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2012-09-20 00:00:00

カテゴリー:ブログ

診療マル秘裏話 Vol.360 平成22年10月28日作成


作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨





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目次



  

1) 単純ヘルペスウイルス(HSV)が、人に感染する仕組み

2) 生殖細胞の形成に重要な働きをするタンパク質



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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは

1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を

増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の

なさから1週間に1回が限度となっています。これからも

当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識

を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って

おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので

どうかお許し下さい。





 

1】 単純ヘルペスウイルス(HSV)が、人に感染する仕組み



 くちびるの周りに赤い水ぶくれができる口唇ヘルペスなど

の原因となる単純ヘルペスウイルス(HSV)が、人に感染

する仕組みを解明したと東京大医科学研究所の川口寧

(かわぐち・やすし)准教授(ウイルス学)らが

10月14日付英科学誌ネイチャーに発表しました。



 ウイルスの表面にある糖タンパク質の結合する相手が、

人間の細胞側の特定のタンパク質であることを突き止め

ました。



 川口さんは「このウイルスはいったん感染すると潜伏感染し、

頻繁に再活性化する。従来の抗ウイルス薬は感染を防ぐことは

できなかったが、今回分かったメカニズムは、感染を防ぐ薬の

開発につながる」と話しています。



 HSV粒子の表面にある「糖タンパク質B」が人の細胞側の

どこと結合するかが謎だったが、川口さんらはその相手が

「非筋肉ミオシンIIA」というタンパク質だと解明しました。

このタンパク質は通常は細胞表面にはなく、HSVが侵入しよう

とすると表面に出てきます。



 表面に現れるのは特定の酵素が働くためと分かり、マウスの

実験でこの酵素の働きを薬で抑えると、HSVの感染を防ぐ

ことができました。



 HSVは唾液(だえき)などを介して粘膜で感染、さまざまな

病気を引き起こします。日本人の10人に1人は口唇ヘルペスに

かかったことがあるとされています。脳炎は特に病状が重く、

後遺症がある場合や死に至ることもありえます。



 濃艶なウイルスは脳炎を起こす。笑



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2】 生殖細胞の形成に重要な働きをするタンパク質



 生殖細胞の形成に重要な働きをするタンパク質「ナノス」

の構造解析に横浜市立大の橋本博(はしもと・ひろし)助教

(構造生物学)と三重大の田丸浩(たまる・ゆたか)准教授

(生物工学)の研究チームが成功しました。チームによると

世界で初めてということです。10月15日付の欧州の

分子生物学専門紙電子版で発表されます。



 ナノスは、ヒトなどの細胞に存在するタンパク質です。

異常があると精子や卵子といった生殖細胞が形成されず、

不妊になることから、構造解析の成功は不妊の原因解明に

役立つと期待されています。



 研究チームは、小型の魚ゼブラフィッシュのナノスを

大腸菌を用いて大量に発現させて精製、結晶化しました。

高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)の強力な

エックス線を用いて構造解析に成功しました。



 研究チームによると、ナノスは従来のタンパク質にはない

構造をしています。これまで構造が不明だったため、分子や

原子レベルでのナノスの研究を進める上で障害となって

いました。



 橋本助教は「ナノス研究が飛躍的に進展すると期待できる。

生殖細胞の形成メカニズムの解明につながればいい」と話して

います。



 ナノスは、菜の巣ではありません。笑



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編集後記



 ヘルペスウイルスは、まだまだ分からないところ

だらけで、風が吹いてもうつると言われるぐらいの

感染や、抗ウイルス薬使っても、完全にウイルスを

排除することができないなど、もっともっと深く

メカニズムを解明してほしいものです。天然痘のよう

に早くヘルペスを地球上から無くしてほしいものです。

ナノスについては、私も初耳でした。不妊の原因解明

に役立つといいですね。



 赴任先で不妊治療を受ける。笑



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