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2023-03-04 07:09:38

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診療マル秘裏話  号外Vol.2418 令和4年5月2日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)低線量CT検診,肺ガン病期や生存期間変化を調査
2)抗酸化ホルモンが、褐色脂肪組織での熱産生を障害

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 低線量CT検診,肺ガン病期や生存期間変化を調査

 
 
 
 
 
 
 米国のガン登録データベース
を用いて、2013年に導入された
低線量CT検診による診断時の肺
ガン病期や生存期間の変化を擬
似実験(quasi-experimental s
tudy)で検討しました。非小細
胞肺ガン(NSCLC) の診断を受
けた45-54 歳の患者(検診対象
外)および55-80 歳の患者(検
診対象の可能性あり)を対象と
しました。

 その結果、55-80 歳の患者さ
んが臨床病期1期NSCLCの診断を
受けた割合は、2010-13 年は有
意な上昇が見られなかったので
すが(27.8%から29.4%)、20
14-18年は1年当たり3.9%上昇
しました(30.2%から35.5%)。
多変量調整解析で、2014-18 年
の患者さん1例が1期早い病期
の診断を受ける1年当たりのオ
ッズ上昇は、2010-13年の1年当
たりのオッズ上昇よりも6.2%高
いという結果でした(多変量調
整オッズ比1.062、95%CI 1.04
8-1.077、P<0.001)。55-80歳
の患者さんの総生存期間中央値
も、2010-13 年は有意な増加が
みられませんでしたが(15.8カ
月から18.1カ月),2014-18年は
1年当たり11.9%上昇しました
(19.7カ月から28.2カ月)。多
変量調整解析で、死亡のハザー
ドは2014年以前より2014年以降
に有意に速く低下しました (P
<0.001)。

 低線量CT肺ガン検診で肺ガン

死亡が減るかという動画です。

 
 


 
 
 物価上昇中は、定価の低下が
期待できない。      笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 抗酸化ホルモンが、褐色脂肪組織での熱産生を障害

 
 
 
 
 
 金沢大学は3月30日、糖尿病
で高まる抗酸化ホルモンである
セレノプロテインPが活性酸素
を過剰に消去することで、褐色
脂肪組織での熱産生を障害する
ことを発見したと発表しました。
この研究は、同大総合技術部生
命部門の高山浩昭技術専門職員、
医薬保健研究域医学系内分泌・
代謝内科学の篁俊成教授らと、
東北大学、北海道大学、天使大
学の研究グループによるもので
す。研究成果は、「Cell Repor
ts」オンライン版に掲載されて
います。

 動物の身体には大きく分けて
白色脂肪組織と褐色脂肪組織の
2種類の脂肪組織が存在してい
ます。白色脂肪組織はエネルギ
ーを蓄えるための脂肪組織で、
一般によく知られている皮下脂
肪や内臓脂肪が該当します。一
方で褐色脂肪組織は役割が全く
異なり、脂肪を燃焼し熱を産生
する脂肪組織です。褐色脂肪組
織は特に新生児に多く存在して
おり、赤ちゃんの体温維持にと
ても重要な役割を果たしている
ことが知られています。近年、
この褐色脂肪組織を活性化して
熱産生を高めることが将来の代
謝疾患の治療法になるのではな
いかとして注目を集めています。
しかし、この褐色脂肪組織は肥
満・糖尿病・加齢によって活性
が低下することが報告されてお
り、またその理由は十分にわか
っていません。

 過剰な活性酸素による酸化ス
トレスが、老化、ガン、生活習
慣病の原因となることが近年注
目されています。一方、適切に
調節された活性酸素は、細胞内
の情報伝達を促進し、刺激に対
する身体の応答を助けています。
研究グループはこれまでに、2
型糖尿病患者さんでは抗酸化能
を持つホルモンのセレノプロテ
インPの血中濃度が上昇し、高
血糖を増悪させること、過剰な
セレノプロテインPが骨格筋に
作用し運動の健康増進効果を弱
めることを報告しています。

