最近の号外Vol.2391メルマガ

  1. Home
  2. 最近の号外Vol.2391メルマガ

2023-02-02 09:01:24

カテゴリー:ブログ



藤田のブログランキングアップにご協力お願いします。
以下のバナーをぽちっとクリックお願いします。


病院・診療所ランキング

 
診療マル秘裏話  号外Vol.2391 令和4年4月2日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)ミヤリ菌が免疫チェックポイント阻害剤の効果を増強する
2)肺非結核性抗酸菌発症遺伝子を特定し新薬登場

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 ミヤリ菌が免疫チェックポイント阻害剤の効果を増強する

 
 
 
 
 
 
 米・City of Hope Comprehen
sive Cancer CenterのNazli Di
zman氏らは、転移性腎細胞ガン
患者さんを対象に、免疫チェッ
クポイント阻害薬のニボルマブ
とイピリムマブの併用療法への
生菌製剤Clostridium butyricu
m MIYAIRI(CBM)588 の上乗せ
効果を検証する医師主導第1相
試験を実施しました。その結果、
CBM588の上乗せにより無増悪生
存期間(PFS) が有意に延長す
ることが示されたと,Nat Med(
2022年2月28日オンライン版)
に発表しました。これまでの研
究から、腸内細菌叢がガン患者
さんの免疫チェックポイント阻
害薬への免疫応答に影響を与え
ることが分かっています。

 Dizman氏らは、CBM588が腸内
細菌叢の変化を介して、免疫チ
ェックポイント阻害薬への免疫
応答を増強させると仮定しまし
た。転移性腎細胞ガン患者さん
において、ニボルマブとイピリ
ムマブの併用療法へのCBM588の
上乗せ効果を検証しました。

 対象は、免疫チェックポイン
ト阻害薬による治療を受けた経
験がない18歳以上の転移性腎細
胞ガン患者さん30例(年齢中央
値66歳、男性72%)。ニボルマ
ブ(3mg/kg)およびイピリムマ
ブ(1mg/kg)を3週間ごとに12
週間投与後、ニボルマブ(480m
g)を月1回継続する併用療法群
と、併用療法にCBM588(80mg)
を1日2回上乗せする群に、1:2
でランダムに割り付け、中央値
で12.2カ月(95%CI 10.6~13.
8カ月) 追跡しました。登録時
と12週間後に採取した糞便を用
いて、腸内細菌叢のメタゲノム
解析を行いました。

 主要評価項目は、腸内細菌叢
におけるビフィズス菌属の相対
的存在量、副次評価項目は治療
の奏効率、PFS,安全性としまし
た。CBM588上乗せ群の1例を除
く29例について解析した所、12
週後のビフィズス菌属の相対的
存在量に併用療法群との有意差
は認められませんでした。しか
しながらPFS 中央値は、併用療
法群の2.5 カ月に対しCBM588上
乗せ群では12.7カ月と有意に延
長した【ハザード比(HR)0.15、
95%CI 0.05~0.47、P<0.001】。

 部分奏効の達成率は、併用療
法群の20%(2例)に対し、CB
M588上乗せ群では58%(11例)
と高い傾向が認められました(
P=0.06)。 有害事象に両群間
で有意差は認められませんでし
た。

 以上から、Dizman氏らは「CB
M588は、ニボルマブとイピリム
マブの併用療法を行う転移性腎
細胞ガン患者さんの臨床転帰を
改善させうることが示された」
と結論しました。「今回の結果
の検証と腸内細菌叢や免疫応答
に及ぼす影響の詳細な解明には、
大規模な研究の実施が必要だ」
と付言しています。

 免疫チェックポイント阻害

剤について解説している動画

です。

 
 


 
 
 懸賞の価値を検証する。 笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 肺非結核性抗酸菌発症遺伝子を特定し新薬登場

 
 
 
 
 
 日本などで近年患者さんが急
増している「肺非結核性抗酸菌
症」という慢性の呼吸器感染症
があります。進行はゆっくりだ
が根治は難しく、患者さんを長
く悩ませます。2021年は日本を
中心とした国際チームがこの病
気の発症に関わる遺伝子の一つ
を特定したと発表したほか、新
薬も登場するなど前向きな動き
が続きました。専門家は「病気
を理解するには、病原菌の特徴
とともに、人間側の要因を解明
する研究を息長く続ける必要が
ある」と話します。

 この病気は、結核菌と同じ抗
酸菌の仲間が引き起こす。20
0種類以上の菌があり、まとめ
て「非結核性抗酸菌(NTM)」
と呼ばれています。土や水回り
などの環境中に広く分布してい
て、土ぼこりや風呂のシャワー
の霧を吸い込んだりして感染す
るといわれています。

