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2023-01-01 09:58:08

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診療マル秘裏話  号外Vol.2364 令和4年3月1日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)肝転移病変の抗PD-1/PD-L1抗体の耐性機序解明
2)3回目接種後中和抗体量は,飲酒習慣で15%低下

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 肝転移病変の抗PD-1/PD-L1抗体の耐性機序解明

 
 
 
 
 
 
 抗PD-1/PD-L1抗体による免疫
療法は、さまざまなガンの治療
に用いられるようになりました。
しかし、治療効果が得られない
症例も多く、その原因解明や治
療効果の改善が求められていま
す。国立ガン研究センター先端
医療開発センター発ガン機構研
究グループ細胞情報学分野の熊
谷尚悟氏らは、肝転移病変にお
ける抗PD-1/PD-L1抗体への耐性
機序を解明、Cancer Cell(202
2年1月25日オンライン版)に報
告しました。

 抗PD-1/PD-L1抗体によるガン
免疫療法の実施には、治療効果
を予測するバイオマーカーが必
要となります。現在バイオマー
カーとされているPD-L1 発現レ
ベルは必ずしも治療効果と相関
するわけではなく、より精度の
高いバイオマーカーが求められ
ています。

 熊谷氏らはこれまで、腫瘍微
小環境中の制御系T細胞(Treg)
においてPD-1を高発現している
とPD-1/PD-L1阻害薬に治療抵抗
性を示し、リンパ球のPD-1発現
比(TregのPD-1発現に対するCD
8陽性T細胞のPD-1発現の比率)
が抗PD-1/PD-L1抗体の効果予測
マーカーとなることを報告して
います。しかし、TregがPD-1を
高発現する機序は不明でした。

 熊谷氏らは今回、肺ガンおよ
び胃ガン検体から腫瘍浸潤リン
パ球を抽出し、フローサイトメ
トリーを用いて解析するととも
に、次世代シークエンサーを用
いてガン組織での遺伝子発現の
網羅的解析を実施しました。そ
の結果、腫瘍浸潤Tregにおいて
PD-1高発現の腫瘍では解糖系に
関わる遺伝子が高発現していま
した。また、多重免疫染色の結
果、解糖系が亢進する病態であ
る肝転移病変において、腫瘍浸
潤TregのPD-1発現レベルが高い
という結果が出ました。

 その理由については、腫瘍浸
潤PD-1陽性Tregでは、他のリン
パ球と比べて乳酸トランスポー
ターであるモノカルボン酸トラ
ンスポーター(MCT)1が高発現
していたことから、腫瘍の解糖
系の最終代謝産物である乳酸を
Tregが取り込むことによりPD-1
を高発現する可能性が示唆され
ました。

 そこで同氏らは、乳酸がTreg
のPD-1発現を誘導する機序を検
討するため、さまざまなT細胞
を低糖環境下で乳酸濃度を漸増
させ刺激した結果、CD8陽性T細
胞では低糖環境下において乳酸
濃度の上昇に伴いPD-1発現が減
弱したのに対し、TregではPD-1
発現が亢進したことから、Treg
では乳酸を介した特異的なPD-1
発現機構を有していることが示
されました。

 マウスを用いた検討では、肝
臓内腫瘍は低酸素誘導因子(HI
F)1αの発現上昇を介した解糖
系関連分子の高発現により、皮
下腫瘍や胸腔内腫瘍と比べて乳
酸濃度が上昇すること、肝臓内
腫瘍では腫瘍浸潤CD8 陽性T細
胞のPD-1発現が低下している一
方、TregのPD-1発現は高まるこ
とが分かりました。これは、抗
PD-1抗体に治療抵抗性を示すと
ともに、抗PD-1抗体治療による
腫瘍の急速な増大(hyper prog
ression) との関連が示唆され
ました。

 肝臓内腫瘍を有するマウスに
MCT1阻害薬を投与した結果、CD
8陽性T細胞におけるPD-1発現が
亢進し、TregのPD-1発現は減弱
しました。腫瘍重量はMCT1阻害
薬投与により減少し、抗PD-1抗
体の併用によりさらに減少しま
した。