 まず、健常成人男性43人の褐
色脂肪活性と血中セレノプロテ
インP濃度を解析した所、血中
セレノプロテインP濃度が高い
人ほど褐色脂肪活性が低いこと
が分かりました。

 また、セレノプロテインP欠
損マウスは正常なマウスと比べ
て、寒冷刺激後の褐色脂肪組織
周囲(マウス背上部)の温度が
高くなっていることが分かりま
した。セレノプロテインP欠損
マウスは熱産生蛋白質UCP1の活
性が高くなっており、このマウ
スに抗酸化剤を投与すると、UC
P1の活性化はなくなりました。
このことは、過剰な抗酸化力が
むしろ熱産生を障害することを
示しています。

 さらに、培養褐色脂肪細胞に
熱産生ホルモンであるノルアド
レナリンを投与すると活性酸素
が増加し細胞温度が上昇しまし
たが、セレノプロテインPを予
め処置しておくとこれらのノル
アドレナリンの作用が消失しま
した。加えて、抗酸化酵素のひ
とつであるGPX4を抑制しておく
と、褐色脂肪細胞でのセレノプ
ロテインPの作用が消失しまし
た。このことは、セレノプロテ
インPはGPX4を介して熱産生抑
制作用を発現することを示して
います。

 以上の結果から、セレノプロ
テインPは褐色脂肪組織におい
て熱産生を高める“良い活性酸
素”を消去することで、熱産生
を障害することが明らかになり
ました。健康な状態では、セレ
ノプロテインPは熱産生が高ま
りすぎないように調節する、ブ
レーキ役として働いていると想
定される一方、糖尿病状態にな
るとセレノプロテインPが過剰
になってしまい、熱産生を低下
させてしまうと考えられます。
研究グループは、このような過
剰な抗酸化による機能障害を「
還元ストレス」と提唱しました。

 褐色脂肪組織からの熱産生に
は、適度なストレスが必要であ
ることが分かりました。つまり、
行き過ぎた抗酸化サプリの内服
が、熱産生を抑えることで、肥
満症や糖尿病の誘引となる可能
性があります。セレノプロテイ
ンPの血中濃度は2型糖尿病患
者さんや高齢者で上昇しており、
このような人たちでは、セレノ
プロテインPが過剰にあるため
に、褐色脂肪熱産生が低下して
いる可能性があります。「今後、
褐色脂肪組織でのセレノプロテ
インPの産生あるいは作用を抑
える薬剤が、エネルギー消費を
亢進することで、肥満症や2型
糖尿病をはじめとする代謝疾患
を改善する薬となることが期待
される」と、研究グループは述
べています。

 褐色脂肪細胞について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 酸性の物質を産生した。 笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 米国のガン登録データベース
を用いて、2013年に導入された
低線量CT検診による診断時の肺
ガン病期や生存期間の変化を擬
似実験(quasi-experimental s
tudy)で検討したのは、素晴ら
しい業績です。低線量CT検査を
導入しただけで、肺ガンの病期
や生存期間に影響を与えるとは、
低侵襲の検査の重要性を認識さ
せられました。検診で早期に発
見されれば、早期に治療が開始
され、このような結果になるこ
とは、いとも簡単に推測できる
のですが、これからも低線量CT
のみならず、低侵襲の検診を推
進してゆくべきだと感じました。
 金沢大学が3月30日、糖尿病
で高まる抗酸化ホルモンである
セレノプロテインPが活性酸素
を過剰に消去することで、褐色
脂肪組織での熱産生を障害する
ことを発見したと発表したのは、
素晴らしい業績です。このよう
なホルモンを阻害することで、
糖尿病や肥満の解消を狙うこと
は、エレガントな手法であると
思います。過剰な抗酸化物質を
投与した時、熱産生を抑えるこ
とで、肥満症や糖尿病の誘引と
なる可能性があるということで
すが、具体的には、どのような
抗酸化物質をどの程度投与する
ことで還元ストレスがおこるの
か興味を惹かれる所です。

 快勝で、ストレスを解消した。


 
 
 
 
 
 
 
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