入し、肺の細胞で何が
起きているかを調べました。

 すると、肺の血管に異常が起
きてガス交換がうまくできなく
なり、重い肺炎と同じような状
態になりました。この蛋白質に
よって骨髄から導き出された免
疫細胞が、こうした状態を招い
ているようです。骨髄から来た
免疫細胞には、外敵をやっつけ
る力(免疫力)を弱める作用の
ある細胞(MDSC細胞など)も含
まれていて、武漢熱への抵抗力
を下げていることも考えられる
ということです。

 武漢熱の重症化には数多くの
要因があるらしいことが報告さ
れていて、この蛋白質も要因の
一つである可能性があります。
インフルエンザウイルスや、武
漢熱ウイルスと類似したSARSウ
イルスが肺に感染した場合は、
この蛋白質が増える様子はみら
れないということです。

 丸さんたちは、ガンの転移を
抑える目的で、S100A8の働きを
妨げる薬の候補をつくり、国内
外で特許権を得られるよう国際
出願しています。「武漢熱で肺
炎を起こし、この蛋白質が検出
された患者にこの薬物を使うこ
とで、肺炎の重症化を食い止め
ることができるかもしれない」。
丸さんはそう話しています。研
究結果は生物学の専門誌に掲載
されています。

 武漢熱の重症化を防ぐ蛋白質

の発見について解説している動

画です。

 
 


 
 
 外国で顕出する変異株のウイルス
が検出された。      笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 名古屋大学が10月15日、胃粘
膜で産生される蛋白質であるTF
F2に胆管ガンの発生を抑制する
作用があることを明らかにした
と発表したのは素晴らしい業績
です。遺伝子欠損マウス(ノッ
クアウトマウス)で、欠損した
遺伝子の働きが分かるというの
は、エレガントな手法であると
思います。胆管ガンに対する治
療は外科的切除が唯一の根治的
治療法とされています。その上、
発見された時点で転移が見つか
って切除できないことも多いの
が現状ということですが、これ
は、標準治療での話です。それ
はさておきTFF2の抗ガン作用を
利用することで新たな胆管ガン
治療法を開発することに期待し
たいと思います。
 ガン細胞の肺への転移を誘引
している物質が、武漢熱での肺
炎の重症化にもかかわっている
とする研究結果を、東京女子医
科大の丸義朗(よしろう)学長
らのチームがまとめたのは、素
晴らしい業績です。インフルエ
ンザウイルスや、武漢熱ウイル
スと類似したSARSウイルスが肺
に感染した場合は、この蛋白質
が増える様子はみられないとい
うことから、この蛋白質は、他
の感染症ではなく武漢熱の重症
化のみ作用するということが、
示唆されると思います。武漢熱
重症化は、間質性肺炎であるこ
とが分かっているので、間質性
肺炎に対する効果も臨床試験な
どで検証するべきだと思います。

 左様な作用は知られていない。


 
 
 
 
 
 
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