 以上の結果から、熊谷氏らは
「肝転移病変をはじめとする解
糖系が亢進した腫瘍に対し、乳
酸代謝経路を阻害する薬剤の併
用によって抗PD-1/PD-L1抗体の
治療効果を増強できる可能性が
示唆された。新たな治療標的と
して、臨床開発につながること
が期待される」と展望していま
す。

 免疫チェックポイント阻害剤

について解説している動画です。

 
 


 
 
 
 低糖環境下で、低血糖となり
平身低頭した。      笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 3回目接種後中和抗体量は,飲酒習慣で15%低下

 
 
 
 
 
 
 武漢熱ワクチンの3回目接種
後の中和抗体量について、飲酒
の習慣がある人はない人より約
15%少ないとの研究結果を、国
際医療福祉大の藤田烈・准教授
(感染症疫学)らがまとめまし
た。3回目接種に飲酒が与える
影響に関する大規模研究は国内
初ということです。

 同大は2021年11月から大学関
係者約1000人を対象に研究を開
始しました。今回は同3~5月
に2回接種を受け、12月に米フ
ァイザー製ワクチンで3回目接
種を受けた21~77歳の男女18
7人について、感染を防ぐ中和
抗体の量などを示す抗体価を調
べました。

 飲酒の習慣があると答えたの
は102人で、「ない」が83人、
2人は回答がありませんでした。
飲酒習慣がある人はない人と比
べ、3回目接種後の抗体価が平
均で約15%低いという結果でし
た。今回の調査では飲酒量は調
べませんでした。抗体価は男女
で差はなく、喫煙者は非喫煙者
より低い傾向が出たが飲酒によ
る影響よりは小さいことが分か
りました。

 ワクチン接種による免疫強化
について、飲酒は一般的に悪影
響を与えることが知られていま
す。藤田氏は「武漢熱ワクチン
の場合も、飲酒による肝機能の
低下や免疫細胞の約7割が集ま
る腸管への負担などが影響し、
抗体価の上昇が妨げられたので
は」と指摘しています。

 187人の抗体価は3回目接
種後、平均で約34倍に増えまし
た。年代が若いほど抗体価が高
い傾向が見られました。

 ただ3回目接種の進捗(しん
ちょく)は低調で、接種済みの
人は開始から2カ月たった1月
末時点で対象の約3割にとどま
ります。藤田氏は「高齢者は接
種後も抗体価が若年層より低い
かもしれないが、3回目接種で
十分に上昇する。オミクロン株
と抗体価の関係には不明点も多
いが、重症化予防は期待できる。
世代を問わず可能な限り追加接
種を受けてほしい」と強調して
います。

 飲酒習慣で20%抗体量が減

るということについて解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 
 強力な協調協力体制を強調し
た。           笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 国立ガン研究センター先端医
療開発センター発ガン機構研究
グループ細胞情報学分野の熊谷
尚悟氏らが、肝転移病変におけ
る抗PD-1/PD-L1抗体への耐性機
序を解明,Cancer Cell(2022年
1月25日オンライン版)に報告
したのは、素晴らしい業績です。
抗PD-1/PD-L1抗体による免疫療
法は、さまざまなガンの治療に
用いられるようになった一方で、
奏効率が20%~30%と低く、そ
の原因解明や治療効果の改善が
求められているのは周知の事実
です。奏効率を上げるべく、投
与前に奏功する症例にのみ投与
することは、行われていますが、
耐性機序を解明しようとしたの
は、初めての試みだと思います。
着眼点が鋭く、エレガントな手
法で達成した研究だと思いまし
た。
 武漢熱ワクチンの3回目接種
後の中和抗体量について、飲酒
の習慣がある人はない人より約
15%少ないとの研究結果を、国
際医療福祉大の藤田烈・准教授
(感染症疫学)らがまとめたの
は素晴らしい業績です。飲酒の
習慣は、これ程、免疫に打撃を
与えるのだと思い知らされまし
た。私も、情報発信を行い始め
てから、飲酒することを止めま
した。飲酒すると文章を書くの
は、非常に辛くなります。また、
飲酒後は、気が大きくなり解放
的になるので、飲酒後に書いた
文章を覚めたあとに見て見ると
何これということになりかねま
せん。皆さん免疫強化のために
も、禁酒してみてはいかがでし
ょうか?

 会報で、自我を解放した文章
を発見した。       笑

 
 
 
 
 
 
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