最近の号外Vol.2399メルマガ

  1. Home
  2. 最近の号外Vol.2399メルマガ

2023-02-11 08:48:01

カテゴリー:ブログ



藤田のブログランキングアップにご協力お願いします。
以下のバナーをぽちっとクリックお願いします。


病院・診療所ランキング

 
診療マル秘裏話  号外Vol.2399 令和4年4月11日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)乳ガンのリンパ節転移のメカニズムの一端解明
2)アッビイ合同会社進行期パーキンソン病治療薬承認申請

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 乳ガンのリンパ節転移のメカニズムの一端解明

 
 
 
 
 
 
 近畿大学理工学部生命科学科
准教授の早坂晴子氏らは、マウ
スを用いた実験で細胞遊走を誘
導するケモカインの役割を分析
しました。その結果、乳ガン組
織で発現したケモカインCXCL12
による刺激がケモカインCCL21
の細胞遊走を誘導してリンパ節
転移につながるという「リンパ
節転移のメカニズム」が明らか
になったと、Cancer Sci(2022
年2月8日オンライン版)に発表
しました。

 細胞の組織への遊走に関わる
ケモカインは、ガン組織で発現
して原発巣における細胞増殖や
リンパ節転移を促進させること
が分かっています。しかし、ケ
モカインのガン細胞に対する作
用や、リンパ節転移を促進する
詳細な機序については不明でし
た。

 そこで早坂氏らは、乳ガン細
胞のリンパ節転移につながる機
序を解明するため、乳ガン形成
モデルマウスを用いた実験で細
胞遊走を誘導するケモカインの
役割を検討しました。

 ヒト乳ガン細胞株MDA-MB-231
細胞から、リンパ節に高頻度で
転移する乳ガン細胞株を樹立し
ました。このリンパ節高転移細
胞株では、元の細胞株に比べCC
L21 (受容体CCR7に結合するケ
モカイン)により誘導される高
分子膜への浸潤能が活発化して
いました。また、転移モデルマ
ウスでは、CCR7依存的にリンパ
節転移が活発化することが確認
されました。これらから、CCL2
1 とその受容体であるCCR7によ
ってリンパ節転移が調節されて
いることが示唆されました。

 CXCL12とCCL21 はいずれもリ
ンパ節で発現しており、ガン細
胞のリンパ節転移との関連が指
摘されています。そこで、細胞
遊走と高分子膜への浸潤能に対
するCXCL12とCCL21 の協働性を
検討しました。乳ガン細胞をCX
CL12で前処理すると、CCL21 に
対する応答性が強まることが示
されました。

 これまでに早坂氏らは、CCL2
1 に対する応答性は受容体CCR7
の二量体化(2つの分子が接近
して存在)により調節されてい
ることを明らかにしています。
CXCL12の前処理が乳ガン細胞に
及ぼす影響を検討したところ、
CCR7の二量体化が促進されると
ともにCCL21 の結合能が亢進す
ることが示されました。また、
乳ガン細胞株を移植したマウス
に形成された腫瘍組織を解析す
ると、CXCL12は腫瘍間質に、CC
L21 はリンパ管周囲に発現して
いました。

 人工的な生体組織モデルを用
いて、ケモカインが乳ガン細胞
の遊走に及ぼす影響を検討した
所、CXCL12で前処理した乳ガン
細胞は、CCL21 が集中するリン
パ管周囲に局在していました。
これにより、CXCL12がCCL21 に
対する細胞応答性を促進し、リ
ンパ管周囲に乳ガン細胞が遊走
しやすくなることで、リンパ節
転移が活発化する可能性が示唆
されました。

 以上から、早坂氏らは「乳ガ
ン細胞が腫瘍間質に発現したケ
モカインCXCL12によって刺激さ
れることで、リンパ管内皮細胞
から産生されるケモカインCCL2
1 の細胞遊走を誘導し、リンパ
節転移につながることが示され
た」と結論しました。「今後は
他のガン種についてもケモカイ
ンの種類と役割を解析すること
で、ガン転移の詳細が明らかに
なるはずだ」と期待を寄せてい
ます。

 ガンのリンパ節転移について

解説している動画です。

 
 


 
 
 酸性物質を産生する。  笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 アッビイ合同会社進行期パーキンソン病治療薬承認申請

 
 
 
 
 
 アッヴィ合同会社はこのほど、
進行期パーキンソン病治療薬・
ABBV-951(開発コード、一般名
: ホスレボドパ/ホスカルビド
パ水和物)について、日本で承
認申請したと発表しました。同
剤はレボドパ/カルビドパ (以
下、LD/CD) の分子構造を改良
し、外科的手術を必要としない
持続皮下注製剤として開発され
たものです。

 パーキンソン病では、疾患の
進行に伴い脳内のドパミン濃度
が不安定になり,経口LD/CD薬の
頻回な服用が必要となります。
一部の患者さんでは,平均10-11
錠/日の経口投与により,患者さ
んや介護者の負担が大きくなっ
ています。また、経口薬や貼布
剤などの治療では症状コントロ
ールが難しい進行期パーキンソ
ン病患者さんに対する治療選択
肢は現在、手術を必要とするデ
バイス補助治療が主であり、侵
襲性が低く、入院や術後管理な
どの患者さんへの負担が少ない
新たな治療選択肢が求められて
います。

 ABBV-951は持続皮下注射用の
LD/CDのプロドラッグ溶液です。
同社は、経口薬で運動症状を制
御できない進行期パーキンソン
病の治療薬として開発しました。

 指定難病のパーキンソン病は、
振戦(ふるえ)、筋固縮、動作
緩慢、平衡障害などの症状を特
徴とした進行性かつ慢性の神経
障害で、根治療法は未だ見つか
っていません。パーキンソン病
は50代頃から症状がみられ、国
内患者数は約16万人と年々増加
傾向にあります。

 パーキンソン病の基礎知識に

ついて解説している動画です。

 
 


 
 
 
 経口薬でコントロール不良で
ある傾向がある。     笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
編集後記

 
 近畿大学理工学部生命科学科
准教授の早坂晴子氏らが、マウ
スを用いた実験で細胞遊走を誘
導するケモカインの役割を分析
しました。その結果、乳ガン組
織で発現したケモカインCXCL12
による刺激がケモカインCCL21
の細胞遊走を誘導してリンパ節
転移につながるという「リンパ
節転移のメカニズム」が明らか
になったと、Cancer Sci(2022
年2月8日オンライン版)に発表
したのは、素晴らしい業績です。
リンパ節転移のメカニズムが、
解明されれば、転移抑制の治療
が可能になることが、期待され
ます。
 アッヴィ合同会社がこのほど、
進行期パーキンソン病治療薬・
ABBV-951(開発コード、一般名
: ホスレボドパ/ホスカルビド
パ水和物)について、日本で承
認申請したと発表したのは、喜
ばしいことです。経口薬や貼布
剤などの治療では症状コントロ
ールが難しい進行期パーキンソ
ン病患者さんに対する治療選択
肢は現在、手術を必要とするデ
バイス補助治療が主であり、外
科的手術を必要としない持続皮
下注製剤として開発されたもの
というのは、画期的な製剤とい
うことができるでしょう。

 画期的な製剤で、市場が活気
づく。          笑

 
 
 
 
 
 
************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」www.mag2.com/m/0000121810.html
(イジニイワト)

発行者名  医療法人社団 永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。
このエントリーをはてなブックマークに追加 
 

コメント

コメント

コメントがありません。お気軽にどうぞ。