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診療マル秘裏話  号外Vol.2405 令和4年4月18日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)子宮平滑筋肉腫,PLK1阻害剤とCHEK1阻害剤有効
2)超低カロリー食で肥満の線維筋痛症患者の症状改善

 
 
 
 
 
 
 
 
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さい。

 
 
 
 
 
1】 子宮平滑筋肉腫,PLK1阻害剤とCHEK1阻害剤有効

 
 
 
 
 
 
 3月18日、国立ガン研究セン
ターは、次世代シークエンスに
よる網羅的遺伝子解析によって
子宮平滑筋肉腫の病態の一部を
解明し、PLK1阻害剤(BI-2536)
とCHEK1阻害剤(プレクサセル
チブ)が極めて高い抗腫瘍効果
を有することを明らかにしたと
発表しました。

 この研究成果は、名古屋大学
大学院医学系研究科産婦人科学
の梶山広明教授、吉田康将特任
助教、同大学医学部附属病院産
婦人科の横井暁病院助教、国立
ガン研究センター研究所病態情
報学ユニットの山本雄介ユニッ
ト長、国立ガン研究センター中
央病院婦人腫瘍科の加藤友康科
長らの研究グループによるもの
で、医学誌「Clinical Cancer
Research」に3月18日付で記載
されています。

 肉腫とは悪性軟部腫瘍の総称
で、全身のあらゆる臓器で生じ、
組織型や発生部位において多彩
な特徴をもつ希少ガンのひとつ
です。肉腫の一部である子宮平
滑筋肉腫も希少ガンであり、病
態も解明されていない部分が多
いとされています。また、手術
にて完全切除が行えたとしても
早期に再発をする予後不良なガ
ン腫です。近年、子宮平滑筋肉
腫を含む悪性軟部腫瘍に対する
新規治療薬の開発が行われてい
ますが,進行/再発子宮肉腫に対
する生存期間中央値は1~2年程
度と効果は限定的です。

 今回の研究では、まず子宮平
滑筋肉腫患者さんの組織を次世
代シーケンスを用いて網羅的に
遺伝子発現を解析しました。次
に同定された細胞周期に関与す
る複数の酵素に対して、阻害剤
の抗腫瘍効果を検証しました。

 その結果、良性腫瘍と比較す
ると子宮平滑筋肉腫では512 個
の遺伝子が発現変動しており、
細胞周期と関連のある複数の酵
素(PLK1、CHEK1、CDK1、AURKB
など)の活性化が明らかになっ
たということです。また、公共
データベースに登録されている
子宮平滑筋肉腫のデータを検証
した所、同様の結果が確認され、
細胞周期関連酵素の異常な活性
化は子宮平滑筋肉腫の治療標的
であることが示唆されました。

 そこで、複数の阻害剤の抗腫
瘍効果を確認した所、PLK1阻害
剤(BI-2536)とCHEK1阻害剤(
プレクサセルチブ)は、子宮平
滑筋細胞の細胞周期を制止し、
細胞死へ導くという高い抗腫瘍
効果を認めたということです。

 さらにCHEK1阻害剤では,シス
プラチンやトラベクテジンなど
の殺細胞性抗ガン剤との相乗効
果を確認しました。マウスモデ
ルにおいて,BI-2536単剤療法と
プレクサセルチブ+シスプラチ
ン併用療法は、腫瘍増大を有意
に抑制することが確認したとい
うことです。

 なお、両剤は他ガン腫におい
て既に臨床試験が実施されてお
り、ヒトでの安全性データも得
られています。今後の展開とし
て研究チームはリリースにて「
子宮平滑筋肉腫に対しても早期
に臨床試験を企画し、臨床的な
効果の検証が期待されます」と
述べています。

 次世代シーケンス:DNAやRNA
を解析する装置です。膨大な量
の遺伝子を高速に安価に解析で
きます。

 細胞周期:細胞分裂により生
じた細胞が、再び分裂して2つ
の細胞になるまでの過程のこと
を言います。細胞周期が速いと
細胞の増殖速度が速いとされて
います。

 子宮肉腫について解説してい

る動画です。

 
 


 
 
 仮定の家庭の過程を考慮して
待遇を決める。      笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 超低カロリー食で肥満の線維筋痛症患者の症状改善

 
 
 
 
 
 摂取カロリーを800 kcalに制
限する12週間の超低カロリー食
(VLED)を実施した肥満の線維
筋痛症患者さんを対象に、介入
の初期段階(大幅な減量前)の
疼痛などの症状改善を観察研究
で検討しました。介入前の疼痛
および関連症状の程度が高く(
Fibromyalgia Survey Criteria
スコア4点以上)、VLED介入を3
週間以上実施した患者さん195
例を対象としました。

 その結果、患者さんの72%が
が3週時点までにFibromyalgia
Survey Criteria スコアで評価
した症状が30%以上改善しまし
たが、評価時点の体重減少量に
差はありませんでした。ほとん
ど改善しないか全く改善しなか
った(改善30%未満)患者さん
は介入前のBMI が高く、うつ病
診断率が高いという結果がでま
した(いずれもP<0.05)。

 線維筋痛症について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 体重減少につながる現象。笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 3月18日、国立ガン研究セン
ターが、次世代シークエンスに
よる網羅的遺伝子解析によって
子宮平滑筋肉腫の病態の一部を
解明し、PLK1阻害剤(BI-2536)
とCHEK1阻害剤(プレクサセル
チブ)が極めて高い抗腫瘍効果
を有することを明らかにしたと
発表したのは、素晴らしい業績
です。分子標的薬の選択を誤ら
なければ、成果がでるというこ
とです。 BI-2536単剤療法とプ
レクサセルチブ+シスプラチン
併用療法は、腫瘍増大を有意に
抑制することが確認したとのこ
とですが、クロノテラピーでな
ければ、副作用甚大で患者さん
の侵襲が多すぎると私は考えて
います。
 摂取カロリーを800 kcalに制
限する12週間の超低カロリー食
(VLED)を実施した肥満の線維
筋痛症患者さんを対象に、介入
の初期段階(大幅な減量前)の
疼痛などの症状改善を観察研究
で検討し、その結果、患者さん
の72%がが3週時点までにFibro
myalgia Survey Criteria スコ
アで評価した症状が30%以上改
善したことは、注目に値すると
思います。しかし、超カロリー
食にしただけでは、体重減少が
認められないのは、当然のこと
であり、超カロリー食の内容に
よっては、リバウンドして体重
が増える可能性が高いと思われ
ます。超カロリー食の内容をこ
れから吟味するべきだと私は、
考えています。

 内容が無いよう。    笑

 
 
 
 
 
 
 
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診療マル秘裏話  号外Vol.2404 令和4年4月17日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)ガン患者の29%が亡くなる直前に強い痛みを自覚
2)生理の貧困に関する厚生労働省の初の実態調査

 
 
 
 
 
 
 
 
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1】 ガン患者の29%が亡くなる直前に強い痛みを自覚

 
 
 
 
 
 
 国立ガン研究センターは3月
24日、ガン患者さんの29%が亡
くなる前の1週間に強い痛みを
感じていたとする実態調査の結
果を公表しました。遺族約5万4
千人に対するアンケートで、緩
和ケアに関する課題が浮き彫り
になりました。

 痛みの理由は「医療者は苦痛
に対処してくれたが不十分だっ
た」(28%)、「診察回数や診
察時間が不十分だった」(10%)
のほか、床擦れや骨折、腰痛な
ど「ガン以外の病気の症状によ
る痛みがあった」「認知症で本
人が意思表示できなかった」と
いった回答がありました。

 一方で「医療者はつらい症状
に速やかに対応していた」との
回答は82%に上るなど、医療者
への評価は良好でした。

 このニュースのニュース

動画です。

 
 


 
 
 大所高所から対処する。 笑

 
 
 
 
 
 
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2】 生理の貧困に関する厚生労働省の初の実態調査

 
 
 
 
