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2012-10-25 00:00:00
カテゴリー:ブログ
診療マル秘裏話 Vol.365 平成22年12月2日作成作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨
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目次
1) 体内で免疫を活性化させる新たなタンパク質
2) 抗生物質に神経細胞を成長させる働き
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医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を
増やして欲しいという要望もあるのですが、私の能力の
なさから1週間に1回が限度となっています。これからも
当たり前の医療をしながら、なおかつ貪欲に新しい知識
を吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思って
おります。不撓不屈の精神で取り組む所存ですので
どうかお許し下さい。
1】 体内で免疫を活性化させる新たなタンパク質
ウイルスに感染した際に体内で免疫を活性化させる新たな
タンパク質を見つけたと、北海道大遺伝子病制御研究所の
高岡晃教(たかおか・あきのり)教授(免疫学)らが11月
21日付米科学誌ネイチャーイムノロジー電子版に発表し、
「ZAPS」と名付けました。
ウイルス増殖を抑制するインターフェロンを大量に作る
よう誘導するなどの働きがあり、インフルエンザやはしか
などのウイルスに効果があるのではないかということです。
高岡教授は「今後は動物実験で効果を確かめたい。将来的
には抗ウイルス薬の候補としても期待される」と話して
います。
インフルエンザウイルスなど遺伝情報をRNAで持つ
ウイルスが細胞に感染すると、細胞内にある「RIG-I」
という分子がウイルスのRNAを感知します。高岡教授らは、
RIG-IにZAPSが結合し、インターフェロン生産を
増強させることを突き止めました。
試験管内でヒトの細胞にインフルエンザウイルスを感染
させる実験で、人為的にZAPSが働かないようにした場合、
インターフェロンが抑えられてウイルスは増殖しました。
ZAPSの働きを高めるとウイルスの増殖が抑えられました。
感知するけれど、関知しなければ、完治しない。笑
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2】 抗生物質に神経細胞を成長させる働き
にきびの治療などに使われる抗生物質ミノサイクリンに、
神経細胞を長く伸ばし成長させる働きがあるとの研究結果を
橋本謙二(はしもと・けんじ)千葉大教授(神経科学)らが
11月20日までにまとめました。
橋本教授らは、覚せい剤中毒で脳の神経細胞を損傷させた
サルにミノサイクリンを投与し、神経の機能を回復させる
ことに成功しています。パーキンソン病やアルツハイマー病
などの神経変性疾患でも、動物実験で改善したとの報告も
あります。橋本教授は「今回の研究で、なぜ効くかという
仕組みの一端が分かった」と話しています。
橋本教授らは試験管内の実験で、ラットの神経前駆細胞に
ミノサイクリンを投与しました。濃度の高さに応じて、
軸索という細長い突起が伸びる細胞が増えました。細胞の中で、
遺伝子情報を読みとりタンパク質の合成を始めさせる働き
がある分子が増えていました。この分子がないと、
ミノサイクリンを投与しても軸索が伸びる細胞は増えません
でした。
ミノサイクリンはこの分子に働きかけて、神経細胞の成長
を助けていると推測されます。
研究結果は米科学誌プロスワン電子版に発表されました。
文士が分子の分枝を指摘した。笑
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編集後記
ウイルスで起こる病気の治療薬として、個々のウイルス
に効くものは、少しずつ増えていますが、副作用や相互
作用が強くなかなか臨床の現場で、気安く使えないという
印象があります。RNAを遺伝子にもつウイルスという条件
はあるものの汎用性のある抗ウイルス薬に結びつく可能性の
ある研究ではないかと思いました。ミノマイシンを神経疾患
の治療に使うという話は聞いたことがあります。なかなか
再生しない神経の病気の治療薬としては、値打ちがあると
考えています。ただし、浮遊感などの副作用の克服も重要
でしょう。
半葉が汎用され繁用となる。笑
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