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2023-02-19 07:44:47

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診療マル秘裏話  号外Vol.2406 令和4年4月19日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)ALK阻害薬抵抗性残存細胞,GSK3阻害剤に感受性
2)近視とドライアイ関連性を検討し相互に影響と判明

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 ALK阻害薬抵抗性残存細胞,GSK3阻害剤に感受性

 
 
 
 
 
 
 ガン研究所は3月17日、実験
的に樹立したALK 阻害薬ロルラ
チニブ抵抗性の残存細胞が、GS
K3阻害剤に対して高い薬剤感受
性を示すことを見出したと発表
しました。この研究は、ガン研
究会ガン化学療法センター基礎
研究部の片山量平部長、清水裕
貴氏(同研究部所属、東京大学
大学院新領域創成科学研究科博
士課程大学院生)らの研究グル
ープによるものです。研究成果
は、「npj Precision Oncology」
に掲載されています。

 肺ガンの半数以上を占める肺
線ガン患者さんの3~5%ではガ
ン化を促進するドライバーガン
遺伝子であるALK 融合遺伝子が
認められています。ALK 陽性肺
ガン患者さんに対する治療薬と
して、現在5種類のALK阻害薬が
承認されており、その中でも第
2世代ALK阻害薬アレクチニブが
1次治療薬として広く用いられ
ています。また、近年では、主
に2次治療以降で用いられてい
る第3世代ALK阻害薬ロルラチニ
ブが、ALK 陽性肺ガン患者に対
する1次治療薬としても承認さ
れ,ロルラチニブを含む5種類の
ALK阻害薬すべてが1次治療で使
用できるようになりました。し
かし、これらALK 阻害薬による
治療後、ほとんどの患者さんに
おいて、ALK キナーゼ領域内に
薬剤結合親和性を低下させるよ
うな変異が生じるなど多様な機
構を介して獲得耐性が出現する
ことが示唆されています。

 近年、薬剤耐性獲得ガン細胞
が出現する原因として、まず治
療後にごくわずかな一部の細胞
(薬剤抵抗性残存細胞)が残存
することが考えられています。
しかし、これら薬剤耐性を獲得
する前段階のガン細胞(薬剤抵
抗性残存細胞)がどのような機
構で生き残るかは十分に明らか
になっておらず、これら薬剤抵
抗性残存細胞に対する有効な治
療法は確立されていません。

 今回研究グループは、初めに、
ALK 陽性肺ガン患者さんの胸水
より細胞株を複数樹立しました。
その中で、ALK 阻害薬に感受性
を示す患者さん由来細胞株JFCR
-028-3をロルラチニブに比較的
短期間暴露させることで、ロル
ラチニブに対して可逆的な耐性
を示すロルラチニブ抵抗性残存
細胞を樹立しました。

 樹立したJFCR-028-3のロルラ
チニブ抵抗性残存細胞に有効な
阻害剤を探索するため、約90種
類の既承認薬や臨床試験中の薬
剤を中心として構成された阻害
剤ライブラリーを用いたスクリ
ーニングを実施しました。その
結果、GSK3阻害剤LY2090314 と
ロルラチニブを併用することに
より、JFCR-028-3ロルラチニブ
抵抗性残存細胞のより顕著な増
殖抑制および細胞死誘導を示す
ことが明らかとなりました。JF
CR-028-3細胞にロルラチニブと
GSK3阻害剤を最初から処理した
所、1週間後に残存してくる抵
抗性細胞の数が顕著に減少する
ことも分かりました。

 また、実際にアレクチニブ治
療後に耐性となったALK 陽性肺
ガン患者さんより樹立された獲
得耐性細胞に対して、上記と同
様の薬剤ライブラリースクリー
ニングを行った結果、GSK3阻害
剤をロルラチニブに併用するこ
とで、増殖抑制効果が見られま
した。

 今回の研究により、GSK3阻害
剤が、ロルラチニブ抵抗性残存
細胞を抑制することで、ロルラ
チニブ獲得耐性細胞の出現自体
を抑制する可能性を示唆されま
した。「現在、GSK3阻害剤はア
ルツハイマー型認知症の治療薬
として臨床試験が行われている
が、薬剤耐性ガンの患者に投与
した際の有効性や安全性を明ら
かにするためには、前臨床およ
び臨床試験によるさらなる検討
が必要だ」と、研究グループは
述べています。

 新しいALK阻害薬について解

説している動画です。

 
 


 
 
