最近の号外Vol.2384メルマガ

  1. Home
  2. 最近の号外Vol.2384メルマガ

2023-01-24 10:39:16

カテゴリー:ブログ



藤田のブログランキングアップにご協力お願いします。
以下のバナーをぽちっとクリックお願いします。


病院・診療所ランキング

 
診療マル秘裏話  号外Vol.2384 令和4年3月25日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)KRAS遺伝子変異の患者に有力な治療選択肢出現
2)筋トレで,総死亡/心血管疾患/ガン/糖尿病リスク低減

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 KRAS遺伝子変異の患者に有力な治療選択肢出現

 
 
 
 
 
 
 肺ガンの新薬が続々と登場し
ています。1月に日本で製造販
売が承認された「ソトラシブ(
商品名ルマケラス)」は、進行
肺ガンのうち「KRAS(ケーラス)
遺伝子変異」というタイプに有
効な世界初の薬です。静岡県立
静岡ガンセンター呼吸器内科の
高橋利明部長に聞きました。

 肺ガンのうち8~9割が「非小
細胞肺ガン」に分類され、ガン
の広がりが狭ければ手術、ガン
が体の中で広がり、手術ができ
なければ放射線や抗ガン剤が適
応となります。しかし近年、ガ
ンには多くの遺伝子変異が存在
し、患者さんごとに違いがある
ことが研究で分かってきました。
そこで手術でガンを取り除けな
い進行・再発ガンの場合、ガン
の原因となっている遺伝子変異
を調べ、患者さんの遺伝子異常
に応じた個別の治療を行います。
これが肺ガンの個別化治療です。

 今回、日本で承認された「ソ
トラシブ」は、KRAS遺伝子変異
のうち、12番目のアミノ酸が変
異した「KRAS G12C変異」 の肺
ガンに対して作用するものです。
「遺伝子変異が判明しているも
のでは、頻度の少ないものも含
め多くの薬が開発されており、
日常診療で使われています」(
高橋部長=以下同)それによっ
て不良だった進行・再発非小細
胞肺ガンの予後が改善しました。
複数剤の薬が開発されている遺
伝子変異ガンでは、生存期間を
延ばせるようになってきました。

 「一方、KRAS遺伝子変異は古
くから確認され、非小細胞肺ガ
ンの腺ガンの中でも日本人で約
10%、欧米人(主に白人)で32
%を占め、欧米人では最も多い
遺伝子変異であるにもかかわら
ず、薬の開発が難しく、有効な
手だてがありませんでした」過
去40年近く「undruggable (薬
にすることができない)」とい
われてきたのが、KRAS遺伝子変
異の肺ガンなのです。肺ガンは
そもそも死亡数が男性では1位、
女性では2位と、相対的に5年生
存率が低いことが分かっていま
す。その肺ガンの中でも、KRAS
遺伝子変異は特に予後が悪いこ
とが知られています。

 「治療としては、免疫チェッ
クポイント阻害剤単剤か、抗ガ
ン剤と免疫チェックポイント阻
害剤の併用療法が行われますが、
KRAS遺伝子変異の中でもKRAS G
12C 遺伝子変異を有する非小細
胞肺ガン患者では、初回の治療
で効果が得られなくなり、次の
治療に進んでも、無増悪生存期
間(ガンが縮小したり安定した
状態の期間)の中央値が3~4カ
月。そういった治療の選択肢し
かありませんでした」

 ところが、結論から言うと、
世界初のKRAS遺伝子変異の薬「
ソトラシブ」は、現状を大きく
変えそうです。製造販売承認に
つながった国際共同第1/2相
臨床試験(CodeBreaK100)では、
日本人を含む126人のKRAS G12C
遺伝子変異陽性の非小細胞肺ガ
ン患者さんに「ソトラシブ」を
1日1回経口投与しました。患者
さんは免疫チェックポイント阻
害剤および、または抗ガン剤の
前治療歴のある人たちです。

 すると、奏効率、つまり事前
に設定された基準を超えた効果
があった患者さんは37.1%。完
全にガンが消えた人も、わずか
4人とはいえ、いました。また、
43.5%の人が、ガンの縮小まで
至らなくても、腫瘍が大きくな
らず安定した状態を保てました。
抗腫瘍効果があったということ
です。「特徴的だったのは、1
年以上にわたって治療継続して
いる人が15%程度いる点です。
長く治療を続けられる。無増悪
生存期間も、これまでの中央値
3~4カ月に対し、ソトラシブは
中央値6.8カ月と,既存治療のほ
ぼ倍でした」薬と関係のある副
作用として、下痢や肝機能障害
が報告されています。

 KRAS遺伝子変異の患者さんに
有力な治療選択肢ができたのは
確かと言えましょう。今後の課
題としては、ほかの遺伝子変異
の分子標的薬と比べると効果が
劣るので、ほかの薬との併用が
どうなるのか。研究が行われる
ということです。

 非小細胞肺ガンの薬物療法に

ついて解説している動画です。

 
 


 
 
 
 今後の課題をコンゴで考える。


 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 筋トレで,総死亡/心血管疾患/ガン/糖尿病リスク低減

 
 
