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2023-03-23 07:01:35

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診療マル秘裏話  号外Vol.2434 令和4年5月21日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)ヤンセンファーマが,BTK阻害薬適応追加を一変申請する
2)糖尿病の皮下脂肪細胞老化が難治性の創傷惹起

 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 ヤンセンファーマが,BTK阻害薬適応追加を一変申請する

 
 
 
 
 
 ヤンセンファーマは4月25日、
BTK 阻害薬・イムブルビカカプ
セル140 mg(一般名:イブルチ
ニブ)について、原発性マクロ
グロブリン血症及びリンパ形質
細胞リンパ腫の適応追加を一変
申請したと発表しました。

 今回の申請は、海外で実施さ
れたPCYC-1127 (iNNOVATE)試
験とPCYC-1118E試験、日本で実
施された第2相WAL2002試験の結
果に基づいています。これらの
試験では、イブルチニブ単剤療
法もしくはリツキシマブとの併
用療法は、未治療又は再発・難
治性の原発性マクログロブリン
血症患者さんにおいて「臨床的
に意義のある有効性および安全
性を示した」としています。

 原発性マクログロブリン血症
およびリンパ形質細胞リンパ腫
は、進行が遅く、治癒困難で患
者数の少ないB細胞リンパ腫で
す。国内の新規患者数は年間約
350 人で、診断時の年齢中央値
は約70歳です。

 白血球(リンパ球)の1種で
あるB細胞が成熟する過程で悪
性化し、悪性のB細胞が増殖し
続けることで発症します。特に
原発性マクログロブリン血症は、
免疫グロブリンM(IgM)という
抗体を大量に産生します。IgM
などの抗体は、通常は感染症の
予防に寄与するが、過剰に産生
されることで血液の濃度を上げ、
過度な出血、視力障害、末梢神
経障害などさまざまな症状を引
き起こします。

 イムブルビカは1日1回経口
投与するキナーゼ阻害薬で、ブ
ルトン型チロシンキナーゼ(BT
K) という蛋白質を阻害して作
用します。BTK は、B細胞が成
熟し抗体を産生するよう指示す
る重要なシグナルを伝達し、特
定のガン細胞の増殖やガンの進
展のために必要とされています。
同剤はBTK を標的として阻害す
ることで、ガン細胞の生存やガ
ンの進展を抑制し、他の重篤な
病態に関連するシグナル伝達に
作用しました。

 原発性マクログロブリン血症

について解説している動画です。

 
 


 
 
 酸性の溶液を産生することに
賛成した。        笑

 
 
 
 
 
 
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2】 糖尿病の皮下脂肪細胞老化が難治性の創傷惹起

 
 
 
 
 
 北海道大学は4月22日、糖尿
病の皮下脂肪でおこる細胞老化
が難治性の創傷を引き起こす可
能性を新たに見出したと発表し
ました。この研究は、同大大学
院保健科学研究院の千見寺貴子
教授、札幌医科大学医学部解剖
学第2講座の齋藤悠城講師およ
び札幌医科大学大学院医学研究
科博士課程の北愛里紗氏らの研
究グループによるものです。研
究成果は、「Communications B
iology」にオンライン掲載され
ています。

 近年、「細胞老化」という現
象が注目を集めています。細胞
老化は、細胞にダメージが加わ
った時、異常な増殖を防ぐため
の生体防御システムの一つで、
自らの増殖を止めるとサイトカ
インやケモカインなどさまざま
な因子の分泌現象(細胞老化関
連分泌形質:SASP)を起こしま
す。このSASPによって、老化細
胞は免疫細胞を誘導し、また自
らを貪食させることでクリアラ
ンスされて、組織の修復・再生
を促します。しかし、老化細胞
が損傷部位に蓄積することで、
慢性炎症を引き起こすことが報
告されて以降、慢性炎症で有害
化する細胞老化の解明に注目が
集まっています。

