最近の号外Vol.2433メルマガ

2023-03-21 05:51:42

カテゴリー:ブログ



藤田のブログランキングアップにご協力お願いします。
以下のバナーをぽちっとクリックお願いします。


病院・診療所ランキング

 
診療マル秘裏話  号外Vol.2433 令和4年5月20日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)慢性骨髄性白血病の新機序治療薬が3月に承認
2)サルコペニア肥満で、認知症・軽度認知症のリスク増大

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 慢性骨髄性白血病の新機序治療薬が3月に承認

 
 
 
 
 
 アシミニブ(商品名セムブリ
ックス)は慢性骨髄性白血病(
CML) に対する新規作用機序を
有するファースト・イン・クラ
スの抗悪性腫瘍薬であり、今年
(2022年)3月に既存治療に抵
抗性のCML に対し承認されまし
た。国立ガン研究センター東病
院血液腫瘍科科長の南陽介氏は、
4月19日に実施されたノバルテ
ィスファーマ主催のメディアセ
ミナーで登壇しました。作用機
序や有害事象を解説しました。

 CML に対しては化学療法や造
血器細胞移植、インターフェロ
ンαによる治療が行われてきま
したが、2001年にフィラデルフ
ィア染色体の遺伝子産物BCR-AB
L を標的とした分子標的薬であ
るイマチニブが登場したことで、
治療成績が大幅に上昇しました。

 イマチニブはBCR-ABL のチロ
シンキナーゼのATP 結合部位に
競合的に結合してシグナル伝達
を阻害し、細胞増殖の抑制およ
びアポトーシスの誘導によりCM
L 細胞を選択的に傷害するBCR-
ABL チロシンキナーゼ阻害薬(
TKI) で、第三世代も含めて現
在5製剤が承認されています。

 BCR-ABL TKI の登場によりCM
L 患者さんの予後は大幅に改善
しました。一方で、治療抵抗性
または有害事象などにより不耐
容の患者さんをどのように治療
するかという課題は残ります。

 アシミニブはATP 結合部位で
はなく、ABL のミリストイルポ
ケットに特異的に結合すること
でBCR-ABLの活性化を阻害するs
pecifically targeting the AB
L myristoyl pocket(STAMP)
阻害薬です。南氏は「ATP 結合
型のBCR-ABL-TKI に抵抗性の症
例にも効果が期待でき、また、
ミリストイルポケットはBCR-AB
Lに特異的なため選択性が高く、
副作用の抑制も期待できる」と
解説しました。

 ATP結合型のBCR-ABL1-TKI に
抵抗性または不耐容のCML 患者
さんを対象とした第3相ランダ
ム化比較試験ASCEMBL では、主
要評価項目である24週時点の分
子遺伝学的大奏効(MMR) 率は、
対照とした第二世代BCR-ABL1-T
KIボスチニブを投与したボスチ
ニブ群の13.2%に対し、アシミ
ニブ群では25.5%と有意に良好
だったことが示され、米国では
昨年10月、日本でも今年3月に
承認されました。

 アシミニブで効果が良好であ
る理由の1つとして、南氏は有
害事象の少なさを挙げ、「特に
投与中止に至った有害事象は、
ボスチニブ群の25.0%に対しア
シミニブ群では7.1%と3分の1以
下。薬剤そのものの効果に加え、
有害事象を避けながらQOL を維
持して薬剤投与を継続すること
が重要」と述べました。臨床試
験に参加した患者さんからは「
これまでの薬剤よりも身体が楽」
という感想が多く寄せられたと
いうことです。

 なお、同氏はアシミニブの第
1相試験の結果が初めて報告さ
れた2015年の米国血液学会(AS
H 2015)でセッションの座長を
務めていたそうですが、「質問
の列が途切れず、イマチニブ以
来のインパクトであることを実
感した」と述懐しています。今
年6月に開催される米国臨床腫
瘍学会(ASCO 2022)では4年間
の長期成績の報告が予定されて
います。

 慢性骨髄性白血病について解

説している動画です。

 
 


 
 
 傘下の企業の試験に参加した。


 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 サルコペニア肥満で、認知症・軽度認知症のリスク増大

 
 
 
 
 
 順天堂大学大学院スポートロ
ジーセンターの染谷由希氏(現
スポーツ健康科学部)、代謝内
分泌内科学准教授/スポートロ
ジーセンター運営委員長の田村
好史氏らの研究グループは、握
力低下と肥満が共存する “サル
コペニア肥満”の高齢者は,握力、
BMI がいずれも正常値の高齢者
に比べ、軽度認知障害(MCI)
および認知症のリスクが有意に
高いことを突き止めたと発表し
ました。詳細を、Clinical Nut
rition(2022年3月16日オンラ
イン版)に掲載しました。