 
 「生理の貧困」に関する厚生
労働省の初の実態調査を受け、
問題に取り組む団体が会見し、
「社会全体で支援する仕組みが
必要だ」と訴えました。

 経済的な理由などで生理用品
が入手できないいわゆる「生理
の貧困」についての実態調査で
は、1割近くの女性が「生理用
品の購入や入手に苦労したこと
がある」と回答しました。

 この問題に取り組む団体は3
月25日に会見し、厚労省の調査
実施に一定の評価を示したうえ
で「個人への啓発にとどまらず、
社会全体での支援が必要で、今
後、国などが具体的な取り組み
を示す必要がある」と訴えまし
た。

 具体的には国や自治体に対し、
生理用品への軽減税率や学校の
トイレの個室に置くなどの支援
を求めました。

 生理の貧困について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 生理用品の問題を整理する。


 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
編集後記

 
 国立ガン研究センターは3月
24日、ガン患者さんの29%が亡
くなる前の1週間に強い痛みを
感じていたとする実態調査の結
果を公表したのは、残念なこと
です。疼痛緩和に麻薬を使用し
ている限り、このような不満は
生ずるものと私は、考えていま
す。このような不満に対し、麻
薬の量を極端に増やすと患者さ
んの死期を早めるつもりかとい
う不満がでるので悩ましい問題
です。末期の疼痛に関する解決
法としては、ラクトフェリンを
使う(麻薬の鎮痛効果を数倍か
ら、数十倍にできる)、アロマ
テラピーを同時に施し、リラッ
クス効果と睡眠を取れるように
試みる。本人が希望する事柄を
叶えてあげる(私の患者さんの
場合は、病院の最上階のレスト
ランで食事をするでした)など
があります。
 「生理の貧困」に関する厚生
労働省の初の実態調査を受け、
問題に取り組む団体が会見し、
「社会全体で支援する仕組みが
必要だ」と訴えたのは、正しい
ことだと思います。しかしなが
ら、現代女性の一生の生理回数
は、約450回です。それに対し、
昔の女性の生理回数は約50回だ
ったという研究報告があります。
8~9倍、現代女性のほうが、生
理回数が多いのです。その理由
には、昔の女性に比べ、子ども
をたくさん産まない、授乳経験
が少ない、出産年齢の上昇、晩
婚化、初潮(初経)年齢が早い、
閉経年齢が遅いなどが考えられ
ます。生理だから、鎮痛剤を内
服するのは、当たり前と考えて
いる女性が多いようです。しか
し、鎮痛剤を内服するほどの生
理痛には必ず原因があり、治療
が必要と考えられます。

 所長のお嬢さんが初潮を迎え
る。           笑

 
 
 
 
 
 
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2023-02-16 07:39:21

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診療マル秘裏話  号外Vol.2403 令和4年4月16日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)PI3K-δ/γ二重阻害薬CLLとSLL治療薬承認申請
2)アトピー性皮膚炎の合併症にさまざまな眼病変

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
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から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
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不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 PI3K-δ/γ二重阻害薬CLLとSLL治療薬承認申請

 
 
 
 
 
 
 ヤクルトは3月24日、ファー
ストインクラスの経口ホスファ
チジルイノシトール-3-キナー
ゼ(PI3K)-δ/γ二重阻害薬du
velisib(開発コードYHI-1702)
について、再発・難治性の慢性
リンパ性白血病(CLL) および
小リンパ球性リンパ腫(SLL)
の治療薬として厚生労働省に承
認申請を行ったと発表しました。

 PI3K-δ/γは、悪性のB細胞
およびT細胞の増殖と生存に関
与していることが知られており、
duvelisibはこれら2つの酵素を
阻害します。今回の承認申請は、
CLLおよびSLL患者さんを対象に
実施された国内第1相臨床試験、
および国際第3相ランダム化比
較試験DUO などの成績に基づき
ます。

 DUO 試験では、再発・難治性
のCLLおよびSLLを対象に、duve
lisib の有効性および安全性が
抗CD20抗体オファツムマブを対
照として検証しました。主要評
価項目である無増悪生存(PFS)
の中央値は、オファツムマブ群
の9.9 カ月に対し,duvelisib群
では13.3カ月と有意な延長が認
められました(ハザード比0.52、
P<0.0001、Blood 2018; 132:
2446-2455)。

 同薬は既に、欧米を含む32カ
国において承認されています。
またCLLおよびSLLの他、末梢性
T細胞リンパ腫、濾胞性リンパ
腫、成人T細胞白血病・リンパ
腫を対象に臨床試験が行われて
います。承認されれば、日本に
おけるファーストインクラス薬
となります。

 CLLおよびSLLの日本での発症
率は10万人・年当たり1人未満
とまれなガンとされています。
通常緩徐に進行しますが、一部
治療に不応または治療後に再発
することがあり、新たな治療選
択肢が必要とされています。

 慢性リンパ性白血病につい

て解説している動画です。

 
 


 
 
 
 大将を対象にアンケートを行
う。           笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 アトピー性皮膚炎の合併症にさまざまな眼病変

 
 
 
 
 
 アトピー性皮膚炎の合併症に
アレルギー性結膜炎が多いこと
は知られていますが、その他の
目の疾患も起こり得ます。藤田
医科大学ばんたね病院(名古屋
市)総合アレルギー科・総合ア
レルギーセンターの矢上晶子教
授に聞きました。

 矢上教授は「アレルギー性結
膜炎や目の周りの皮膚に湿疹や
かゆみがあると、特に未成年の
場合、目の辺りをこすったり、
たたいたりすることが多くなり
ます。それを繰り返すうちに目
に傷ができ、さまざまな眼病変
を招くきっかけになります」と
説明しています。

 「目の表面の角膜が傷つくと、
角膜がただれる、濁るなどの異
常が生じます。角膜が部分的に
薄くなる『円すい角膜』に進ん
だり、さらに白内障や網膜剥離
を起こしたりすることもありま
す」。白内障は1~3割、網膜
剥離は1~8%の割合でアトピ
ー性皮膚炎に合併すると報告さ
れているということです。

 また、緑内障を起こす場合も
あります。「目の周りの皮膚へ
のステロイド外用薬や目の炎症
を抑えるステロイド点眼薬を長
く使用している人は、緑内障の
リスクが高くなります」と矢上
教授は言っています。

 「逆に、ステロイドによる副
作用を心配してまぶた周囲の湿
疹の治療を行わないと、湿疹や
かゆみが続き、長期間かいたり
たたいたりすると、手術が必要
な白内障や網膜剥離になってし
まうこともあります」と矢上教
授は言っています。

 「アトピー性皮膚炎の患者さ
んの5~7割に何らかの目の合
併症があると考えます。起きた
ら、眼科で早期に治療を受けて
ください。放置したり、不適切
な民間療法を行ったりしている
うちに進行し、失明する人もい
ます」と矢上教授と警告してい
ます。

 「目の症状は、早期だと気付
かないことがあります。視力低
下などの自覚症状がなくても、
眼科を定期的に受診し、合併症
がないかをチェックしてもらっ
てください」その上で矢上教授
は「目の合併症を予防するため
にも、アトピー性皮膚炎に対す
る治療を適切に受けることが非
常に重要です」と訴えています。

 症状によって、ステロイド外
用薬や非ステロイド外用薬をう
まく使い分けた治療が望まれま
す。「未成年の場合は、スキン
ケアをきちんと行えるよう、家
族の協力が必要です。信頼でき
る医療情報を得ることも大切で
す」と話しています。

 アトピー性皮膚炎と眼の病気

について解説している動画です。

 
 


 
 
