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2023-02-22 08:00:48

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診療マル秘裏話  Vol.903 令和3年3月31日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)2型自然リンパ球,GM-CSF分泌で血球数回復に関与
2)出生時体重大男性でIGF-1濃度とDMリスクが逆相関

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 2型自然リンパ球,GM-CSF分泌で血球数回復に関与

 
 
 
 
 大阪大学は3月8日、骨髄中の
2型自然リンパ球が、抗ガン剤
治療後の骨髄傷害を感知し、顆
粒球単球コロニー刺激因子(GM
-CSF)を分泌することで血球数
の回復に関わることを世界で初
めて明らかにしたと発表しまし
た。この研究は、同大大学院医
学系研究科の數藤孝雄助教、石
井優教授(IFReC 免疫細胞生物
学)らの研究グループによるも
のです。研究成果は、「Journa
l of Experimental Medicine」
にオンライン掲載されています。

 白血球などの血球細胞は、骨
髄内に存在する造血前駆細胞か
ら産生されます。通常は、作ら
れる細胞と壊される細胞のバラ
ンスがとられ、骨髄の細胞数は
ほぼ一定の数に保たれています。
しかし、抗ガン剤治療を受ける
と、副作用として骨髄中の血球
細胞が大きく減少し、感染症リ
スクが上がります。そのため、
骨髄内では生き残った造血前駆
細胞が盛んに分裂し、血球を増
やそうとしますが、これまでそ
のメカニズムは明らかではあり
ませんでした。

 抗ガン剤治療後の血球回復が
生じるメカニズムを明らかにす
ることで、骨髄での造血システ
ムの解明が進み、血球細胞を増
やすことを目的とした臨床応用
にも役立つと考えられます。

 今回、研究グループは、生体
イメージング技術を用いて、抗
ガン剤投与後の骨髄に移植され
た造血前駆細胞の動きが通常と
異なることに着目しました。こ
の造血前駆細胞の遺伝子発現を
網羅的に調べることによって、
抗ガン剤投与後の骨髄環境から
GM-CSFの刺激を受けて増殖して
いることが分かりました。

 続いて、「1細胞RNA解析」を
用いて、各細胞の遺伝子発現を
詳しく調べた所、2型自然リン
パ球がGM-CSFを分泌しているこ
とを突きとめました。このリン
パ球は、普段活発にGM-CSFを分
泌していませんが、骨髄の中で
細胞死が起こるとそれを感知し、
GM-CSFの遺伝子発現を上昇させ
ることが判明しました。

 2型自然リンパ球をマウスの
骨髄から採取して培養し、体外
で増やし、抗ガン剤投与後のマ
ウスに移植すると、造血細胞の
回復が早まることが分かったと
いうことです。

 生体は元々、抗ガン剤で傷つ
いた骨髄を再生させる能力を有
しています。今回の研究では、
その再生メカニズムの1つが明
らかとなりました。

 同研究成果により、血球細胞
を体外で増やす方法の開発や、
抗ガン剤治療や骨髄移植後の白
血球減少症の治療法開発に役立
つと考えられる、と研究グルー
プは述べています。

 2型自然リンパ球について解

説している動画です。

 
 


 
 
 完治可能であることを感知し
た。           笑

 
 
 
 
 
 
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2】 出生時体重大男性でIGF-1濃度とDMリスクが逆相関

 
 
 
 
 
 
 インスリン様成長因子(IGF)-1は、
胎児および若年期の成長と2型
糖尿病発症に関連することが知
られています。シンガポール・
National University of Singa
poreのTingting Geng氏らは、U
K Biobank 登録者18万人超を対
象に出生時の体重および成人時
の血中IGF-1濃度と2型糖尿病
発症リスクとの関連を検討する
前向きコホート研究を実施しま
した。その結果、出生時体重が
2,500g以上の男性ではIGF-1濃
度と2型糖尿病発症リスクに逆
相関関係が見られた、とBMJ Op
en Diabetes Res Care (2021;
9: e001885)に発表しました。

 Geng氏らは、UK Biobank登録
者のうちベースライン時に糖尿
病や心血管疾患を有していない
39〜70歳の18万1,090人(女性1
1万2,736人、男性6万8,354人)
を対象に、出生時体重および成
人時の血中IGF-1濃度と2型糖
尿病発症リスクとの関連につい
て検討しました。

