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2023-02-03 09:20:43

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診療マル秘裏話  号外Vol.2392 令和4年4月3日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)ガン細胞にのみ異常なスプライシング起こす核酸医薬
2)超音波検査を受けたOLの1/4,子宮内膜症等所見

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 ガン細胞にのみ異常なスプライシング起こす核酸医薬

 
 
 
 
 
 
 RAS は細胞増殖に関わる蛋白
質で、KRAS、NRAS、HRASの3種
類があります。これらの遺伝子
に変異が起こると、発ガンが促
進されることが知られています。
国立ガン研究センター研究所分
子病理分野の小林祥久氏と米・
Dana-Farber Cancer Institute
のPasi A. Jänne 氏らの国際共
同研究チームは、KRAS遺伝子変
異の1つであるQ61KがRNAへの転
写時に異常なスプライシングを
起こすと、薬剤耐性が消失する
ことを発見しました。さらに、
人為的にガン細胞にのみ異常な
スプライシングを起こす核酸医
薬をデザインし、細胞とマウス
で実験した結果、増殖が阻害さ
れたとNature(2022年3月2日オ
ンライン版)に報告しました。

 さまざまな種類のガンの発生
と関連があるとされるRAS 遺伝
子変異だが、30年以上研究され
ているにもかかわらず、有効な
治療薬として応用された例は少
ない。ガン患者さんの約3割にR
AS遺伝子の変異が検出されると
いわれ、特にKRAS遺伝子変異は
膵ガン患者さんの95%以上で確
認されたとの報告があります(
Nat Rev Drug Discov 2014; 13:
828-851)。 昨年(2021年)に
米国で、今年は日本で、KRAS G
12C 変異を起こすガンの増殖を
特異的に阻害する薬が承認され
ました。

 小林氏らはまず、発ガン作用
または薬剤耐性を持つことが知
られているKRAS G12C、G12D、Q
61K、A146T変異を、肺ガン細胞
株のKRAS遺伝子上に生じさせま
した。すると、意外なことにKR
AS Q61K だけは薬剤耐性を引き
起こしませんでした。そこで詳
細な解析を行うと、Q61Kのすぐ
隣のG60にサイレント変異(G60
G) を伴った場合にのみ、薬剤
耐性を生じることが判明しまし
た。サイレント変異は、塩基は
変わるがアミノ酸配列は変わら
ないDNA変異であり,これまであ
まり注目されてきませんでした。

 さらに検討を行った結果、薬
剤耐性を起こさなかったKRAS Q
61K(G60Gサイレント変異なし)
には異常なスプライシングが起
きていること、また、これによ
って1)エクソン3のうち112塩基
がスキッピングしたアイソフォ
ーム,2)エクソン3全体がスキッ
ピングしたアイソフォーム―の
2種類の転写物が存在すること
を確認しました。

 そして1)の異常なスプライシ
ングからガン細胞が自己を守る
ためにG60Gサイレント変異が生
じること、KRAS Q61付近の領域
は2)のスプライシングに対して
脆弱であることも明らかになり
ました。

 これらの結果から小林氏らは、
人為的に異常なスプライシング
を誘導することで、ガン細胞の
増殖を抑制する治療戦略を考案
しました。KRAS Q61変異のある
pre-mRNA配列に対して特異的に
結合するように核酸医薬をデザ
インし、細胞実験とマウス実験
で、その効果を確認したという
ことです。

 同氏らは、変異のあるガン細
胞だけを特異的に攻撃できれば、
正常細胞に結合しないため副作
用の軽減が期待できるとしてい
ます。さらに、「スプライシン
グに対して脆弱な領域の発見は、
RAS 以外の遺伝子にも応用でき
る可能性がある」と述べました。

 核酸医薬品について解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 
 応用問題に鷹揚として挑戦す
る。           笑

 
 
 
 
 
 
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2】 超音波検査を受けたOLの1/4,子宮内膜症等所見

 
 
 
 
 
 丸の内で働くおよそ300 人の
女性が超音波検査を受診したと
ころ4人に1人に子宮内膜症など
の所見が認められたことが分か
りました。

 三菱地所など9社が丸の内な
どで働く女性およそ300 人にア
ンケートと検診を行ったところ、
超音波検査を受けた4人のうち1
人に子宮筋腫や子宮内膜症など
の所見が認められ、そのうちの
3割は産婦人科に通院したこと
がありませんでした。

 健康診断のチェック項目に超
音波検診が入っている企業が少
ないことが要因とみられます。

 この調査を踏まえた報告書で
は、会社が超音波検診の費用補
助を行ったり、難しい場合は健
康診断のオプションにしたりす
ることで認知の向上を図ること
を提言しています。

 子宮筋腫と更年期障害につい

て解説している動画です。

 
 


 
 
 環境負荷の低減を提言する。


 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 国立ガン研究センター研究所
分子病理分野の小林祥久氏と米・
Dana-Farber Cancer Institute
のPasi A. Jänne 氏らの国際共
同研究チームが、KRAS遺伝子変
異の1つであるQ61KがRNAへの転
写時に異常なスプライシングを
起こすと、薬剤耐性が消失する
ことを発見し、さらに、人為的
にガン細胞にのみ異常なスプラ
イシングを起こす核酸医薬をデ
ザインし、細胞とマウスで実験
した結果、増殖が阻害されたと
Nature(2022年3月2日オンライ
ン版)に報告したのは、素晴ら
しい業績です。この核酸医薬が
臨床試験で安全性と有効性が確
認でき、臨床で使えるようにな
ることを期待したいと思います。
 丸の内で働くおよそ300 人の
女性が超音波検査を受診したと
ころ4人に1人に子宮内膜症など
の所見が認められたことが分か
ったのは残念なことです。どう
してこのような結果が出たのか、
徹底的な疫学的調査が必要であ
ると思います。現段階で推測で
きることは、OLの方々は、職場
の環境がこのような病気を発症
する要因を孕んでいるというこ
とです。たとえば、時間に追わ
れて、外食することが多いとか、
外食も西洋風の食事が多いとか、
西洋風の食事を好んで食べると
かということではないかと思い
ます。食生活を改善するだけで
このような結果はかなり改善さ
れると私は考えています。

 艦橋の環境を改善する。 笑

 
 
 
 
 
 
 
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