 
 強力な協力を必要とする。笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
編集後記

 
 ヤクルトが3月24日、ファー
ストインクラスの経口ホスファ
チジルイノシトール-3-キナー
ゼ(PI3K)-δ/γ二重阻害薬du
velisib(開発コードYHI-1702)
について、再発・難治性の慢性
リンパ性白血病(CLL) および
小リンパ球性リンパ腫(SLL)
の治療薬として厚生労働省に承
認申請を行ったと発表したのは、
喜ばしいことです。これらの病
気は、通常緩徐に進行しますが、
一部治療に不応または治療後に
再発することがあり、新たな治
療選択肢として最適なのではな
いでしょうか?
 アトピー性皮膚炎の合併症に
アレルギー性結膜炎が多いこと
は知られていますが、その他の
目の疾患も起こり得ることは、
余り知られていません。アレル
ギー性結膜炎や目の周りの皮膚
に湿疹やかゆみがあると、特に
未成年の場合、目の辺りをこす
ったり、たたいたりすることが
多くなり、それを繰り返すうち
に目に傷ができ、さまざまな眼
病変を招くきっかけになるとい
うことですから、デリケートな
眼の部分を早い段階で保護する
ことが必要であると考えられま
す。

 団塊の世代は早い段階で高齢
化による不利益が指摘されてい
ました。         笑

 
 
 
 
 
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2023-02-15 08:27:47

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診療マル秘裏話  Vol.903 令和3年3月31日作成
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目次

1)2型自然リンパ球,GM-CSF分泌で血球数回復に関与
2)出生時体重大男性でIGF-1濃度とDMリスクが逆相関

 
 
 
 
 
 
 
 
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1】 2型自然リンパ球,GM-CSF分泌で血球数回復に関与

 
 
 
 
 大阪大学は3月8日、骨髄中の
2型自然リンパ球が、抗ガン剤
治療後の骨髄傷害を感知し、顆
粒球単球コロニー刺激因子(GM
-CSF)を分泌することで血球数
の回復に関わることを世界で初
めて明らかにしたと発表しまし
た。この研究は、同大大学院医
学系研究科の數藤孝雄助教、石
井優教授(IFReC 免疫細胞生物
学)らの研究グループによるも
のです。研究成果は、「Journa
l of Experimental Medicine」
にオンライン掲載されています。

 白血球などの血球細胞は、骨
髄内に存在する造血前駆細胞か
ら産生されます。通常は、作ら
れる細胞と壊される細胞のバラ
ンスがとられ、骨髄の細胞数は
ほぼ一定の数に保たれています。
しかし、抗ガン剤治療を受ける
と、副作用として骨髄中の血球
細胞が大きく減少し、感染症リ
スクが上がります。そのため、
骨髄内では生き残った造血前駆
細胞が盛んに分裂し、血球を増
やそうとしますが、これまでそ
のメカニズムは明らかではあり
ませんでした。

 抗ガン剤治療後の血球回復が
生じるメカニズムを明らかにす
ることで、骨髄での造血システ
ムの解明が進み、血球細胞を増
やすことを目的とした臨床応用
にも役立つと考えられます。

 今回、研究グループは、生体
イメージング技術を用いて、抗
ガン剤投与後の骨髄に移植され
た造血前駆細胞の動きが通常と
異なることに着目しました。こ
の造血前駆細胞の遺伝子発現を
網羅的に調べることによって、
抗ガン剤投与後の骨髄環境から
GM-CSFの刺激を受けて増殖して
いることが分かりました。

 続いて、「1細胞RNA解析」を
用いて、各細胞の遺伝子発現を
詳しく調べた所、2型自然リン
パ球がGM-CSFを分泌しているこ
とを突きとめました。このリン
パ球は、普段活発にGM-CSFを分
泌していませんが、骨髄の中で
細胞死が起こるとそれを感知し、
GM-CSFの遺伝子発現を上昇させ
ることが判明しました。

 2型自然リンパ球をマウスの
骨髄から採取して培養し、体外
で増やし、抗ガン剤投与後のマ
ウスに移植すると、造血細胞の
回復が早まることが分かったと
いうことです。

 生体は元々、抗ガン剤で傷つ
いた骨髄を再生させる能力を有
しています。今回の研究では、
その再生メカニズムの1つが明
らかとなりました。

 同研究成果により、血球細胞
を体外で増やす方法の開発や、
抗ガン剤治療や骨髄移植後の白
血球減少症の治療法開発に役立
つと考えられる、と研究グルー
プは述べています。

 2型自然リンパ球について

解説している動画です。

 
 


 
 
 完治可能であることを感知し
た。           笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 出生時体重大男性でIGF-1濃度とDMリスクが逆相関

 
 
 
 
 
 
 インスリン様成長因子(IGF)-1は、
胎児および若年期の成長と2型
糖尿病発症に関連することが知
られています。シンガポール・
National University of Singa
poreのTingting Geng氏らは、U
K Biobank 登録者18万人超を対
象に出生時の体重および成人時
の血中IGF-1濃度と2型糖尿病
発症リスクとの関連を検討する
前向きコホート研究を実施しま
した。その結果、出生時体重が
2,500g以上の男性ではIGF-1濃
度と2型糖尿病発症リスクに逆
相関関係が見られた、とBMJ Op
en Diabetes Res Care (2021;
9: e001885)に発表しました。

 Geng氏らは、UK Biobank登録
者のうちベースライン時に糖尿
病や心血管疾患を有していない
39〜70歳の18万1,090人(女性1
1万2,736人、男性6万8,354人)
を対象に、出生時体重および成
人時の血中IGF-1濃度と2型糖
尿病発症リスクとの関連につい
て検討しました。

 社会的・人口統計学的情報、
食事、ライフスタイル(喫煙状
況、アルコール摂取量、睡眠時
間、習慣的な身体活動)、若年
期の生活要因(出生時体重およ
び母親の喫煙歴)、病歴に関す
る情報を入手しました。血中IG
F-1 濃度は化学発光イムノアッ
セイ法を使用して測定しました。
出生時体重は自己申告によるも
のですが、遺伝的に決定される
出生時体重を定義するために遺
伝的リスクスコア(GRS) を算
出しました。評価項目は2型糖
尿病の発症としました。

 平均9.9(標準偏差1.4)年の
追跡期間中に3,299人が2型糖尿
病を発症しました。出生時体重
2,500g以上では、IGF-1濃度と
2型糖尿病に逆相関が認められ、
IGF-1濃度が低いほど2型糖尿
病発症リスクが有意に高いとい
う結果がでました(傾向のP <
0.001)。

 危険因子などを調整しIGF-1
濃度で5分位に分けると、出生
体重2,500g以上の2型糖尿病リ
スクは第1五分位群に対して第
2五分位群では14%〔ハザード
比(HR) 0.86、95%CI 0.76〜
0.97〕、第3五分位群では18%
(同0.82、0.72〜0.93)、第4
五分位群では29%(同0.71、0.
61〜0.81)、第5五分位群では
26%(同0.74、0.64〜0.85)低
いという結果がでました。

 一方、出生時体重2,500g未満
では、IGF-1値と2型糖尿病リ
スクとの間に有意な関連は認め
らませんでした(傾向のP=0.6
1)。

 なお、2型糖尿病発症におけ
る出生時体重とIGF-1濃度との
相互作用は男性では認められま
した(相互作用のP=0.01)が、
女性では認められませんでした
(相互作用のP= 0.11)。男性
においてのみ、出生時体重2,50
0g以上でIGF-1濃度と2型糖尿
病リスクに逆相関が認められま
した(傾向のP<0.001)。

 2型糖尿病発症リスクにおい
て出生時体重のGRSとIGF-1濃度
に相互作用は認めらませんでし
た(相互作用のP= 0.47)。

 IGF-1濃度低値例には、高齢、
貧困、喫煙者、飲酒の習慣、BM
I 高値、睡眠時間が短/長い、
健康状態不良、高血圧、母親の
喫煙歴の他、総コレステロール、
トリグリセライド、C反応性蛋
白が高値などの傾向が認められ
ました。

 以上の結果から、Geng氏は「
出生時体重が成人期の血中IGF-
1値と2型糖尿病リスクの関係
に影響を及ぼすこと、成人期の
2型糖尿病発症は若年期と成人
期の両方の危険因子によって決
定されることが示された。IGF-
1と2型糖尿病に対する生涯に
わたる予防戦略を講じる上で、
若年期の危険因子の重要性を強
調するものだ」と結論していま
す。

