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2013-01-03 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.374 平成23年2月3日作成





作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨








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目次





  


1) 細胞増殖の制御にかかわる遺伝子


2) 大腸ガンの転移を防ぐ遺伝子








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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは


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増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の


なさから1週間に1回が限度となっています。これからも


当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識


を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って


おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので


どうかお許し下さい。








 


1】 細胞増殖の制御にかかわる遺伝子





細胞増殖の制御にかかわる遺伝子を突き止めたと、


名古屋大大学院理学研究科の花房洋(はなふさ・ひろし)


助教(生命理学)らが1月18日付の英科学誌


ネイチャーコミュニケーションズ電子版に発表しました。


異常な増殖による細胞のガン化の予防や治療に役立つ


可能性があるということです。





 この遺伝子は「LRRK1」と呼ばれる遺伝子です。


パーキンソン病に関連する遺伝子と似た構造だが、働きは


解明されていませんでした。





 花房氏らは、LRRK1の数を減らした人の細胞を作製


しました。主に皮膚にある成長因子「EGF」がこの細胞


を増やす過程を電子顕微鏡で観察したところ、増殖の"指示"


を送り続けた状態になっていることを確かめました。





 EGFは通常、細胞膜の受容体と結合して活性化し、


細胞を増やした後は細胞内に取り込まれて分解され、増殖


の指示はオフになりますが、実験では活性化したまま


細胞膜周辺にとどまり、分解されませんでした。LRRK1


がEGFの分解をコントロールしているとみられるという


ことです。





 既に実用化されている肺ガン治療薬イレッサは、EGF


受容体の活性化を抑え、ガン細胞の増殖を防ぎます。今回の


研究成果は、これとは別の新しい治療法開発につながる


可能性があるということです。





 EGFは味の素(AGF)ではありません。笑





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2】大腸ガンの転移を防ぐ遺伝子





 京都大大学院医学研究科の武藤誠教授らの研究グループが


「Aes」という特定の遺伝子が大腸ガンの転移を防ぐこと


を確認し、1月18日の米科学誌「キャンサー・セル」


(電子版)に発表しました。新たな治療法の確立や転移の予防


につながることが期待されます。





 研究グループは、大腸ガンが転移した肝細胞にAesが


見られなかったり、Aesが大腸ガン細胞で働いている患者さん


には転移があまり見られないことに注目しました。マウスを使い、


Aesを大腸ガン細胞で強く働かせた場合、通常と比較して転移


する病巣数が肝臓で約4分の1、肺で約7分の1に減ることを


確かめました。





 逆にAesを働かせないと、病巣数は2倍に増え、転移が促進


されていました。また、細胞の発生や分化、増殖に関係する作用


「Notchシグナル」がガン転移の引き金となっていることも


解明しました。Aesがこのシグナルを阻害していることを


突き止めました。





 転医により転移が発見された。笑





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





編集後記





 次々にガンの増殖転移に関するメカニズムが明らか


になり、本当に嬉しい限りです。これらの発見がガン


の治療や予防に大いに貢献することを期待しています。


Aes遺伝子は、転移を抑制するとのことですが、この


働きが他のガンでも同じであれば、ユニバーサルな


ガンの治療につながると考えられます。転移がなければ


原発巣の治療だけに専念することができ、ガンの治療は


飛躍的に発展するでしょう。


 


 ガンガン、ガン遺伝子を発見する。笑





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藤田 亨


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最新号より100号前のメルマガ

2013-01-03 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.375 平成23年2月10日作成





作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨








★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


目次





  


1) ガン細胞だけを選択し、死滅させる遺伝子


2) 心房細動は飲酒量の増加に伴い高まる





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆





  


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1】 ガン細胞だけを選択し、死滅させる遺伝子





岡山大病院(北区)は25日、ガン細胞だけを選択し、


死滅させる遺伝子「REIC」を用いた前立腺ガンの


臨床研究を開始しました。REICを使った臨床研究


は初めてということです。治療を受けるのは前立腺ガン


を患っている県内在住の70歳代男性です。人体への


効果と安全性を確かめ、将来的に他のガン、アスベスト


(石綿)が原因で発症する悪性胸膜中皮腫の治療にも


応用する方針です。





 REICは同大が00年に発見したガン抑制遺伝子


です。マウスなどの動物実験で、アデノウイルスを


REIC遺伝子の“運搬役”に仕立て注入し、前立腺


ガンの消滅、縮小の効果が確認されました。免疫機能


を高め、転移を抑制する効果もありました。同大は


米国の大学と共同で人への臨床研究を進めています。


人への投薬は今回が世界初となり、効果が注目され


ています。





 研究では手術のみでは再発の可能性が高いと判断


された患者など24人~36人を対象にします。


この日、前立腺ガンを患う70代男性患者さんのガン


部分にREICが入った薬が直接注入されました。


患者さんに2週間後に再度、薬を注入し、効果や影響


を見ながら3月下旬ごろに前立腺の除去手術を予定


しています。研究責任者を務める那須保友教授は


「ガンの縮小効果に期待している。再発リスクの軽減


にも効果があるのではないか」と話しています。





 祝勝ムードは縮小。笑





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2】心房細動は飲酒量の増加に伴い高まる





 心臓の脈拍が乱れる不整脈を起こす危険性が、飲酒量


の増加に伴い高まることが、筑波大の児玉暁(さとる)


研究員らのチームの解析で明らかになりました。1月


25日、米国心臓病学会誌に発表しました。


「酒は百薬の長」といわれ、適度な飲酒は健康によいと


されるが、不整脈との関係が明らかになったのは初めて


です。





 研究チームは、1980年代以降の欧米の14本の


論文に掲載された、飲酒習慣と代表的な不整脈である


「心房細動」に関するデータを統合し、解析しました。


その結果、飲酒量が最も多いグループが心房細動を発症


する危険性は、最も少ないグループの約1・5倍になり


ました。最も多いグループの飲酒量は、エタノール換算


で1日18グラムから72グラム(ビール中瓶1本で


約20グラム)でした。





 さらに、あまり飲まない人の飲酒量について、


エタノール換算の数値が明記された9研究を解析した


ところ、飲酒量の増加によって、心房細動の危険性が


一方的に高まることが分かりました。1日の飲酒量が


エタノール換算で10グラム増えると、心房細動の


危険性は約8%高まりました。





 心房細動が起きると、心臓内の血がよどんで血の


かたまりができやすくなり、それが脳の血管に詰まると


重症の脳梗塞(こうそく)につながります。


曽根博仁・筑波大教授(内科)は「心房細動は高齢に


なると増える。一般に、適量の飲酒は心筋梗塞や死亡率


の低下に役立つと知られるが、心房細動に関しては


異なることが分かった。過去に不整脈を起こしたことが


ある人は、禁酒によって再発の危険性を減らせる可能性


がある」と話しています。





 金主の禁酒。笑





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編集後記





 2000年の岡山大学のREICの発見はしりません


でした。こんな都合の良い(ガン細胞だけ死滅させる)


働きをもった遺伝子があるとは、夢にも考えて


いませんでした。臨床試験で良い結果がでて早く


中皮腫にも応用して欲しいものです。心房細動が


アルコールの摂取量に比例しておこるとは百薬の長


と考えていたのに残念です。仏教やイスラム教で禁酒を


課しているのは、砂漠での命を守るためと解釈して


きましたが、心房細動が頻発するとなおのこと


正しかったということでしょうか。





 理性を奪うアルコール禁酒は利生かも。笑





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