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2023-03-24 06:31:19

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診療マル秘裏話  号外Vol.2435 令和4年5月22日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)膵臓ガンを進行前に検出可のAIの共同研究開始
2)一部の国々で小児の原因不明の急性肝炎の報告

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 膵臓ガンを進行前に検出可のAIの共同研究開始

 
 
 
 
 
 総合南東北病院(郡山市)は、
富士通(東京都)などと連携し、
ガンの中でも早期発見が難しい
とされる膵臓ガンを進行前に検
出できるよう人工知能(AI)の
共同研究に取り組みます。技術
が確立されれば肉眼では見逃し
やすい微小な初期段階のガンや、
ガンの疑いがある部位を見つけ
ることができるようになり、膵
臓ガンの早期発見や治療につな
がることが期待されます。来年
3月までに技術の実用化が可能
かどうかを検証します。

 総合南東北病院などが3月25
日、発表しました。同病院によ
ると、膵臓ガンは診断から5年
後の生存率が11%とほかのガン
に比べて極端に低く、ガンの中
で最も進行が速いとされていま
す。膵臓が体の深部にあるため、
ガンが進行するまで自覚症状に
乏しく、比較的簡易な画像検査
ではガンの見極めが難しいなど
の課題がありました。

 膵臓ガンの早期発見のポイン



 
 


 
 
 官位の簡易な承認式に出席す
る。           笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 一部の国々で小児の原因不明の急性肝炎の報告

 
 
 
 
 
 2022年4月15日から21日にか
けて、一部の国々で小児の原因
不明の急性肝炎に関する報告が
相次いでいます。4月25日には
厚生労働省が国内で疑い例が1
例発生したと公表し、一部の自
治体医師会では、医療現場での
警戒度を上げるよう呼びかけて
います。この急性肝炎、現時点
ではアデノウイルスとの関連が
疑われていますが、アデノウイ
ルスによる肝炎の疫学・特徴は
どのようなものでしょうか。ア
デノウイルス肝炎の診療経験を
有するなど、同ウイルス感染症
に詳しい、京都大学血液・腫瘍
内科学客員研究員の恩田佳幸氏
に聞きました。恩田氏は169 例
中17例に肝移植が行われている
など急速に症状が悪化している
点が気になるとしながらも、現
時点の報告頻度から「現時点で
過度に恐れる必要はない」と話
しています。また、これまでの
限定的な情報から「アデノウイ
ルスとの関連が疑わしいところ
もある」と説明しています。そ
の理由も併せて聞きました。

 WHO(世界保健機関)が4月23
日に公表したDisease Outbreak
Newsによると,これまでに合計
169例の報告があり,患者さんの
年齢は1-16歳、全体の約10%に
当たる17例に肝移植が行われ、
1例が死亡しています。分子生
物学的検査により、少なくとも
74人からアデノウイルスが検出
され、うち18人がF 種41型と同
定されている。武漢熱ウイルス
は検査が行われたケースのうち、
20例から検出され、19例はアデ
ノウイルスとの共感染が認めら
れました。

 免疫能が正常であれば、アデ
ノウイルス肝炎は非常にまれで
す。アデノウイルスC種は肝炎
の原因となることが知られてい
ますが、本ウイルスに感染して
も免疫能正常であれば感冒症状、
胃腸炎症状(発熱、咽頭痛、関
節痛、頭痛などの風邪症状や嘔
気嘔吐、下痢などの消化器症状)
にとどまり、血液検査で軽度の
肝胆道系酵素の上昇が見られる
ことがあっても一過性であるこ
とが多く、重篤な肝炎・肝不全
に至ることはほとんどありませ
ん。

 アデノウイルス肝炎を発症し
た患者さんのほとんどが、臓器
移植後(造血幹細胞移植、肝移
植、腎移植など)、抗ガン剤治
療後、担ガン状態など免疫機能
が強く低下した患者さんです。
詳細な頻度は不明ですが、免疫
不全患者さんのアデノウイルス
肝炎の症例報告は散見されます。
免疫能が正常と思われる状態で
のアデノウイルス肝炎の報告も
ありますが、非常にまれで、数
えるほどしかありません。成人
1例のみ(J Investig Med Hig
h Impact Case Rep.2022 vol 1
0:1-3),その他成人に比べて免
疫能が未成熟と予想される小児
での報告(Turk J Gastroenter
ol.2008; 19: 281-283.)〔Ped
iatrics. 2004 Jan;113(1 Pt 1
):e51-6.〕があります。

