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2023-02-08 08:53:27

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診療マル秘裏話  Vol.902 令和3年3月24日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)CAFsの細胞老化が,胃ガン腹膜播種巣進展に重要
2)武漢熱ウイルススパイク蛋白質構造変化メカニズム を解明

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 CAFsの細胞老化が,胃ガン腹膜播種巣進展に重要

 
 
 
 
 熊本大学は2月24日、ガン関
連線維芽細胞(CAFs)の細胞老
化が、胃ガン腹膜播種巣の進展
に重要であることを、ガン性腹
水を用いた細胞分画の解析によ
って証明したと発表しました。
この研究は、同大国際先端医学
研究機構(IRCMS) 消化器ガン
生物学の安田忠仁研究員、小岩
麻由医学科学生、同大学院生命
科学研究部消化器外科学の馬場
秀夫教授らの研究グループと、
ガン研究所、シンガポール国立
大学との共同研究グループによ
るものです。研究成果は、「Ce
ll Reports」オンライン版に掲
載されています。

 スキルス胃ガンに代表される
悪性度の高い胃ガンは、腹膜播
種を起こしやすく、播種巣の進
展は予後に深く関わることが分
かっていました。そのため、播
種巣を制御することは、胃ガン
患者さんの予後を改善する上で
重要な課題であると考えられて
きました。

 研究グループがスキルス胃ガ
ン患者さんの術後検体から樹立
した、ガン関連線維芽細胞(CA
Fs)を用いて、ヒトの炎症環境
を模倣した実験を行った所、CA
Fsはガンとその周囲の細胞から
放出される炎症性物質(サイト
カイン)によって、細胞増殖の
停止、いわゆる細胞老化を起こ
していることが判明しました。
老化を起こした細胞は、ガン細
胞の進展を助ける老化関連蛋白
質を分泌し続けることが知られ
ています。そこで今回、この蛋
白質が慢性的に分泌されるメカ
ニズムとして、CAFsのエピゲノ
ムの変化に注目しました。エピ
ゲノムとは、遺伝子機能のON/O
FFを化学修飾によって後天的に
調節する仕組みのことです。ゲ
ノムをアセチル化やメチル化な
どで化学修飾することで、遺伝
子機能を促進したり、抑制した
りします。主にDNA が巻き付い
ているヒストンという蛋白質が
修飾されます。

 詳細な遺伝子解析を行った所、
実際に細胞老化を起こしたCAFs
では、特徴的なヒストン修飾の
変化によって、細胞老化関連物
質を形成する遺伝子の活性化が
生じていました。その結果、老
化CAFsでは、ガン進展を促進す
る老化関連蛋白質を持続的に分
泌していることを明らかになり
ました。さらに、スキルス胃ガ
ン患者さんのガン性腹水におい
て多様な細胞分画の解析を実施
し、腹水中にも細胞老化を起こ
したCAFsが存在することを解明
しました。

 今回の研究成果により、胃ガ
ン腹膜播種による腹水中のCAFs
の存在意義が明らかになりまし
た。同研究成果をふまえると、
腹膜播種の進展を防ぐには、播
種巣のガン細胞だけでなく、細
胞老化を起こしたCAFsをターゲ
ットとした新たなガン腹膜播種
の治療戦略が期待されます。

 ガン関連線維芽細胞について

解説している動画です

 
 


 
 
 商才の詳細な部分が報告され
る。           笑

 
 
 
 
 
 
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2】 武漢熱ウイルススパイク蛋白質構造変化メカニズム を解明

 
 
 
 
 
 
 「スーパーコンピューター「
富岳」などを活用し、武漢熱ウ
イルス表面にあって感染に重要
な働きをするスパイク蛋白質の
構造変化のメカニズムを解明し
た」と理化学研究所(理研)の
研究グループが発表しました。
同蛋白質上にある糖鎖の役割を
突き止めたことがポイントで、
感染予防や治療に向けた新しい
医薬品の開発研究に貢献できる
ということです。

 研究グループが活用したスパ
コンは富岳と、東京大学と筑波
大学が共同運営する「Oakfores
t-PACS」です。理研計算科学研
究センター粒子系生物物理研究
チームの杉田有治チームリーダ
ーらは、2つのスパコンで武漢
熱ウイルスのスパイク蛋白質の
分子動力学的なシミュレーショ
ンを実施しました。