 今回、研究グループは、糖尿
病でこの細胞老化の制御機構が
異常となることで創傷治癒が遅
延することが、糖尿病性潰瘍の
原因ではないかと考え、研究を
行いました。

 まず、2型糖尿病モデルマウ
ス(db/dbマウス)の背部に創
傷を作成し治癒過程(2日後、8
日後)の創部皮膚および創部皮
下脂肪組織を採取しました。こ
れを解析した所、糖尿病モデル
マウスとコントロールマウス共
に細胞老化因子およびSASP因子
の発現亢進を認めました。検出
した複数の因子について詳細な
分析を行った所、正常な創傷治
癒と糖尿病モデルでの創傷治癒
の間では、創部皮下脂肪組織に
おいて細胞老化因子やSASP因子
の発現パターンが大きくことな
ることが明らかになりました。
この結果から、皮下脂肪におけ
る細胞老化のタイプの違いが創
傷治癒に影響を与えているので
はないかと考えられました。

 次に、糖尿病の皮下脂肪が創
傷治癒を阻害しているのかを明
らかにするために、糖尿病モデ
ルマウスの皮下脂肪を正常なマ
ウスの皮下に移植して、創傷治
癒のプロセスを観察しました。
すると、糖尿病モデルマウスの
皮下脂肪が移植されたマウスで
は創傷治癒が遅延すると同時に、
皮下脂肪の細胞は創傷部にはほ
とんど遊走しないことが分かり
ました。この結果から、皮下脂
肪の細胞は創部まで遊走して創
傷治癒に影響するのではなく、
SASPによる分泌因子によって創
傷治癒を制御していることが推
察されました。そこで、創傷部
の皮下脂肪をそれぞれ正常およ
び糖尿病モデルマウスから採取
して分泌する因子を解析した所、
創傷後2日の時点で正常の皮下
脂肪からはで大量のサイトカイ
ンや成長因子を含むSASPを分泌
する一方、糖尿病では分泌され
るSASP因子の種類が少なく、さ
らに正常とは異なる種類のSASP
を分泌することが分かりました。

 最後に、これらのSASP因子を
含む培養液で正常な皮膚線維芽
細胞を培養し、培養器の中で人
工的に創傷を作製した所、正常
のSASPは線維芽細胞の遊走を高
めて傷の治りを促進する一方で、
糖尿病のSASPは線維芽細胞の遊
走を抑制して、傷の治りを制限
することが分かりました。

 今回、研究グループは、創傷
部の皮下脂肪で起こる老化細胞
が、正常な皮膚の創傷治癒に促
進的に機能することを明らかに
すると同時に、糖尿病では有害
な老化細胞が皮下脂肪に蓄積し
て、創傷治癒を阻害することを
明らかにしました。「今後、よ
り詳細な老化細胞の特性の解析
を続けることで、難治性の糖尿
病性潰瘍のさらなる病態解明と
新しい治療法の開発につながる
ことが期待される」と、研究グ
ループは述べています。

 老化細胞だけを除去するワク

チンについて解説している動画

です。

 
 


 
 
 商才の詳細を調査する。 笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 ヤンセンファーマが4月25日、
BTK 阻害薬・イムブルビカカプ
セル140 mg(一般名:イブルチ
ニブ)について、原発性マクロ
グロブリン血症及びリンパ形質
細胞リンパ腫の適応追加を一変
申請したと発表したのは、喜ば
しいことです。 今回の申請は、
海外で実施されたPCYC-1127 (
iNNOVATE)試験とPCYC-1118E試
験、日本で実施された第2相WAL
2002試験の結果に基づいている
とのことですので、有効性と安
全性は、担保されているものと
思われます。適応拡大となった
患者さんにこの薬剤を使うメリ
ットが現れることを期待したい
と思います。
 北海道大学が4月22日、糖尿
病の皮下脂肪でおこる細胞老化
が難治性の創傷を引き起こす可
能性を新たに見出したと発表し
たのは、素晴らしい業績です。
今まで、糖尿病の難治性の創傷
対策としては、幹細胞移植や血
行再建術などが議論されていま
したが、細胞老化が関与するこ
とで細胞老化対策が重視される
ことになるでしょう。フィセチ
ンやケルセチンやその他の老化
細胞除去の物質が脚光を浴びる
ことになるでしょう。いやはや
医療の進歩は日進月歩です。

 廊下で細胞老化対策について
議論する。        笑

 
 
 
 
 
 
 
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