最新号より100号前のメルマガ
2012-09-13 00:00:00
カテゴリー:ブログ
診療マル秘裏話 Vol.359 平成22年10月21日作成作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
目次
1) 「滑膜(かつまく)肉腫」を治療するワクチン
2) てんかん発作を抑えるケトン体
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を
増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の
なさから1週間に1回が限度となっています。これからも
当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識
を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って
おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので
どうかお許し下さい。
1】 「滑膜(かつまく)肉腫」を治療するワクチン
札幌医大の和田卓郎准教授らの研究グループは10月4日、
関節周辺に発症するガン「滑膜(かつまく)肉腫」を治療する
ワクチンを開発し、腫瘍(しゅよう)を縮小させるなどの効果
が確認されたと発表しました。
研究グループは、滑膜肉腫近くのリンパ球を活性化させて
免疫細胞の働きを高めるため、アミノ酸をつなげたペプチド
を使ったワクチンを開発し、これを患者さんに注射して投与
する臨床試験を2002年から始めました。
投与方法を改善するなどして、これまでに症状が重く、
切除手術などが行えない18人の患者に治療を行ってきました。
このうち3人について、腫瘍が縮小したり、増大を防いだり
する治療効果が認められ、延命につながっているということ
です。
研究グループでは、08年からひざ周辺にできる骨のガン
「骨肉腫」についてもワクチンを使った臨床試験を始めています。
和田准教授は「臨床例を重ね、どのような治療効果があるかを
検証していきたい」と話しています。
ペプチドワクチンは、ガンガン、ガンの治療に使われてほしい
ものです。笑
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
2】 てんかん発作を抑えるケトン体
低栄養状態の体内でつくられる化合物が、脳内で神経伝達物質を
運ぶタンパク質の”スイッチ”を切り(オフ)、てんかん発作を
抑えることを岡山大や第一薬科大(福岡市)のチームが解明し、
10月7日付米科学誌ニューロン電子版に発表しました。
この化合物はケトン体で、飢餓状態になると肝臓で脂肪が分解
されてできる物質です。岡山大の森山芳則(もりやま・よしのり)
教授によると、飢餓がてんかんに効くことは昔から知られている
が、その理由は不明でした。「薬の効かない難治性てんかんの
治療薬開発などにつながる」ということです。
てんかん発作は、神経伝達物質のグルタミン酸が脳の神経細胞間
で過剰に伝達され、異常な興奮状態になり起こるとされます。
森山教授らは、輸送にかかわるタンパク質「小胞型グルタミン酸
トランスポーター(VGLUT)」を解析しました。
VGLUTは塩素イオンが結合して活発に働きます。ところが、
血中で増えたケトン体は塩素イオンに置き換わってVGLUTの
スイッチをオフにし、グルタミン酸を輸送する働きを阻害します。
その結果、てんかん発作を抑えることが判明しました。
森山教授によると、欧米などでは低タンパク、低炭水化物、高脂肪
の食生活でケトン体を増やす食事療法があるということです。
てんかんの治療で、話題を転換する。笑
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
編集後記
肉腫の治療は、近年飛躍的に進歩してきました。
それでもなお通常の治療に反応しない肉腫には、
ガンワクチンをためしてみることは延命率、5生率
を改善するきっかけになるのではと考えています。
ケトン体により、てんかん発作を抑えることが
できるなんて初耳です。糖尿病の昏睡の時にできる
厄介者という意識しかありませんでしたが、てんかん
発作を抑えるとは夢にも考えませんでした。てんかん
は脳の電気的活動が活発になりすぎる病気です。
てんかんの病気のみならず、頭が常に興奮している
タイプの不眠症などの病気の治療薬として役立てて
ほしいものです。
混水から昏睡となる。笑
************************
このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」http://www.mag2.com/m/0000121810.htm
(イジニイワト)
発行者名 医療法人永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業 医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト http://www.eitokukaisalanuma.or.jp/
ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp
このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。
ただしお友達への転送はご自由はご自由です。
コメントする