 成長ホルモンとIGF-1につい

て解説している動画です。

 
 


 
 
 
 蛍光ペンを使う傾向が認めら
れた。          笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 大阪大学が3月8日、骨髄中の
2型自然リンパ球が、抗ガン剤
治療後の骨髄傷害を感知し、顆
粒球単球コロニー刺激因子(GM
-CSF)を分泌することで血球数
の回復に関わることを世界で初
めて明らかにしたと発表したの
は、素晴らしい業績です。しか
し、骨髄障害自体をできるだけ
避ける治療にすることこそ求め
られているのだと私は考えてい
ます。そのためには、抗ガン剤
の治療をクロノテラピーで行う
必要があると思います。ただ、
抗ガン剤治療以外の骨髄障害の
場合に2型自然リンパ球が効果
を発揮するか否か調査する必要
があります。
 シンガポール・National Un
iversity of SingaporeのTing
ting Geng氏らが、UK Biobank
登録者18万人超を対象に出生
時の体重および成人時の血中I
GF-1濃度と2型糖尿病発症リ
スクとの関連を検討する前向き
コホート研究を実施し、その結
果、出生時体重が2,500g以上の
男性ではIGF-1濃度と2型糖尿
病発症リスクに逆相関関係が見
られた、とBMJ Open Diabetes
Res Care (2021; 9: e001885)
に発表したのは、素晴らしい業
績です。IGF-1と2型糖尿病に
対する生涯にわたる予防戦略を
講じる上で、若年期の危険因子
の重要性を考慮するべきだと言
うことでしょう。

 拳闘の試合での健闘を検討し
た。           笑

 
 
 
 
 
 
 
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藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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診療マル秘裏話  号外Vol.2402 令和4年4月15日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)阪大がゼブラフィッシュでガン初期発生機構一端解明
2)制吐薬使用が虚血性脳卒中リスクの上昇と関連

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
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吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 阪大がゼブラフィッシュでガン初期発生機構一端解明

 
 
 
 
 
 
 大阪大学微生物病研究所の石
谷太教授の研究グループはゼブ
ラフィッシュを用い、ガン初期
発生機構の一端を明らかにしま
した。上皮組織に生じた前ガン
細胞(ガン遺伝子などに変異を
持つ細胞)の動きを可視化解析
する実験系を構築しました。前
ガン細胞が存在しても健康な組
織の場合は同細胞の排除活性を
持ち、一方でダメージを負った
組織では腫瘍を形成します。そ
の違いには老化細胞の役割が密
接に関わっていたことが分かり
ました。ガン発生の初期段階へ
の理解を深め、予防対策に近づ
く成果といえそうです。成果は
英科学誌「ネイチャーコミュニ
ケーションズ」に掲載されまし
た。ガンの初期発生機構は、解
析困難でほとんど未解明です。

 上皮にヒトの代表的なガン遺
伝子Rasによって変異した細
胞(前ガン細胞)が発生するよ
うに操作した同モデル(稚魚)
を用いて観察した所、腫瘍がで
きず、ガンの抑制を確認しまし
た。周辺の正常細胞が前ガン細
胞を速やかに増殖停止させ、老
化細胞化させて体外に排出して
いました。一方、ガン抑制遺伝
子であるp53にも変異を与え
たRas二重変異細胞を持つ同
モデルでは、腫瘍が形成されま
した。二重変異の前ガン細胞が
周辺の正常細胞を巻き込み、ダ
メージを加えて細胞老化と増殖
を促す仕組みが存在していまし
た。

 ガン発生の理由と予防方法

について解説している動画です。

 
 


 
 
 主要な腫瘍の形成を抑制する
物質。          笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 制吐薬使用が虚血性脳卒中リスクの上昇と関連

 
 
 
 
 
 制吐薬の使用が虚血性脳卒中
リスクの上昇と関連していまし
た。フランス・Bordeaux Unive
rsityのAnne Bénard-Laribière
氏らは、同国の全国保健データ
システムSystème National des
Données de Santé(SNDS) の
データを用いて、ドパミン受容
体拮抗作用を有する制吐薬(AD
A) と虚血性脳卒中の関係をケ
ースタイムコントロール解析法
で検討した結果をBMJ(2022; 3
76: e066192)に報告しました。

 ADA は抗精神病薬と同様に、
脳内のドパミン活性を阻害し、
片頭痛、化学療法・放射線療法・
手術後に引き起こされる嘔気・
嘔吐を軽減するために広く使用
されています。これまで抗精神
病薬は虚血性脳卒中リスクの上
昇に関連することが報告されて
いますが、ADA などのドパミン
受容体拮抗薬と虚血性脳卒中リ
スクの関連は明らかではありま
せん。そこでBénard-Laribière
氏らは、SNDSのデータを用いて
ADA と虚血性脳卒中の関係を検
討しました。

 対象はSNDSに登録された1万3
,922例のうち、18歳以上で2012
~16 年に初めて虚血性脳卒中
と診断され脳卒中発症前70日以
内に少なくとも1回ADA(ドンペ
リドン、metopimazine、メトク
ロプラミド)の償還を受けた患
者さん(症例群:脳血管疾患、
ガンの既往、観察期間前に1回
以上ADA の償還を受けた者など
は除外)。各患者のリスク期間
(脳卒中発症前1~14日)と3つ
の参照期間(1. 脳卒中発症前
29~42日、2. 43~56日、3.
57~70日)におけるADA 償還回
数を比較しました。また脳卒中
患者さんと年齢、性、虚血性脳
卒中の危険因子をマッチングさ
せ、同時期にADA の償還を受け
た脳卒中未発症例をランダムに
選択して時間系列対照群とし、
症例群のリスク期間と3つの参
照期間におけるADA 償還回数を
比較しました。解析は、抗凝固
薬、抗血小板薬、血栓形成促進
薬、血管収縮薬などの時間依存
性交絡因子を調整して行いまし
た。

 解析対象は,症例群2,824例中
2,612例(平均年齢71.9歳,男性
33.9%)です。うちリスク期間
にADAを服用した患者さんは1,2
50例、参照期間にADA を服用し
た患者さんは,1,060例でした。
一方、時間系列対照群2万1,859
例のうち、リスク期間にADA を
服用した患者さんは5,128例,参
照期間にADA を服用した患者さ
んは1万3,165例でした。

 条件付きロジスティック回帰
分析法を用いて、症例群および
時間系列対照群のケースクロス
オーバー調整オッズ比(aOR)
を算出し、症例群のaOR を時間
系列対照群のaOR で割って算出
したケースタイムコントロール
解析によるaOR の比は3.12(95
%CI 2.85~3.42)で,脳卒中発
症直前の14日間にADA を服用し
た患者さんでは脳卒中発症リス
クが有意に高いという結果でし
た。年齢(70歳以上/未満)、
性、認知症歴、胃腸炎流行期で
層別化した解析でも同様の結果
でした。ケースタイムコントロ
ール解析によるaOR の比が最も
大きかったのは男性(3.59、95
%CI 3.06~4.20)でした。

 ADA の種類別に行ったケース
タイムコントロール解析による
aOR の比は、ドンペリドンで2.
51(95%CI 2.18~ 2.88)、me
topimazineで3.62(同3.11~ 4
.23)、メトクロプラミドで3.5
3(同2.62 ~ 4.76)と,血液脳
関門を通過する薬剤でより高い
という結果でした。

 以上から、Bénard-Laribière
氏らは「ADA の使用は虚血性脳
卒中リスクの上昇に関連してい
た」と結論しました。「特に血
液脳関門を通過するmetopimazi
neとメトクロプラミドでリスク
が高かったことから、ADA が脳
血流に影響を及ぼした可能性が
考えられる」と付言しました。

 制吐薬について解説している

動画です。

 
 


 
 