 免疫不全状態の患者さんがア
デノウイルス肝炎を発症した場
合、しばしば急速に肝不全に進
行し、致命的になります。われ
われは同種造血幹細胞移植後に
アデノウイルス肝炎を発症した
4例について過去に報告しまし
たが(Transpl Infect Dis. 23:
e13496, 2021.)、全例で急速
に肝不全へと進行し、死亡しま
した。全ての症例の血液、ある
いは肝組織からC種のアデノウ
イルスが検出され、肝組織の抗
アデノウイルス抗体による免疫
組織化学染色でアデノウイルス
が証明されました。

 一般的に肝炎、肝機能障害で
見られる兆候は、黄疸(皮膚、
眼球結膜の黄染)、ビリルビン
尿(濃い、暗い色の尿)、筋肉
痛、関節痛、高熱、倦怠感、食
欲低下、腹痛、とされています
が、アデノウイルス肝炎に特徴
的な症状なく、われわれが経験
したアデノウイルス肝炎の症例
も発熱、倦怠感など、他の感染
症でも認められ得る症状のみで
した。血液検査での肝胆道系酵
素の急上昇、造影CTで肝の斑状
低吸収域の出現や肝生検による
病理組織検査で核内封入体を有
する変性肝細胞(‘smudged’
appearance)が特徴的ですが、
全身状態や生検による致命的な
出血の懸念から、肝臓の生検検
査が困難な場合があります。抗
アデノウイルス抗体を用いた免
疫組織化学染色も診断に有用で
す。その他、アデノウイルス肝
炎の早期検知のために血液のPC
R でアデノウイルスを捕捉する
試みもありますが、早期診断は
困難です。

 169例のうちおよそ1割が肝移
植を必要とするような重篤な肝
炎、肝不全に至る、というのは
かなり高率です。ただし本当に
アデノウイルスが原因であれば、
その感染伝播力の強さから、不
顕性感染(症状がない、あるい
は非常に軽い症例)もかなりの
数がいるものと思われます。小
児で気道感染、脳炎、髄膜炎な
どから重症化する症例はこれま
でにも珍しくありませんでした
が、特に英国1国で比較的短期
間のうちに100 例以上の患者さ
んで明らかな肝障害を認めてお
り、これまで知られているアデ
ノウイルス感染症とは大きく異
なる傾向と考えます。重篤なア
デノウイルス感染症の場合、海
外では本邦未承認薬cidofovir
などによる治療も検討されるは
ずですが、17例もの症例が肝移
植を選択されているということ
は、発症時点ですでに強い肝不
全となっている、あるいは病勢
進行がかなり早いものと予想さ
れます。

 武漢熱と子供たちの生活環境
変化、感染防御行動などとの関
連の可能性が指摘されています。
国立感染症研究所(感染研)が
発表している日本全国のアデノ
ウイルス型別検出報告(IASR)を
みると、コロナ前に比べて、コ
ロナ後の方が明らかにアデノウ
イルス全型の検出報告が減って
いることから、武漢熱への感染
伝播防止対策がアデノウイルス
の伝播防止にもなっている可能
性が示唆されます。おそらく、
欧米でも似た傾向になっている
ものと予想されます。

 169 例のうちアデノウイルス
が検出できた症例は74例との報
道もあり、半数以上の症例はア
デノウイルスを検出できていま
せん。重篤な肝炎を来していれ
ばほとんどの症例でウイルス血
症にもなっていると思われ、血
液でPCR を行えば検知できる可
能性が高いと予想します。この
点からアデノウイルスが今回の
肝炎の原因でない可能性も考え
られます。

 アデノウイルスF 種41型は既
知のアデノウイルスで乳幼児下
痢症、胃腸炎の原因になる型と
されています。感染研のIASRに
よる全国のアデノウイルス型別
検出報告によると,F種41型は、
その他の検出報告の多い型(気
道感染、結膜炎の原因の1型~5
型、54型など)と同等に胃腸炎
の原因として報告が多く、年間
100 例前後報告されてきました
(武漢熱ウイルス出現前)。全国
から報告が散見され、比較的あ
りふれたアデノウイルスと言え
ます。武漢熱ウイルス出現後、
アデノウイルス全体の検出報告
は明らかに減少しています。武
漢熱ウイルスへの対策がアデノ
ウイルスの感染伝播予防にも有
効であると考えられます。F 種
41型では2020年に17例、2021年
に3例の検出が報告されていま
す。本邦で過去に免疫能正常者
でF 種41型が重篤な肝炎の原因
になった、という報告はありま
せん。