 社会的・人口統計学的情報、
食事、ライフスタイル(喫煙状
況、アルコール摂取量、睡眠時
間、習慣的な身体活動)、若年
期の生活要因(出生時体重およ
び母親の喫煙歴)、病歴に関す
る情報を入手しました。血中IG
F-1 濃度は化学発光イムノアッ
セイ法を使用して測定しました。
出生時体重は自己申告によるも
のですが、遺伝的に決定される
出生時体重を定義するために遺
伝的リスクスコア(GRS) を算
出しました。評価項目は2型糖
尿病の発症としました。

 平均9.9(標準偏差1.4)年の
追跡期間中に3,299人が2型糖尿
病を発症しました。出生時体重
2,500g以上では、IGF-1濃度と
2型糖尿病に逆相関が認められ、
IGF-1濃度が低いほど2型糖尿
病発症リスクが有意に高いとい
う結果がでました(傾向のP <
0.001)。

 危険因子などを調整しIGF-1
濃度で5分位に分けると、出生
体重2,500g以上の2型糖尿病リ
スクは第1五分位群に対して第
2五分位群では14%〔ハザード
比(HR) 0.86、95%CI 0.76〜
0.97〕、第3五分位群では18%
(同0.82、0.72〜0.93)、第4
五分位群では29%(同0.71、0.
61〜0.81)、第5五分位群では
26%(同0.74、0.64〜0.85)低
いという結果がでました。

 一方、出生時体重2,500g未満
では、IGF-1値と2型糖尿病リ
スクとの間に有意な関連は認め
らませんでした(傾向のP=0.6
1)。

 なお、2型糖尿病発症におけ
る出生時体重とIGF-1濃度との
相互作用は男性では認められま
した(相互作用のP=0.01)が、
女性では認められませんでした
(相互作用のP= 0.11)。男性
においてのみ、出生時体重2,50
0g以上でIGF-1濃度と2型糖尿
病リスクに逆相関が認められま
した(傾向のP<0.001)。

 2型糖尿病発症リスクにおい
て出生時体重のGRSとIGF-1濃度
に相互作用は認めらませんでし
た(相互作用のP= 0.47)。

 IGF-1濃度低値例には、高齢、
貧困、喫煙者、飲酒の習慣、BM
I 高値、睡眠時間が短/長い、
健康状態不良、高血圧、母親の
喫煙歴の他、総コレステロール、
トリグリセライド、C反応性蛋
白が高値などの傾向が認められ
ました。

 以上の結果から、Geng氏は「
出生時体重が成人期の血中IGF-
1値と2型糖尿病リスクの関係
に影響を及ぼすこと、成人期の
2型糖尿病発症は若年期と成人
期の両方の危険因子によって決
定されることが示された。IGF-
1と2型糖尿病に対する生涯に
わたる予防戦略を講じる上で、
若年期の危険因子の重要性を強
調するものだ」と結論していま
す。

 成長ホルモンについて解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 蛍光ペンを使う傾向が認めら
れた。          笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 大阪大学が3月8日、骨髄中の
2型自然リンパ球が、抗ガン剤
治療後の骨髄傷害を感知し、顆
粒球単球コロニー刺激因子(GM
-CSF)を分泌することで血球数
の回復に関わることを世界で初
めて明らかにしたと発表したの
は、素晴らしい業績です。しか
し、骨髄障害自体をできるだけ
避ける治療にすることこそ求め
られているのだと私は考えてい
ます。そのためには、抗ガン剤
の治療をクロノテラピーで行う
必要があると思います。ただ、
抗ガン剤治療以外の骨髄障害の
場合に2型自然リンパ球が効果
を発揮するか否か調査する必要
があります。
 シンガポール・National Un
iversity of SingaporeのTing
ting Geng氏らが、UK Biobank
登録者18万人超を対象に出生
時の体重および成人時の血中I
GF-1濃度と2型糖尿病発症リ
スクとの関連を検討する前向き
コホート研究を実施し、その結
果、出生時体重が2,500g以上の
男性ではIGF-1濃度と2型糖尿
病発症リスクに逆相関関係が見
られた、とBMJ Open Diabetes
Res Care (2021; 9: e001885)
に発表したのは、素晴らしい業
績です。IGF-1と2型糖尿病に
対する生涯にわたる予防戦略を
講じる上で、若年期の危険因子
の重要性を考慮するべきだと言
うことでしょう。

 拳闘の試合での健闘を検討し
た。           笑

 
 
 
 
 
 
 
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