 
 
 持参分の通貨を税関で通過さ
せる。          笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
編集後記

 
 大阪大学微生物病研究所の石
谷太教授の研究グループがゼブ
ラフィッシュを用い、ガン初期
発生機構の一端を明らかにした
のは、素晴らしい業績です。上
皮組織に生じた前ガン細胞(ガ
ン遺伝子などに変異を持つ細胞)
の動きを可視化解析する実験系
を構築しするだけでも、本当に
凄い業績と言えるものだと思い
ます。その実験系を使って、前
ガン細胞が存在しても健康な組
織の場合は同細胞の排除活性を
持ち、一方でダメージを負った
組織では腫瘍を形成することが
分かったのは画期的な発見と言
えましょう。その違いには老化
細胞の役割が密接に関わってい
たことが、分かったのも意外で
した。
 制吐薬の使用が虚血性脳卒中
リスクの上昇と関連していたの
は、意外でした。制吐剤の副作
用として、錐体外路症状が知ら
れていますが、虚血性脳卒中リ
スクがあるとは聞いたことがあ
りませんでした。フランス・Bo
rdeaux UniversityのAnne Béna
rd-Laribière氏らが、同国の全
国保健データシステムSystème
National des Données de Sant
é(SNDS) のデータを用いて、
ドパミン受容体拮抗作用を有す
る制吐薬(ADA) と虚血性脳卒
中の関係をケースタイムコント
ロール解析法で検討した結果を
BMJ(2022; 376: e066192) に
報告したのは、素晴らしい業績
です。

 私用の使用を追究される。笑

 
 
 
 
 
 
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★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)リン酸化hTERT免疫染色法は高悪性度ガンの検出法
2)舌の動きの衰えは2年後にフレイルになるリスクが高い

 
 
 
 
 
 
 
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1】 リン酸化hTERT免疫染色法は高悪性度ガンの検出法

 
 
 
 
 
 
 香川大学医学部腫瘍病理学・
松田陽子教授と国立ガン研究セ
ンター研究所ガン幹細胞研究分
野・増富健吉分野長らによるこ
れまでの研究によって、リン酸
化hTERT (テロメラーゼ逆転写
酵素)にはテロメアに関わらな
い新機能を有することが分かっ
ていました (Yasukawa, et al.
Nat Comm, 2020)。 しかし、こ
れまでは,hTERT(テロメラーゼ
逆転写酵素)を病理組織検体で
正確に調べる方法がなかったた
め、様々なガンの症例における
臨床的な意義は分かっていませ
んでした。今回の研究では、hT
ERT に対して免疫染色法に用い
ることのできる新しい抗体を東
北大学大学院医学系研究科・加
藤幸成教授の研究グループが作
製し、香川大学、国立ガン研究
センター、金沢大学、神奈川県
立ガンセンター、滋賀医科大学、
東京大学医科学研究所など数多
くの研究グループとの共同研究
により、病理組織検体中でのリ
ン酸化hTERT の発現を調べるこ
とに成功しました。さらに、多
施設の1,523 症例の病理組織検
体を用いて免疫染色を行い、リ
ン酸化hTERT の発現が多いガン
では、細胞の増殖能や悪性度が
高く、分化度の低いガンである
ことを明らかにしました。また、
肺ガン、膵臓ガン、肝臓ガンで
は、リン酸化hTERT の発現が多
いと手術後の生存期間が短いこ
とを明らかにしました。このこ
とは、リン酸化hTERT の免疫染
色法は、悪性度の高いガンを調
べるための有用な検査法となる
可能性を示唆します。今後、リ
ン酸化hTERT を指標にしたガン
の新しい診断法の開発が大きく
期待されます。本研究は2022年
3月23日に英国科学誌「The Jo
urnal of Pathology」にオンラ
イン掲載されました。

 テロメアとテロメラーゼ

について解説している動画です。

 
 


 
 
 
 医療機関によって生存期間が
違う。          笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 舌の動きの衰えは2年後にフレイルになるリスクが高い

 
 
 
 
 
 口腔機能の衰えとフレイルと
の関連が指摘される中、岡山大
学大学院予防歯科学分野講師の
竹内倫子氏らは、60歳以上の歯
科受診患者さんを対象に解析を
実施しました。その結果、舌の
動きが衰えていた患者さんでは
2年後にフレイルになるリスク
が高かったと、Int J Environ
Res Public Health(2022; 19:
1145)に報告しました。

 日常生活動作が自立した状態
と要介護状態の中間に位置する
のがフレイルという状態です。
要因として、加齢に伴う活動量
の低下、社会的交流機会の減少、
身体機能や筋力、認知機能の低
下、低栄養などさまざまな指摘
がされています。放置すると要
介護リスクが高まります。竹内
氏らは、口腔環境との関連に着
目し、歯科受診患者さんを対象
に前向きコホート研究を実施し
ました。

 対象は、同大学病院予防歯科
部門を2017年11月〜21年1月に
受診した60歳以上の患者さん97
例です。質問内容が理解でき、
自立歩行が可能で定期的に受診
していることなどを組み入れ条
件としました。主な背景は平均
年齢71.9歳、男性34例、平均残
存歯数20.8本、平均機能歯数26
.4本です。

 2年にわたり追跡し舌背部の
細菌数、口腔内湿度、舌圧、咬
合力、咀嚼能力、オーラルディ
アドコキネシス(ODK) などを
評価しました。舌と唇の運動を
評価するODK は、「パ(唇の運
動機能)」「タ(舌の前方の運
動機能)」「カ(舌の後方の運
動機能)」をそれぞれ5秒間発
音してもらい、1秒当たりの平
均回数を測定し評価しました。
2年後に、国立長寿医療研究セ
ンターの日本語版フレイル基準
によりフレイルを判定しました。

 2年後にフレイルと判定され
た患者さんは97例中34例でした。
健康な患者さんを対照群(63例)
としフレイル群と比較した所、
ODK の「タ」の1秒当たりの平
均回数は対照群の6.3 回に対し、
フレイル群では5.8 回、同様に
「カ」は5.9回に対し5.5回と、
いずれも有意に少ないという結
果でした(順にP=0.027、P=0
.032)。「パ」には両群で有意
差はありませんでした。

 さらに、ロジスティック回帰
モデルを用いて、口腔環境とフ
レイルとの関連を検討しました。
その結果、ODK の「タ」の平均
回数とフレイルとの有意な関連
が示されました(オッズ比1.02、
95%CI 1.02〜3.35、P=0.044)。

 以上から、竹内氏らは「60歳
以上では、ODK の『タ』の平均
回数が少ないことが2年後のフ
レイルの予測因子になる可能性
が示された」と結論しました。
「詳細メカニズムは未解明だが、
コミュニケーション障害や栄養
不足によりフレイルに至る可能
性がある。舌の動かし方を訓練
することで舌の運動機能は維持・
改善できるとされるため、フレ
イル予防につながるだろう」と
の見解を示しています。

 舌からフレイルが来るとい

う動画です。

 
 


 
 
 
 有意な結果で優位に立つ。笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
編集後記

 
 リン酸化hTERT の発現が多い
ガンでは、細胞の増殖能や悪性
度が高く、分化度の低いガンで
あることを明らかにしたのは、
素晴らしい業績です。このよう
なガンでは、生命予後が短く、
そのため、手術後の治療選択が
非常に重要になると思います。
悪性度が高く、分化度の低いガ
ンであれば、ある程、抗ガン剤
の効果は高いのですが、副作用
も多く、クロノテラピーや抗体
薬物複合体(ADC )のような工
夫のある治療を行わない限り、
かえって、寿命を縮めてしまう
可能性が高いと思われます。
 口腔機能の衰えとフレイルと
の関連が指摘される中、岡山大
学大学院予防歯科学分野講師の
竹内倫子氏らが、60歳以上の歯
科受診患者さんを対象に解析を
実施し、その結果、舌の動きが
衰えていた患者さんでは2年後
にフレイルになるリスクが高か
ったと、Int J Environ Res Pu
blic Health(2022; 19: 1145)
に報告したのは素晴らしい業績
です。舌の動かし方を訓練する
ことで舌の運動機能は維持・改
善できるとされるため、フレイ
ル予防につながることを期待し
たいと思います。