 薬剤耐性ガンが大勢を占める。


 
 
 
 
 
 
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2】 近視とドライアイ関連性を検討し相互に影響と判明

 
 
 
 
 
 近視の有病率は世界中で上昇
しており、特に東アジアおよび
東南アジアで傾向が顕著ですが、
その進行メカニズムは不明です。
一方、近視にはドライアイと共
通する関連因子が複数あること
を示唆する報告もあります。そ
こで、慶應義塾大学眼科学教室
の平山オサマ氏は、若年の近視
患者さん約600 例および非近視
者約80例を対象に、近視とドラ
イアイの関連性を検討しました。
ドライアイと近視の程度具合が
相互に影響する点などが明らか
になったと、角膜カンファラン
ス2022 (2月10~12日、ウェブ
併催)で発表しました。

 検討では、医療機関5施設で
登録した対象682 例(10~19歳、
矯正視力両眼で0.8以上) を近
視患者さん(600例) と非近視
者(82例)に分類しました。さ
らに近視患者さんを強度近視群
(106例)と弱度近視群(494例)
に分け、3群でドライアイの有
病率やドライアイの診断基準と
なる涙液層破壊時間(BUT),屈
折異常リスクなどを解析しまし
た。なお、登録前1週間以内に
急性眼疾患を発症した者または
コンタクトレンズ装用者は除外
しました。

 強度近視群には右眼の屈折度
-6.00D以下,弱度近視群には同
-6.00Dより上~-0.50D以下、
非近視群には-0.50D 以上に該
当する者を振り分けました。ま
た、ドライアイは右眼のBUTが5
秒以下(BUT異常)、6種のドラ
イアイ関連症状(眼の乾燥、違
和感、痛み、疲労感、かすみ、
羞明)のうち1つでも有する場
合と定義しました。

 解析の結果、弱度近視群およ
び非近視群と比べて強度近視群
ではドライアイの有病率が有意
に高く、弱度近視群と比べ強度
近視群ではBUT 異常の該当率が
有意に高いという結果でした。

 ドライアイ関連症状の発生率
を見ると、弱度近視群および非
近視群と比べて近視群では眼の
乾燥が有意に高いという結果で
した。他方、眼の痛みや羞明は
近視群と比べて非近視群で有意
に高いという結果でした。
さらに、年齢や性を調整した
回帰分析の結果、弱度近視群お
よび非近視群に比べ、強度近視
群では乱視や不同視のリスクが
有意に高いという結果でした。

 以上の結果を踏まえ、平山氏
は「10歳代の近視患者における
涙液層の異常や乱視、不同視は
眼球表面に変化をもたらし、近
視の程度に影響を及ぼす可能性
がある」と結論しました。

 ドライアイと視力について解

説している動画です。

 
 


 
 
 
 近視患者さんの禁止事項。笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 ガン研究所が3月17日、実験
的に樹立したALK 阻害薬ロルラ
チニブ抵抗性の残存細胞が、GS
K3阻害剤に対して高い薬剤感受
性を示すことを見出したと発表
したのは、素晴らしい業績です。
分子標的薬において耐性の問題
は、避けて通れないものです。
別の薬剤の感受性を見出すこと
ができれば、薬剤耐性のガン細
胞を持つ患者さんにとっては、
大きな福音となる可能性が高い
と思われます。現在、GSK3阻害
剤はアルツハイマー型認知症の
治療薬として臨床試験が行われ
ているとのことですが、薬剤耐
性ガンの患者さんに投与した際
の有効性や安全性を明らかにす
るためには、前臨床および臨床
試験によるさらなる検討が必要
という意見に同意したいと思い
ます。
 近視の有病率は世界中で上昇
しており、特に東アジアおよび
東南アジアで傾向が顕著ですが、
その進行メカニズムは不明とい
うのは意外な事実でした。近視
のようなメジャーな眼の病気は、
当然、その進行メカニズムは、
明らかになっているものとたか
を括っていたからです。慶應義
塾大学眼科学教室の平山オサマ
氏が、若年の近視患者さん約60
0 例および非近視者約80例を対
象に、近視とドライアイの関連
性を検討したのは、素晴らしい
業績です。ドライアイと近視の
程度具合が相互に影響する点な
どが明らかになったと、角膜カ
ンファランス2022 (2月10~12
日、ウェブ併催)で発表したの
は凄いことだと感心しました。

 関心を集めることに感心した。


 
 
 
 
 
 
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発行者名  医療法人社団 永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
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