 
 
 
 東北大学は3月1日、これまで
に公表されている研究結果を網
羅的に収集して分析した結果、
筋トレを実施すると、総死亡・
心血管疾患・ガン・糖尿病のリ
スクは10〜17%低い値を示し、
総死亡・心血管疾患・ガンにつ
いては週30〜60分の範囲で最も
リスクが低く、糖尿病は実施時
間が長ければ長いほどリスクが
低くなることが明らかになった
と発表しました。この研究は、
同大大学院医学系研究科運動学
分野の門間陽樹講師、早稲田大
学の川上諒子講師、澤田亨教授
および九州大学の本田貴紀助教
の研究グループによるものです。
研究成果は、「British Journa
l of Sports Medicine」オンラ
イン版に掲載されています。

 ここ数年、健康の維持増進や
体型維持を目的に筋トレを行う
人が増えています。さらに、自
宅で簡単に実施できる筋トレは、
このコロナ禍でますます注目さ
れるようになってきました。筋
トレには、レジスタンストレー
ニング(レジスタンス運動)、
ウェイトトレーニング、自重ト
レーニングなど、筋肉に繰り返
し負荷がかかり、筋力の向上が
期待される活動すべてが含まれ
ます。筋トレにより筋肉がつく
ことはよく知られていますが、
筋トレの実施は疾病の予防や死
亡リスクの減少につながってい
るのか、さらに、リスク減少の
ためにどのくらいの筋トレを実
施すればよいかについてはよく
分かっていませんでした。

 研究グループは、18歳以上の
成人を対象に筋トレと疾病およ
び死亡との関連を長期的に検討
した研究についてシステマティ
ックレビューを実施しました(
1,252件)。 その後、すべての
論文を精査し、信頼でき、かつ、
分析可能な研究を抽出(16件)。
これらの研究結果をもとに結果
を統合するメタ解析を実施し、
筋トレ実施の有無および実施時
間と疾病および死亡リスクの関
連を検討しました。

 分析対象となった疾患は、心
血管疾患(9件)、ガン(7件)、
糖尿病(5件)、部位別のガン
(=肺ガン、膵臓ガン、結腸ガ
ン、膀胱ガン、腎臓ガン、それ
ぞれ2件)、さらに、死因を問
わない死亡(=総死亡、8件)
でした。筋トレを全く実施して
いない群と比較して、筋トレを
実施している群の総死亡および
心血管疾患、ガン、糖尿病のリ
スクは、ウォーキングやランニ
ングなどの有酸素性の身体活動
の影響を考慮しても、10〜17%
低いことが明らかになりました。

 さらに、筋トレの実施時間の
影響を確認した所、総死亡、心
血管疾患、ガンでは週30~60分
の実施で最もリスクが低くなっ
た一方(約10~20%のリスク減
少)、週130〜140分を超えてく
ると筋トレの好影響は消失し、
むしろリスクが高くなることが
判明しました。しかし、糖尿病
については、実施時間が長けれ
ば長いほどリスクが低い結果と
なりました。

 今回の結果は、筋トレの長期
的な健康効果を示している一方、
やりすぎるとかえって心血管疾
患やガン、死亡に対する健康効
果が得られなくなってしまう可
能性を示唆する重要な知見と考
えられます。「健康の維持増進
を目的に筋トレの実施が国際的
に推奨されている中、本知見は
その推奨を支持するとともに、
日本の身体活動ガイドラインに
おいても新たに筋トレの実施を
推奨する根拠となる重要なエビ
デンスの一つとなることが期待
される」と、研究グループは述
べています。

 筋トレにより、病気のリスク

が下がるという動画です。

 
 


 
 
 水晶での占いを推奨する。笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
編集後記

 
 1月に日本で製造販売が承認
された「ソトラシブ(商品名ル
マケラス)」は、進行肺ガンの
うち「KRAS(ケーラス)遺伝子
変異」というタイプに有効な世
界初の薬ということで、素晴ら
しい効果を認めることが明らか
になってきました。今後の課題
としては、ほかの遺伝子変異の
分子標的薬と比べると効果が劣
るので、ほかの薬との併用を考
えるということですが、私は、
抗体薬物複合体(ADC) が良い
のではないかと考えています。
 東北大学は3月1日、これまで
に公表されている研究結果を網
羅的に収集して分析した結果、
筋トレを実施すると、総死亡・
心血管疾患・ガン・糖尿病のリ
スクは10〜17%低い値を示し、
総死亡・心血管疾患・ガンにつ
いては週30〜60分の範囲で最も
リスクが低く、糖尿病は実施時
間が長ければ長いほどリスクが
低くなることが明らかになった
と発表したのは素晴らしい業績
です。今後の運動療法に、その
成果が組み入れられることを、
期待したいと思います。

 結果を公表したことは、好評
だった。         笑

 
 
 
 
 
 
************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」www.mag2.com/m/0000121810.html
(イジニイワト)

発行者名  医療法人社団 永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。
このエントリーをはてなブックマークに追加 
 

コメント

コメント

コメントがありません。お気軽にどうぞ。