最近の号外Vol.2337メルマガ

2022-12-01 16:44:03

カテゴリー:ブログ



藤田のブログランキングアップにご協力お願いします。
以下のバナーをぽちっとクリックお願いします。


病院・診療所ランキング

 
診療マル秘裏話  号外Vol.2337 令和4年1月29日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)特定細胞にのみ反応し薬成分を放出のDNAカプセル
2)ADHDの症状評価と診断に睡眠習慣の考慮が必要

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 特定細胞にのみ反応し薬成分を放出のDNAカプセル

 
 
 
 
 
 
 東北大学と東京工業大学の研
究チームは、複数の種類のDNA
でできた小さなカプセルを作る
ことに成功しました。体内で特
定の細胞にのみ反応して内部の
薬成分を放出するといった使い
方ができます。ガン治療などへ
の応用を見込んでいます。

 カプセルは大きさ数十マイク
ロ(マイクロは100万分の1)メ
ートルほどの球形で中空になっ
ています。2種類の構造をもつD
NAを組み合わせて膜状にし、カ
プセルの材料にしました。特定
の物質にだけ反応する分子をDN
A につければ、ある条件を満た
したときのみカプセルを開く仕
組みにできます。例えばガン細
胞にのみ薬の成分を届けられれ
ば副作用の少ない治療法につな
がります。

 DNA の部品となる分子の組み
合わせを変えれば、カプセルの
形を変更できます。同様に用い
られるリン脂質に比べ設計しや
すいとされています。これまで
もDNA を用いたカプセルは開発
されてきましたが、中が十分に
空いていないなどの課題があり
ました。

 東京工業大の瀧ノ上正浩准教
授は「表面に複数の異なる分子
をつければ、複雑な条件に応じ
てカプセルを開くことも可能だ
ろう」と話しています。体内の
さまざまな状態を見分けて高度
な反応を進め、治療などに生か
す「分子ロボット」の実現にも
つながるとみています。

 このニュースのニュース動画

です。

 
 


 
 
 高度の反応で、硬度を上げる。


 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 ADHDの症状評価と診断に睡眠習慣の考慮が必要

 
 
 
 
 
 
 多動・衝動性と不注意を二大
症状とする注意欠陥・多動性障
害(ADHD)は、18歳以下の約5%、
成人の約2.5%に見られると報告
されています。名古屋大学病院
親と子どもの心療科准教授の高
橋長秀氏らは、浜松医科大学と
共同で「浜松母と子の出生コホ
ート研究(HBC Study)」 の登
録児800 例超の全ゲノムを解析
しました。その結果、8~9歳児
では入眠時刻が遅いとADHDの症
状が現れやすいこと、睡眠習慣
がADHD症状に及ぼす影響の程度
は児が持つ遺伝要因によって異
なることが示されたと、JAMA N
etw Open(2022; 5: e2141768)
に発表しました。同氏らは「児
のADHD症状を評価する際は、睡
眠習慣の丁寧な聴取が必要であ
る」としています。

 以前から、眠気に伴う衝動性
や不注意があるとADHDの症状を
適正に評価できず、正しい診断
に結び付かない可能性が指摘さ
れていました。また、ADHDと診
断された者の20~50%が眠気を
含む睡眠の問題を抱えています
が、ADHD症状の強さと睡眠習慣、
遺伝要因との関連は科学的に明
らかにされていません。

 そこで高橋氏らは、ADHDの発
症と関連する遺伝子変化(遺伝
的リスク)に着目しました。睡
眠習慣と日中のADHD症状との関
連、両者の関連の強さに対する
遺伝的リスクの影響を追究する
目的で、出生時にHBC Study に
登録され8~9歳まで追跡を継続
した児835例(男児408例、女児
427例) を対象に全ゲノム解析
を実施しました。

 約650 万カ所の遺伝子で、AD
HDの発症に関連する遺伝的リス
クスコア(PRS) を算出しまし
た。ADHD症状は評価スケール(
ADHD-RS)を用い,多動・衝動性
症状、不注意症状、総合スコア
を算出しました。睡眠習慣は総
睡眠時間、入眠潜時、入眠時刻
(22時前/後)、中途覚醒を評
価しました。

 対象をADHDのPRS により高リ
スク群(208例),中リスク群(
211例)、低リスク群(218例)
に分け、睡眠習慣とADHD症状と
の関連を検討しました。

 構造方程式モデリングによる
回帰分析の結果、入眠時刻の遅
さのみが、多動・衝動性症状ス
コア (係数±標準誤差:11.26
±2.87、P<0.001)、不注意症
状スコア(同9.16±2.91、P=0
.002)、総合スコア(同9.83±
3.17、P=0.002)と有意に関連
していました。総睡眠時間、入
眠潜時、中途覚醒との関連は認
められませんでした。

 次に、入眠時刻とADHD症状と
の関連を検討した所、高リスク
群、中リスク群では、入眠時刻
が遅いことでADHD症状スコアが
若干高まる傾向が見られました。
その一方で、低リスク群では、
入眠時刻が遅いとADHD症状の総
合スコアが有意に高いという結
果がでました(係数±標準誤差
:21.19±4.77、P<0.001)。

 以上から、高橋氏らは「入眠
時刻が遅い8~9歳児ではADHD様
症状が出やすく、特にADHDの遺
伝的リスクが低い児でその影響
が大きいとされています。ADHD
症状の評価と診断には、睡眠習
慣を考慮することが重要だ」と
結論しています。「既にADHDと
診断されている児についても、
過剰診断になっていないか検討
すべきである」との考えを示し
ています。

 ADHDについて解説している動

画です。

 
 


 
 
 
 過剰診断を、箇条書きにする。


 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 東北大学と東京工業大学の研
究チームが、複数の種類のDNA
でできた小さなカプセルを作る
ことに成功したのは素晴らしい
業績です。 体内で特定の細胞
にのみ反応して内部の薬成分を
放出するといった使い方ができ、
ガン治療などへの応用を見込ん
でいるということですから本当
に驚きました。DNA の部品とな
る分子の組み合わせを変えれば、
カプセルの形を変更でき、同様
に用いられるリン脂質に比べ設
計しやすいとされているのも、
大きな利点であると思われます。
 「浜松母と子の出生コホート
研究(HBC Study)」 の登録児
800 例超の全ゲノムを解析し、
8~9歳児では入眠時刻が遅いと
ADHDの症状が現れやすいこと、
睡眠習慣がADHD症状に及ぼす影
響の程度は児が持つ遺伝要因に
よって異なることが示されたと
医学雑誌に投稿したのは、素晴
らしい業績です。睡眠習慣とAD
HDが、これほど深く関係してい
るとは知りませんでした。ADHD
症状の評価と診断には、睡眠習
慣を考慮することが重要であり、
既にADHDと診断されている児に
ついても、過剰診断になってい
ないか検討すべきというのは、
疾患概念を揺るがす、革命的な
発見と言えるでしょう。

 有名人の睡眠習慣が週刊誌に
すっぱ抜かれる。     笑

 
 
 
 
 
 
************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」www.mag2.com/m/0000121810.html
(イジニイワト)

発行者名  医療法人社団 永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。
このエントリーをはてなブックマークに追加 
 

コメント