 認知機能が低下する危険因子
として、加齢に伴う骨格筋量と
筋力の減少を示すサルコペニア、
肥満が知られています。サルコ
ペニアと肥満が合併したサルコ
ペニア肥満は、欧州ではサルコ
ペニア単独よりも日常生活活動
の低下を引き起こす要因となる
ことが報告されています。体重
の低下がないにもかかわらず、
骨格筋量と筋力が低下している
状態によって要介護リスクが高
まっていると考えられます。し
かし、サルコペニア肥満と認知
機能低下との関連はこれまで不
明でした。

 そこで、染谷氏らは東京都文
京区在住の高齢者を対象とした
調査研究Bunkyo Health Study
(文京ヘルススタディー)のデ
ータを用いて、サルコペニア(
握力が男性は28Kg未満、女性は
18.5Kg未満)と肥満(BMI 25以
上)により定義した「サルコペ
ニア肥満」と認知機能低下との
関連を調査しました。対象は65
~84歳の高齢者1,615例(男性7
84例、女性931例)で,身長、体
重、握力を測定するとともに認
知機能検査を実施しました。

 まず,握力とBMIの測定値より、
1.正常:肥満にもサルコペニア
にも該当しない、2.肥満:肥満
のみ該当する、3.サルコペニア:
サルコペニアのみ該当する、4.
サルコペニア肥満:肥満および
サルコペニアに該当するーの4
群に分類しました。次に、MCI
の評価スケールであるMontreal
Cognitive Assessment(MoCA)、
認知症の評価スケールであるMi
ni-Mental State Examination
(MMSE)のスコアを算出し、MC
I(MoCAで22以下) および認知
症(MMSEで23以下)の有病率を
比較しました。

 解析の結果、MoCAスコアは、
正常群で14.5、肥満群で16.9、
サルコペニア群で27.1、サルコ
ペニア肥満群で40.8、MMSEスコ
アはそれぞれ1.6、2.6、7.6、1
4.5でした。 これらから、サル
コペニア群およびサルコペニア
肥満群では正常群と比べ有意に
スコアが低く、MCI および認知
症の有病率が高いことが判明し
ました。

 さらに、年齢、教育歴、基礎
疾患(高血圧、糖尿病など)を
調整後のオッズ比(OR)を算出
しました。その結果、MCI に関
しては、正常群に対する調整後
ORは肥満群で0.95、サルコペニ
ア群で1.33、サルコペニア肥満
群で2.11と、サルコペニア群お
よびサルコペニア肥満群との有
意な関連が認められました。認
知症に関しては、調整後ORは肥
満群が1.67、サルコペニア群が
3.40、サルコペニア肥満群で6.
17と、サルコペニア肥満群でよ
り強い関連が示されました。認
知症のリスクはサルコペニアを
有しているだけで有意に高まる
ことも明らかになりました。

 これらを踏まえ、染谷氏らは
「都市部在住高齢者におけるサ
ルコペニア肥満例ではMCI や認
知症のリスクが高まる可能性が
明らかになった。 MCIの高齢者
では、運動や食事などの生活習
慣を改善することで、認知症の
進行予防効果が期待される」と
結論しました。さらに、「握力
やBMI といった把握が簡便な指
標が認知機能低下の早期発見に
役立つことが示唆されました。
サルコペニア肥満と認知機能低
下が関連するメカニズムや認知
機能低下の原因など不明な点が
多く残されていることから、今
後研究を進めていく方針」と付
言しています。

 サルコペニア肥満について解

説している動画です。

 
 


 
 
 戦車の砲身を狙う方針に放心
した。          笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
編集後記

 
 アシミニブ(商品名セムブリ
ックス)が慢性骨髄性白血病(
CML) に対する新規作用機序を
有するファースト・イン・クラ
スの抗悪性腫瘍薬であり、今年
(2022年)3月に既存治療に抵
抗性のCML に対し承認されたの
は、喜ばしいことです。臨床試
験に参加した患者さんからは「
これまでの薬剤よりも身体が楽」
という感想が多く寄せられたと
いうことなので、忍容性が高く
有効性も見込めるということで
すから、本当に凄い薬剤が登場
したものだと感心しました。
 順天堂大学大学院スポートロ
ジーセンターの染谷由希氏(現
スポーツ健康科学部)、代謝内
分泌内科学准教授/スポートロ
ジーセンター運営委員長の田村
好史氏らの研究グループが、握
力低下と肥満が共存する “サル
コペニア肥満”の高齢者は,握力、
BMI がいずれも正常値の高齢者
に比べ、軽度認知障害(MCI)
および認知症のリスクが有意に
高いことを突き止めたと発表し
たのは、素晴らしい業績です。
サルコペニア肥満には、本当に
注意すべきだと思いました。

 高齢者の恒例の行事を実施す
る。           笑

 
 
 
 
 
 
 
************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」www.mag2.com/m/0000121810.html
(イジニイワト)

発行者名  医療法人社団 永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。
このエントリーをはてなブックマークに追加 
 

コメント