 ただし、このIASRで覚知でき
ている症例は、有症状者を診療
したときに積極的にアデノウイ
ルスを疑って、精密検査を行っ
た症例のみなので、実際には「
風邪」とひとくくりに判断され、
自然軽快した症例が大部分と予
想されます。覚知されていない
症例も含めれば実際のアデノウ
イルス感染症の症例数はかなり
多いと考えられます。

 また、欧米の急性肝炎の小児
についてのこれまでの報道で、
「アデノウイルスF 種41型が同
定された」とのことですが今回
の肝炎の原因ウイルスとすれば、
既知のF 種41型とは異なる別の
アデノウイルスである可能性も
あります。アデノウイルスの型
別は構造蛋白のわずかな違いを
検知することで識別しています。

 われわれは同種造血幹細胞移
植後にアデノウイルス性出血性
膀胱炎を発症した症例の尿から
検出されたアデノウイルスの型
別を行い、当初、出血性膀胱炎
の原因として報告の多いB種34
型と思われたアデノウイルスに
ついてさらに詳細な検査を追加
した所、79型のアデノウイルス
であることが判明しました(34
型と79型のヘキソン蛋白の遺伝
子配列はほぼ同じ)。それまで
アデノウイルス79型の詳細な病
原性は不明でした(Ann Hemato
l.2021; 100: 753-761.)。

 今回のF 種41型をどうやって
同定したのか、今のところ詳細
は不明なので予測の域を出ませ
んが、既知のF 種41型の病態と
大きく異なることから、ヘキソ
ン蛋白などの主要な構造蛋白は
既知のF 種41型と相同であって
も、その他の部分を調べればF
種41型でないアデノウイルスと
判明する可能性もあるのではな
いか、と考えます。

 一般的な肝炎、肝機能障害で
みられる兆候、すなわち黄疸(
皮膚、眼球結膜の黄染)、ビリ
ルビン尿(濃い、暗い色の尿)、
筋肉痛、関節痛、高熱、倦怠感、
食欲低下、腹痛が見られる場合
や小児でなんとなく活気がない、
などがあれば積極的に血液検査
で肝関連の項目を検査すべきと
考えます。

 他の要因(A~E型肝炎ウイル
ス、薬剤性肝炎など)が除外さ
れればアデノウイルス感染症の
可能性も考え、アデノウイルス
の検査提出を検討します。欧米
で報告されている症例の報告か
らは、急速に重症化する可能性
もあるため、迅速な判断が望ま
しいと考えます。一般医療検査
機関ではアデノウイルスの型別
は困難で、F 種41型が対象にな
っていない検査項目もあります。
特に疑われる場合は保健所、地
方衛生研究所、検疫所に相談す
ることをお勧めします。

 このニュースのニュース動画

です。

 
 


 
 
 検査機関で期間限定の検査を
行う。          笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 総合南東北病院(郡山市)が、
富士通(東京都)などと連携し、
ガンの中でも早期発見が難しい
とされる膵臓ガンを進行前に検
出できるよう人工知能(AI)の
共同研究に取り組んでいるのは、
喜ばしいことです。膵臓が身体
の奥深い所にあるため、発見が
遅れがちで、発見されたときは、
進行ガンというケースが多い様
です。早期発見できれば、早期
治療に結び付き生命予後の改善
につながるものと考えています。
MRI やCTなどの画像検査で早期
の膵臓ガンが早期発見されて、
患者さんの利益につながること
を期待したいと思います。
 2022年4月15日から21日にか
けて、一部の国々で小児の原因
不明の急性肝炎に関する報告が
相次いでいたというニュースは、
非常に不気味なものであります。
アデノウイルス肝炎を発症した
患者さんのほとんどが、臓器移
植後(造血幹細胞移植、肝移植、
腎移植など)、抗ガン剤治療後、
担ガン状態など免疫機能が強く
低下した患者さんということで
すので、免疫不全状態がアデノ
ウイルスなどの弱毒ウイルスの
感染症を増悪していると考える
のが合理的なものではないかと
私は考えています。

 悪化した状態が常態化した。


 
 
 
 
 
 
 
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