 帽子のずり落ち防止を図る。


 
 
 
 
 
 
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診療マル秘裏話  号外Vol.2400 令和4年4月12日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)メルケル細胞ガンの病期別再発および死亡のリスク推定
2)てんかん女性患者さんの妊娠出産について解説

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
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1】 メルケル細胞ガンの病期別再発および死亡のリスク推定

 
 
 
 
 
 
 メルケル細胞ガン(MCC) 患
者618例を対象に,病期および診
断後の経過時間による再発およ
び死亡のリスクを前向きコホー
ト試験で推定しました。

 その結果、5年再発率は40%
でした。1年目の再発リスクが
高く(病理学的病期1期11%、
2A/2B期33%、3A期30%、3
B期45%、4期58%),再発例の
95%が最初の3年似内に発生し
ました。単変量解析から、病期
のほか、免疫抑制(ハザード比
2.4、95%CI 1.7-3.3、P<0.00
1)、男性(同1.9、1.4-2.5、P
<0.001),臨床的に検出可能な
リンパ節転移がある患者さんの
既知の原発巣(同2.3、1.4-4.0、
P=0.001)、高齢(10歳増加ご
との同1.1、1.0-1.3、P=0.06)
で再発リスクが高くなることが
示されました。死亡した187 例
のうち121例(65%)がMCCによ
る死亡でした。MCC 特異的生存
率は病期に強く依存していまし
た(5年生存率:病理学的病期
1期95% vs. 4期41%)。1-
2期MCC 患者さんでは、局所再
発による生存率の大きな低下は
見られませんでした。(5年MCC
特異的生存率:局所再発あり85
% vs. 局所再発なし88%)。

 メルケル細胞は、皮膚の最も
外側の層に存在します。この細
胞は、触覚を伝える神経の末端
部に非常に接近して存在してい
ます。メルケル細胞ガンは、「
皮膚の神経内分泌ガン」、「tr
abecular cancer」とも呼ばれ、
メルケル細胞が際限なく増殖す
ることによって発生する非常に
まれな種類の皮膚ガンです。メ
ルケル細胞ガンはほとんどの場
合、日頃から日光に曝されてい
る部位(特に頭部と頸部)や、
腕、脚、体幹から発生してきま
す。

 メルケル細胞ガンについて

解説している動画です。

 
 


 
 
 
 体幹強化の運動を体感する。


 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 てんかん女性患者さんの妊娠出産について解説

 
 
 
 
 
 治療の進歩でてんかんの患者
さんも健康な人と変わりない生
活が送れるようになりましたが、
妊娠・出産には不安を抱く女性
が少なくありません。てんかん
の診療が専門の新宿神経クリニ
ック(東京都新宿区)の渡辺雅
子院長は「てんかんがあっても
健康なお子さんを産み育ててい
る方はたくさんいます。まずは
主治医に相談してください」と
呼び掛けています。

 てんかんは慢性的な脳の病気
で、年齢や性別に関係なく発症
します。症状は突然意識を失っ
て全身がけいれんする、手や足
がピクッと動く、突然動作が止
まりぼんやりするなどさまざま
ですが、多くは抗てんかん薬の
服用でコントロールできます。

 抗てんかん薬は、生まれてく
る子どもに障害や発育の遅れな
どの影響を少なからず及ぼすこ
とが知られています。服薬しな
がらの妊娠・出産は無理だと考
えている人もいますが、「妊娠・
出産のリスクが一般の人と大き
く変わることはありません」と
渡辺院長は強調しています。

 ただし、妊娠前に患者さん、
医師、そして患者を支える家族
がよく話し合い、薬が与える影
響などについて十分に理解する
ことが大切です。妊娠を望む患
者さんには、より安全性の高い
薬への変更や服用量の調整が行
われます。「少なくとも妊娠の
半年前、できれば1年以上前か
ら計画的な準備を行う必要があ
ります」と渡辺院長は言ってい
ます。

 妊娠中は服薬を中止したいと
考える患者さんもいますが、飲
まなければ発作が起こり、転倒
などで早産や流産の恐れもあり
ます。「妊娠中も発作をコント
ロールすることが何よりも大切。
自己判断で薬を中止、減量する
のは危険です」と渡辺院長は言
っています。

 薬への不安が拭えない場合は、
国立成育医療研究センターの「
妊娠と薬情報センター」で相談
するとよいでしょう。また、抗
てんかん薬の中には、特に妊娠
初期の胎児の正常な発達に必要
な栄養素である葉酸の血中濃度
を低下させるものがあります。
渡辺院長は、妊娠の可能性があ
る年齢の患者さんには、普段か
ら葉酸のサプリメントを取るこ
とを勧めているということです。

 妊娠・出産後も、てんかんの
ある女性が直面する困難は少な
くありませんが、行政や民間の
支援もあります。渡辺院長は「
やみくもに心配して妊娠を諦め
たり先延ばしにしたりすること
がないよう、積極的に情報収集
して正しい知識を得てほしい」
と話しています。

 てんかんの女性が妊娠可能

な年齢になったらという動画で

す。

 
 


 
 
 
 情報収集して事態を収拾する。


 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
編集後記

 
 メルケル細胞ガン(MCC) 患
者618例を対象に,病期および診
断後の経過時間による再発およ
び死亡のリスクを前向きコホー
ト試験で推定したのは、素晴ら
しい業績です。まれな皮膚のガ
ンであり、日光に曝露している
所が好発部位ということから、
光老化が関与しており、活性酸
素の一つ、一重項酸素が関与し
ているものと推定されます。予
防には、一重項酸素を消去可能
な抗酸化物質を用いると効果的
である可能性が高いと思われま
す。具体的には、アスタキサン
チン・ルテイン・CPL(環状
重合乳酸)などです。こうした
抗酸化物質を普段から摂取する
ことで、メルケル細胞ガンの予
防に努めて頂きたいものです。
 治療の進歩でてんかんの患者
さんも健康な人と変わりない生
活が送れるようになりましたが、
妊娠・出産には不安を抱く女性
が少なくないのは、ある意味、
仕方がないことかも知れません。
しかし、女医さんの渡辺院長の
ような方が、てんかんの主治医
をしてくれたら、こんなに心強
いことはないでしょう。男性の
医師は、妊娠・出産を経験する
ことができないので、女性患者
さんの立場にたって考えるのが
困難だと思います。ただ、しっ
かりとした妊娠・出産計画が立
てられれば、てんかんの女性患
者さんでも、妊娠・出産は可能
であることは理解できました。

 ファンが不安を抱く。  笑

 
 
 
 
 
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発行者名  医療法人社団 永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
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診療マル秘裏話  号外Vol.2399 令和4年4月11日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)乳ガンのリンパ節転移のメカニズムの一端解明
2)アッビイ合同会社進行期パーキンソン病治療薬承認申請

 
 
 
 
 
 
 
 
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さい。

 
 
 
 
 
1】 乳ガンのリンパ節転移のメカニズムの一端解明

 
 
 
 
 
 
 近畿大学理工学部生命科学科
准教授の早坂晴子氏らは、マウ
スを用いた実験で細胞遊走を誘
導するケモカインの役割を分析
しました。その結果、乳ガン組
織で発現したケモカインCXCL12
による刺激がケモカインCCL21
の細胞遊走を誘導してリンパ節
転移につながるという「リンパ
節転移のメカニズム」が明らか
になったと、Cancer Sci(2022
年2月8日オンライン版)に発表
しました。

 細胞の組織への遊走に関わる
ケモカインは、ガン組織で発現
して原発巣における細胞増殖や
リンパ節転移を促進させること
が分かっています。しかし、ケ
モカインのガン細胞に対する作
用や、リンパ節転移を促進する
詳細な機序については不明でし
た。

