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2023-04-02 06:41:53

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診療マル秘裏話  号外Vol.2443 令和4年6月2日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)ガン転移による脊椎骨折を予測するAI研究推進
2)ALS対する高用量メコバラミン製剤新薬承認申請提出

 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 ガン転移による脊椎骨折を予測するAI研究推進

 
 
 
 
 
 ガン患者さんの約10%に脊椎
への転移があり、これに伴う脊
椎の「病的骨折」は強い痛みや
運動制限につながります。病的
骨折に至る転帰を予測すること
は、より良い治療意思決定にお
いて重要な役割を果たします。
脊椎の「デジタルツイン」を作
成することで、ガン転移による
脊椎骨折を予測するAI研究を、
米オハイオ州立大学のチームが
進めています。

 International Journal for
Numerical Methods in Biomedi
cal Engineering に収載された
同研究では、解剖検体から採取
された椎骨のMRI およびCT画像
から、ReconGANと呼ばれるAI支
援フレームワークをトレーニン
グし、実際の患者さんにおいて
「椎骨の微細構造を正確に再現
するデジタルツイン」の作成手
法が解説されています。このモ
デルを用いたシミュレーション
により、ガン患者さんにおける
椎体骨折リスクを個別に予測す
ることができます。また、ガン
によって椎骨の一部がどの程度
強度を失うか、ガンの進行に伴
う変化などもシミュレート可能
であるとしています。本研究論
文では、肺ガンが骨転移を来し
た51歳女性患者さんでの適用事
例も紹介しています。

 オハイオ州立大学のインタビ
ューに対し、本論文の著者で機
械/航空宇宙工学部准教授のSoh
eil Soghrati氏は「脊椎骨折は
患者の死亡リスクを約15%増加
させるため、骨折の転帰予測は、
より良い治療戦略設計と患者意
思決定に寄与する。究極の目標
は、手術症例すべてにデジタル
ツイン技術を持ち込み、評価す
る環境を構築することだ」と述
べています。

 ガン骨転移について解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 開設届の書き方を解説する。


 
 
 
 
 
 
 
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2】 ALS対する高用量メコバラミン製剤新薬承認申請提出

 
 
 
 
 
 エーザイは5月10日、徳島大
学を主体とする研究チームの医
師主導治験の結果を踏まえて、
筋萎縮性側索硬化症(ALS) に
対する高用量メコバラミン製剤
の新薬承認申請に向けた作業を
開始したと発表しました。2023
年度中の承認申請を目指します。
なお、22年3月に希少疾病用医
薬品指定申請を厚労省に提出し
ています。

 同社はALS に対する高用量メ
コバラミン製剤について、臨床
第2/3相試験(761試験)の結果
をもとに2015年5月に新薬承認
申請しましたが、PMDAから申請
パッケージが不十分との見解が
示され、2016年3月に申請を取
り下げた経緯があります。

 761 試験では、メコバラミン
投与群(25mg及び50mg投与群)
はプラセボ投与群と比較してイ
ベント発生までの期間の延長傾
向とALSFRS-R(日本語版改訂AL
S機能評価スケール) スコアの
低下抑制傾向はみられましたが、
統計学的有意差は確認できませ
んでした。しかし、追加解析し
たところ、ALS 発症後12か月以
内に治療を開始した患者さんで
は高用量メコバラミンによるイ
ベント発生までの期間延長とAL
SFRS-Rスコアの低下抑制が示唆
されるなどしたため申請しまし
た。しかし、当時、PMDAからは、
有効性が確認できず審査困難で
ある旨の見解が出されました。

 この追加解析結果を受けて、
発症1年未満という発症早期の
ALS 患者さんを対象として高用
量メコバラミンの有効性・安全
性を再検証するため、AMEDの支
援により、徳島大学を主体とす
る研究チームによる医師主導治
験(JETALS)が実施されました。
その結果、高用量メコバラミン
の有効性、安全性、忍容性が確
認され、査読学術誌「JAMA Neu
rology」で発表されました。こ
の試験結果を踏まえ、エーザイ
と徳島大が協議し、承認申請を
改めて行うことになりました。

 なお、医師主導治験は、徳島
大学の梶龍兒特命教授(主任研
究者)、徳島大学大学院医歯薬
学研究部臨床神経科学分野の和
泉唯信教授(治験調整医師)ら
の研究チームが実施しました。

 ALS は重篤な筋肉の萎縮と筋
力低下をきたす神経変性疾患で
進行性の難病です。メコバラミ
ンのALS の病態における作用機
序は解明されていませんが、非
臨床研究の結果から、神経保護
作用、神経軸索再生作用により
有効性を示す可能性が示唆され
ています。メコバラミンは、末
梢神経障害などの治療薬として、
メチコバールとして販売されて
います。

 筋萎縮性側索硬化症について

解説している動画です。

 
 


 
 
 競技の判定を協議する。 笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 ガン患者さんの約10%に脊椎
への転移があり、これに伴う脊
椎の「病的骨折」は強い痛みや
運動制限につながるのは、由々
しきことです。病的骨折に至る
転帰を予測することは、より良
い治療意思決定において重要な
役割を果たすことは、至極当然
と言えましょう。脊椎の「デジ
タルツイン」を作成することで、
ガン転移による脊椎骨折を予測
するAI研究を、米オハイオ州立
大学のチームが進めているのは、
素晴らしい業績です。このモデ
ルを用いたシミュレーションに
より、ガン患者さんにおける椎
体骨折リスクを個別に予測する
ことができ、ガンによって椎骨
の一部がどの程度強度を失うか、
ガンの進行に伴う変化などもシ
ミュレート可能ということなの
で、より良い治療戦略につなが
ることを期待したいと思います。
 エーザイが5月10日、徳島大
学を主体とする研究チームの医
師主導治験の結果を踏まえて、
筋萎縮性側索硬化症(ALS) に
対する高用量メコバラミン製剤
の新薬承認申請に向けた作業を
開始したと発表したのは、喜ば
しいことです。メコバラミンは、
ビタミンB12 のことで末梢神経
障害の他に、巨赤芽球性貧血に
も用いられます。こうした臨床
での治療で、重要になるのが、
内因子の分泌の有無です。胃の
全摘手術などで内因子が分泌さ
れなくなっていると経口でのメ
コバラミンの投与は吸収が極端
に悪くなり、治療が奏功しなく
なります。その場合、経口での
投与を諦めて、皮下注射での投
与が行われます。実際に巨赤芽
球性貧血の当クリニックの患者
さんで、経口でのメコバラミン
の投与が奏功しなかった症例に
対し、皮下注射で投与した所、
巨赤芽球性貧血の改善と共に今
まで、改善しなかった上肢のし
びれ感、痛みが改善したことが
ありました。

 そうこうしている内に治療が
奏功し始めた。      笑

 
 
 
 
 
 
 
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藤田 亨
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