 研究グループなどによると、
武漢熱ウイルスは表面にあるス
パイク蛋白質が人の細胞表面の
「ACE2受容体」に結合、吸着し
て細胞内に侵入します。この過
程が感染初期段階の最重要過程
です。この蛋白質の立体構造は
特殊な電子顕微鏡により明らか
にされていますが、常に動いて
構造は少しずつ変化します。

 これまでの研究でスパイク蛋
白質はダウン型、アップ型と呼
ばれる2つの構造をとり、人の
ACE2受容体と結合していない時
は2つの構造を行き来していま
すが、結合して感染する時はア
ップ型の構造になって安定する
ことが分かってきました。また、
スパイク蛋白質表面の多くのア
ミノ酸が、単糖が長く連なった
糖鎖によって「修飾」されてい
ることも判明しています。修飾
とは、蛋白質が化学的に構造や
機能に影響を受けることで、糖
鎖修飾は医薬品開発などに利用
されます。

 
 このようにスパイク蛋白質上
の糖鎖が感染過程で重要な存在
であるとみられることが明らか
になって多くの研究者が注目し
ていました。しかしこの糖鎖の
分子構造やウイルス感染時の役
割は分かっていませんでした。

 シミュレーションの結果、ス
パイク蛋白質表面の165番目、2
34番目、343番目の3つのアミノ
酸(アスパラギン)をそれぞれ
修飾する糖鎖が受容体結合部分
の構造に大きく影響を与えてい
ることが分かりました。また、
ダウン型構造では3つの受容体
結合部分の境界面が広い範囲で
正に帯電しており、静電的な反
発などによってアップ型への構
造変化が起きることも判明した
ということです。

 武漢熱ウイルス感染症の治療
薬などを開発するためには、ウ
イルス感染の詳細なメカニズム
を解明する必要があります。今
回の成果について研究グループ
は、「武漢熱ウイルスの感染に
関わる分子レベルのメカニズム
を解明したことになる」として
います。

 スパイク蛋白質の構造変化で
重要な役割を担うことが明らか
になった糖鎖に着目し、この蛋
白質とACE2受容体との結合を阻
害する方法などを見つければ、
新たな医薬品の開発につながる
と期待されています。

 研究グループは杉田チームリ
ーダーのほか、同チームの小林
千草技師、理研開拓研究本部杉
田理論分子科学研究室の森貴治
専任研究員、ジョン・ジェウン
専任技師らで構成されています。
研究成果は2月13日付の米科学
誌「バイオフィジカル・ジャー
ナル」電子版に掲載されました。

 富岳について解説している動

画です。

 
 


 
 
 義姉は、専任技師だった。笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 熊本大学が2月24日、ガン関
連線維芽細胞(CAFs)の細胞老
化が、胃ガン腹膜播種巣の進展
に重要であることを、ガン性腹
水を用いた細胞分画の解析によ
って証明したと発表したのは、
素晴らしい業績です。スキルス
胃ガンに代表される悪性度の高
い胃ガンは、腹膜播種を起こし
やすく、播種巣の進展は予後に
深く関わることは、周知の事実
です。この研究成果をふまえる
と、腹膜播種の進展を防ぐには、
播種巣のガン細胞だけでなく、
細胞老化を起こしたCAFsをター
ゲットとした新たなガン腹膜播
種の治療戦略が必要不可欠であ
ると言えるでしょう。
 「スーパーコンピューター「
富岳」などを活用し、武漢熱ウ
イルス表面にあって感染に重要
な働きをするスパイク蛋白質の
構造変化のメカニズムを解明し
た」と理化学研究所(理研)の
研究グループが発表したのは、
素晴らしい業績です。スパイク
蛋白質の構造変化で重要な役割
を担うことが明らかになった糖
鎖に着目し、この蛋白質とACE2
受容体との結合を阻害する方法
などを見つけることで新たな医
薬品の開発につなげて頂きたい
と考えています。ACE2受容体と
の結合を阻害する方法としては、
シンプルにACE2受容体阻害薬の
投与が妥当と考えられます。

 理化学研究所(理研)の利権
を考える。        笑

 
 
 
 
 
 
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