 日本では「肺MAC症」とい
う病名の患者さんがほとんどで
す。人から人への感染はなく、
無症状が多いようです。しかし、
せきや発熱などの症状が出た時
点ではかなり進行していて治療
しても完治しにくく、呼吸不全
や肺の損傷で亡くなる場合もあ
ります。患者さんには中高年の
女性が多いとされています。
世界的に患者さんは増えてお
り、中でも東アジアが目立ちま
す。慶応大などの調査によると、
2014年の国内の患者さん発生率
は人口10万人当たり14.7人で、
2007年の2.6 倍に増えました。
その後全国的な調査はありませ
んが、慶応大の南宮湖(なむぐ
ん・ほう)専任講師(感染症学)
は「ここ数年も増えていると思
う」と話しています。

 地域や性別で患者数に偏りが
あるため、発症には患者さんの
遺伝的な特徴が関わっていると
みられ、2019年から国際共同研
究が始まりました。日本、米国、
韓国、台湾、オーストラリアが
参加し、約3千人の患者さんか
ら血液を提供してもらってゲノ
ム(全遺伝情報)を調べていま
す。
慶応大などのチームが、国内
の患者さん1066人のゲノムを解
析した所、体内のイオンや酸性
度の調節に関わる遺伝子の一部
が健康な人と異なっていました。
チームはこの変化が、感染のし
やすさや体内から菌を排除する
機能に影響している可能性があ
ると見られます。韓国や欧州の
患者さんでも同様の特徴が見つ
かったということです。

 ただ、今回の遺伝子だけでは
東アジアや中高年女性に患者さ
んが多い理由を説明できません。
この病気には他にも多くの遺伝
子が関わっていると考えられる
ことから、南宮さんは「研究に
協力する患者の数が集まるほど
重要な遺伝子が分かり、病気の
解明につながる。病気になりや
すい人、重症化しやすい人が分
かれば、より細やかな治療がで
きるようになるだろう」と研究
の進展に期待しています。

 病気を理解する研究に加えて、
重要なのは治療薬の開発です。
この病気の治療には3種類の抗
生物質を併用するのが基本です。
しかし、年単位で服用する必要
がある上、体内の菌を完全に取
り除くのは難しいとされていま
す。
 米国のバイオ医薬品企業イン
スメッドは新たな治療薬「アリ
ケイス」を開発、日本でも承認
され、7月に発売しました。専
用の機器を使って1日1回吸入
する薬で、基本の抗生物質では
十分な効果がなかった患者さん
が対象となります。臨床試験で
は、たんから菌が検出されなく
なる効果が確認されました。

 慶応大の長谷川直樹教授(感
染症学)は「最初の治療の効果
が不十分だった人に次の一手が
あることは非常に重要だ」と話
しています。

 長谷川さんはその上で「この
病気は日単位で病状が変わる急
性の感染症とは異なり、ゆっく
り進行する。患者の遺伝子など
を調べた上で対応に生かす時間
がある」として、研究の重要性
を指摘しました。

 非結核性抗酸菌症について解

説している動画です。

 
 


 
 
 滞欧したことで対応が変化し
た。           笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
編集後記

 
 米・City of Hope Comprehen
sive Cancer CenterのNazli Di
zman氏らが、転移性腎細胞ガン
患者さんを対象に、免疫チェッ
クポイント阻害薬のニボルマブ
とイピリムマブの併用療法への
生菌製剤Clostridium butyricu
m MIYAIRI(CBM)588 の上乗せ
効果を検証する医師主導第1相
試験を実施し、その結果、CBM5
88の上乗せにより無増悪生存期
間(PFS) が有意に延長するこ
とが示されたと,Nat Med(2022
年2月28日オンライン版)に発
表したのは素晴らしい業績です。
ミヤリ菌もこのような使われ方
をするのかと感心しました。
 肺非結核性抗酸菌症という慢
性の呼吸器感染症は、進行はゆ
っくりですが根治は難しく、患
者さんを長く悩ませる病気とい
うのは、本当です。風呂場の黒
ずみの中にいることが多く、こ
こから感染することが分かって
います。私の患者さんもご高齢
の女性でしたが、長く咳に悩ま
され、時々熱を出しては、熱源
の特定に苦慮したのを覚えてい
ます。この方の場合は、当クリ
ニックからの通常の抗生物質が
奏功することが多く、事なきを
得たことが多かったのですが、
奏功しない場合は、入院した病
院に入院して頂くようお話して
いました。

 咳が関を切った様に出てきた
のは、残念でした。    笑

 
 
 
 
 
 
************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」www.mag2.com/m/0000121810.html
(イジニイワト)

発行者名  医療法人社団 永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。
このエントリーをはてなブックマークに追加 
 

コメント

コメント

コメントがありません。お気軽にどうぞ。