 そこで早坂氏らは、乳ガン細
胞のリンパ節転移につながる機
序を解明するため、乳ガン形成
モデルマウスを用いた実験で細
胞遊走を誘導するケモカインの
役割を検討しました。

 ヒト乳ガン細胞株MDA-MB-231
細胞から、リンパ節に高頻度で
転移する乳ガン細胞株を樹立し
ました。このリンパ節高転移細
胞株では、元の細胞株に比べCC
L21 (受容体CCR7に結合するケ
モカイン)により誘導される高
分子膜への浸潤能が活発化して
いました。また、転移モデルマ
ウスでは、CCR7依存的にリンパ
節転移が活発化することが確認
されました。これらから、CCL2
1 とその受容体であるCCR7によ
ってリンパ節転移が調節されて
いることが示唆されました。

 CXCL12とCCL21 はいずれもリ
ンパ節で発現しており、ガン細
胞のリンパ節転移との関連が指
摘されています。そこで、細胞
遊走と高分子膜への浸潤能に対
するCXCL12とCCL21 の協働性を
検討しました。乳ガン細胞をCX
CL12で前処理すると、CCL21 に
対する応答性が強まることが示
されました。

 これまでに早坂氏らは、CCL2
1 に対する応答性は受容体CCR7
の二量体化(2つの分子が接近
して存在)により調節されてい
ることを明らかにしています。
CXCL12の前処理が乳ガン細胞に
及ぼす影響を検討したところ、
CCR7の二量体化が促進されると
ともにCCL21 の結合能が亢進す
ることが示されました。また、
乳ガン細胞株を移植したマウス
に形成された腫瘍組織を解析す
ると、CXCL12は腫瘍間質に、CC
L21 はリンパ管周囲に発現して
いました。

 人工的な生体組織モデルを用
いて、ケモカインが乳ガン細胞
の遊走に及ぼす影響を検討した
所、CXCL12で前処理した乳ガン
細胞は、CCL21 が集中するリン
パ管周囲に局在していました。
これにより、CXCL12がCCL21 に
対する細胞応答性を促進し、リ
ンパ管周囲に乳ガン細胞が遊走
しやすくなることで、リンパ節
転移が活発化する可能性が示唆
されました。

 以上から、早坂氏らは「乳ガ
ン細胞が腫瘍間質に発現したケ
モカインCXCL12によって刺激さ
れることで、リンパ管内皮細胞
から産生されるケモカインCCL2
1 の細胞遊走を誘導し、リンパ
節転移につながることが示され
た」と結論しました。「今後は
他のガン種についてもケモカイ
ンの種類と役割を解析すること
で、ガン転移の詳細が明らかに
なるはずだ」と期待を寄せてい
ます。

 ガンのリンパ節転移について

解説している動画です。

 
 


 
 
 酸性物質を産生する。  笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 アッビイ合同会社進行期パーキンソン病治療薬承認申請

 
 
 
 
 
 アッヴィ合同会社はこのほど、
進行期パーキンソン病治療薬・
ABBV-951(開発コード、一般名
: ホスレボドパ/ホスカルビド
パ水和物)について、日本で承
認申請したと発表しました。同
剤はレボドパ/カルビドパ (以
下、LD/CD) の分子構造を改良
し、外科的手術を必要としない
持続皮下注製剤として開発され
たものです。

 パーキンソン病では、疾患の
進行に伴い脳内のドパミン濃度
が不安定になり,経口LD/CD薬の
頻回な服用が必要となります。
一部の患者さんでは,平均10-11
錠/日の経口投与により,患者さ
んや介護者の負担が大きくなっ
ています。また、経口薬や貼布
剤などの治療では症状コントロ
ールが難しい進行期パーキンソ
ン病患者さんに対する治療選択
肢は現在、手術を必要とするデ
バイス補助治療が主であり、侵
襲性が低く、入院や術後管理な
どの患者さんへの負担が少ない
新たな治療選択肢が求められて
います。

 ABBV-951は持続皮下注射用の
LD/CDのプロドラッグ溶液です。
同社は、経口薬で運動症状を制
御できない進行期パーキンソン
病の治療薬として開発しました。

 指定難病のパーキンソン病は、
振戦(ふるえ)、筋固縮、動作
緩慢、平衡障害などの症状を特
徴とした進行性かつ慢性の神経
障害で、根治療法は未だ見つか
っていません。パーキンソン病
は50代頃から症状がみられ、国
内患者数は約16万人と年々増加
傾向にあります。

 パーキンソン病の基礎知識に

ついて解説している動画です。

 
 


 
 
 
 経口薬でコントロール不良で
ある傾向がある。     笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
編集後記

 
 近畿大学理工学部生命科学科
准教授の早坂晴子氏らが、マウ
スを用いた実験で細胞遊走を誘
導するケモカインの役割を分析
しました。その結果、乳ガン組
織で発現したケモカインCXCL12
による刺激がケモカインCCL21
の細胞遊走を誘導してリンパ節
転移につながるという「リンパ
節転移のメカニズム」が明らか
になったと、Cancer Sci(2022
年2月8日オンライン版)に発表
したのは、素晴らしい業績です。
リンパ節転移のメカニズムが、
解明されれば、転移抑制の治療
が可能になることが、期待され
ます。
 アッヴィ合同会社がこのほど、
進行期パーキンソン病治療薬・
ABBV-951(開発コード、一般名
: ホスレボドパ/ホスカルビド
パ水和物)について、日本で承
認申請したと発表したのは、喜
ばしいことです。経口薬や貼布
剤などの治療では症状コントロ
ールが難しい進行期パーキンソ
ン病患者さんに対する治療選択
肢は現在、手術を必要とするデ
バイス補助治療が主であり、外
科的手術を必要としない持続皮
下注製剤として開発されたもの
というのは、画期的な製剤とい
うことができるでしょう。

 画期的な製剤で、市場が活気
づく。          笑

 
 
 
 
 
 
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診療マル秘裏話  号外Vol.2398 令和4年4月10日作成
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★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)前立腺疾患早期発見と適切治療目指すセンター設立
2)武漢熱感染拡大で、約4割の人が孤独感を抱く

 
 
 
 
 
 
 
 
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さい。

 
 
 
 
 
1】 前立腺疾患早期発見と適切治療目指すセンター設立

 
 
 
 
 
 
 大阪市内にある三つの医療機
関が連携した「大阪前立腺セン
ター」の運用が4月1日から始ま
ります。それぞれ異なる治療を
専門とする大阪暁明館病院(此
花区)、大阪中央病院(北区)、
大阪陽子線クリニック(此花区)
が連携を強めることで前立腺疾
患の早期発見と適切な治療が可
能となり、治療の選択肢がさら
に広がります。

 近年、急増傾向にある前立腺
ガンの早期発見と治療を目的と
し、大阪市は2021年7月から市
民検診に「前立腺ガン」を新た
に追加しました。検査結果に不
安があっても混乱を最小限に抑
えるため、同センターでは前立
腺疾患の相談窓口としての役割
も担う予定です。

 このニュースのニュース動画

です。

 
 


 
 
 化膿性疾患の治療が可能とな
る。           笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 武漢熱感染拡大で、約4割の人が孤独感を抱く

 
 
 
 
 
 武漢熱の感染拡大で交流制限
が続く中、約4割の人が孤独感
を抱いていることが3月19日、
NPO法人「あなたのいばしょ」
(東京都港区)などの調査で分
かりました。若い世代ほど割合
が高かったということです。同
法人などは2月、オンライン調
査を行い、20歳以上の男女30
11人から有効回答を得ました。
「孤独感」の測定には、国際的
な指標を用いました。

 回答者全体では37.3%が孤独
感を抱いていました。同様の調
査は武漢熱の感染拡大が始まっ
た2020年4月などに実施しまし
たが、流行が長期化しても割合
にほとんど変化はないというこ
とです。孤独を感じていた割合
は、男性が39.5%、女性が35.1
%だった。年代別では20代が42
.7%と最多で、30代42.6%、40
代40.5%、50代38.4%、60代以
上23.7%となり、若い年代ほど
割合が高いという結果でした。

