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2023-02-13 09:04:36

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診療マル秘裏話  号外Vol.2401 令和4年4月14日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)リン酸化hTERT免疫染色法は高悪性度ガンの検出法
2)舌の動きの衰えは2年後にフレイルになるリスクが高い

 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 リン酸化hTERT免疫染色法は高悪性度ガンの検出法

 
 
 
 
 
 
 香川大学医学部腫瘍病理学・
松田陽子教授と国立ガン研究セ
ンター研究所ガン幹細胞研究分
野・増富健吉分野長らによるこ
れまでの研究によって、リン酸
化hTERT (テロメラーゼ逆転写
酵素)にはテロメアに関わらな
い新機能を有することが分かっ
ていました (Yasukawa, et al.
Nat Comm, 2020)。 しかし、こ
れまでは,hTERT(テロメラーゼ
逆転写酵素)を病理組織検体で
正確に調べる方法がなかったた
め、様々なガンの症例における
臨床的な意義は分かっていませ
んでした。今回の研究では、hT
ERT に対して免疫染色法に用い
ることのできる新しい抗体を東
北大学大学院医学系研究科・加
藤幸成教授の研究グループが作
製し、香川大学、国立ガン研究
センター、金沢大学、神奈川県
立ガンセンター、滋賀医科大学、
東京大学医科学研究所など数多
くの研究グループとの共同研究
により、病理組織検体中でのリ
ン酸化hTERT の発現を調べるこ
とに成功しました。さらに、多
施設の1,523 症例の病理組織検
体を用いて免疫染色を行い、リ
ン酸化hTERT の発現が多いガン
では、細胞の増殖能や悪性度が
高く、分化度の低いガンである
ことを明らかにしました。また、
肺ガン、膵臓ガン、肝臓ガンで
は、リン酸化hTERT の発現が多
いと手術後の生存期間が短いこ
とを明らかにしました。このこ
とは、リン酸化hTERT の免疫染
色法は、悪性度の高いガンを調
べるための有用な検査法となる
可能性を示唆します。今後、リ
ン酸化hTERT を指標にしたガン
の新しい診断法の開発が大きく
期待されます。本研究は2022年
3月23日に英国科学誌「The Jo
urnal of Pathology」にオンラ
イン掲載されました。

 テロメアとテロメラーゼ

について解説している動画です。

 
 


 
 
 
 医療機関によって生存期間が
違う。          笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 舌の動きの衰えは2年後にフレイルになるリスクが高い

 
 
 
 
 
 口腔機能の衰えとフレイルと
の関連が指摘される中、岡山大
学大学院予防歯科学分野講師の
竹内倫子氏らは、60歳以上の歯
科受診患者さんを対象に解析を
実施しました。その結果、舌の
動きが衰えていた患者さんでは
2年後にフレイルになるリスク
が高かったと、Int J Environ
Res Public Health(2022; 19:
1145)に報告しました。

 日常生活動作が自立した状態
と要介護状態の中間に位置する
のがフレイルという状態です。
要因として、加齢に伴う活動量
の低下、社会的交流機会の減少、
身体機能や筋力、認知機能の低
下、低栄養などさまざまな指摘
がされています。放置すると要
介護リスクが高まります。竹内
氏らは、口腔環境との関連に着
目し、歯科受診患者さんを対象
に前向きコホート研究を実施し
ました。

 対象は、同大学病院予防歯科
部門を2017年11月〜21年1月に
受診した60歳以上の患者さん97
例です。質問内容が理解でき、
自立歩行が可能で定期的に受診
していることなどを組み入れ条
件としました。主な背景は平均
年齢71.9歳、男性34例、平均残
存歯数20.8本、平均機能歯数26
.4本です。

 2年にわたり追跡し舌背部の
細菌数、口腔内湿度、舌圧、咬
合力、咀嚼能力、オーラルディ
アドコキネシス(ODK) などを
評価しました。舌と唇の運動を
評価するODK は、「パ(唇の運
動機能)」「タ(舌の前方の運
動機能)」「カ(舌の後方の運
動機能)」をそれぞれ5秒間発
音してもらい、1秒当たりの平
均回数を測定し評価しました。
2年後に、国立長寿医療研究セ
ンターの日本語版フレイル基準
によりフレイルを判定しました。

 2年後にフレイルと判定され
た患者さんは97例中34例でした。
健康な患者さんを対照群(63例)
としフレイル群と比較した所、
ODK の「タ」の1秒当たりの平
均回数は対照群の6.3 回に対し、
フレイル群では5.8 回、同様に
「カ」は5.9回に対し5.5回と、
いずれも有意に少ないという結
果でした(順にP=0.027、P=0
.032)。「パ」には両群で有意
差はありませんでした。

 さらに、ロジスティック回帰
モデルを用いて、口腔環境とフ
レイルとの関連を検討しました。
その結果、ODK の「タ」の平均
回数とフレイルとの有意な関連
が示されました(オッズ比1.02、
95%CI 1.02〜3.35、P=0.044)。

 以上から、竹内氏らは「60歳
以上では、ODK の『タ』の平均
回数が少ないことが2年後のフ
レイルの予測因子になる可能性
が示された」と結論しました。
「詳細メカニズムは未解明だが、
コミュニケーション障害や栄養
不足によりフレイルに至る可能
性がある。舌の動かし方を訓練
することで舌の運動機能は維持・
改善できるとされるため、フレ
イル予防につながるだろう」と
の見解を示しています。

 舌からフレイルが来るとい

う動画です。

 
 


 
 
 
 有意な結果で優位に立つ。笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 リン酸化hTERT の発現が多い
ガンでは、細胞の増殖能や悪性
度が高く、分化度の低いガンで
あることを明らかにしたのは、
素晴らしい業績です。このよう
なガンでは、生命予後が短く、
そのため、手術後の治療選択が
非常に重要になると思います。
悪性度が高く、分化度の低いガ
ンであれば、ある程、抗ガン剤
の効果は高いのですが、副作用
も多く、クロノテラピーや抗体
薬物複合体(ADC )のような工
夫のある治療を行わない限り、
かえって、寿命を縮めてしまう
可能性が高いと思われます。
 口腔機能の衰えとフレイルと
の関連が指摘される中、岡山大
学大学院予防歯科学分野講師の
竹内倫子氏らが、60歳以上の歯
科受診患者さんを対象に解析を
実施し、その結果、舌の動きが
衰えていた患者さんでは2年後
にフレイルになるリスクが高か
ったと、Int J Environ Res Pu
blic Health(2022; 19: 1145)
に報告したのは素晴らしい業績
です。舌の動かし方を訓練する
ことで舌の運動機能は維持・改
善できるとされるため、フレイ
ル予防につながることを期待し
たいと思います。

 帽子のずり落ち防止を図る。


 
 
 
 
 
 
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