 武漢熱流行前より暮らし向き
が悪化した人のうち、47.8%が
孤独を感じていました。1人暮
らしや世帯収入が低い人も割合
が高いという結果でした。同法
人は「若者や中年の方が高齢者
より孤独を感じる傾向にあるこ
とは見逃されがちだ。若い世代
に向けた孤独・孤立対策が重要
と考えられる」と指摘していま
す。

 武漢熱の孤独感について解説

している動画です。

 
 


 
 
 足底の面積を測定する。 笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
編集後記

 
 大阪市内にある三つの医療機
関が連携した「大阪前立腺セン
ター」の運用が4月1日から始ま
りるのは、喜ばしいことです。
それぞれ異なる治療を専門とす
る大阪暁明館病院(此花区)、
大阪中央病院(北区)、大阪陽
子線クリニック(此花区)が連
携を強めることで前立腺疾患の
早期発見と適切な治療が可能と
なり、治療の選択肢がさらに
広がるのは、大阪市民にとって
歓迎するべきことであると思い
ます。他方、前立腺ガンは生活
習慣とくに食生活が原因となる
ことが知られているので、そち
らの改善も同時並行で行う必要
があると思います。
 武漢熱の感染拡大で交流制限
が続く中、約4割の人が孤独感
を抱いていることが3月19日、
NPO法人「あなたのいばしょ」
(東京都港区)などの調査で分
かったのは、残念なことです。
感染症、特にパンデミックとも
なると密になることを避ける方
策が取られるので、余計に孤独
感を抱く元になっていると推測
されます。ただ、やっと第6波
も後退局面に入り、蔓延防止も
延長されなくなりました。早く
パンデミックが収束して、孤独
感を味わう人が少なくなること
を期待したいと思います。

 帽子のずり落ちを防止する。


 
 
 
 
 
 
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2023-02-09 09:06:01

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診療マル秘裏話  号外Vol.2397 令和4年4月9日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)麹菌が作る成分Dfcyがヒト由来のガン細胞を死滅
2)WHOはデルタクロン株感染は余り拡大していない認識

 
 
 
 
 
 
 
 
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1】 麹菌が作る成分Dfcyがヒト由来のガン細胞を死滅

 
 
 
 
 
 
 月桂冠と甲南大学は3月9日、
日本酒などの製造に用いられる
麹菌が作る成分「デフェリフェ
リクリシン(Dfcy)」に、ヒト由
来のガン細胞を死滅させる作用
があることを発見したと発表し
ました。

 同成果は,月桂冠 総合研究所
と,甲南大 フロンティアサイエ
ンス学部の川内敬子准教授らの
共同研究チームによるものです。
月桂冠が麹菌によるDfcyの製造
および供給を行い、甲南大の川
内准教授の研究チームが抗ガン
作用の検証を担当しました。詳
細は、3月25日から開催される
「日本薬学会第142年会」 にて
発表される予定ということです。

 麹菌が作る成分のDfcyは、ア
ミノ酸が6つ環状につながった
構造のペプチドで、日本酒醸造
で用いる米麹はもちろん、日本
酒、酒粕、甘酒にも含まれてい
ます。しかし、Dfcyは鉄と結合
して赤褐色の着色成分「フェリ
クリシン(Fcy)」 となるため、
無色透明であることが求められ
る日本酒にとっては不要な物質
であり、現在、日本酒などの製
造においてはDfcyやFcy を作ら
せない技術が確立されていると
いうことです。

 月桂冠では、その日本酒とし
て不要なDfcyやFcy の有効活用
に向け、大量生産技術の開発や、
その機能の解明などを進めてき
たとのことで、これまでに鉄分
吸収促進や抗酸化作用、尿酸値
低減、抗炎症作用、美白作用、
皮膚バリア機能といった機能を
有することを見出してきたほか、
植物への鉄分補給による生育促
進作用も確認しているというこ
とです。

 また、鉄はガン細胞の増殖に
かかわることが知られており、
鉄と結合する一部の物質には抗
ガン作用があることが知られて
いることから、今回の研究では、
Dfcyの抗ガン作用についての検
証試験を行ったということです。

 その結果、ヒト乳ガン由来細
胞をDfcyで処理することにより
細胞の死滅が確認され、抗ガン
作用があることが判明。死滅す
る前の細胞には多数の「空胞」
(核やミトコンドリアなど,細胞
内の円形や帯状などの細胞内小
器官) が形成されており、マー
カー蛋白質を用いた詳細な検証
から、細胞内で不要になった成
分が除去されるオートファジー
性細胞死によるものであること
が示されたということです。ま
た肺ガン細胞や大腸ガン細胞に
対しても同様の死滅と空胞形成
があったことから、ほかの多く
のガン細胞腫でも同様の抗ガン
作用が期待できるとしています。

 なお、研究チームでは今回明
らかになったガン細胞の死滅機
構について、新規抗ガン剤の研
究開発につながる成果であると
考えられるとしています。

 日本酒の作り方について解説

している動画です。

 
 


 
 
 不要になった芙蓉の花。 笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 WHOはデルタクロン株感染は余り拡大していない認識

 
 
 
 
 
 武漢熱のデルタ株とオミクロ
ン株が組み合わさった、通称「
デルタクロン株」について、WH
O=世界保健機関は3月16日、「
感染はあまり広がっていない」
という認識を示しました。

 WHO ではデルタ株とオミクロ
ン株が組み合わさった、通称「
デルタクロン株」について、フ
ランス、オランダ、デンマーク
の3か国で感染を確認したとし
ています。また、現地メディア
によると3月15日にはブラジル
で2件の感染例の発見が発表さ
れています。

 WHO の技術責任者バンケルコ
フ氏は3月16日の会見で、「検
査数が減っていて、もっと調べ
れば他の国でも見つかる可能性
がある」としたうえで、「感染
はあまり広がっていない」とい
う認識を示しました。一方武漢
熱の感染者数は再び増加に転じ
ていて、テドロス事務局長は検
査数が減る国もある中、「(感
染者の増加は)氷山の一角だ」
と警戒を呼びかけました。

 このニュースのニュース動

画です。

 
 


 
 
 軽快な文言で警戒を呼び掛け
た。           笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
編集後記

 
 月桂冠と甲南大学が3月9日、
日本酒などの製造に用いられる
麹菌が作る成分「デフェリフェ
リクリシン(Dfcy)」に、ヒト由
来のガン細胞を死滅させる作用
があることを発見したと発表し
たのは、素晴らしい業績です。
以前から、振り掛け実験でガン
細胞に効果があるアルコール飲
料は、世界広しと言えども日本
酒とマッコリだけと言われてい
ました。日本酒などの製造過程
において、Dfcyを作らせない技
術が確立されているというのは、
もったいない気がしました。色
が着くことだけが問題なら、抗
ガン作用のあるお酒として造る
のもありかなと思いました。勿
論、Dfcy単体で抗ガン作用のあ
るサプリメントを作るのもあり
かなと考えます。
 武漢熱のデルタ株とオミクロ
ン株が組み合わさった、通称「
デルタクロン株」について、WH
O=世界保健機関は3月16日、「
感染はあまり広がっていない」
という認識を示したのは、少し
ホッとした思いです。第5波の
デルタ波の感染および第6波の
オミクロン株とステルスオミク
ロン株の感染力が余りにも強力
だったため、できれば、第7波
がくるのは回避してもらいたい
という希望的観測が働いたのか
も知れません。フランス、オラ
ンダ、デンマークの3か国で感
染を確認したとしているのは、
不気味ではありますので、余り
油断はできないと考えています。
スーパースプレッダー対策を確
実にして、流行の波を予防して
頂きたいものです。

 患側で異常反射が観測された。


 
 
 
 
 
 
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